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初めての夜 02 ※
ゆっくりと、ほんの少しの痛みも与えないように。
アリスティードの触れ方は優しく、そんな意図が感じられた。
十分に慣れた頃を見計らって指を増やし、外性器の敏感な部分に口付けて、快感を与え弛緩を促す。
気持ちいいけれど、恥ずかしくていたたまれない。
「も、いや……、んんっ……!」
抗議すると、唇で強く吸い上げられ、ネージュは嬌声を上げた。
「すいません、そろそろ俺が限界です」
囁かれたと思ったら、指が引き抜かれた。
替わりにもっと大きくて太いものが入り口にあてがわれる。
遂に繋がるのだ。
痛みへの不安、恐怖と同時に、特別な異性と一つになるのだという期待にドキドキした。
入り口を少しずつ押し広げて、アリスティードの男性器が膣内に挿入ってくる。
「んっ……」
みちみちと隘路を切り開かれ、引き裂かれるように痛んだ。
だけど、耐えられないほどではない。
「大丈夫ですか……?」
「はい。やめないで……」
ちゃんと繋がりたい。そして、後継者を授けて欲しい。
その一心で、ネージュは痛みを堪えた。
「辛そうですね。申し訳ありません」
アリスティードの指先が、結合部に伸びてきた。
かと思うと敏感な場所を刺激される。
「あっ!」
嬌声と同時に体が弛緩し、ずぶり、と更に深くアリスティードのものが入り込んできた。
「全部入りましたよ。わかりますか?」
ネージュは荒い息をつきながら繋がった場所に視線を向ける。
確かに互いの下腹部が密着し、自分の中がアリスティードの形に押し広げられている感覚がある。
「わたし、アリス様と……」
遂に一つになったのだ。
そう自覚すると、痛みが甘く感じられた。
「落ち着くまでこのままで……」
そう囁くと、アリスティードは唇を重ねてきた。
最初は啄むように。やがて舌が侵入してくる。
上でも下でも粘膜同士繋がりあってると思うと、いやらしさと多幸感でくらくらした。
特別な異性と特別な場所で触れ合うのは、なんて幸せなんだろう。しかもこの行為の先には新しい命を授かる可能性もあるのだ。
ネージュの一番奥、子供を育む場所と、アリスティードの赤ちゃんの素が出てくる場所が、今ぴったりと密着している。
それが卑猥で、でも嬉しくて、自覚すると、膣壁が蠕動して、アリスティードのものをきゅうっと食い締めた。
「そろそろ動きますね」
「うごく……? これで終わりではないんですか……?」
ネージュが尋ねると、アリスティードは固まった。
「……初めてだから……そうか……」
ややあって彼はつぶやくと、体を離し、ネージュの下腹部に手を当ててくる。
「動いて、ネージュのここと俺のものを、その、擦り合わせて気持ちよくして貰わないと、達けないんです」
「いく……?」
「えっと……子供の素を出すことです……」
説明するアリスティードは気まずげだった。
「私、何も知らなくて……。男性の体はそうなっているんですね」
「そうですね。女性も、何度もして慣れたら凄く気持ちよくなるみたいです」
アリスティードは困惑の表情で教えてくれた。
「初めてだと、もしかしたら俺が動いたら痛むかもしれません。耐えられそうになかったら教えて下さい。最後までできなくても俺は構わないので」
「はい」
頷くと、頬に口付けられた。
そして、アリスティードは慎重にこちらの様子を窺いながら、ゆっくりと抜き差しを始めた。
「痛くないですか?」
「はい」
本当は少し痛かったけれど、我慢できないほどでもなかったのでネージュは頷いた。
それよりも、痛みの中に、わずかに快感らしきものがあるのにネージュは驚いていた。
特に、アリスティードのものが深くまで潜り込んできた時、言葉ではうまく形容できない不思議な感覚がある。
また、性器同士を擦り合わせていると思うと、いやらしさに頭がおかしくなりそうだ。
「すみません、あまり気持ちよくないですよね……? 俺は凄くいいんですけど……」
どこか切なげに告げられ、ネージュは首を振った。
「いえ、あの、奥を……」
「え……」
「一番奥まで、来て頂けませんか……」
おず、と尋ねた次の瞬間だった。
ズン、と深く穿たれる。
途端に体が跳ねた。
その反応を見たアリスティードは、最奥を抉るように押し付けてきた。
「あっ……」
「もしかして、ここですか?」
「……っ!」
ずちゅ、と奥を一際深く小突かれ、ネージュは声なき悲鳴を上げた。
「大丈夫ですか……?」
「はい、あの、気持ちいい、気がします……」
はあはあと息を整えながら告げると、アリスティードの雰囲気が変わった。
「動きますよ」
小さく囁くと、再び最奥に性器を押し付けられ、ネージュは未知の感覚を逃がすために必死にアリスティードにしがみついた。
◆ ◆ ◆
ネージュはやっぱり魔性だ。
最奥を深く穿ちながら、アリスティードは実感していた。
初めて触れた彼女の体は温かく柔らかかった。
しかも敏感で、アリスティードの唇や指先が触れる度に体が反応するのが愛らしい。
アリスティードの愛撫に反応し、しとどに濡れたそこは、初めてという申告通り、キツく狭かった。
痛いほどにいきり勃ったものを捩じ込むと、それだけで思春期のように暴発しそうになった。
さすがに挿れただけで達くなんて、恥ずかしすぎる。アリスティードは必死に堪えると、ネージュの様子を観察しながら慎重に隘路を切り開いた。
苦しそうな顔に罪悪感が湧き上がる。
少しでも気が紛れればと指先で陰核に触れると、膣内が弛緩した。その隙を狙って、アリスティードは一気に腰を進める。
下腹部同士が触れ合い、根本まで受け入れて貰ったのを確認し、アリスティードは感動を覚えた。
わずかに腰を引いて結合部を確認すると、赤い血液がまとわりついている。
疑っていた訳ではないが、本当に純潔だったのだと思うと、改めて愛おしさが溢れる。
性の知識に乏しい無垢な所も男の征服欲をかき立てる。
ぐちゃぐちゃに犯して淫らな体に調教してやりたい。
自分にしか反応しない、自分専用の女に。
ああ、でも今日は駄目だ。初めてだから優しくしなければ。
そう思っていたのに、抽挿を始めたら、ネージュは最奥が気持ちいいと申告してした。
そこを穿つと体が跳ね、花の蕾が綻ぶように、膣内が解れて襞が甘えるようにまとわりついて来たのだから、アリスティードは頭がおかしくなるかと思った。
気持ちいい。
物理的に性器が拾う快楽だけでなく、小さな喘ぎ声が、跳ねる白い肢体が、ネージュをかたちどる全てがアリスティードの理性を溶かしていく。
氷の精霊のような彼女が、身を捩り、熱い吐息を吐いて喘ぐ姿を見たのはこの世でただ一人、自分だけだ。それがたまらなく嬉しい。
もっと乱して啼かせたい。
その一心でアリスティードはネージュを穿った。
子宮の入り口を激しく突き、かと思ったらぐっと押し付け、その状態で揺すって先端を擦り付けたり、優しくトントンとノックしたり、考えうる方法の全てを試し、ネージュを責め立てる。
目の前で、豊かな胸が誘うように揺れていた。
アリスティードは引き寄せられるように胸の頂点に口付けて強く吸い上げた。
「んっ……むねといっしょ、だめっ……」
ネージュは大きな嬌声を上げると、強くアリスティードのものを締め付けた。
(くそっ……)
彼女が腰をくねらせて乱れる度に、襞がうねってアリスティードの性器全体に絡み付き、射精を促してくる。
気持ちいい。良すぎておかしくなる。
まだ。もっとネージュの中を貪りたいのに。
だけど、早く欲を放って、彼女を穢したいという相反する欲望も生まれる。
すでに自分のものは、ダラダラと涎のように先走りをはしたなく分泌しているに違いない。
「アリス様ぁ……」
はあはあと荒い息をつき、喘ぎながら自分の名を呼ぶネージュは暴力的に愛らしかった。
初めてのくせに男を根元まで咥え込んで、散々に犯されて感じるとは、なんて淫らな女なんだろう。彼女は魔性だとつくづく実感する。
いつの間にやらアリスティードは気遣いを忘れ、自身の快感を追うために夢中でネージュを貪っていた。
そして、極限まで追い詰められたアリスティードは、彼女の体を一際強く抱き込むと、唇を乱暴に奪った。
そしてネージュの最奥、子宮口に性器の先端を強く押し付ける。
その時だった。
「――――!」
声なき悲鳴と一緒に、ネージュの体が痙攣した。
――達ってる。
これまでも軽く何度も達している雰囲気はあったけれど、一際強い収縮に、アリスティードは彼女の深い絶頂を察した。
そして、それに引きずられるように、こちらもずっと堪えていた欲を解き放つ。
吐精は自分でも引くほど長かった。
最後の一滴を放ちきるまで、いや、放った後も、アリスティードはネージュの体を抱き締め続けた。
穢してやった。これで彼女は自分のものだ。
アリスティードは、更なる征服欲を満たすために、膣内に性器を擦り付けた。
子宮から膣の襞の隅々にまで、自身の放ったものを塗り込めるために。
そして思う。放ったものが実を結べばいいのに。
そうなれば自分達が死んだ後も、自分と彼女が混ざりあった存在が命を未来に繋いでいく。
アリスティードはどこか仄暗い欲望を抱きながら、腕の中のネージュの額に唇を落とした。
アリスティードの触れ方は優しく、そんな意図が感じられた。
十分に慣れた頃を見計らって指を増やし、外性器の敏感な部分に口付けて、快感を与え弛緩を促す。
気持ちいいけれど、恥ずかしくていたたまれない。
「も、いや……、んんっ……!」
抗議すると、唇で強く吸い上げられ、ネージュは嬌声を上げた。
「すいません、そろそろ俺が限界です」
囁かれたと思ったら、指が引き抜かれた。
替わりにもっと大きくて太いものが入り口にあてがわれる。
遂に繋がるのだ。
痛みへの不安、恐怖と同時に、特別な異性と一つになるのだという期待にドキドキした。
入り口を少しずつ押し広げて、アリスティードの男性器が膣内に挿入ってくる。
「んっ……」
みちみちと隘路を切り開かれ、引き裂かれるように痛んだ。
だけど、耐えられないほどではない。
「大丈夫ですか……?」
「はい。やめないで……」
ちゃんと繋がりたい。そして、後継者を授けて欲しい。
その一心で、ネージュは痛みを堪えた。
「辛そうですね。申し訳ありません」
アリスティードの指先が、結合部に伸びてきた。
かと思うと敏感な場所を刺激される。
「あっ!」
嬌声と同時に体が弛緩し、ずぶり、と更に深くアリスティードのものが入り込んできた。
「全部入りましたよ。わかりますか?」
ネージュは荒い息をつきながら繋がった場所に視線を向ける。
確かに互いの下腹部が密着し、自分の中がアリスティードの形に押し広げられている感覚がある。
「わたし、アリス様と……」
遂に一つになったのだ。
そう自覚すると、痛みが甘く感じられた。
「落ち着くまでこのままで……」
そう囁くと、アリスティードは唇を重ねてきた。
最初は啄むように。やがて舌が侵入してくる。
上でも下でも粘膜同士繋がりあってると思うと、いやらしさと多幸感でくらくらした。
特別な異性と特別な場所で触れ合うのは、なんて幸せなんだろう。しかもこの行為の先には新しい命を授かる可能性もあるのだ。
ネージュの一番奥、子供を育む場所と、アリスティードの赤ちゃんの素が出てくる場所が、今ぴったりと密着している。
それが卑猥で、でも嬉しくて、自覚すると、膣壁が蠕動して、アリスティードのものをきゅうっと食い締めた。
「そろそろ動きますね」
「うごく……? これで終わりではないんですか……?」
ネージュが尋ねると、アリスティードは固まった。
「……初めてだから……そうか……」
ややあって彼はつぶやくと、体を離し、ネージュの下腹部に手を当ててくる。
「動いて、ネージュのここと俺のものを、その、擦り合わせて気持ちよくして貰わないと、達けないんです」
「いく……?」
「えっと……子供の素を出すことです……」
説明するアリスティードは気まずげだった。
「私、何も知らなくて……。男性の体はそうなっているんですね」
「そうですね。女性も、何度もして慣れたら凄く気持ちよくなるみたいです」
アリスティードは困惑の表情で教えてくれた。
「初めてだと、もしかしたら俺が動いたら痛むかもしれません。耐えられそうになかったら教えて下さい。最後までできなくても俺は構わないので」
「はい」
頷くと、頬に口付けられた。
そして、アリスティードは慎重にこちらの様子を窺いながら、ゆっくりと抜き差しを始めた。
「痛くないですか?」
「はい」
本当は少し痛かったけれど、我慢できないほどでもなかったのでネージュは頷いた。
それよりも、痛みの中に、わずかに快感らしきものがあるのにネージュは驚いていた。
特に、アリスティードのものが深くまで潜り込んできた時、言葉ではうまく形容できない不思議な感覚がある。
また、性器同士を擦り合わせていると思うと、いやらしさに頭がおかしくなりそうだ。
「すみません、あまり気持ちよくないですよね……? 俺は凄くいいんですけど……」
どこか切なげに告げられ、ネージュは首を振った。
「いえ、あの、奥を……」
「え……」
「一番奥まで、来て頂けませんか……」
おず、と尋ねた次の瞬間だった。
ズン、と深く穿たれる。
途端に体が跳ねた。
その反応を見たアリスティードは、最奥を抉るように押し付けてきた。
「あっ……」
「もしかして、ここですか?」
「……っ!」
ずちゅ、と奥を一際深く小突かれ、ネージュは声なき悲鳴を上げた。
「大丈夫ですか……?」
「はい、あの、気持ちいい、気がします……」
はあはあと息を整えながら告げると、アリスティードの雰囲気が変わった。
「動きますよ」
