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ChapterⅧ:FinalZone
No146.I want to steal your first time
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兄上の他界を見送った後、俺は車に乗せられ東京へと戻っていた。
「お兄様の死、お悔やみ申し上げます。聖薇様。」
「……いや、彼はこの未来をわかっていたはず。悔しいが、何をしても変わらなかったのかもしれない。」
「……間違い無いのかもしれませんね。」
兄上の思考はよく分からない。ただ、俺は兄上に価値感を教養された。
兄上だけじゃない。彼の…彼らの教えは、次世代に残り続けるだろう。
Enter……。暗殺者社会の伝説のチームだ。
そうこうしていると、東京に既に入っており、気付けば主戦場トなった区画に入っていた。
車はサイレンスの規制線テープを破り、生命再起会本部へと向かって行った。
「俺達の知らない所で、こんな事態になっていたとは……。」
ずっと地下で戦闘していたから分からなかったが、規制線内は混沌を極めていた。
ビルは倒壊し、道路はグチャグチャ。サイレンス・プレデスタンスのテントがあちこちに張られ、死体が倒置されていた。この戦闘での被害を露骨に表している。
「他の奴らが心配だな……。双方、半分くらいは死んだのか。っても敵の過半数はクローンか。」
「敵の生身の人間はほとんど殺したか、拘束したようですよ。生命再起会の処分に関しては公に出せずに行うそうです。会長である清心は政治家ですから、二次災害を防ぐためだそうです。」
「まぁ妥当だな。プレデスタンスのお陰で折角国民が再結託したのに、また割れたら最悪だからな。」
すると、車が停まった。
「到着しました。聖薇様のお役に立てて良かったです。」
「あぁ、これまでご苦労さま。」
「はい。また何処かの機会で……。」
感謝を述べて俺は車を降り、地下研究所へと歩きで向かった。
凛達の居るあの部屋に辿り着いた。
「ありがとう撫戯。待っていてくれて。」
「当然だろ。……聞いたぜ、黒薔薇さんの事……。」
「……今は…そういう気分じゃない。また詳しく話すとする。」
「オーケイ。ほら、」
そう言って、撫戯は意識液体を渡してきた。
「上手くいくといいな。……お前の未来。」
「ッ!……フラグ建てんな。」
「じゃあ、俺はしばらく席を外す。またな。」
撫戯は恋音さんを抱えて、別の部屋に行った。
眠る凛。どれだけ苦労した事か。彼女の応えを聞くために。
「………他人行儀だった。あの健気な誘惑に嵌まるなんて、思いもしなかった。」
俺は彼女に何かしてもらった訳じゃない。どちらかと言うと俺が彼女を何度も救っていた。
それなのに、好意が暴走したのは俺が先だった。正体がバレた時、俺は頭から中が真っ白になった。また、手放す羽目になるのではないかって、不安になった。
だけど、そんな時代ももう終わりだ。俺はこれを機に暗殺者を辞めるつもりだから。
「……はは、手が震える…。もう、取り返したのに……起こせるのに……。」
そう感じる理由は凄く単純だ。“フラれる可能性がない訳ではない”からだ。
応えを聞くという事は、そういう事だ。だが、こんなところで立ち止まっている訳にはいかない。
決心して、俺は液体をかけた。
液体は彼女の身体に染み込み消えた。そして、目が開く。
「歪…君?」
「おはよう。……凛。」
可愛い寝起きな様子で目を擦る凛は、まだ困惑しているようすだが、何かを思い出そうと考えていた。
「あ、そっか……。私、攫われた後眠らされて………。また、歪君が助けてくれたんだよね……?」
「……そうだよ。」
「ありがとう。……何か暗い顔してるね?私が眠っていた間、一体何が……って、あんまり聞かれたくない感じだね。」
天然だが、こういうところは察せられて安心した。
俺が死にかけて救った事、俺がこの一夜だけで大勢の人を殺した事が知られたら、きっと彼女は責任を感じてしまう。
これは俺が勝手にした事。そう認識してほしい。
「あのさ……。」
「どうしたの?」
「寝起き早々悪いんだけどさ……あの日の続き……教えて下さい。」
真剣な眼差しで彼女の目を見てそう言った。すると彼女は気付いたのか顔が少し赤くなった。
「そんな事…聞くまでもないじゃん。分かるよ、君がどれだけ力を尽くしてくれたか。今の私は…君のお陰で幸せだった。……だから………好きだよ……私も。」
「ッ!」
そう言って、彼女は俺にキスをした。
そして、悪戯っぽくこう言った。
「“初めてだから”……。この言葉言われたいよね?男の子は!」
「否定はできないなぁ……。これからは危険な目に遭わせないよう守り抜く。凛の初めては“全部”!……俺が奪ってやるよ。」
「……!…うん。期待しているね。歪!」
こうして、俺達の恋は成就した。兄上はきっと尽くす気で尽くしきれなかったんだ。
死後、彼への土産話になるようなくらい、思い出を作っていこうと心に誓った。宣言通り、俺は凛の心の全てを奪いにいく。節度は守りつつだけどな。
「お兄様の死、お悔やみ申し上げます。聖薇様。」
「……いや、彼はこの未来をわかっていたはず。悔しいが、何をしても変わらなかったのかもしれない。」
「……間違い無いのかもしれませんね。」
兄上の思考はよく分からない。ただ、俺は兄上に価値感を教養された。
兄上だけじゃない。彼の…彼らの教えは、次世代に残り続けるだろう。
Enter……。暗殺者社会の伝説のチームだ。
そうこうしていると、東京に既に入っており、気付けば主戦場トなった区画に入っていた。
車はサイレンスの規制線テープを破り、生命再起会本部へと向かって行った。
「俺達の知らない所で、こんな事態になっていたとは……。」
ずっと地下で戦闘していたから分からなかったが、規制線内は混沌を極めていた。
ビルは倒壊し、道路はグチャグチャ。サイレンス・プレデスタンスのテントがあちこちに張られ、死体が倒置されていた。この戦闘での被害を露骨に表している。
「他の奴らが心配だな……。双方、半分くらいは死んだのか。っても敵の過半数はクローンか。」
「敵の生身の人間はほとんど殺したか、拘束したようですよ。生命再起会の処分に関しては公に出せずに行うそうです。会長である清心は政治家ですから、二次災害を防ぐためだそうです。」
「まぁ妥当だな。プレデスタンスのお陰で折角国民が再結託したのに、また割れたら最悪だからな。」
すると、車が停まった。
「到着しました。聖薇様のお役に立てて良かったです。」
「あぁ、これまでご苦労さま。」
「はい。また何処かの機会で……。」
感謝を述べて俺は車を降り、地下研究所へと歩きで向かった。
凛達の居るあの部屋に辿り着いた。
「ありがとう撫戯。待っていてくれて。」
「当然だろ。……聞いたぜ、黒薔薇さんの事……。」
「……今は…そういう気分じゃない。また詳しく話すとする。」
「オーケイ。ほら、」
そう言って、撫戯は意識液体を渡してきた。
「上手くいくといいな。……お前の未来。」
「ッ!……フラグ建てんな。」
「じゃあ、俺はしばらく席を外す。またな。」
撫戯は恋音さんを抱えて、別の部屋に行った。
眠る凛。どれだけ苦労した事か。彼女の応えを聞くために。
「………他人行儀だった。あの健気な誘惑に嵌まるなんて、思いもしなかった。」
俺は彼女に何かしてもらった訳じゃない。どちらかと言うと俺が彼女を何度も救っていた。
それなのに、好意が暴走したのは俺が先だった。正体がバレた時、俺は頭から中が真っ白になった。また、手放す羽目になるのではないかって、不安になった。
だけど、そんな時代ももう終わりだ。俺はこれを機に暗殺者を辞めるつもりだから。
「……はは、手が震える…。もう、取り返したのに……起こせるのに……。」
そう感じる理由は凄く単純だ。“フラれる可能性がない訳ではない”からだ。
応えを聞くという事は、そういう事だ。だが、こんなところで立ち止まっている訳にはいかない。
決心して、俺は液体をかけた。
液体は彼女の身体に染み込み消えた。そして、目が開く。
「歪…君?」
「おはよう。……凛。」
可愛い寝起きな様子で目を擦る凛は、まだ困惑しているようすだが、何かを思い出そうと考えていた。
「あ、そっか……。私、攫われた後眠らされて………。また、歪君が助けてくれたんだよね……?」
「……そうだよ。」
「ありがとう。……何か暗い顔してるね?私が眠っていた間、一体何が……って、あんまり聞かれたくない感じだね。」
天然だが、こういうところは察せられて安心した。
俺が死にかけて救った事、俺がこの一夜だけで大勢の人を殺した事が知られたら、きっと彼女は責任を感じてしまう。
これは俺が勝手にした事。そう認識してほしい。
「あのさ……。」
「どうしたの?」
「寝起き早々悪いんだけどさ……あの日の続き……教えて下さい。」
真剣な眼差しで彼女の目を見てそう言った。すると彼女は気付いたのか顔が少し赤くなった。
「そんな事…聞くまでもないじゃん。分かるよ、君がどれだけ力を尽くしてくれたか。今の私は…君のお陰で幸せだった。……だから………好きだよ……私も。」
「ッ!」
そう言って、彼女は俺にキスをした。
そして、悪戯っぽくこう言った。
「“初めてだから”……。この言葉言われたいよね?男の子は!」
「否定はできないなぁ……。これからは危険な目に遭わせないよう守り抜く。凛の初めては“全部”!……俺が奪ってやるよ。」
「……!…うん。期待しているね。歪!」
こうして、俺達の恋は成就した。兄上はきっと尽くす気で尽くしきれなかったんだ。
死後、彼への土産話になるようなくらい、思い出を作っていこうと心に誓った。宣言通り、俺は凛の心の全てを奪いにいく。節度は守りつつだけどな。
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