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10.人助けします
しおりを挟むトリシアが出ていったのを見送ってから、この飛行機を一先ず安全な場所に移動させる。
【転移】
ーーー
飛行機ごと【転移】させるのは面倒だったが、俺の領域の屋敷前まで転移させる事が出来た。
と思ったんだが、転移後にふと屋敷の方を見ると屋敷の向こう側、少し離れた所にも飛行機が落ちていた。
「まさかの2機目。この分じゃ何機落ちている事か」
見た感じたった今、墜落してきましたって感じで今にも爆発しそうに燃えていた。
その上、機体には不自然な、そして見覚えのある凹みがあった。
あれはどう見ても女の拳跡に見える。もしかしなくてもトリシアがやってしまったのか。
不幸中の幸いなのは、凹みの角度的に俺の屋敷に当たりそうな飛行機を逸らす為にやった事だと分かったので少し安心したよ。
「何と無くで攻撃した訳じゃないんだな。理由がちゃんとあって良かった」
しかし、建物を狙ったか様に落ちてくるなんて、ルシア姉さんの言った通り攻撃と勘違いをしてもおかしくはないな。偶然だとは思うけど。
今思えば、【逆転送】でトリシアを呼んだ時、待機時間が5分といつもより長かったな。てっきり風呂かトイレだと思っていたのに、この飛行機の対処をしていたのか。
少し失礼な事を思ってしまったかな?
まあ、5歳児のトリシアだから別にいいか。
それよりも早くどうにかしないとな。このまま爆発でもされれば俺の屋敷にも被害がいくからね。
空を跳びながら、飛行機に近づいていき機体に触れる。
「まずは浮かせないと」
【反重力】
魔法陣が飛行機全体と通ると、重力をゼロになったので軽く引っ張り機体を浮かせる。
「そして、仕舞う」
【収納】
爆発しそうな飛行機は、黒い空間に包まれていき消えていった。
この【収納】には生き物を入れる事は出来ないので、人が入っている乗り物などを仕舞おうとすれば、生きている人は自動的にその場に残ってしまう。
その代わり既に命のないものは【収納】に入ってしまうがな。
それと、その生きている人の所有物もしまう事が出来ないので、人が乗っている馬車などだと【収納】に入らない事が多い。
でも、飛行機の所有者は居ないので簡単にしまう事が出来、残っているのは生きている人だけだ。
一々死体を分けるのが面倒くさいし、飛行機の爆発を止めようとすれば中の人ごと殺ってしまうので、これが最善策だ。
残された人は飛行機を【収納】に仕舞う前に【反重力】を掛けてあったので宙に浮いたままの状態になっている。
浮いている人を見ると怪我人も結構いるみたいだな。
他にも、どうして浮いているのか分からずに騒いでいる奴もまあまあ居るが一々対応するのが面倒なので、その声をシャットアウトする。
「あまり得意じゃないんだが、怪我人を治すか」
【エリアヒール】
癒しの光に包まれて、怪我をした人達が治っていくが、俺はあまり現代魔法が得意な方ではないので跡が残ったりするけど命が助かるならそんな事どうでも良いよね。
【安楽領域】
怪我を治し終わったので、騒がれる前にさっさと眠らせて、爆発しない方の飛行機に荷物も一緒に全員押し込んでしまう。
【安楽領域】
再度、【安楽領域】を掛けて深い眠りについてもらい。今度は【安楽領域】で飛行機を包んだままにしておく。
【安楽領域】は安らぎの空間を作るだけでなく、快適な空間を作る事も出来る魔法なので、地球に飛行機ごと移動するなら必須の魔法だ。
高度5万メートルに行けば、俺は大丈夫でも乗客は酸欠で死んでしまうからな。つくづく思うが人間の体って弱いよな。
今日は、それを魔人になってから一番実感した日だよ。面倒臭い。
乗客を死なせない様に気を使って色々頑張った気がするが、それも後もう少しの辛抱だぞ、俺。
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