異世界行ったら人外と友達になった

小梅カリカリ

文字の大きさ
45 / 46

辺境国の跡地

しおりを挟む
 数日後、辺境国の跡地に新しい国を造る事が発表される。この話は人外達の間に広がり、皆移住しようかどうしようかと話し合っていた。
 話を聞いて興味を持った瑠璃は、レオとマリーや淡雪達と一緒に新しい国になる場所を見に来ていた。
「ねえ、大きな池があるわよ。ここで夏泳げたら楽しそうじゃない。浮き輪に乗ったりボートも良いなあ。
 あっちの広い土地は工房区画だって、音とか煩いから住居と離れていていい感じね。岩場があるしロッククライミングとか・・・・・・。 皆には普通にできちゃうからいらなそうね。」
 微妙な顔で頷くレオ達。淡雪とマリーは2人で真剣に相談している。
「新しい国。好きな土地選び放題。大きい家貰える。良いね。転移門もある。」
「そうね、最初に良い場所を取ったら結構稼げるわね。家を建てて誰かに貸すっていうのも良いし。宿屋にして経営者になって、オーナーを雇えば仕事も楽だし。」

 瑠璃は簡易役場と書かれた所で、募集要項を呼んでいる。
「へえ、住民審査があるんだ。それなら変な人は結構はじかれそうね。ああ、駄目じゃん。人間は駄目って書いてあるよー。」
 残念そうな声を出した瑠璃の隣に男性のエルフがやってきた。
「いいえ、異世界人の方は大丈夫ですよ。次のページに書いてあるんです。
 初めまして、エルフ族のコナーと言います。カールがいつもお世話になっております。」
 コナーに言われてページをめくると、1ページ分を使って大きく異世界人は可能と書いてあった。
「初めまして、異世界人の瑠璃です。私の方こそ、いつもカールさんにはお世話になっているんですよ。」
 コナーを見たレオがカールをつっついている。
「ねえ、あれって君の国の代表の1人じゃん。なんでこんなところにいるの。」
「ああ、瑠璃が来たら便利そうなのが色々釣れそうだから、移住を勧めようと思って待ち伏せしてたんだよ。」
「そうなんだ、戦争終わったばかりなのに君たちの代表って暇なのかな。」
「いやいや、忙しいけど奴は優秀だから。どうやらここの国を担当するらしいよ。どういう形で入って来るのかは知らないけれどね。」

 こそこそと話しているカールとレオは無視して、コナーは瑠璃に移住を進めている。
「今この国は出来たばかりで、色々な種族の方に暮らしてもらいたいんです。
 瑠璃様も是非いらしてください。転移門があるので【ラト】や【ツリー】も行き放題ですし、ああ【ロウキ】もありました。
 この広い土地を活かして、観光業も発展させようと思っているんです。新しい国は無限の可能性を秘めていますからね。新しい国で新しい気持ちで新しい生活を始めるって素敵だと思いますよ。」

 コナーの話に瑠璃が食いついてきた。
「いいですね。私、まだどこで暮らしていくのか決めていなかったし、新しい国で新たに始めるのも良いかもしれません。
 住むとなると、観光客と住民達の区画は【ツリー】みたいに別れるですか。そうじゃないと、色々揉め事がおきそうですよね。」
「そうか、そうですよね。他に何かこの土地ならではでやってみたい事とかありますか。」
「やっぱり、砂漠というか岩が多いので緑を植えるのは欠かせないと思います。湖とセットにしたら綺麗かな。 あと、湖で色々遊べるようにボートとかキャンプ道具等を貸出して、そのお金で湖の保全や経費を賄うとか。管理人を置けば雇用枠の獲得と不審者の見張も出来ますね。
 ここでしか食べられないような美味しいご飯や街の清潔さも大事です。特に清潔は重要だと思います。遊びなら崖があるから、空を飛べる何かがあると良いですね。誰でも安全に飛んで楽しめる乗り物のような。」
 自分の欲望をとめどなく話す瑠璃と、横でメモを取っているコナー。
「参考になりました。ありがとうございました。是非、瑠璃様も新しい国の住民になって下さい。またお会いできるのを楽しみにしています。では、私はこれで失礼します。またなカール。」
 皆に挨拶をするとメモを握りしめてどこかへ向かっていくコナー。

 コナーが去ると瑠璃は考えていた。
「ここで暮らすのはいいかもしれない。何か仕事も見つかりそうだし、土地を買ったとしても数年は報奨金で余裕で暮らせそう。転移門があれば皆にも会いに行ける。
 決めた、私この国に住む。ところでこの国の名前ってなんていうの。」
 嬉しそうに住民希望者の欄に自分の種族と名前を書いている瑠璃。それを見ていた淡雪一家は顔を見合わせて頷くと、横で瑠璃と一緒に自分達の名前を書き出した。慌ててレオとマリーも書いている。
 勿論カールも書き出した。
「まだ決まってないんだよ。国の名前って難しいから、しかも今回数種族で決めているから決まらなくて、一時棚上げみたいだな。他に決める事が沢山あるし、最後の方に決定するんじゃないかな。竜騎士達も駐屯地を作るそうだよ。」
「意外と結構色んな種族がきそうじゃないか。友人のムーンも来るって言ってたし、バスンさんも魔人族の幹部を引退して新しい国でのんびり暮らすって言ってたよ。」

 皆と一緒の国で暮らしていける事に嬉しそうな瑠璃。
「私達で新しい国を作っていくんだね。住みやすくて楽しい国になるといいな。そしてどの種族であっても迫害を受けずに暮らせる国に。」
「そうね、瑠璃。結構色んな種族や【ムーン】の名前も書いてあるし。賑やかになるのは間違いないわね。ボーンファミリーからも、祖父と三男に複数の名前があるわ。
 ここの祖父は怖いのよ。強いし曲がった事が大嫌い。礼儀も重んじる商売人で、商売の修行は厳しくて有名なの。女性と子供には甘いけれど。」
「治安面や物資とか彼らがいると安心できそうだね。新しい国にすぐに乗り込むところはさすがだな。僕は農地と薬草畑も欲しいな。鶏も馬も皆つれていくからね。」
「そうね。私は服を作る作業場がいるわ、後レオは調合室もいるじゃない。庭も欲しいわね、皆でお茶を飲めるように。」
「2人とも、まだ土地買ってないだろう。それに審査に通っていないんだし。」
「審査は大丈夫だよ。僕達みたいな善人が受からないわけないだろ。カールは知らないけどね。」
 笑っているレオに言い返しているカール。皆楽しそうだ。
「賑やかになりそう。楽しみだね。」
 嬉しそうに言う瑠璃に頷くマリーと淡雪。
「さあ、決まったら皆早く帰って引っ越しよ。」
 瑠璃の言葉に賛成っと声を上げて皆自分達の家へと帰っていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...