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嵌められた一家
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夕暮れで真っ赤に染まる京の町を、護衛の者達と駕籠かきが静かに歩いている。一軒の貴族の家の前で籠が止まると、1人の尼僧が降りてきた。
「何となく、この家から嫌な気配が・・・・・・。 」
尼僧の言葉を聞いて護衛達の顔が引きつった。
護衛達を安心させるように、慈愛の表情を浮かべ優しく見つめる尼僧。
「こちらの家の方の様子を確認させてください。」
尼僧に言われて護衛が家の者に向かって声をかけるが、家は静まり返っていて返事はない。
「我々が中を確認してきますので、こちらで少々お待ちください。」
中に入ろうとする護衛を引き留めて尼僧は言う。
「私も一緒に行きます。これは私でなければ、出来ない事なのです。」
数珠を握りしめお札を手に持った尼僧に、護衛達も何かを感じ取ったのだろう。尼僧を守るように囲みながら家の中へと入っていった。
部屋に誰かいないか、確認しながら進んでいく一行。奥の部屋まで行くと4人の男女が倒れていた。護衛が緊張した顔で男女に近づくと手首を取って脈を確認した。
「全員亡くなっています。自殺のようですが、毒でしょうか。顔に斑点が出ていますし、あの毒薬の特徴の甘い匂いがします。」
他の護衛達は周囲を見回している。
「最近ある罪で、地位と財産全て失った貴族がいました。噂では娘の高位貴族の婚約者が心変わりをして、娘の両親を罠に嵌めて罪をかぶせ処罰して、婚約破棄したとか。」
「酷い事を、高位貴族なんてそんな者ばかりですな。」
「気の毒に・・・・・・。 」
全員で4人のご遺体に向かって手を合わせた。
「貴族は婚約破棄をする場合、相手に謝罪として高価な品を贈るんですよね。」
「決まっているわけではないですが、何もしないと破棄した貴族に悪評が立つでしょうね。」
「この方達は後で私のお寺で供養いたしましょう。」
尼僧は悲しそうな表情をしたまま、庭に降りていく。
「ああ、やはり嫌な予感が当たってしまいました。」
庭には美しい女性が倒れていた。女性の手には真っ黒な鏡が握られている。近づこうとした護衛を止め、数珠を手に尼僧は女性に近づいていく。
倒れている女性の側に行くと鏡にお札を貼り、鏡を女性から取り上げた。
「もう、近づいても大丈夫ですよ。」
尼僧の側に護衛達が集まり、鏡を見ないように皆目を伏せる。護衛の1人が尼僧に何が起きていたのかと質問をした。
少し怖がっている様子の護衛達を見て、尼僧は安心させるように優しい口調で説明を始めた。
「これは、自分の命と引き換えに鏡に憎い相手を閉じ込める呪いなんです。鏡の呪いと言われていて、一部の貴族の女性達の間で秘かに流行しています。
ただし霊力が足らないと、失敗して自分の魂が鏡に閉じ込められてしまいます。その事を知っている人は少ないようですが。」
「それでは、その鏡にはこの方の魂が入っているんですか。」
「ええ、この鏡は私の寺へと持ち帰り供養いたします。この方のご遺体も一緒に私の寺に運んで下さい。」
「分かりました。ではすぐに準備をして運ばせましょう。今回の件、私共の主人から後日お礼をさせて頂きます。」
護衛達が手配を整えると尼僧は籠に乗って尼寺へと帰っていった。
鏡を撫でながら、尼僧は優しく話しかける。
「お寺に着いたら、あなたの思いを聞かせてね。これからの事もゆっくりと話し合いましょう。」
「何となく、この家から嫌な気配が・・・・・・。 」
尼僧の言葉を聞いて護衛達の顔が引きつった。
護衛達を安心させるように、慈愛の表情を浮かべ優しく見つめる尼僧。
「こちらの家の方の様子を確認させてください。」
尼僧に言われて護衛が家の者に向かって声をかけるが、家は静まり返っていて返事はない。
「我々が中を確認してきますので、こちらで少々お待ちください。」
中に入ろうとする護衛を引き留めて尼僧は言う。
「私も一緒に行きます。これは私でなければ、出来ない事なのです。」
数珠を握りしめお札を手に持った尼僧に、護衛達も何かを感じ取ったのだろう。尼僧を守るように囲みながら家の中へと入っていった。
部屋に誰かいないか、確認しながら進んでいく一行。奥の部屋まで行くと4人の男女が倒れていた。護衛が緊張した顔で男女に近づくと手首を取って脈を確認した。
「全員亡くなっています。自殺のようですが、毒でしょうか。顔に斑点が出ていますし、あの毒薬の特徴の甘い匂いがします。」
他の護衛達は周囲を見回している。
「最近ある罪で、地位と財産全て失った貴族がいました。噂では娘の高位貴族の婚約者が心変わりをして、娘の両親を罠に嵌めて罪をかぶせ処罰して、婚約破棄したとか。」
「酷い事を、高位貴族なんてそんな者ばかりですな。」
「気の毒に・・・・・・。 」
全員で4人のご遺体に向かって手を合わせた。
「貴族は婚約破棄をする場合、相手に謝罪として高価な品を贈るんですよね。」
「決まっているわけではないですが、何もしないと破棄した貴族に悪評が立つでしょうね。」
「この方達は後で私のお寺で供養いたしましょう。」
尼僧は悲しそうな表情をしたまま、庭に降りていく。
「ああ、やはり嫌な予感が当たってしまいました。」
庭には美しい女性が倒れていた。女性の手には真っ黒な鏡が握られている。近づこうとした護衛を止め、数珠を手に尼僧は女性に近づいていく。
倒れている女性の側に行くと鏡にお札を貼り、鏡を女性から取り上げた。
「もう、近づいても大丈夫ですよ。」
尼僧の側に護衛達が集まり、鏡を見ないように皆目を伏せる。護衛の1人が尼僧に何が起きていたのかと質問をした。
少し怖がっている様子の護衛達を見て、尼僧は安心させるように優しい口調で説明を始めた。
「これは、自分の命と引き換えに鏡に憎い相手を閉じ込める呪いなんです。鏡の呪いと言われていて、一部の貴族の女性達の間で秘かに流行しています。
ただし霊力が足らないと、失敗して自分の魂が鏡に閉じ込められてしまいます。その事を知っている人は少ないようですが。」
「それでは、その鏡にはこの方の魂が入っているんですか。」
「ええ、この鏡は私の寺へと持ち帰り供養いたします。この方のご遺体も一緒に私の寺に運んで下さい。」
「分かりました。ではすぐに準備をして運ばせましょう。今回の件、私共の主人から後日お礼をさせて頂きます。」
護衛達が手配を整えると尼僧は籠に乗って尼寺へと帰っていった。
鏡を撫でながら、尼僧は優しく話しかける。
「お寺に着いたら、あなたの思いを聞かせてね。これからの事もゆっくりと話し合いましょう。」
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