11 / 33
11.里帰りします
しおりを挟む【安楽領域】で環境も整えたし、さっさと地球に里帰りするか。
飛行機に乗り込み、最初に引き剥がした扉を無理矢理嵌めて入り口を閉じる。
そして、今度はコクピットの扉を引き剥がして、中に居る睡眠状態のパイロットを操縦席から降ろして客室の方に適当に投げておく。
さっきと同じ様にコクピットの扉も無理矢理嵌めて閉じる。
そして俺は操縦席に座ってから、機体に触れ。
【反重力】
魔法陣が地面に現れて、俺も含めて飛行機全体の重力をゼロにする。
これで、飛行機は無重力空間にいる状態と同じになり、何処かに力が加われば慣性の法則でその方向に進み続ける宇宙空間と同じ様な状態になっている。
だから、空に向けて
【圧力】
機体の外では地面に飛行機より大きな魔法陣が現れているが、別にオーガエンペラーを倒した時よりも威力がある訳じゃない。威力は機体が壊れない様に軽く、そして機体全体に力が加わる様に、【圧力】を下から空に機体を打ち上げる様に発動した。
飛行機は予定通り空に打ち上がり、地球に向かっていった。
スピードは安全重視なので時速100キロって所だから、大体1時間ぐらいで地球に到着する事になるな。
さて、今更だが何故俺が飛行機の外ではなく、わざわざ室内に入ったかだがこれには理由がある。
その理由とは、俺は飛行機に乗った事がないからだ!
まあ、勿論それもあるけど、本当は目撃されたくないからだね。
世界イデアの人間が地球人を知らない様に、地球人もイデアの住人を知らない。そんな中でいきなり空を飛んでいる所を人を見られても騒ぎになるだけだし、俺も目立ちたくはないから、飛行機内に入って見えない様にしている。
その方が魔法の制御が楽なのも多分にあるが、俺の魔法には姿を消したりするものは無いので、そっちの方が主な理由だな。
ーーー
もうすぐ出発してから30分ぐらい経ち、イデアから地球に入る頃にふと思ったんだが、何でこの飛行機はエンジンが切ってあったんだろうか?
墜落してきたとは言え、エンジンが止まっていたとは考えにくい。という事は墜落した後にエンジンが切られたって事になり、それをやったのはさっき投げたパイロットって事になる。
飛行機本体は俺が上手く降ろしたが、それでもエンジンが止まらなかったら俺はどうしようも無かった筈だ。そんな状態を回避してくれたパイロットを雑な扱いをしてしまったよ。
何かお詫びした方が良いのかな?
そうだな、イデア産の物を何かあげようかな?あげるなら地球には無いものが良いだろうが何が良い…だろ……う…………
ーーー
「ん、ここ何処だっけ? って落ちてる!」
目を覚ますと飛行機が地球に落下している最中だった。
しかも掛けていた魔法も全て解けているみたいだし、どのくらい気絶していたかは分からないが早くどうにかしないと俺以外が死んでしまう。
【安楽領域】
【エリアヒール】
【反重力】
【圧力】×2
【安楽領域】で機体内の空気を正常化して、一応【エリアヒール】を掛けて死んでない人を回復させる。
そして、切れていた【反重力】の魔法を掛け直して重力をゼロにした後、それでも慣性で地球に落ちていっている機体を、蛍を手の平で包むかの様に軽く【圧力】の魔法で優しく挟み動きを止める。
「ふう、これで一先ずは大丈夫だろう」
しかし、何で俺は気絶していたんだ?
最後の記憶は、ファインプレーをしたパイロットに何かあげようかな?と考えていた時か。
そう言えば、確かあの時はもうすぐイデアから地球に入る時だったな。
イデアから地球に入った時に何かあったのか?
世界を渡る事によって何かあったとか?
もし、そうなら乗客たちにも何かあったかもしれないので生死の確認がてら見てくるか。
まあ、気絶していた間は【安楽領域】が切れていたみたいだから、時間によっては最悪全滅かもしれないけど。
しかし、気絶したぐらいで俺の魔法が切れるなんて思いも寄らなかったよ。帰りも気をつけないとな。
乗客を確認しようとコクピットの扉を開けようとした時、何故か扉が最初よりデカくなっている気がした。
試しに扉を触ろうと手を伸ばすと、視界に入ってきたのは子供の手だった。
「これが俺の手か?」
手を振ってみると同じように子供の手も動く。ピースをすれば子供の手もピースし、手を握れば同じように握った。
「本当に俺の手みたいだな」
【収納】
黒い空間から取り出したのは手鏡で、それで今の自分の顔を見ると、そこには10年前の俺の顔が映っていた。
鏡を見ながら顔を触るとやはり鏡に写っている俺も同じように動くって事はもう確実だな。
「原因は分からないが今の俺はイデアに来た時の7歳児の体に戻っているみたいだな」
1
あなたにおすすめの小説
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
好感度0になるまで終われません。
チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳)
子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。
愛され続けて4度目の転生。
そろそろ……愛されるのに疲れたのですが…
登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。
5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。
いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。
そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題…
自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
神様の失敗作ガチャを引かされた俺(元SE)、ハズレ女神たちと寂れた異世界を「再創生(リ・ジェネシス)」する
月下花音
ファンタジー
過労死した社畜SE・天野創が転生したのは、創造神に見捨てられた「廃棄世界」。
そこで待っていたのは、ポンコツすぎて「失敗作」の烙印を押された三人の女神たちだった。
「麦が生えない? ……ああ、これ土壌パラメータの設定ミスですね」
「家が建たない? ……設計図(仕様書)がないからですよ」
創は持ち前の論理的思考と管理者権限を駆使し、彼女たちの「バグ(欠点)」を「仕様(個性)」へと書き換えていく。
これは、捨てられた世界と女神たちを、最強の楽園へと「再創生」する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる