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31話 冒険者登録1
しおりを挟む「、、、、ふぁ、よく寝たな」
目覚ましの音で目が覚める。時計を見ると朝の7時を少し回っている所だった。
俺は軽く身支度を整え、階段を降り一階にあるリビングに向かう。
「今日は冒険者登録に行くからな、1日ってわけでもねーし、軽くでいいか」
俺は2枚のパンを焼き、そこに目玉焼きとハムを乗せた物を用意し、コーヒーと一緒に朝食とした。机の上でご飯を食べ始めると一緒にリビングに置いてあるテレビをつける、朝食を食べながらニュースを見ていると、冒険者やダンジョンに関するコーナーが始まる。
「へー、朝のニュース番組にこんなコーナーもあるんだな」
現代はまさに大ダンジョン時代といってもいいくらい、社会はダンジョンを中心に回り出している。その為、朝のニュース番組に冒険者やダンジョン関連の事を報道するコーナーが出来ているようだ。
「こんなゆっくり朝ごはんを食べながらテレビを見ることもなかったからな、そんなこと知らなかった。普段テレビも見ないのも原因か」
そんなことを思いながら、ダンジョン関連のニュースを見ていると、2つ程興味を引く内容が報道された。
1つ目は、同級生だった西野花蓮の西野家が経営する西野財閥が、本格的な冒険者クランを作り、ダンジョン産業だけでなく、冒険者業界にも乗り込んでくるということ。
そして2つ目は、これまた身近な話だった。俺の親友、柳悠人が龍撃の槍のNo.3になり、1軍に合流したらしい。ニュースに取り上げられている時点で分かるかもしれないが、これは相当すごい事みたいだ。
日本の冒険者ギルドの中で、No.1ギルドと呼ばれる龍撃の槍には、ユニークスキル持ちはもちろん、ステータスの高い冒険者など、高い実力を持つ冒険者が多く在籍している。
そんな組織の中で、17歳という若き高校生が龍撃の槍に所属しているという点でも相当凄いが、化け物が揃う1軍のメンバーに合流した事や、龍撃の槍でNo.3と地位に上り詰めたことは、凄いどころか、あり得ない、不可能とさえ呼ばれる事らしい。
「へー、悠人のステータスをきちんと教えてもらったことはなかったが、あいつ、やっぱり凄い奴だったか」
悠人が実績を積んでいると聞き、俺の心は乱れるどころか、むしろ喜びを覚えていた。
「あいつは日本の中でNo.2の実力を持つ冒険者になるという約束を順調に突き進んでいるのか、俺も負けてられねーな」
もしこのニュースを、反転という力に目覚めてない時に聞いていたのなら、俺の心は穏やかにいられなかったかもしれない。置いて行かれているという事実に、打ちのめされていたかもしれないが、今は悠人が先に言っている事実にただただ喜びが勝っていた。
悠人のニュースを聞き、気合を入れ直した俺は、朝食を食べた後、手早くダンジョンに潜る為の服装に着替え、俺の中ではもうお馴染みとなった政府公認のダンジョン、“町田ダンジョン”に向かう。
「何回もここに来たが、今日は心境が違うな」
町田ダンジョンについた俺は、冒険者ギルドの前に立った。俺が冒険者を目指して、努力をするようになったこの1年半で、この町田ダンジョンの冒険者ギルドは、何度も利用している。
しかしそれは、冒険者の知識を増やす為に、冒険者図書館を利用する為だった。そのため、冒険者登録したり、魔石を売ったり、装備品を買ったりなど、そういったこれぞ冒険者!といった事は何一つしてこなかった。
しかし今日、俺はとうとう冒険者登録をする。一応試験もあるが、ゴブリンやスライム相手に戦えるかなど、最低限の戦闘能力を見るのと、ダンジョン探索における基本的な講習を受けるなどといった簡単な方法で冒険者にはなれる。
つまり、なろうと思えば、状態呪いだった時でも冒険者になる事は出来た。ゴブリンやスライムは狩れるし、ダンジョンの知識は頭に入っている。しかし、あくまでそれは“最低限”の能力だけだった。
あの時の俺が冒険者試験を受けて、冒険者としての資格を得る事は出来たとしても、それ以上はなかった。冒険者になる事は、出発点だ。その先にいけなければ、俺が冒険者になる意味がなかった。
しかし、反転を得たことで、状態呪いは状態祝福に変わり、ステータスも上がった。そして未発見ダンジョンの10層も攻略した。今なら冒険者として、先に行く最低限の準備は出来たんだと、そう思ったため、冒険者登録に来たというわけだ。
あのまま、未発見ダンジョンを攻略していくというのも手ではあるが、何分このまま極小の魔石を無人機で換金し続けると、自宅のダンジョンがバレる可能性が高い。ダンジョンを見つけた場合、本来なら政府に報告する義務があるため、バレるのは非常にまずい。
それに、親が死んで、その後高校生まで育ててくれた叔父さん家族を冒険者になった資格を見せることで、安心させるという目的もある。
高校を辞めた事は伝え、その理由は言わなかった。悠人と約束はしたが、心からそうなってやる!と叔父さん叔母さんに言える勇気はまだなかった。そんな俺に対して、叔父さん達は、そうかと理由を深く聞く事はなかった。なかったが、定期的に大丈夫か?という、俺の安否を心配する電話をしてくれる。
俺が冒険者として登録し、お金を稼げると示すことができれば、お金の心配もなくなり、かつ叔父さん叔母さんに、少しでも安心してもらえるかもしれない。
そういった理由もあり、未発見ダンジョンの攻略は一度やめ、政府公認のダンジョンを潜ることにした。
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