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第3章『交わる者たち』
第3章・タクヤ(5)
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「よくぞ、余をバルバレオの支配から解放してくれた! 改めて、礼を言うぞ!」
僕とレアリィとセロフィア、それからトルネッタ姫とマイロナ姫とラベルラ、そしてデュレクトの合計七名は、王宮の謁見の間でガルオン王の前に並んで座っていた。
不健康そうにやせ細った姿をしたガルオン王だが、その甲高い声の調子から察するに、今は活力を取り戻しているようだ。
「余がいけなかったのだ……。余が悪魔の誘惑に乗ってしまったばかりに、ここガルオンだけでなく、周辺国家にまで迷惑をかけた。この償いは、せねばならぬであろう」
ガルオン王は俯く。
このような大国のトップに立つという重責に押しつぶされそうになりながら、誰に頼ることもできず、つい悪魔の囁きに耳を傾けてしまったのであろう。
「勇者殿よ。バルバレオを討伐した際のそなたの活躍ぶり、誠に天晴であった。そなたにであれば、ガルオン王国の家宝である、白虎のオーブを託すことができようぞ」
ガルオン王は玉座から立ち上がると、僕の目の前に歩み寄ってから膝をついた。
「どうかこれを、受け取って欲しい」
そして、白虎のオーブを僕の目の前に差し出してきた。
「必ずや、王の期待に応え、魔王を打ち滅ぼして参ります」
僕は両手を差し出して、ガルオン王から白虎のオーブを受け取った。
一時はどうなることかと心配だったが、無事に二つ目のオーブを入手することができた!
僕は心の内で快哉を上げる。
オーブを僕に渡し終えたガルオン王は、玉座へと戻っていく。
「他の者たちも、それぞれに見事な活躍であった! 褒めて遣わすぞ!」
王はご機嫌そのものといった様子を見せていた。
「今宵は宴……といきたいところであるが、残念ながら余は自らの後始末を急がねばならぬ。なにせこのガルオンには、戦争を目的に世界中から傭兵が集まってしまっている。彼の者らを穏便に解散させると共に、周辺国家への詫びも考えねばならぬのだ」
確かに、城下町にはかなりの数の傭兵が集まっていた。
彼らを納得させた上で立ち去らせるには、大変な労力が必要だろう。
周辺国家へのフォローも大切だ。
プレナド国のヴィラッハ公なんか、相当ピリついていた様子を見せていたし……。
「ささやかではあるが、そなたらには食事の席を用意させて貰った。是非、カバルダスタ大陸の幸の数々を堪能して欲しい」
「……やった! 楽しみ~!」
レアリィの小さな声が僕の耳に聞こえてきた。
そして、王からひと通りの言葉を受けた後で、僕たちは王宮の広間に案内された。
そこには立食形式のパーティの場が設けられていた。
「おおーっ、これは! 噂に聞いていたカバルダスタ風のあれやこれやが……!」
レアリィは目の前に並んだ料理の数々に目を輝かせていた。
「無事に一仕事を終えた後ですもの。この場は食事を堪能しましょう」
セロフィアも珍しく、顔を綻ばせながら料理を口に運んでいた。
「ホッホッホ。こんな贅沢は久しぶりじゃのう!」
デュレクトもレアリィやセロフィアと一緒になって、出された料理を味わっていた。
「……ご無事でなによりでした。トルネッタ姫、そしてマイロナ姫」
僕は葡萄酒の入ったジョッキを片手に、トルネッタ姫とマイロナ姫、それからラベルラの三人が固まっている場所に歩み寄った。
マイロナ姫はさっきから、僕の顔をポーっと見つめている様子だ。
僕がマイロナ姫に向かって軽く手を振ってみると、彼女は慌てるように視線を反らした。
そうだった。
マイロナ姫はどちらかというと、人見知りするタイプだった。
「アンタのおかげで命拾いしたよ……! さすがだね、勇者様!」
ラベルラは手に持ったジョッキを僕の前に差し出す。
僕はラベルラのジョッキに自分のジョッキをぶつけた。
「ラオウール。貴方が勇者となっていたのですね……」
トルネッタ姫が小さく呟く。
彼女は僕とは目を合わせようとはしなかった。
こうして落ち着くことが出来た今、彼女の立場について思いやることが出来る。
彼女は、死ぬことが確定している運命のキャラに転生してしまったのだ。
なんとかして生き延びるために、必死に知恵をしぼったことだろう。
よくもここまで辿り着いたものだと、感嘆する。
「はい。先代の勇者グレリオから、聖光法力を引き継ぎました」
でも、ここから先のシナリオ進行は、勇者となった僕の領分だ。
「このような場で恐縮なのですが……。トルネッタ姫、マイロナ姫。お二方にはレイアレス王より、帰国命令が出されています」
僕は王から受けた命令書を差し出す。
それを見た途端、「えっ……」とマイロナ姫の表情が曇る。
「こんな命令が出てるだなんて……。トルネッタ。アンタの旅は、王から正式な命令を受けたものじゃなかったのかい?」
僕が示した命令書の内容を見て、ラベルラが驚きの声をあげる。
トルネッタ姫たちの旅が、彼女の独断であったことを知らなかったようだ。
「僕たちはエンシェント・ウルフの討伐にも成功しました。その結果、レイアレス王国では魔獣の爪を用いた新兵器の開発が進んでおります。凶獣の牙を手に入れて頂く必要は、既にありません。どうかお二方には、このままレイアレス王国に戻っていただきたく……」
旅の本来の目的である、べスタロドのお祓いも済んでいるはずだ。
これ以上、トルネッタ姫が旅に出る理由はない。
折角、こうして無事に生き残ることが出来たのだから、もう大人しくしていて欲しい。
世界の歯車を狂わせるような真似は、これで終わりにして欲しい。
「……もう、これで私たちの旅は終わりなのですか? トルネッタ姉様……」
マイロナ姫がトルネッタ姫の服の袖を引っ張り、顔を見上げる。
そうだった、本来のマイロナ姫は、王宮を抜け出して勇者パーティに加わるような冒険心に溢れるキャラなのだ。
再び窮屈な王宮に戻ることは、耐えがたい苦痛だろう。
「一緒に来られますか?」
僕はマイロナ姫にそっと右手を差し出していた。
レイアレス王からの「二人の王女を帰国させよ」という命令に背いてしまう形にはなってしまうが、本来であればマイロナ姫は今頃は、勇者パーティの一員であるはずなのだ。
マイロナ姫のあるべき姿とは、僕たちと一緒に旅をしている状態のはずだ。
「よろしいのですか!? 勇者殿!」
マイロナ姫は顔をパッと輝かせる。
僕の差し出した右手を、手に取ろうとしたとき――。
「!?」
パンッ、という音と共に、僕の右手は強く払われた。
「トルネッタ姉様!?」
僕の手を払ったのは、トルネッタ姫だった。
「……王からそのような命令が出ているのであれば、それに従いましょう、マイロナ。今頃はランドル号がイネブルに停泊しているでしょうから、それに乗船して帰国します」
トルネッタ姫は、睨みつけるような表情をこちらに向けていた。
「姉様……」
マイロナ姫の表情は、再び曇ったものに変わる。
「……ご承諾いただき、なによりです。トルネッタ姫」
マイロナ姫が僕たちの戦力に加わらないのは残念だが、変に話が拗れても厄介だ。
何せ目の前にいる相手は、僕と同じ転生者だ。
大人しく帰国すると言っているのだから、僕にとってはそれで十分だ。
僕はラベルラを勧誘しようと思い、彼女に向かって口を開いた。
「ラベルラ。僕たちと一緒に旅をしないかい?」
しかし彼女は首を横に振った。
「すまないねえ。アタイはこの二人に恩も義理もある。二人がレイアレス王国に戻るというなら、アタイはその道中に同行させて貰うことにするよ」
ラベルラが仲間になる経緯を踏まえると、彼女がそう答えるのも仕方ない。
「そっか……残念だ。では、これで僕は失礼します」
僕は頭を下げて、三人のいる場所を離れた。
「これ美味しいよ! 食べてごらん、防御くん!」
「ラオウール様! こちらも良い味ですよ!」
レアリィとセロフィアが僕に向かって声をかける。
本来のシナリオと違って、今の僕の仲間はこの二人だけだ。
これから行く先々で多くの苦難が待ち受けているだろう。
だけど僕たちが力を合わせれば、きっと大丈夫だ!
「今、行くよ!」
次に僕たちを待ち構えてるのは、シナリオ第四章の舞台となるヨルトザート大陸だ。
――僕たちの旅は、まだまだこれからだ!
僕とレアリィとセロフィア、それからトルネッタ姫とマイロナ姫とラベルラ、そしてデュレクトの合計七名は、王宮の謁見の間でガルオン王の前に並んで座っていた。
不健康そうにやせ細った姿をしたガルオン王だが、その甲高い声の調子から察するに、今は活力を取り戻しているようだ。
「余がいけなかったのだ……。余が悪魔の誘惑に乗ってしまったばかりに、ここガルオンだけでなく、周辺国家にまで迷惑をかけた。この償いは、せねばならぬであろう」
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「どうかこれを、受け取って欲しい」
そして、白虎のオーブを僕の目の前に差し出してきた。
「必ずや、王の期待に応え、魔王を打ち滅ぼして参ります」
僕は両手を差し出して、ガルオン王から白虎のオーブを受け取った。
一時はどうなることかと心配だったが、無事に二つ目のオーブを入手することができた!
僕は心の内で快哉を上げる。
オーブを僕に渡し終えたガルオン王は、玉座へと戻っていく。
「他の者たちも、それぞれに見事な活躍であった! 褒めて遣わすぞ!」
王はご機嫌そのものといった様子を見せていた。
「今宵は宴……といきたいところであるが、残念ながら余は自らの後始末を急がねばならぬ。なにせこのガルオンには、戦争を目的に世界中から傭兵が集まってしまっている。彼の者らを穏便に解散させると共に、周辺国家への詫びも考えねばならぬのだ」
確かに、城下町にはかなりの数の傭兵が集まっていた。
彼らを納得させた上で立ち去らせるには、大変な労力が必要だろう。
周辺国家へのフォローも大切だ。
プレナド国のヴィラッハ公なんか、相当ピリついていた様子を見せていたし……。
「ささやかではあるが、そなたらには食事の席を用意させて貰った。是非、カバルダスタ大陸の幸の数々を堪能して欲しい」
「……やった! 楽しみ~!」
レアリィの小さな声が僕の耳に聞こえてきた。
そして、王からひと通りの言葉を受けた後で、僕たちは王宮の広間に案内された。
そこには立食形式のパーティの場が設けられていた。
「おおーっ、これは! 噂に聞いていたカバルダスタ風のあれやこれやが……!」
レアリィは目の前に並んだ料理の数々に目を輝かせていた。
「無事に一仕事を終えた後ですもの。この場は食事を堪能しましょう」
セロフィアも珍しく、顔を綻ばせながら料理を口に運んでいた。
「ホッホッホ。こんな贅沢は久しぶりじゃのう!」
デュレクトもレアリィやセロフィアと一緒になって、出された料理を味わっていた。
「……ご無事でなによりでした。トルネッタ姫、そしてマイロナ姫」
僕は葡萄酒の入ったジョッキを片手に、トルネッタ姫とマイロナ姫、それからラベルラの三人が固まっている場所に歩み寄った。
マイロナ姫はさっきから、僕の顔をポーっと見つめている様子だ。
僕がマイロナ姫に向かって軽く手を振ってみると、彼女は慌てるように視線を反らした。
そうだった。
マイロナ姫はどちらかというと、人見知りするタイプだった。
「アンタのおかげで命拾いしたよ……! さすがだね、勇者様!」
ラベルラは手に持ったジョッキを僕の前に差し出す。
僕はラベルラのジョッキに自分のジョッキをぶつけた。
「ラオウール。貴方が勇者となっていたのですね……」
トルネッタ姫が小さく呟く。
彼女は僕とは目を合わせようとはしなかった。
こうして落ち着くことが出来た今、彼女の立場について思いやることが出来る。
彼女は、死ぬことが確定している運命のキャラに転生してしまったのだ。
なんとかして生き延びるために、必死に知恵をしぼったことだろう。
よくもここまで辿り着いたものだと、感嘆する。
「はい。先代の勇者グレリオから、聖光法力を引き継ぎました」
でも、ここから先のシナリオ進行は、勇者となった僕の領分だ。
「このような場で恐縮なのですが……。トルネッタ姫、マイロナ姫。お二方にはレイアレス王より、帰国命令が出されています」
僕は王から受けた命令書を差し出す。
それを見た途端、「えっ……」とマイロナ姫の表情が曇る。
「こんな命令が出てるだなんて……。トルネッタ。アンタの旅は、王から正式な命令を受けたものじゃなかったのかい?」
僕が示した命令書の内容を見て、ラベルラが驚きの声をあげる。
トルネッタ姫たちの旅が、彼女の独断であったことを知らなかったようだ。
「僕たちはエンシェント・ウルフの討伐にも成功しました。その結果、レイアレス王国では魔獣の爪を用いた新兵器の開発が進んでおります。凶獣の牙を手に入れて頂く必要は、既にありません。どうかお二方には、このままレイアレス王国に戻っていただきたく……」
旅の本来の目的である、べスタロドのお祓いも済んでいるはずだ。
これ以上、トルネッタ姫が旅に出る理由はない。
折角、こうして無事に生き残ることが出来たのだから、もう大人しくしていて欲しい。
世界の歯車を狂わせるような真似は、これで終わりにして欲しい。
「……もう、これで私たちの旅は終わりなのですか? トルネッタ姉様……」
マイロナ姫がトルネッタ姫の服の袖を引っ張り、顔を見上げる。
そうだった、本来のマイロナ姫は、王宮を抜け出して勇者パーティに加わるような冒険心に溢れるキャラなのだ。
再び窮屈な王宮に戻ることは、耐えがたい苦痛だろう。
「一緒に来られますか?」
僕はマイロナ姫にそっと右手を差し出していた。
レイアレス王からの「二人の王女を帰国させよ」という命令に背いてしまう形にはなってしまうが、本来であればマイロナ姫は今頃は、勇者パーティの一員であるはずなのだ。
マイロナ姫のあるべき姿とは、僕たちと一緒に旅をしている状態のはずだ。
「よろしいのですか!? 勇者殿!」
マイロナ姫は顔をパッと輝かせる。
僕の差し出した右手を、手に取ろうとしたとき――。
「!?」
パンッ、という音と共に、僕の右手は強く払われた。
「トルネッタ姉様!?」
僕の手を払ったのは、トルネッタ姫だった。
「……王からそのような命令が出ているのであれば、それに従いましょう、マイロナ。今頃はランドル号がイネブルに停泊しているでしょうから、それに乗船して帰国します」
トルネッタ姫は、睨みつけるような表情をこちらに向けていた。
「姉様……」
マイロナ姫の表情は、再び曇ったものに変わる。
「……ご承諾いただき、なによりです。トルネッタ姫」
マイロナ姫が僕たちの戦力に加わらないのは残念だが、変に話が拗れても厄介だ。
何せ目の前にいる相手は、僕と同じ転生者だ。
大人しく帰国すると言っているのだから、僕にとってはそれで十分だ。
僕はラベルラを勧誘しようと思い、彼女に向かって口を開いた。
「ラベルラ。僕たちと一緒に旅をしないかい?」
しかし彼女は首を横に振った。
「すまないねえ。アタイはこの二人に恩も義理もある。二人がレイアレス王国に戻るというなら、アタイはその道中に同行させて貰うことにするよ」
ラベルラが仲間になる経緯を踏まえると、彼女がそう答えるのも仕方ない。
「そっか……残念だ。では、これで僕は失礼します」
僕は頭を下げて、三人のいる場所を離れた。
「これ美味しいよ! 食べてごらん、防御くん!」
「ラオウール様! こちらも良い味ですよ!」
レアリィとセロフィアが僕に向かって声をかける。
本来のシナリオと違って、今の僕の仲間はこの二人だけだ。
これから行く先々で多くの苦難が待ち受けているだろう。
だけど僕たちが力を合わせれば、きっと大丈夫だ!
「今、行くよ!」
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