8 / 16
7
しおりを挟む
ふわふわわふわ・・・・。
何か大きなものに包まれてる。
大きくて暖かくて。
こんなに気持ちよいあたたかさ、初めて。
なんとなくそんな夢を見てたような気がする。
目を覚ました瞬間、頭がズキッと痛んだ。
うぉ。痛い・・。
頭だけじゃなくなんだかあちこち痛みがあるのはなぜかしら。
痛みのところを触りながら体を起こす。
すると、目の前に大きな足が見えた。
私のお気に入りの一人がけのソファーに大きな大きな黒い人が座っている。
腕を組んで下を向いてるから誰だかわからないけど
こんなに大きな人、私知らない。
というか、誰?え?
こ、怖い・・・。
思わず後ろに下がってシーツを引き上げた。
その音で、その人は顔をあげ、私をじっと見つめてくる。
でも顔は逆光でほとんど見えない。
誰?なんで私の寝室にいるの?
「起きたのか?」
低い響く声で問いかけられたけど私は頷くことしかできない。
それを見て急に立ち上がったため、私は怖くて震えてしまった。
でもその男の人はそんな私を少しだけ見つめ立ち去った。
閉められたドアを呆然として眺めていたら
ジョンとビーが慌てて入ってきた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
二人とも泣きそうな顔をしていたのがなぜかわからなかった。
「ちょっと頭が痛いかな。あと、あちこち地味に痛い・・」
「もう、もう命が助かっただけでもありがたいと感謝してくださいよ!!
馬に蹴られそうだったんですからね。もうあんな道、通るのやめてください!!」
馬に蹴られる?
そういえば、小道を通って出た瞬間、黒い馬に踏まれそうになって・・・
「殿下が避けてくださったからよかったものの倒れた時に木の根につまずいて
頭と腕と太ももを打撲され二日も眠り続けて・・・・」
「え?二日間も?」
そんなに眠ってたの?それよりも。
「ちょっと待って。殿下ってさっき言ったわよね。殿下って・・・」
「先ほどまで、殿下がずっと付き添ってくださってたんですよ。私たちがどんなにお止めしても
自分のせいだからって仕事もこちらの部屋に運ばれてお嬢様の側から離れなかったのです」
え?殿下が?あの怖いと言われる殿下が?
「とにかくこの数日は私どもが何を言っても動かれなくて領土にも行かれずただひたすら
お嬢様の作成された書類を読み一緒に来られた方々の報告を聞いておられました。
私たちとはほとんど言葉を交わすことなく過ごされてます。なので殿下の判断が・・・」
そこまでジョンが話しすと、ドアノックの音が聞こえた。
「ケイティー様、今お話ししてもよろしいでしょうか」
だ、だれ?
涙目になりがらジョンとビーを見上げる。
ジョンはこっそりと「あの声はアレクサンドラス陛下の第一側近オリバー様の声です」
いや、そんな情報いらないから。いやいやと首を振ってる私を無視してジョンが入るように促した。
ちょっと、主人の気持ちは無視ですか。
ドアからは私の想像とはかけ離れてとても綺麗な顔でそれはそれはキラキラしており
少年?青年?とどっちなのかわからないほどの年齢だった。
それでも腰には長い剣があり剣士であることがわかる。
にこやかに私に近ついてきてベッドのそばまで来ると、片膝をついて深々と礼をする。
「ケイティー様、お休みのところ申し訳ございません。私、アレクサンドラス殿下の第一側近の
オリバーと申します。以後、お見知り置きを」
「あ、はい・・。えと、ベッドですみません。あの・・よろしくお願いします」
今まで、あまり外の人と話してこなかったのがここで出てしまった。こんな時になんと返すべきなのか、
どんな対応すべきなのか全くわからない。その前に眩しすぎて顔を見ることが出来ない!!
「お加減はいかがですか。どこか辛いとこなどないでしょうか」
「す、少し頭が痛いぐらいであとは大丈夫・・・です。多分・・」
じっと見つめられると耐えられません。なんだろうか、綺麗でにこやかなんだけど
ちょっと怖いというか笑顔の裏になんか違うことを考えていそうで怖いというか・・・。
「それはようございました。陛下が少しお話がしたいということですがよろしいでしょうか」
は?今?ここで?
