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7話 ダンジョン適性検査2
しおりを挟むダンジョンへ入ると、まず下層へ向かうための階段が存在した。俺達は冒険者の誘導の元、一層へ向かう為、階段を降りていく。20段ほどで一層へたどり着く。
「ここがダンジョンの中か」
ダンジョンの中は、正に予想通りというか、イメージ通りというか、洞窟の様な内装をしていた。壁面には光る苔が生え、所々に鉱石の輝きも見える。そのおかげか、ダンジョンの中だからといって、暗くとも、薄暗くもなく、十分に視界を得ることができていた。
「ここから魔物が出ます。先ほども言いましたが、万が一の事もあるため、なるべく固まり、僕の側から離れないでください」
俺は、1番最後尾に移動する。
(あの原田武道という男は、C級冒険者らしいけど、あの人しかいないなら、珍しいとされる鑑定のスキルは持ってないだろうな。まぁ、万が一がある為、ここはなるべく視界に入るのはやめておくか)
周囲を見ると、俺たちよりも先に入ったクラスが先にゴブリンやスライム相手に適性検査を始めていた。
「では、私たちも適性検査を始めていきたいと思います!」
「「「おぉーー!!」」」
「もしかしたら、ここでクランの人にスカウトされちゃうかもな!」
「俺にも見えない才能があるはずだ!そしたら俺も夢だったクランに!」
「うわー、夢あるな!」
「あんた達が選ばれるわけないでしょ!それより、武道さんは彼女いるのかな?私を彼女にしてくれないかなー?」
「誰がお前みたいな金しか目当てのない奴を彼女にするかよ」
「なによ!」
実際に適性検査が始まると、スライムやゴブリンへの恐怖よりも、自分に才能があるかもしれない、クランへスカウトされるかもしれないという期待の方が上回ったのか、皆ソワソワし始め、早く順番が来ないかと口々に言い始める。
「あー、君に冒険者の才能は残念ながらないね、次!、、、残念、次!、、次!」
しかし現実は残酷で冒険者としての才能がある者は予想以上に少なく、ほとんどの人が才能なしの烙印を押されてしまった。
「まぁ、冒険者としての才能がある方が稀だから、皆気にしないでね」
原田武道は落ち込んでいる生徒達にそう言う。
(あいつ、多分才能のない者達を見て優越感に浸ってるな。いい性格してるよ、みんなを心配している口調だけど、顔はニヤけてる、あんなのバレバレだ)
「おっ!君才能あるかも!」
「えっ!本当ですか?」
「うんうん、でも少し訓練が必要だから、俺と一緒に訓練しない?C級の冒険者と一緒に訓練できるなんて、滅多にないからね?お得だよ?」
「いいんですか!?ありがとうございます」
皆が才能なしと言われる中で、クラスで可愛いとされる女の子、富岡さんが才能ありと言われた。クラスの中で可愛いとされている。ここ重要。
(第三者として見た感じ、冨岡さんと他の生徒で、そんな差はなかった。あんなのあの原田って奴が冨岡さんを囲い込むために言っている茶番にしか見えない)
冨岡さんは特に疑うことなく、喜んでいる。それを見つける原田の顔は、ニコッとしているが、男が見ればわかる、それは狼のそれだ。
「それじゃあこれ俺の連絡先ね、連絡待ってるよ」
「ありがとうございます!」
ここまであからさまにナンパをする原田に、男や女の子の一部は、その事に気づき始めた。
「おい、あんなのありかよ」
「いくら自分が才能あったからってよ」
「あんなのただのナンパじゃない」
(はぁ、ダンジョンにもう夢は見てないけど、ああいうのを見ると本当嫌になるよな)
それからも原田は、少し可愛い女の子やタイプの女の子を見ると、声をかけていた。中には、動きの違う男子もいたが、原田は才能ありと言うことはなかった。担任の先生も含め、多くの生徒がそれについて不満に思うことがあっても、何も言うことができない。
それだけC級というだけで、普通の人とは比べ物にならない程の実力があり、お金もある。1学生が、社長に物申すことが出来ないような状況に似てる。
(予想以上に酷いな。まぁ、冒険者になるためのチャンスはここだけじゃなく、普段から冒険者の適性検査は受け付けているらしいから、冒険者になりたい奴はそれを利用するだろ。俺は声をかけられた女の子達が心配だ)
そんなこんなで、生徒達の適性検査が行われていると、他のクラスで歓声が上がった。
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