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20.家族に紹介します
しおりを挟む「あの~呼ばれていますよ?」
コスプレ少女に声を掛けられたので目が覚めた。
コスプレ少女は俺を揺すって起こそうとしていた処で、俺が起きたのでコスプレ少女の手が俺に触れる直前だった。
「もう、大丈夫」
そう言ってから、俺はベットから起き上がり部屋を出て声がするリビングに行く。
「呼んだ?」
リビングに入ると、既に仕事から帰ってきていた柚乃母さんに聞く。
「琴音ちゃんがもうご飯だって!」
「声がデカイ」
寝起きの耳に響く声だな柚乃母さんは。
俺はテレビを見ている柚乃母さんの後ろを通って台所に向かい、琴音姉さんに頼む。
「もう一人分、用意してくれない?」
「もう一人分って晩御飯を?」
「うん、人を泊める事になった」
「今日はカレーだから良いけど、そう言う事は前もって言ってくれないと用意出来ないよ」
「うん」
確かにそうだよね。【収納】に出来立ての料理を入れている事が多かったから忘れていたよ。
「それで、その人は今何処に?」
「部屋」
「部屋って、鈴の部屋にもう上がっているの?これから来るとかじゃなくて?」
「うん」
「はぁ、まあいっか。その子もリビングに連れてきて、一緒に晩御飯にしましょう。お母さんには私から言っておくから鈴は呼んできて」
「わかった」
ーーー
「連れてきた」
「お邪魔しています」
コスプレ少女を部屋からリビングに連れてきた。
「えっと、鈴。彼女が今日泊まっていく子?」
「そう」
やはり、7歳児が自分の倍以上は年が離れている人を家に泊めたいって言うのはおかしいか。
嘘でも彼女ですって紹介した方が良かったか?
琴音姉さんは、俺が連れてきたのが自分と同じ年頃の女の子と知り驚いているようだった。
「そっかそっか!どういう風にそうなったのか知らないけど鈴が連れて来たなら大丈夫でしょ!詳しい話はご飯を食べなからでも!」
それに比べて柚乃母さんは、俺に対して妙な信頼感でもあるのか、あっさりとこのコスプレ少女が泊まる事を許可した。
「ちょっとお母さん! も~しょうがないな~」
そんな柚乃母さんを見て、琴音姉さんも諦めたようだ。
と言う事で、泊める許可ももらったところで全員テーブルの席に着く。
コスプレ少女の席は、4人掛けのテーブルなので空席になっている柚乃母さんの隣で俺の正面に座る。
さて、晩御飯を食べようか。手を合わせて。
「いただきます」×4
ーーー
「それでどうしてその子?って名前を聞いてなかったわね。鈴紹介して?」
「知らな」
「あの! 自分で言います」
俺が知らないと答えようとしたら、コスプレ少女が慌てたようにその言葉を遮ってきた。
「私の名前は陽地 聖奈です。月城市にアパートを借りて住んでました。2年前まで」
「2年前? 陽地さんは今はどこに住んでいるの?」
「えっと、2年前から今日まであっちで暮らしてました」
そう言って、コスプレ少女改めて陽地は上を指差した。
「上?って事はあっちの世界で暮らしていたの⁉︎」
琴音姉さん、興奮しすぎだ。
琴音姉さんは陽地の言っている事を理解した瞬間、机を乗りだしながら目を輝かせていた。
「はい」
「陽地さんは、転移、召喚、転生のどれだったの?」
「私は召喚ですね、えっと」
陽地は琴音姉さんの顔を見ながら言葉を詰まらせた。
「あ、私は琴音」
「琴音さんも、ラノベとかに詳しいんですか?」
「うん、漫画、ゲーム、ラノベ何でも好きだよ。それと聖奈って名前で呼んで良い? 私も呼び捨てで良いから」
「はい、琴音」
いきなり、仲良くなったなこの2人は。まあ、趣味的に話は合うとは思っていたし、当たり前と言えば当たり前か。
柚乃母さんは、話を聞くみたいな事を言っていたが、今はニコニコしているだけで会話には入ろうとしてないな。
「それで、聖奈はどんな感じで異世界に召喚されたの?」
「そうですね。あちらの世界はイデアと呼ばれていて、そのイデアにある複数の国が協力して召喚したのが私達です」
「達って事は、複数人? クラス召喚って事?」
「いえ、召喚されたのは日本全国バラバラで、各国に数人ずつ召喚されたそうでした。そして召喚された者の誰かが自分達は英雄を超えた勇者だ!とか名乗ったそうで私達はイデアでは勇者と呼ばれています」
「聖奈は、何処の国に召喚されたの?」
「私が召喚されたのは力を絶対とする帝国です。幸い私達は英雄を超えるとはいきませんが、力はあったので帝国での扱いは悪くはありませんでしたが」
「扱いが国によって変わるのか」
琴音姉さんが期待していたような面白可笑しい話では無かったが、実際にイデアを体験してきた陽地の話は興味深いのか真剣になって聞いている。
なんかリアルって感じだな。まあ、現実の話なんだけどね。
「はい、帝国のように分かりやすい国は良いですが、エルフや獣人の国では、人間に対して排他的な者も居たようでそういった国から帝国に逃げてきた勇者も居ましたね」
「聖奈、不思議なんだけど。何でわざわざ呼んだ人を差別したりしたの?そんな事なら呼ばなければ良かったじゃない」
「ええ、全くもってその通りなんですが、私達が最初から勇者と呼ばれていなかったのは、私達がイデアの国々にとっての想定外だったからです。実は召喚は失敗していたんですよ」
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