「えと、今ですか?それならば広間の方で」
「いえ、こちらで」
笑顔なのにどうしてこんなに威圧的なんだろうか、この人。
ちらりとジョンを見上げても無表情で考えが読めない。
今度はビーを見るとニヤニヤしてる。なんでここでニヤけるの?わけがわからない。
どう答えたらいいのか迷ってると
「じゃあ、陛下に伝えてきます」
と、ドアの方へと向かって行った。え、私、まだ何も言ってませんけど。
「では私たちも準備させていただきます」
「え?いてくれないの?」
私の情けない声にフッと微笑みながら二人は深々とお辞儀をして部屋を出た。
取り残されたんですけど。
陛下と二人でしかも寝室で話すとかさすがの私でもそれはいけないことだと思いますの。
それなのに当たり前のようにここにいらっしゃるって・・・・。
あ、でも私が眠ってる間、ずっと付き添って頂いたからみんな慣れてるのか。
でもなんで付き添ったりしたのかしら。
私が飛び出したのに、私が悪いというのに。
怖いというのは実は見かけだけで実はとても優しい方でいらっしゃるのかしら。
冷徹で敵とみなしたものには容赦無く斬りつけるというのはただの噂とか。
あれこれと下を向いて考えていると黒い影が視界に入った。
私を見下ろす形で殿下、アレクサンドラス殿下が立っているのを見上げた私は初めて目があった。
深い深い緑の瞳から目が離せない。
なんて綺麗な瞳。
とても澄んでいてまっすぐで。
それでいて深い森のようでととても落ち着く。
そんな瞳を見たのは初めてだった。
何か大きなものに包まれてる。
大きくて暖かくて。
こんなに気持ちよいあたたかさ、初めて。
なんとなくそんな夢を見てたような気がする。
目を覚ました瞬間、頭がズキッと痛んだ。
うぉ。痛い・・。
頭だけじゃなくなんだかあちこち痛みがあるのはなぜかしら。
痛みのところを触りながら体を起こす。
すると、目の前に大きな足が見えた。
私のお気に入りの一人がけのソファーに大きな大きな黒い人が座っている。
腕を組んで下を向いてるから誰だかわからないけど
こんなに大きな人、私知らない。
というか、誰?え?
こ、怖い・・・。
思わず後ろに下がってシーツを引き上げた。
その音で、その人は顔をあげ、私をじっと見つめてくる。
でも顔は逆光でほとんど見えない。
誰?なんで私の寝室にいるの?
「起きたのか?」
低い響く声で問いかけられたけど私は頷くことしかできない。
それを見て急に立ち上がったため、私は怖くて震えてしまった。
でもその男の人はそんな私を少しだけ見つめ立ち去った。
閉められたドアを呆然として眺めていたら
ジョンとビーが慌てて入ってきた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
二人とも泣きそうな顔をしていたのがなぜかわからなかった。
「ちょっと頭が痛いかな。あと、あちこち地味に痛い・・」
「もう、もう命が助かっただけでもありがたいと感謝してくださいよ!!
馬に蹴られそうだったんですからね。もうあんな道、通るのやめてください!!」
馬に蹴られる?
そういえば、小道を通って出た瞬間、黒い馬に踏まれそうになって・・・
「殿下が避けてくださったからよかったものの倒れた時に木の根につまずいて
頭と腕と太ももを打撲され二日も眠り続けて・・・・」
「え?二日間も?」
そんなに眠ってたの?それよりも。
「ちょっと待って。殿下ってさっき言ったわよね。殿下って・・・」
「先ほどまで、殿下がずっと付き添ってくださってたんですよ。私たちがどんなにお止めしても
自分のせいだからって仕事もこちらの部屋に運ばれてお嬢様の側から離れなかったのです」
え?殿下が?あの怖いと言われる殿下が?
「とにかくこの数日は私どもが何を言っても動かれなくて領土にも行かれずただひたすら
お嬢様の作成された書類を読み一緒に来られた方々の報告を聞いておられました。
私たちとはほとんど言葉を交わすことなく過ごされてます。なので殿下の判断が・・・」
そこまでジョンが話しすと、ドアノックの音が聞こえた。
「ケイティー様、今お話ししてもよろしいでしょうか」
だ、だれ?
涙目になりがらジョンとビーを見上げる。
ジョンはこっそりと「あの声はアレクサンドラス陛下の第一側近オリバー様の声です」
いや、そんな情報いらないから。いやいやと首を振ってる私を無視してジョンが入るように促した。
ちょっと、主人の気持ちは無視ですか。
ドアからは私の想像とはかけ離れてとても綺麗な顔でそれはそれはキラキラしており
少年?青年?とどっちなのかわからないほどの年齢だった。
それでも腰には長い剣があり剣士であることがわかる。
にこやかに私に近ついてきてベッドのそばまで来ると、片膝をついて深々と礼をする。
「ケイティー様、お休みのところ申し訳ございません。私、アレクサンドラス殿下の第一側近の
オリバーと申します。以後、お見知り置きを」
「あ、はい・・。えと、ベッドですみません。あの・・よろしくお願いします」
今まで、あまり外の人と話してこなかったのがここで出てしまった。こんな時になんと返すべきなのか、
どんな対応すべきなのか全くわからない。その前に眩しすぎて顔を見ることが出来ない!!
「お加減はいかがですか。どこか辛いとこなどないでしょうか」
「す、少し頭が痛いぐらいであとは大丈夫・・・です。多分・・」
じっと見つめられると耐えられません。なんだろうか、綺麗でにこやかなんだけど
ちょっと怖いというか笑顔の裏になんか違うことを考えていそうで怖いというか・・・。
「それはようございました。陛下が少しお話がしたいということですがよろしいでしょうか」
は?今?ここで?
「えと、今ですか?それならば広間の方で」
「いえ、こちらで」
笑顔なのにどうしてこんなに威圧的なんだろうか、この人。
ちらりとジョンを見上げても無表情で考えが読めない。
今度はビーを見るとニヤニヤしてる。なんでここでニヤけるの?わけがわからない。
どう答えたらいいのか迷ってると
「じゃあ、陛下に伝えてきます」
と、ドアの方へと向かって行った。え、私、まだ何も言ってませんけど。
「では私たちも準備させていただきます」
「え?いてくれないの?」
私の情けない声にフッと微笑みながら二人は深々とお辞儀をして部屋を出た。
取り残されたんですけど。
陛下と二人でしかも寝室で話すとかさすがの私でもそれはいけないことだと思いますの。
それなのに当たり前のようにここにいらっしゃるって・・・・。
あ、でも私が眠ってる間、ずっと付き添って頂いたからみんな慣れてるのか。
でもなんで付き添ったりしたのかしら。
私が飛び出したのに、私が悪いというのに。
怖いというのは実は見かけだけで実はとても優しい方でいらっしゃるのかしら。
冷徹で敵とみなしたものには容赦無く斬りつけるというのはただの噂とか。
あれこれと下を向いて考えていると黒い影が視界に入った。
私を見下ろす形で殿下、アレクサンドラス殿下が立っているのを見上げた私は初めて目があった。
深い深い緑の瞳から目が離せない。
なんて綺麗な瞳。
とても澄んでいてまっすぐで。
それでいて深い森のようでととても落ち着く。
そんな瞳を見たのは初めてだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
さよなら、私の初恋の人
キムラましゅろう
恋愛
さよなら私のかわいい王子さま。
破天荒で常識外れで魔術バカの、私の優しくて愛しい王子さま。
出会いは10歳。
世話係に任命されたのも10歳。
それから5年間、リリシャは問題行動の多い末っ子王子ハロルドの世話を焼き続けてきた。
そんなリリシャにハロルドも信頼を寄せていて。
だけどいつまでも子供のままではいられない。
ハロルドの婚約者選定の話が上がり出し、リリシャは引き際を悟る。
いつもながらの完全ご都合主義。
作中「GGL」というBL要素のある本に触れる箇所があります。
直接的な描写はありませんが、地雷の方はご自衛をお願いいたします。
※関連作品『懐妊したポンコツ妻は夫から自立したい』
誤字脱字の宝庫です。温かい目でお読み頂けますと幸いです。
小説家になろうさんでも時差投稿します。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる