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最終章:亡花の禁足地
49日目.解明
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元が道路だったとは思えないほどにでこぼことした道。辺りを見渡すと、ショッピングモールの残骸や、修復時に持ち込んだと思われるクレーンや鉄筋が散乱していた。
定期的に雪崩が起きていたのか、元の舗装された姿から自然の姿に戻りつつあった。
「変わったな……原型がないや。建設中のショッピングモールがあった形跡はいたるところにあるけど。」
「そうですね。にしても、かなり荒れているようですが……蓮斗さんが遭遇した時との違いはありますか?」
「……二次災害などもあってか、だいぶ風化が進んだことぐらいだよ。とは言っても、当時の様子もあまり鮮明に記憶出来ていないけどね。…とても冷静では居られなかったから……」
あの日のあの時は、冷静に周りを見ていられるような状態では無かった。しかし、明らかに今見ている景色とは異なっている。
時間の流れと度重なる二次災害、人間による改修工事などの要因が絡み合って放置された結果、このような荒地となったのだろう。
「……ほら、準備するよ。大事なことは、“探すこと”だけ。今の状態を知れなければ、過去を遡っても憶測の域を出ない。」
「はい。では、俺が必要な物を準備しておくので、蓮斗さんは下見しておいてください。」
「助かる。」
俺は夕焚のお言葉に甘えて、道具の準備を任せて下見歩きをし始めた。
難所を避けて地質調査ができそうな地点の候補を探して歩き回っていた。
「……それにしても、地形と建物の相性が悪かったような崩れ方だ。設計図では相性抜群だったはずだけど、どんな問題が生じたのだろうか……」
確かに発生から長い年月が経っているし、あの後も中途半端に修復したり解体したりしたことで、当時そのままの状態ではない。
それにしても、地表からだと何故そうなったのかが分からない。崩落事故の前後で、地中で大きくバランスが損なわれるようなことがあったことには間違いないはず。
「蓮斗さん、準備が完了しました。」
頭の中で考えられる要因を探りながら下見をしていると、夕焚がそう俺を追っかけて来た。
「大体回り終えて目処は立ってる。俺が調べていくから、夕焚は地表で記録してほしい。」
「任せてください。」
マークした座標を掘削して、梯子を垂らした。本当はちゃんとしたドリルなどを準備して安全に行いたいところだが、荒波を立てないためにも荷物を抑える必要があったため、それは叶わなかった。
少々身体を張ることにはなるけど、もしものことがあっても大丈夫なように対策はしてあるため、あまり心配し過ぎずに続行する。
「……ここは外れか……」
掘った一番下まで降りてみたが、決定打となるものが無かったため、俺は潔く地表に登った。
「どうでしたか……」
「いや、特に。強いて言うなら、地中の緩み具合が平均より酷い。風雨に曝されているここら一帯でも、案外乾いていることが多いんだ。…ただ、この程度で崩れたとは考えにくい。」
今も進行形で風雨が吹き付けているが、地面はそれほど濡れていない。
年中雨が降っていてもこの程度で、それは事故当時から一緒だ。一体どれほど強い雨が集中すれば、今の状態より不安定な状態になるのだという話だ。
「やはり、局所的豪雨の影響でしょうか……」
「そう考えるのが今は一番自然だから、そういうことにしてあるんだ。でも、一つ矛盾が生じている。」
「矛盾……ですか…?」
「ああ。……乾きがあまりにも遅すぎることになる。継続的に水分を吸収しているのだとしても、地中の水分量があまりにも釣り合っていない。」
「今は崩れにくい状態だとしても、当時は相当水分を吸っていた可能性も……」
「その通り。だけど考えてみてほしい。ついさっきも崩落事故は起こった。今調べた場所は崩れるほど緩んでいない。……雨だけが原因なら、八年前からずっと同じ条件のはずだよね。漏れなくこの辺り一帯ならね。」
俺がそう言うと、夕焚は何か勘づいたようだ。しかし、彼はそれを口にすることはなかった。既に俺が真相に目星がついていることにも気づいているのでだろう。
「……!…専門家は違いますね……蓮斗さん、俺に気を遣わず、貴方のペースでお願いします。」
「分かった。」
そうして、俺達は次々にマークした座標を掘削しては、地中の様子を確認していった。
調査は順調に進んでいき、残すところあと一箇所となった。俺の中では、真相はもうほぼ分かっていた。
「夕焚、ここまでの記録を聞かせてほしい。」
最後の座標の掘削を始める前に、改めて俺は夕焚に記録を求めた。
「はい。現時点で計七ヶ所の調査が終わりました。調査した順に並べても、後ろにいくにつれて土壌が緩んできています。」
「ありがとう。……予想通りだ。」
「……そろそろ教えてくれてもいいじゃないですか。蓮斗さん。」
すると、彼は直接説明を求めてきた。恐らく彼も何がしたいのかは分かっているはずだが、その理由は多分知らない。
理由の方が重要な部分となってくるため、彼がどう考えているのか気になった俺は訪ねてみることにした。
「教える前に、君の考えを聞いておきたい。」
「……外的要因ですよね。そうじゃなければ、こんなにも差が顕著に出るはずがありません。…ですが、俺にはその要因に見当がつきません。」
「外的要因ということは正解だ。……実はこのルート、設計図上では水道管が埋められていた場所なんだ。さっき入口付近で雪崩れてきた瓦礫の外周を見てきたら、地面がやたらと濡れていたんだ。少し離れるとそうでもないのにね……」
「まさか、それって……」
「そう。……あの場所には水道管が通っている。何処かが欠損しているはずだよ。…あんな形で明らかになるなんて、手放しに喜べないな……」
結果的に災厄に助けられてしまった形にはなるが、さっきの雪崩で真相に目星がついた。
いつ欠損したのかまでは分からないが、一部分が欠損しているのなら、少なくともショッピングモール敷地内の水道管には影響が出ているはずだと思った。
「……この建造物は素晴らしい造りだ。土壌が少し……いや、けっこう緩んでいたとしても、物ともしない耐久性を持っている。だけど、その相性を生み出していると言っても過言ではない箇所だけは、繊細だ。」
「なるほど……その箇所の調和が崩れてしまったため、全体のバランスが崩れてしまった…というですか?」
「ああ。その箇所こそが今から調べる“時計塔”があった地点だ。」
そう言って、俺はドローンを取り出した。どんな危険が潜んでいるか分からない場所を調査するために、念の為に持参していた。
「ドローンがあるのに何で今まで使わなかったのですか!」
「予備がないからだよ。肝心な時に使えないのが一番困る。……じゃあ…答え合わせをしようか。」
俺は掘削を再開し始めた。その途中で、明らかな境界線を引いて異常に緩んでいる部分に当たったが、気にせずに続ける。
そして遂に、原因と思わしき物の一部が姿を現したため、ドローンを使って観察を試みた。
「……間違いない。水道管が破裂した形跡だ。何なら、まだ何処かから放水されているように見える。……長かった…ここまで本当に……!」
崩落事故の真相に繋がる重要な痕跡の発見に成功した俺は、心の底から“成し遂げた”という感情が溢れ出してきた。
隣で記録していた夕焚はその様子を、静かに見守っていたように感じた。
痕跡を見つけてからもしばらくの間周辺に他の痕跡がないかを調査して、気付けば日が沈みかけた時間となっていた。
「ここまで決定的な情報が出揃えば、もうあとはまとめるだけだ。長居する理由もないし、現地調査はこれにて終了だ。お疲れ様、夕焚。」
「はい。蓮斗さんこそ、お疲れ様でした。」
そう言い合って、俺達は握手を交わした。彼のサポートがあったからこそ、一日で調査を終わらせることができた。やはり同じ志しを持つ仲間は大切だ。
「俺が片付けておくので、蓮斗さんは休んでいてください。今日一日、疲れ切っているはずですよね。」
「お言葉に甘えさせてもらうよ……」
俺がその場に腰を下ろすと、夕焚は片付けに向かった。
ぼーっとしながら辺りを見渡していると、何もないところにぽつんと咲く一輪の花が目に入った。
それに何の魅力を感じたのか、疲れていた俺は無意識にその花のそばに歩み寄っていた。
「美しいな……あれ?何だか眠気が………」
急に眠気が襲ってきて、それに抗えず倒れ込むようにして俺は眠りに就いた。
定期的に雪崩が起きていたのか、元の舗装された姿から自然の姿に戻りつつあった。
「変わったな……原型がないや。建設中のショッピングモールがあった形跡はいたるところにあるけど。」
「そうですね。にしても、かなり荒れているようですが……蓮斗さんが遭遇した時との違いはありますか?」
「……二次災害などもあってか、だいぶ風化が進んだことぐらいだよ。とは言っても、当時の様子もあまり鮮明に記憶出来ていないけどね。…とても冷静では居られなかったから……」
あの日のあの時は、冷静に周りを見ていられるような状態では無かった。しかし、明らかに今見ている景色とは異なっている。
時間の流れと度重なる二次災害、人間による改修工事などの要因が絡み合って放置された結果、このような荒地となったのだろう。
「……ほら、準備するよ。大事なことは、“探すこと”だけ。今の状態を知れなければ、過去を遡っても憶測の域を出ない。」
「はい。では、俺が必要な物を準備しておくので、蓮斗さんは下見しておいてください。」
「助かる。」
俺は夕焚のお言葉に甘えて、道具の準備を任せて下見歩きをし始めた。
難所を避けて地質調査ができそうな地点の候補を探して歩き回っていた。
「……それにしても、地形と建物の相性が悪かったような崩れ方だ。設計図では相性抜群だったはずだけど、どんな問題が生じたのだろうか……」
確かに発生から長い年月が経っているし、あの後も中途半端に修復したり解体したりしたことで、当時そのままの状態ではない。
それにしても、地表からだと何故そうなったのかが分からない。崩落事故の前後で、地中で大きくバランスが損なわれるようなことがあったことには間違いないはず。
「蓮斗さん、準備が完了しました。」
頭の中で考えられる要因を探りながら下見をしていると、夕焚がそう俺を追っかけて来た。
「大体回り終えて目処は立ってる。俺が調べていくから、夕焚は地表で記録してほしい。」
「任せてください。」
マークした座標を掘削して、梯子を垂らした。本当はちゃんとしたドリルなどを準備して安全に行いたいところだが、荒波を立てないためにも荷物を抑える必要があったため、それは叶わなかった。
少々身体を張ることにはなるけど、もしものことがあっても大丈夫なように対策はしてあるため、あまり心配し過ぎずに続行する。
「……ここは外れか……」
掘った一番下まで降りてみたが、決定打となるものが無かったため、俺は潔く地表に登った。
「どうでしたか……」
「いや、特に。強いて言うなら、地中の緩み具合が平均より酷い。風雨に曝されているここら一帯でも、案外乾いていることが多いんだ。…ただ、この程度で崩れたとは考えにくい。」
今も進行形で風雨が吹き付けているが、地面はそれほど濡れていない。
年中雨が降っていてもこの程度で、それは事故当時から一緒だ。一体どれほど強い雨が集中すれば、今の状態より不安定な状態になるのだという話だ。
「やはり、局所的豪雨の影響でしょうか……」
「そう考えるのが今は一番自然だから、そういうことにしてあるんだ。でも、一つ矛盾が生じている。」
「矛盾……ですか…?」
「ああ。……乾きがあまりにも遅すぎることになる。継続的に水分を吸収しているのだとしても、地中の水分量があまりにも釣り合っていない。」
「今は崩れにくい状態だとしても、当時は相当水分を吸っていた可能性も……」
「その通り。だけど考えてみてほしい。ついさっきも崩落事故は起こった。今調べた場所は崩れるほど緩んでいない。……雨だけが原因なら、八年前からずっと同じ条件のはずだよね。漏れなくこの辺り一帯ならね。」
俺がそう言うと、夕焚は何か勘づいたようだ。しかし、彼はそれを口にすることはなかった。既に俺が真相に目星がついていることにも気づいているのでだろう。
「……!…専門家は違いますね……蓮斗さん、俺に気を遣わず、貴方のペースでお願いします。」
「分かった。」
そうして、俺達は次々にマークした座標を掘削しては、地中の様子を確認していった。
調査は順調に進んでいき、残すところあと一箇所となった。俺の中では、真相はもうほぼ分かっていた。
「夕焚、ここまでの記録を聞かせてほしい。」
最後の座標の掘削を始める前に、改めて俺は夕焚に記録を求めた。
「はい。現時点で計七ヶ所の調査が終わりました。調査した順に並べても、後ろにいくにつれて土壌が緩んできています。」
「ありがとう。……予想通りだ。」
「……そろそろ教えてくれてもいいじゃないですか。蓮斗さん。」
すると、彼は直接説明を求めてきた。恐らく彼も何がしたいのかは分かっているはずだが、その理由は多分知らない。
理由の方が重要な部分となってくるため、彼がどう考えているのか気になった俺は訪ねてみることにした。
「教える前に、君の考えを聞いておきたい。」
「……外的要因ですよね。そうじゃなければ、こんなにも差が顕著に出るはずがありません。…ですが、俺にはその要因に見当がつきません。」
「外的要因ということは正解だ。……実はこのルート、設計図上では水道管が埋められていた場所なんだ。さっき入口付近で雪崩れてきた瓦礫の外周を見てきたら、地面がやたらと濡れていたんだ。少し離れるとそうでもないのにね……」
「まさか、それって……」
「そう。……あの場所には水道管が通っている。何処かが欠損しているはずだよ。…あんな形で明らかになるなんて、手放しに喜べないな……」
結果的に災厄に助けられてしまった形にはなるが、さっきの雪崩で真相に目星がついた。
いつ欠損したのかまでは分からないが、一部分が欠損しているのなら、少なくともショッピングモール敷地内の水道管には影響が出ているはずだと思った。
「……この建造物は素晴らしい造りだ。土壌が少し……いや、けっこう緩んでいたとしても、物ともしない耐久性を持っている。だけど、その相性を生み出していると言っても過言ではない箇所だけは、繊細だ。」
「なるほど……その箇所の調和が崩れてしまったため、全体のバランスが崩れてしまった…というですか?」
「ああ。その箇所こそが今から調べる“時計塔”があった地点だ。」
そう言って、俺はドローンを取り出した。どんな危険が潜んでいるか分からない場所を調査するために、念の為に持参していた。
「ドローンがあるのに何で今まで使わなかったのですか!」
「予備がないからだよ。肝心な時に使えないのが一番困る。……じゃあ…答え合わせをしようか。」
俺は掘削を再開し始めた。その途中で、明らかな境界線を引いて異常に緩んでいる部分に当たったが、気にせずに続ける。
そして遂に、原因と思わしき物の一部が姿を現したため、ドローンを使って観察を試みた。
「……間違いない。水道管が破裂した形跡だ。何なら、まだ何処かから放水されているように見える。……長かった…ここまで本当に……!」
崩落事故の真相に繋がる重要な痕跡の発見に成功した俺は、心の底から“成し遂げた”という感情が溢れ出してきた。
隣で記録していた夕焚はその様子を、静かに見守っていたように感じた。
痕跡を見つけてからもしばらくの間周辺に他の痕跡がないかを調査して、気付けば日が沈みかけた時間となっていた。
「ここまで決定的な情報が出揃えば、もうあとはまとめるだけだ。長居する理由もないし、現地調査はこれにて終了だ。お疲れ様、夕焚。」
「はい。蓮斗さんこそ、お疲れ様でした。」
そう言い合って、俺達は握手を交わした。彼のサポートがあったからこそ、一日で調査を終わらせることができた。やはり同じ志しを持つ仲間は大切だ。
「俺が片付けておくので、蓮斗さんは休んでいてください。今日一日、疲れ切っているはずですよね。」
「お言葉に甘えさせてもらうよ……」
俺がその場に腰を下ろすと、夕焚は片付けに向かった。
ぼーっとしながら辺りを見渡していると、何もないところにぽつんと咲く一輪の花が目に入った。
それに何の魅力を感じたのか、疲れていた俺は無意識にその花のそばに歩み寄っていた。
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