Last tears

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 惑星リースに複数存在する国家の一つ、スレア国。
 リースで最も力のある国、その国の首都ザレルには当然ながら政府の中枢府が置かれている。そしてレノが三週間だけ赴任している中央軍事情報室もまた、首都ザレルの軍事施設内に併設されていた。
「ようこそ、レノ・ファレンズ。私がここの責任者であるガーソンだ。どうそよろしく」
 飛行船で小さな村であるイオを出てから首都ザレルに到着し、次に迎えにきていた軍の車で移動した。レノは目的の場所にたどり着くと、軍事情報室の置かれたゼムリア連邦政府とはまた赴きの違う、真っ黒い巨大な施設内に入ってすぐのことだった。
 ロビーで待っているとガーソンという名の軍事情報室長が現れて、会うなり握手を求めてきた。口元を緩ませて、笑顔で出迎えてくれる。だがその男の顔についている二つの両眼は鋭く、細い目の奥で何を考えているのか分からない表情は自然と警戒心を煽った。
 ゼムリア連邦で軍人として働いていた頃は嫌というほど、前線で戦う兵士を目の当たりにしてきた。ただ、今目の前にいるガーソンという人物は、前線の兵士ではない。ともかく後方支援部隊であるにしてはあまりにも鋭い表情のガーソンを見て、レノは僅かに口の端を引いた。
「君の噂は聞いている。ゼムリア連邦では相当優秀な軍人だったそうだな」
「…そんなことはありません」
「いや、人間ではなかったな。相当優秀なアンドロイド、だったそうだな」
 ガーソンの言葉には明らかに嫌味が含まれていた。
「ついて来てくれ」
 長い廊下をガーソンとともに歩きながら、早速これから三週間の間だけ働くことになる職場へと向かう。
 この惑星リースというのは人間だけが暮らす惑星であった。レノが造られた惑星ゼムリアのようにアンドロイドという人間とは異なる者達はいない。そしてゼムリア連邦の首都では政府が計画的に人を人工的に作り出していた。
 だがこの惑星では人が入植してから、普通に女性が妊娠し新たな生命を生み出している。それが当たり前であり、科学技術が著しく発達し、人工的に人間を作り出せるようになったとしても、それは法律で固く禁じられていた。
 惑星リースには、自我を持ったアンドロイドというものは存在しない。ここではレノたった一人が異質の存在であり、科学者に大変なる興味を持たせる存在だ。
 自我を持つアンドロイドというのはゼムリア連邦が開発したロボットであり、その技術はゼムリア連邦だけが所有している。惑星リースにも多くの優秀な科学者はいたが、どんなに人間に似せたアンドロイドを作り出すことはできても、自我を持たせることまでは成功していなかった。
 レノが惑星ゼムリアから惑星リースに亡命する時、惑星リースで一番力を持つスレア国からある条件がなされていた。それはレノというアンドロイドを受け入れる代わりに、彼の体を調べる権利を有することと、我が国の為に働いてもらうというものである。
 ゼムリア連邦に対して完全なる忠誠を抱いていた。にも関わらずリンをゼムリア連邦から逃すためにわざわざ自らの危険を犯し、遠く離れた惑星リースまで逃亡してきたレノにとっては、そのような条件は容易いことであった。
 けれどもその条件を受け入れるときに、レノもまた一つの条件を提示していた。それはリンがこの惑星で安心して暮らせるよう保障すること、彼が成人するまでレノは片時も離れずに見守るというものである。惑星リースもまたその条件を快諾し、レノとリンは惑星リースに降り立つことができたのであった。
 今回のスレア政府の用件は、レノの条件からして多少逸脱するものではあったが、事情が事情なだけに渋々了承していた。レノとしては政府の危機に対して、それほど関心は持ち得なかったが、今回の件を断ったことで、リンの身の上にこの先障害がでてくることを恐れた為でもある。
「君を呼んだのは、実は私でね。せっかくの田舎暮らしを満喫しているところを邪魔して悪かったな。だが君もそろそろ退屈していたんじゃないのかな? 元々は前線でどんな危険な場所であっても任務を遂行し、邪魔な敵を排除する為に作られたんだろう? そんなアンドロイドである君には、時代から切り離されたような寂れた村は相当なストレスを感じてたんじゃないかな。人間、ではない君にとって自然などは無用の長物であろう?」
 冷酷で、いかにも口数少なそうなガーソンに見えるが、彼は足早に歩きながらも話しつづける。レノは相槌すらもうつことなく、その話をただ黙って聞いていた。
「それとも…。政府機密も扱うあの田舎の図書館で毎日のんびりとつまらないデータと睨めっこしているほうがよかったか?」
「私は惑星リースに亡命する際に、条件を提示しました。そのことは当然、あなたもご存知のはずでしょう」
「あぁ、知っている。リンだとかいう少年を守りたい一身で、アンドロイドであるにも関わらず、飼い主の手に噛み付いてここまで逃れてきた。その子が成人するまでは常にそばにいられる仕事しかしないとか」
「ならば、先ほどのような話は不要です。ここで三週間の間、与えられた任務を終えれば私はまたすぐにイオへ戻る。ただそれだけだ、余計な話は結構」
「ここに来るのはかなり不本意だったようだな。ふむ、こうして話をするとやはり人間としか思えない」
 最後は独り言のように言うと、それきり黙りこんで地下へと続くエレベータへと乗り込んだ。ガーソンという男はレノというアンドロイドに興味を持って、余計なお喋りをわざわざ仕掛けてきたようであった。つい先ほどまでのように喋らなくなった男の横で、レノは顔色一つ変えずにただ右手を強く握り締めていた。
 リンが惑星リースにきて入院している間、レノは首都ザレルの軍事施設内でさまざまなデータを取られていた。それは電子脳に限らず、手足の細部に至るまでであって、よほどこの惑星の人間達は自我を持つアンドロイドという技術を取得したいようであった。
 表面に現さなくとも、水面下ではゼムリア連邦と完全に決別を計りたいからなのであろう。惑星リースは曲がりなりにもゼムリア連邦から唯一自治権を獲得した惑星ではあるが、実のところいまだゼムリア連邦の配下に甘んじているような状況であた。
 いつまでもこのままゼムリア連邦の配下でいるつもりはない。レノの受け入れを容易に承諾したところからもその一面は伺えた。
「ここが君が今日から三週間の間だけ働いてもらう場所だ。一応念のために聞いておくが、アンドロイドなのだから休まずに、おまけに食うことも寝ることもせずに働き続けることは可能なのであろう?」
「えぇ。可能です」
「ならばよろしい。あとは私の部下であるアイザックの指示に従ってくれたまえ」
「分かりました」
 近くにいたアイザックが簡単に挨拶をしてきた。レノはそれに無言のまま頷くと、自身の行くべき席へと案内するアイザックの後についていこうとした時だった。
「レノ・ファレンズ」
 突然ガーソンに呼ばれて振り返る。
「少年とはどういう関係なんだ?」
 この場所で、突然思いもしなかった質問が繰り出された。
「私が保護するべき存在、そして私の最も大事な人です」
 聞かれて、レノは淀みなくはっきりと言った。
「愛情も知りえるロボットか…。だがその愛情という感情も、ただのプログラムだったら…、どうする?」
「言っている意味が分かりません」
「感情というのも全て、人の手で作り上げたプログラムであったらどう思うのか、そう聞いているんだよ」
 その言葉に眉を寄せた。ガーソンの言っていることは皮肉なのか、それとも何か確証を得るものがあって言っているのか。あるいはただの好奇心から言っているのか分からない。だがガーソンという男の言葉には嫌な予感を思わせる何かが含まれていた。まだ知って数十分も経っていない人間ではあるが、そう思える要素が既にレノの中で構築されていた。
「プログラムではない。私は人と同じように自我を持ったアンドロイドです。感情も人間のそれには及ばないかもしれないが、十分に持ち合わせている」
「そうか、結構。アイザック、後はよろしく頼む」
 ガーソンがいなくなり、レノはアイザックという軍人に案内された。誰もいないコンピュータだけが置かれた暗く無機質な部屋。空調の音と、コンピュータの作動音の単調な音だけが響いている。
 レノは細長いコードをアイザックから手渡されて、自身の耳の裏側にある小さな差込口に差し込んだ。政府の中枢とも繋がっている巨大なコンピュータに繋がれる。これから三週間、レノはこの中でただ一人、孤独と戦うことになるのだった。初めはそう思っていた。
「レノ!」
 首都ザレルの郊外にある古びた安ホテルのロビーにいたリンは、レノの姿を見つけるなり笑顔で走りよってきた。その姿はイオにいた頃となんら変わった様子はない。けれどもたった一週間ほどしか会っていないにも関わらず、久しぶりにリンを見ることを出来たような感覚だった。
「すまない、遅くなって。かなり待っただろう?」
「ううん、そんなに待たなかったよ。元気だった?」
 レノもまたリンを見つけるなり、ロビーに入るとすぐに近づいていった。すぐ近くにこの世で最も大切な人がいる。ただそれだけで、レノの心は鮮やかな色合いを帯びていた。
 首都ザレルにある軍事施設内に入ってから一週間、レノはずっと軍事情報室の巨大なコンピュータだけが置かれた暗い部屋の中にいた。だが、リンから届いたメールはその中にいても電子脳で受信しており、急遽レノはしばしの休息をもらったのであった。
 本来ならばレノの電子脳の中にあるプライベート領域はシャットアウトして機密に関する仕事を処理しなければならない。けれどリンにもしものことがあった時を考えて、一つだけ回線を空けていたのであった。
 三週間の間、全ての時間を拘束されるという条件はなかったので、レノはごく当たり前のように休憩する時間の希望をだしたのである。
「あぁ、私はアンドロイドだからな。病気になることはない。それよりもリンは? ちゃんとご飯は食べていたか?」
「心配しなくても、毎日自分でご飯作って食べていたよ。今日、本当にこっちに来て大丈夫だったの?」
「一応、私の仕事は既に一段落ついていてね。なのでずっとあの場にいる必要もなくなった。明日の昼までは時間をもらえたので、今日はゆっくりと過ごそう」
 レノはリンを連れてホテルから出ると。この町で最近人気のあるレストランへと向かった。
 ザレルの中心地にある高層ビルの一つ、そのビルの最上階にあるレストランは全て特殊加工を施されたガラスで囲まれており、どのテーブルについても外の景色が眺められるようになっていた。
 ガラスの壁は時間ごとに赤や青色に変わり、その度に外の景色の雰囲気が変わる。レストランの窓際で一番眺めのよい席についたリンは、初めあまりの高さに多少恐怖を覚えたが、それでも遠くまで見渡せる席からの風景にすぐに心を奪われた。下は見ないようにして、色々な色あいに変わる首都ザレルの景色を楽しんだ。
「ねぇ、具体的にどんな仕事をしてるの?」
 出された豪勢な料理に感嘆し、美味しそうに食べながらリンは尋ねてきた。
「そうだな、簡単に言うと私の電子脳と政府のシステムを繋いで、様々な情報を収集、整理している。といったところかな。あとは新しい情報処理システムの構築に携わった」
「新しいシステム?」
「詳しい内容までは機密情報だから言えないが、…ゼムリアで製造された電子脳を研究材料として提供した」
 情報の収集、整理よりも実際はレノの電子脳の構造を使い、新たなレノと似たようなものを作り出すことが今回の仕事の大部分であった。どうしてまた突然にと、レノもこの話を聞かされた時に感じたが、惑星リースを取り巻く情勢があまり良くない方向へと動き出していることが関係していた。
 政府としていち早くレノと同じアンドロイドを作り出し、それを量産化したいという計画があるようだ。
「…そうなんだ。なんだかレノが解剖されたような、感じするね」
「はっきり言ってしまえば、解剖と大差ないかもな」
 あまり聞いてはいけないようなこと聞いてしまったと言わんばかりの表情を浮かべる。レノはそんなリンを見て、笑いながらなんでもないというように返事をした。
 一瞬、ガーソンから言われた言葉が頭をよぎる。
 もしも、その感情すらもプログラムであったらどうするのかと聞かれた。あの時は何を下らないことを言っているんだと思っていたが、実際に惑星リースのアンドロイドに関する技術の向上の為に実験として扱われたことで、何か言いようのない気持ちの悪さをを感じていた。
 そして不安を感じた今この瞬間もまたプログラムであったら? と考えると、どこか深い谷底へと突き落とされたような感覚になった。
「今日はテスとボートレースの観戦にいったんだろう? どうだった?」
 話題を変えようと、ボートレースの試合の話を尋ねた。今日ここにリンが来れたのは、他でもないテスのおかげなのだ。ボートレースの熱狂的なファンであるテスと一緒に観戦しにいったリンにレースの状況を聞く。
「すごかったよ、ルールとかもあまりよく知らなかったから、初めはどうかなって思ってたけど、すごい迫力でボート同士がぶつかり合いながら、物凄いスピードで走り抜けるのはとても面白かったよ」
 昼に見たレースの試合の興奮を思い出したのか、リンはすぐに熱のこもったような目で話し始めた。どうやら上手く話題を逸らすことができたようであった。
 それにしても、とレノは思う。実際にボートレースを見たせいで、リンもまたテスのようにボートレースファンになり、いつしかボートレースをしてみたいと言い出したらどうしようかと。多分そうなることはないだろうが、それでもレノはリンには危ないことはして欲しくはなかった。
「テスなんか、途中から立ち上がって興奮しながら大声で叫んでたんだ」
 ボートレースの話は続き、そのままレストランを出るまでの間は、その話でレノとリンは一週間ぶりの二人の食事を楽しんだ。
 ホテルに戻り、ここに来てから人間らしい行動を一切していなかったレノは、リンがシャワーを浴び終えた後、一週間ぶりにシャワーを浴びていた。
「今日は疲れただろう。もう寝たほうがい」
 ツインルームに備え付けられているバスルームでシャワーを先に浴び終えて、ベッドの上で家から持ってきた本を読んでいたリンに話しかける。
 本当であればもっと高級なホテルを取ろうと思っていたのだが、リンが高いホテルなんてもったいないと言い、リンが決めたこの安いホテルに泊まることになったのだった。
 軍の施設内にも客用の部屋だけがある建物はあるのだが、リンをそのような場所へは連れて行きたくはなかった。
 テスはというと、ザレルに住んでいる姉の家に泊まるとのことだった。初め、テスはリンに一緒に姉の家に泊まろうと誘った。リンもその好意に甘えるつもりではあったのだが、一日近く時間の余裕のできたレノと少しでも長く一緒にいたかったのか、結果的にホテルに泊まることとなった。
「そうだね。レノも疲れたでしょう?」
 そう言って、リンは言われた通りにすぐ本を閉じると、ベッドから飛び降りてきた。
 窓際のベッドの端に座ってまだ髪をタオルで拭いていたレノの隣にリンは座ってくる。もう寝るのであれば、レノの隣にくる必要はない。不思議に思ってリンを見つめた。
「…リン?」
 これまで考えたことのないことが起きて、レノは驚きのあまりリンの名をよぶ。リンの方からキスしてきたのであった。今まで何度となくキスをしてきた。だが、それは必ずレノの方からであり、リンからキスをしてくるというのはあり得ないことだった。
 されたあとも信じられなくて、そのままリンの様子を伺う。多分、今までならそんなことをされたら触れたいという感情が一気にこみ上げてきて、そのまま押し倒してしまっていたかもしれなかった。だけど、出来なかった。
 またあの男の言葉が浮かぶのだ。
 ここに来てから、あの言葉を聞いてからコンピュータに繋がりずっと膨大な量の情報を処理している間も、その合間にレノの電子脳を研究され続けている間もずっと、あの言葉を忘れることは出来なかった。
 実のところ今日、リンと会っている間もずっとそのことが頭から離れなかった。
 今のこの感情がプログラムで作動しているだけだとしたら?
 本当は自我などというものはなく、やはりアンドロイドは機械であり、生命にはなり得ないのだとしたら?
 開けてはならない箱の蓋を開けてしまったようだった。考えてはいけないことを考えてしまった。もうその考えから逃れる事はできない。
「おやすみ」
 レノはそっとリンを自分のベッドに押し戻すように背に手を当てた。今までのレノとどこか違うと、瞬時に悟ったリンは少しだけ不安そうな表情を浮かべる。その顔も見ることができなくて、レノは「私も、もう寝よう」とだけいい、部屋の灯りを落とした。
 その次の日も、レノの態度は何か妙だった。
「昼まで休みをもらえていたのだが、急に呼び出されてしまってね。これから戻らなければならない」
「仕事、やっぱり忙しいんだね」
 レノは気まずそうにしながらも、リンにたいして謝った。朝、ホテルでの朝食を終えて一度部屋に戻るときだった。レノはリンに対して嘘をついていた。本当は急に呼び出されてはいない。だがこれ以上リンといるのが辛くて、自然とついてでた嘘だった。
 自分でも一体どうしてしまったのだろうと思いながら、リンから離れようとしている自身に動揺する。
 昨日、リンを見かけた時は嬉しさのあまり、ガーソンの言葉など忘れていた。その後も、リンに会えた喜びは確かに感じていたし、キスをされたことも嬉しかった。けれどもリンと一緒にいればいるほど、胸はどんどん苦しくなるのだ。
「すまない、見送りはできないが空港まで行く車は手配しておいた。時間になったらその車で空港に向かうといい」
「うん」
 リンは少し寂しそうにしながらも、笑顔で返事をした。素直でいつもと同じようではある。レノが心の中で感じている不安はどうやらばれてはいないだろう。レノはそう判断すると、心の中で安堵の吐息を漏らしていた。
「じゃあ行ってくる。帰りは予定通りだから、その時まで留守番をよろしく頼む」
「いってらっしゃい」
 リンに笑顔で見送られて、レノは再び軍事施設の暗い部屋の中へと戻っていった。
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