怠惰の魔王

sasina

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19.責任は俺が取ります

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 さっき知り合ったばかりの7歳児に家に泊めてほしいと頭を下げるコスプレをした少女がいる。

 しかも、目の前にな。

「理由」

 そう、どうして俺なんだ?

「理由ですか? それはボッチだった私には知り合いが居ないからです」

 コスプレ少女はあっけらかんとそう言った。

 まあ、俺もボッチだから気持ちは分かるけど。

「家族は?」

「実は私2年前までこの近くのアパートに住んでいたんですが、今日帰ったら既に引き払われていたんです。当たり前ですよね。2年前から家賃を払っていないんですから」

 いや、肝心の家族の話は?

「あ、家族の話でしたね。家族は居ますよ田舎に」

「実家に帰れ」

「それが電車代も無くて」

「走れ」

「私は移動系魔法は持ってないんですよ。私が身体強化だけで走ればコンクリートが壊れてしまいそうで、最初は歩いて帰ろうと思ったけど、ここからだと数日は掛かりますし」

「だから?」

「貴方の家に泊めてもえないかな~?と思いまして」

「分かった」

「そんな事言わずにお願いしますって、え? そんな簡単に良いんですか?」

「対価」

 そう言って手を差し出す。

 お前みたいな奴を何の見返りもなく泊める訳ないだろ。

「えっと、どうぞ」

 コスプレ少女が腰のポーチから取り出して渡してきたのはランク7の魔石だった。

 ランク7の魔石か。この魔石一つで大金貨数枚はする。
 日本円では大金貨1枚で100万円ぐらいの価値だったような気がするが。まあ、これでいいか。

 コスプレ少女から渡された魔石を適当に机に投げて部屋を出る。

「あの~」

 コスプレ少女が何かを言おうとしていたが、無視して部屋を出て琴音姉さんの部屋まで行きノック。

「良いよ」

 琴音姉さんの返事があったので、扉をあけて中に入る。

「どうしたの、鈴?」

 琴音姉さんはテレビゲームをしながら、俺に聞いてきた。

「服の上下貸して」

「良いけど、何に使うの?」

 そう言って琴音姉さんはゲームを中断してその辺にある服と適当に選び俺に渡した。

「ちょっとね」
 
 俺はそれだけ言って、琴音姉さんの部屋を出る。

 琴音姉さんは不思議そうにしていたがゲームの方が気になるのか、あまり深くは考えずにゲームに戻った。

 俺は琴音姉さんの服を持って自分の部屋に戻り、コスプレ少女に持ってきた服を渡す。

「着替えろ」

 いつまでも、ドレスアーマーのままと言う訳にはいかないからな。

「分かりました」

 今の自分の格好と俺の格好を見比べて納得がいったのか、着替えようとした、と思ったら俺が見ている事に気付いたのか顔を赤くする。

「あの、見られていると着替え難いです」

 7歳児に羞恥心を覚えてどうするんだよ。まあ、7歳児に家に泊めてもらえるように頼み込む時点で同じ様なものか。

「さっさとしろ」

 悪いが他人の君から目を離す訳にはいかない。俺が泊めても良いと決めたんだから、俺が責任を持って対処しないとな。

 ドレスアーマーを着替えさせるのも長剣の他に武器を隠し持っていないかを確認したいからだ。武器の携帯位置を知っていないといざという時に対処しづらいからな。
 
 例え使わないと分かっていても確認をしといて損は無い。

 腰のポーチはマジックバックになっていて、色々な物が入っている(武器も含めてね)と思うけど、流石に地球の衣服は持ってないだろうから琴音姉さんに服を借りてきた訳だ。

「はい」

 俺が子供だからと諦めたのか、やっと着替え始めた。

 着替え姿を見ていると、案の定ドレスアーマーの中からは、投擲用の武器やサブ武器だろう短剣が出てきた。

 まあ、当たり前か。ランク7の魔石をポンと渡せるぐらいの冒険者生活をイデアでしているなら、メイン武器しか身に着けていないなんて間抜けはないよな。

 コスプレ少女は琴音姉さんの服に着替え終わり、出てきた武器や着ていたドレスアーマーは腰のポーチに仕舞われた。

「着替え終わりました」

「ん、適当に寛いで」

 扉の鍵を閉めてから、俺はベットに入り寝る。

 もう、夕方なのであまりゆっくりは寝ていられないけどおやすみ。



ーーー



「ん、どうした?」

 扉の鍵が開く音がしたので、部屋から出て行こうとしているコスプレ少女に何で部屋から出るのかを聞く。

「あの、トイレに行きたいんですが」

 コスプレ少女は股を閉じて震えながら聞いてきたので、嘘を付いているようには見えない。と言うか感じからしてかなり我慢した後のように見える。

「起こせば良いのに」

「気持ち良さそうに寝ていたから起こしづらくて」

 む、寝顔を見られていたのか。なんだか少しだけ恥ずかしいかもしれない。いや、全然恥ずかしくない。

「場所教える」

「はい」

 部屋を出てトイレまで案内する。コスプレ少女のトイレが終わるまで待ち一緒に部屋に戻り鍵を掛けてまたベットに入る。

「この部屋にある本やゲームは勝手に使って良いから」

「良いんですか! 懐かしの物が沢山あったから気になっていたんですよ~他にも知らない物もありますしここ2年で出た奴ですよね」

「うん」

 琴音姉さんと気が合いそうな少女だな、彼女は。

 それより、俺はもう一度寝るか。

「おやすみ」

「おやすなさい」
 
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