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プロローグ
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塔の窓から朝日が差し込んでいる。
ほんの少しキラキラしている光の道筋をぼんやりと眺めていた。
あ、またここで寝過ごしてしまった。確実に怒られる。
でもしょうがないのよね、今読んでる本がどうしても止まらなくって・・・。
自分に言い訳しつつ夜更かししてしまったソファーから立ち上がり本をサイドテーブルにのせた瞬間。
コンコンコン。
ドアをノックされる。
このノックはきっと執事のジョンだろう。
ドアを開けたくない。うん、寝たふりをしよう。
何も返事していないのにドアを開ける音がした。
「おはようございます、お嬢様。寝たふりは結構ですから。
ただいまより朝の準備をさせていだたきます。
いつになったら人レベルの生活をしていただけるのでしょうか。
本が好きなのは構いません。もう諦めました。
せめてベットで寝るという当たり前のことをしていただくのに
どうしてこんなに私が毎日お小言を言わなければならないのでしょうか」
「ご、ご、ごめんなさい・・」
この執事のジョンはとても背が高く私を見下ろしながらいつも説教してくる。
怖いったらありゃしない。
「あ、でもね、徹夜したおかげで農業に詳しくなったのよ?
土のこととかすごく詳しく書いてあってね」
「お嬢様、どんどん知識が増えることは大変よろしいことですがどこでそれを出す機会があるのですか?
それよりも数ヶ月もサボっているピアノとダンスの練習をして今年こそは舞踏会のシーズンに間に合うように努力をなさってはいかがでしょうか」
「舞踏会ねぇ」
私は人前に出るのが心底いやだ。毎日本に囲まれて一日この図書館がある塔の中でこもってたい。
大体、私なんかと関わりたいって人はいないと思うよ〜
伯爵家というのは名ばかりでかなりの貧乏、超貧乏。あるのはあまり作物の育たない広い領土と人がやたらといい村人たち。その領土も今年で猛暑が続き雨もあまり降らず作物が育たなくなり以前にも増して厳しい状況になってきた。
父はその資金巡りに走り回っており、現在この屋敷にいるのは私と弟のみ。
父は人がいいってだけでこの領土のことやまつりごとに関して無欲で知識もぶっちゃけないから資金がどうにかなるとは到底思えない。そのためこの荒地でも短期間でどうにかなる作物や土の改良について色々と調べてたというのにこの執事からするとこんなことは女のすることじゃないと思っているらしい。うちのお手伝いさんたちもみんな「しょうがないですね」って言ってくれるのにこの執事ときたら・・・
今は舞踏会とか行ってる場合じゃないと思うのだけど。それよりもこの土地をどうにかしないと。
父に今夜にでも見せようと文献をまとめてわかりやすく村人たち用にもまとめて頑張ったんだよね。
いつもは本を読むばっかりで知識を詰め込んでおしまいにしてたけどさすがに状況がやばいって私でもわかったから初めて改善案を作ってみたのよ。
「お嬢様、顔に文句が書いてありますが世間一般的におかしいのはお嬢様ですからね。さ、朝の準備をさせてください」
表情一つ変えずどんどん朝の準備が始まる。
この朝からお小言の光景は、大体毎朝行われる。ということは、私は悲しいことに大体毎朝怒られていることになる。
図書室にこもりっぱなしの私がいけないんだけどね。でも実際のところこもってても何も困ってないじゃない?だからズルズルと本ばかり読む日々を過ごしていた。
この日常が永遠に続くと思っていた。甘い考えの私に神様が罰を与えたのだろうか。
メイドに手伝っってもらいながら質素なドレスに着替え終わりさあ朝ごはんを食べましょうかと話していた時、どんなに私が変なことしても表情を変えないジョンが慌ててノックをして部屋に入ってきた。
その表情は真っ青で険しかった。
「ジョンどうし・・・」
言いかけた瞬間、
「お嬢様、旦那様が旅先にて病で倒れたのちお亡くなりになられました」
私の言葉を遮るかのように早口で述べた。
お父様がなくなった?
え、なに言ってんの?
ほんの少しキラキラしている光の道筋をぼんやりと眺めていた。
あ、またここで寝過ごしてしまった。確実に怒られる。
でもしょうがないのよね、今読んでる本がどうしても止まらなくって・・・。
自分に言い訳しつつ夜更かししてしまったソファーから立ち上がり本をサイドテーブルにのせた瞬間。
コンコンコン。
ドアをノックされる。
このノックはきっと執事のジョンだろう。
ドアを開けたくない。うん、寝たふりをしよう。
何も返事していないのにドアを開ける音がした。
「おはようございます、お嬢様。寝たふりは結構ですから。
ただいまより朝の準備をさせていだたきます。
いつになったら人レベルの生活をしていただけるのでしょうか。
本が好きなのは構いません。もう諦めました。
せめてベットで寝るという当たり前のことをしていただくのに
どうしてこんなに私が毎日お小言を言わなければならないのでしょうか」
「ご、ご、ごめんなさい・・」
この執事のジョンはとても背が高く私を見下ろしながらいつも説教してくる。
怖いったらありゃしない。
「あ、でもね、徹夜したおかげで農業に詳しくなったのよ?
土のこととかすごく詳しく書いてあってね」
「お嬢様、どんどん知識が増えることは大変よろしいことですがどこでそれを出す機会があるのですか?
それよりも数ヶ月もサボっているピアノとダンスの練習をして今年こそは舞踏会のシーズンに間に合うように努力をなさってはいかがでしょうか」
「舞踏会ねぇ」
私は人前に出るのが心底いやだ。毎日本に囲まれて一日この図書館がある塔の中でこもってたい。
大体、私なんかと関わりたいって人はいないと思うよ〜
伯爵家というのは名ばかりでかなりの貧乏、超貧乏。あるのはあまり作物の育たない広い領土と人がやたらといい村人たち。その領土も今年で猛暑が続き雨もあまり降らず作物が育たなくなり以前にも増して厳しい状況になってきた。
父はその資金巡りに走り回っており、現在この屋敷にいるのは私と弟のみ。
父は人がいいってだけでこの領土のことやまつりごとに関して無欲で知識もぶっちゃけないから資金がどうにかなるとは到底思えない。そのためこの荒地でも短期間でどうにかなる作物や土の改良について色々と調べてたというのにこの執事からするとこんなことは女のすることじゃないと思っているらしい。うちのお手伝いさんたちもみんな「しょうがないですね」って言ってくれるのにこの執事ときたら・・・
今は舞踏会とか行ってる場合じゃないと思うのだけど。それよりもこの土地をどうにかしないと。
父に今夜にでも見せようと文献をまとめてわかりやすく村人たち用にもまとめて頑張ったんだよね。
いつもは本を読むばっかりで知識を詰め込んでおしまいにしてたけどさすがに状況がやばいって私でもわかったから初めて改善案を作ってみたのよ。
「お嬢様、顔に文句が書いてありますが世間一般的におかしいのはお嬢様ですからね。さ、朝の準備をさせてください」
表情一つ変えずどんどん朝の準備が始まる。
この朝からお小言の光景は、大体毎朝行われる。ということは、私は悲しいことに大体毎朝怒られていることになる。
図書室にこもりっぱなしの私がいけないんだけどね。でも実際のところこもってても何も困ってないじゃない?だからズルズルと本ばかり読む日々を過ごしていた。
この日常が永遠に続くと思っていた。甘い考えの私に神様が罰を与えたのだろうか。
メイドに手伝っってもらいながら質素なドレスに着替え終わりさあ朝ごはんを食べましょうかと話していた時、どんなに私が変なことしても表情を変えないジョンが慌ててノックをして部屋に入ってきた。
その表情は真っ青で険しかった。
「ジョンどうし・・・」
言いかけた瞬間、
「お嬢様、旦那様が旅先にて病で倒れたのちお亡くなりになられました」
私の言葉を遮るかのように早口で述べた。
お父様がなくなった?
え、なに言ってんの?
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