小さく囁くと、再び最奥に性器を押し付けられ、ネージュは未知の感覚を逃がすために必死にアリスティードにしがみついた。
◆ ◆ ◆
ネージュはやっぱり魔性だ。
最奥を深く穿ちながら、アリスティードは実感していた。
初めて触れた彼女の体は温かく柔らかかった。
しかも敏感で、アリスティードの唇や指先が触れる度に体が反応するのが愛らしい。
アリスティードの愛撫に反応し、しとどに濡れたそこは、初めてという申告通り、キツく狭かった。
痛いほどにいきり勃ったものを捩じ込むと、それだけで思春期のように暴発しそうになった。
さすがに挿れただけで達くなんて、恥ずかしすぎる。アリスティードは必死に堪えると、ネージュの様子を観察しながら慎重に隘路を切り開いた。
苦しそうな顔に罪悪感が湧き上がる。
少しでも気が紛れればと指先で陰核に触れると、膣内が弛緩した。その隙を狙って、アリスティードは一気に腰を進める。
下腹部同士が触れ合い、根本まで受け入れて貰ったのを確認し、アリスティードは感動を覚えた。
わずかに腰を引いて結合部を確認すると、赤い血液がまとわりついている。
疑っていた訳ではないが、本当に純潔だったのだと思うと、改めて愛おしさが溢れる。
性の知識に乏しい無垢な所も男の征服欲をかき立てる。
ぐちゃぐちゃに犯して淫らな体に調教してやりたい。
自分にしか反応しない、自分専用の女に。
ああ、でも今日は駄目だ。初めてだから優しくしなければ。
そう思っていたのに、抽挿を始めたら、ネージュは最奥が気持ちいいと申告してした。
そこを穿つと体が跳ね、花の蕾が綻ぶように、膣内が解れて襞が甘えるようにまとわりついて来たのだから、アリスティードは頭がおかしくなるかと思った。
気持ちいい。
物理的に性器が拾う快楽だけでなく、小さな喘ぎ声が、跳ねる白い肢体が、ネージュをかたちどる全てがアリスティードの理性を溶かしていく。
氷の精霊のような彼女が、身を捩り、熱い吐息を吐いて喘ぐ姿を見たのはこの世でただ一人、自分だけだ。それがたまらなく嬉しい。
もっと乱して啼かせたい。
その一心でアリスティードはネージュを穿った。
子宮の入り口を激しく突き、かと思ったらぐっと押し付け、その状態で揺すって先端を擦り付けたり、優しくトントンとノックしたり、考えうる方法の全てを試し、ネージュを責め立てる。
目の前で、豊かな胸が誘うように揺れていた。
アリスティードは引き寄せられるように胸の頂点に口付けて強く吸い上げた。
「んっ……むねといっしょ、だめっ……」
ネージュは大きな嬌声を上げると、強くアリスティードのものを締め付けた。
(くそっ……)
彼女が腰をくねらせて乱れる度に、襞がうねってアリスティードの性器全体に絡み付き、射精を促してくる。
気持ちいい。良すぎておかしくなる。
まだ。もっとネージュの中を貪りたいのに。
だけど、早く欲を放って、彼女を穢したいという相反する欲望も生まれる。
すでに自分のものは、ダラダラと涎のように先走りをはしたなく分泌しているに違いない。
「アリス様ぁ……」
はあはあと荒い息をつき、喘ぎながら自分の名を呼ぶネージュは暴力的に愛らしかった。
初めてのくせに男を根元まで咥え込んで、散々に犯されて感じるとは、なんて淫らな女なんだろう。彼女は魔性だとつくづく実感する。
いつの間にやらアリスティードは気遣いを忘れ、自身の快感を追うために夢中でネージュを貪っていた。
そして、極限まで追い詰められたアリスティードは、彼女の体を一際強く抱き込むと、唇を乱暴に奪った。
そしてネージュの最奥、子宮口に性器の先端を強く押し付ける。
その時だった。
「――――!」
声なき悲鳴と一緒に、ネージュの体が痙攣した。
――達ってる。
これまでも軽く何度も達している雰囲気はあったけれど、一際強い収縮に、アリスティードは彼女の深い絶頂を察した。
そして、それに引きずられるように、こちらもずっと堪えていた欲を解き放つ。
吐精は自分でも引くほど長かった。
最後の一滴を放ちきるまで、いや、放った後も、アリスティードはネージュの体を抱き締め続けた。
穢してやった。これで彼女は自分のものだ。
アリスティードは、更なる征服欲を満たすために、膣内に性器を擦り付けた。
子宮から膣の襞の隅々にまで、自身の放ったものを塗り込めるために。
そして思う。放ったものが実を結べばいいのに。
そうなれば自分達が死んだ後も、自分と彼女が混ざりあった存在が命を未来に繋いでいく。
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