79 / 125
未定
79.場所確定!遂に見つけてしまった
しおりを挟む今の会話の流れで、ダンジョン外のスライムを相手に対処出来るという事は=自分がそれなりのlvであると言っている様なものなんだが。
咲良は珍しく頭を痛そうに押さえ、慶は俺に向かって苦笑い、小池さんは少し驚いた表情をしていた。
当の本人の美月は何で空気が変わり皆が黙り込んでしまったのか気づいてなかった。
美月は学業の成績が良く頭が良いと、慶には聞いていたんだけどな。
どうしたものか。
これが自爆覚悟の誘導尋問だったなら最悪だな。
「はあ、実は俺もダンジョンには入った事があるんだ」
俺がダンジョンの事を告白すると、直ぐに慶が耳打ちしてきた。
「おい、光希。言って良いのかよ」
「しょうがないだろ。こう言うのは、さっさと情報共有してしまった方が良い」
「でも凛ちゃんはどうするんだよ」
「大丈夫。ここに居る全員が他の一般人よりダンジョンに関わっているから」
「凛ちゃんもか? それと光希、その口振りから言って、美月達の事も予想してたな」
「慶が外にダンジョンを求める理由を考えれば簡単に予想できる」
「あの~兄さん達どうしたんですか? 兄さんは光希さんの事を知っていたという事ですか?」
俺がダンジョンについて告白した後、慶とコソコソ話していたので気になったのか、美月が話しかけてきた。
「ああ、俺が光希の動きの違和感に気づいてな。問い詰めたら実は俺の方もバレていたって訳だ」
「だから慶とはお互い秘密を共有した仲になって、ダンジョンについての情報交換をしていた」
この状況も良かったと言えば良かったか。
小池さんには、どの道ダンジョンの事を話してダンジョンに同行するつもりだったからな。
小池さんにダンジョンの事をどう切り出せば良いのか、全く思いついていなかったから丁度良かった。
秘密ってものは知っている者がいる程バレやすいものだが、俺が他人に教えている物は最悪バレても大丈夫な事だけだ。
本当に大事な事は慶ですら話していない。
まあ、バレる危険性は、さっきの美月みたいに口を滑らす事しかないが、俺なら普通に大丈夫だろう。
「そう言えば、光希さんはどうしていきなりダンジョンの事を告白したんですか?」
君の所為だ!と大声で言いたい。
「ん、美月の所為」
と、咲良が俺の代わりに美月に伝えてくれた。ありがとう。
「えっ!」
美月は咲良の言葉に驚いて俺を見てきたので、頷いて事実だと教える。
「ええ~!」
「美月。ちょっとこっちに来い」
慶は立ち上がると、美月を連れて離れた所に移動した。
多分、美月にどうしてこうなったのかを説明するんだろう。
さて、俺は情報収集でもしようかな。
「でも良かったんですか? 私の居る所でそんな事話しても」
「ん、凛は無関係」
小池さんはこんな事を言っているが、俺には既にバレている事は知っているだろうに隠すという事は、咲良達には知られたくないのか。
「無関係なのか? 連れてきたから、てっきり佐久間家のダンジョンを使わせているからかと思ったんだけどな」
「そんな事まで」
「ダンジョン」
成る程、俺のどちらとも取れる言葉に、咲良が「そんな事まで」と言う事は、慶の知っているダンジョンは佐久間家が所有しているダンジョンではなく、佐久間家の敷地内にダンジョンがあるという事が今確定した。
既に俺と慶はお互いのダンジョンについて情報交換しているという事を咲良は勘違いしてしまった様だ。
いや、偶然にも友達の新しい秘密を握ってしまったな。
実は慶にも鎌をかけていた。「慶が外にダンジョンを求める理由を考えれば」という事の「外に」の部分を慶は否定しなかった。
外に探しに行くという事は、慶の知っているダンジョンは内にあるという事になる。
慶が秘密を共有する前に似たような事をしたから、これはその仕返しだ。
まあ、別に誰に言う訳でもないから大丈夫だ。
そして、小池さんの咲良を見ての「ダンジョン」という呟きは、ダンジョンについて興味を持っている気持ちが隠せていなかった。
既にスクロールを使った事のある小池さんがこういう反応をするという事は、スクロールを手に入れた方法はは俺の様にダンジョンに入って取ってきたという訳ではないのか。
偶然手に入れた? それとも貰い物か? はたまた誰かから買ったのか?
理由はどうあれダンジョンの場所を一つも知らず入った事も無いと分かった。
そしてダンジョンにはかなり興味津々だと言う事。
まあ、王獣化(猫)の王を冠するスキルが、どの位の能力のスキルかは分からないが、エクストラスキルであるのなら、天眼に近い力がそのスキルにはある可能性が高い。
そんなスキルをある日手に入れたのなら、ダンジョンに興味を持たない訳が無い。
スキルの力を知ってしまい、これからの時代ではこのスキルやレベルの力が必須になる事は、実際にスキルを手に入れて実感すれば予想くらい出来る。
それはダンジョンに入りたくなるよな。
しかも小池さんは佐久間の門下生。自分が戦える事が分かっていて、ネットで調べれば1階層くらい自分なら余裕で対処も出来るという分かっている。
ダンジョンへ行くのを躊躇する必要が無かった。
まあ、グロ耐性が無いという事なら別だけどな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
501
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる