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16、10年前
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「聖女殿に初めてお会いしたのは10年前のことだったな」
レドの言葉に、アザリアは自らの記憶を探ることになる。
10年前。
アザリアはもちろん、レドも幼かったに違いないが、果たして出会ったことはあっただろうか?
心当たりは無かった。
しかし、10年前。
その当時については、アザリアには強く印象に残っていた。
当然の話だ。
10年前とは、アザリアにとって大きな転機となった時期であり──
「場所は王都の大聖堂だ。そこで、あの方を聖女──それも大聖女として任命する式典があったのだ」
もちろんのこと覚えていた。
あの年はそういう年だった。
村を訪れた聖女によって、アザリアが聖女としての素質を認められたのが春の始め。
そして春が終わる頃にはもう大聖堂へと招かれたのだ。
卓越した力を持っているとされ、当時空位となっていた大聖女の地位を与えられることになった。
まだ自らの力に半信半疑だった頃である。
それでも与えられた役割を果たしてみせようと、幼いなりに気負って式典に臨んだことはよく覚えているが、
(あの時にこの人が?)
そういうことになるのだろう。
その上で、マウロの言うところの『演技』に繋がるのかどうか。
レドは腕組みをし、しみじみとして言葉を紡ぐ。
「あの時のあの方はな、本当にまったく素晴らしかった。私と同年代だというのに、あの立派な風格はどうだ? 自らの使命に応えて見せようと、胸を張って、その目は真摯な光に輝いていてな。だが……」
レドはわずかに表情を曇らせた。
「一方で、立派で無い者も少なからずいた。私も含め、大聖堂には多くの主席者がいたのだ。ほとんどは貴族だが、その者たちがな。身分に見るべきところが無く、何より聖女としての『燐光』を持たない彼女に対し、陰口を惜しまなかったのだ。偽物ではないのかと、平然と口にしていた」
その記憶はアザリアにもあった。
緊張のせいだろうか。陰口の記憶までは無いが、自身への歓迎の空気が無かったことは理解していた。
当時を思い出してのことだろう。
レドは嘆かわしげにため息を吐いた。
「まぁ、嫉妬だ。権威ある大聖女の地位を、農民の娘に奪われるのが我慢ならなかったらしい。そして、あれこれ理由をつけて非難したわけだ。農民風情がこのような力を授かるはずが無い。『燐光』が無ければ偽物に違いないとな」
レドはやれやれと首を左右にした。
「バカらしい話だ。聖女の力に身分の上下が関係ないことは歴史が証明している。『燐光』は無くとも、彼女の力は同じ聖女が認めたものだ。疑う余地など無い。だが、確かなものとして非難の声は聖堂に渦巻いていて……ふふ」
不意にだ。
彼は笑い声を漏らすと、アザリアを得意げな笑みで見つめてきた。
「ここからが本題だ。当時の私は浅はかな連中を何とか黙らしてやりたいと思ったのだが、なかなかの頭の冴えを発揮してな?」
どこかもったいぶった後、レドはニコリと笑みを深めた。
「大声で非難してみたのだ。農民風情が大聖女であるはずが無い! 『燐光』の無い聖女などいるものか! ……と、こんな感じだ」
アザリアは目を見開くことになる。
(あ、あの時の……!)
思い出したのだ。
確かにあった。
そんな一悶着があった。
式典の最中、大声で妙なことを言い出した子供が一人いた。
レドは得意げに話を続ける。
「するとどうだ? 同意の声など上がらなかったが、これは当然だ。私の大声は、まさにバカな子供の戯言としか響かなかったはずだからな」
彼はうんうんと満足そうに頷く。
「バカな子供と同列に思われては敵わないのだ。周囲は慌てて言い繕うことになった。聖女の力に身分は関係ない。『燐光』の有無など、聖女たちが認める事実の前には意味は無い。これが常識だ。これだから子供はとな」
蘇った記憶でもそうだった。
あの罵声のあと、会場は一転アザリアを受け入れる雰囲気に変わったのだ。
「まったく、我ながら良い閃きだった。とにかく、一人バカがいれば良いのだ。そうすれば、周囲は大人しくなる。バカと同列に思われたくなければ、良識人ぶるしかなくなる」
アザリアは思い出していた。
だからなのだろうか。
レドがことあるごとに自身を非難してきたのは、そのバカであるためなのだろうか。
周囲からのアザリアへの非難を抑えるため……アザリアを守るためにバカ公爵とそしられる道を選んだのだろうか。
話は続くらしい。
レドは再びの笑みを見せてくる。
「この名案だが、また別の効能があったのだ。私は大聖女非難の第一人者という立場に収まったのだが、この立場が非常に有効でな?」
なかなか意味が分からなかったが、これについても今まで通りだ。
レドは得意げに説明をしてくれた。
非難の声が収まったとは言え、アザリアへの嫉妬自体は何も変わらなかった。
特にそれが顕著だったのは、聖女を娘や親族に持つ貴族たちだ。
農民の娘風情が、自らの親族よりも高い地位と評価を得ている。
彼らは自然、アザリアの排除を考えるようになった。
その時に、彼らが頼りにしたのはレドだったと言う。
国内有数の大貴族にして、アザリア批判の急先鋒。
必ず力になってくれると思ったらしいのだ。
だが、
「おかげで良からぬ企みは全て筒抜けという話だ」
簡単に阻止出来たということらしかった。
そして、良からぬ企みは国内の貴族たちだけのものでは無かったらしい。
スザンと良からぬ関係にある他国にとっては、スザンの豊穣を約束するアザリアの存在は邪魔でしか無かったのだ。
しかし、これも国内の貴族たちと同様だ。
レドを協力者として頼りにし、しかしレドによって暗に阻止される結果になったとのこと。
「ふふふ。あらためて10年前の私の冴えはなかなかだったな。あの時の行動が、今に至るまでの多くの益を生み出すことになったわけだ」
彼が得意満面の笑みを浮かべているとだ。
反応する者があった。
今までうんざりと聞き役に徹していたマウロが頷を見せる。
レドの言葉に、アザリアは自らの記憶を探ることになる。
10年前。
アザリアはもちろん、レドも幼かったに違いないが、果たして出会ったことはあっただろうか?
心当たりは無かった。
しかし、10年前。
その当時については、アザリアには強く印象に残っていた。
当然の話だ。
10年前とは、アザリアにとって大きな転機となった時期であり──
「場所は王都の大聖堂だ。そこで、あの方を聖女──それも大聖女として任命する式典があったのだ」
もちろんのこと覚えていた。
あの年はそういう年だった。
村を訪れた聖女によって、アザリアが聖女としての素質を認められたのが春の始め。
そして春が終わる頃にはもう大聖堂へと招かれたのだ。
卓越した力を持っているとされ、当時空位となっていた大聖女の地位を与えられることになった。
まだ自らの力に半信半疑だった頃である。
それでも与えられた役割を果たしてみせようと、幼いなりに気負って式典に臨んだことはよく覚えているが、
(あの時にこの人が?)
そういうことになるのだろう。
その上で、マウロの言うところの『演技』に繋がるのかどうか。
レドは腕組みをし、しみじみとして言葉を紡ぐ。
「あの時のあの方はな、本当にまったく素晴らしかった。私と同年代だというのに、あの立派な風格はどうだ? 自らの使命に応えて見せようと、胸を張って、その目は真摯な光に輝いていてな。だが……」
レドはわずかに表情を曇らせた。
「一方で、立派で無い者も少なからずいた。私も含め、大聖堂には多くの主席者がいたのだ。ほとんどは貴族だが、その者たちがな。身分に見るべきところが無く、何より聖女としての『燐光』を持たない彼女に対し、陰口を惜しまなかったのだ。偽物ではないのかと、平然と口にしていた」
その記憶はアザリアにもあった。
緊張のせいだろうか。陰口の記憶までは無いが、自身への歓迎の空気が無かったことは理解していた。
当時を思い出してのことだろう。
レドは嘆かわしげにため息を吐いた。
「まぁ、嫉妬だ。権威ある大聖女の地位を、農民の娘に奪われるのが我慢ならなかったらしい。そして、あれこれ理由をつけて非難したわけだ。農民風情がこのような力を授かるはずが無い。『燐光』が無ければ偽物に違いないとな」
レドはやれやれと首を左右にした。
「バカらしい話だ。聖女の力に身分の上下が関係ないことは歴史が証明している。『燐光』は無くとも、彼女の力は同じ聖女が認めたものだ。疑う余地など無い。だが、確かなものとして非難の声は聖堂に渦巻いていて……ふふ」
不意にだ。
彼は笑い声を漏らすと、アザリアを得意げな笑みで見つめてきた。
「ここからが本題だ。当時の私は浅はかな連中を何とか黙らしてやりたいと思ったのだが、なかなかの頭の冴えを発揮してな?」
どこかもったいぶった後、レドはニコリと笑みを深めた。
「大声で非難してみたのだ。農民風情が大聖女であるはずが無い! 『燐光』の無い聖女などいるものか! ……と、こんな感じだ」
アザリアは目を見開くことになる。
(あ、あの時の……!)
思い出したのだ。
確かにあった。
そんな一悶着があった。
式典の最中、大声で妙なことを言い出した子供が一人いた。
レドは得意げに話を続ける。
「するとどうだ? 同意の声など上がらなかったが、これは当然だ。私の大声は、まさにバカな子供の戯言としか響かなかったはずだからな」
彼はうんうんと満足そうに頷く。
「バカな子供と同列に思われては敵わないのだ。周囲は慌てて言い繕うことになった。聖女の力に身分は関係ない。『燐光』の有無など、聖女たちが認める事実の前には意味は無い。これが常識だ。これだから子供はとな」
蘇った記憶でもそうだった。
あの罵声のあと、会場は一転アザリアを受け入れる雰囲気に変わったのだ。
「まったく、我ながら良い閃きだった。とにかく、一人バカがいれば良いのだ。そうすれば、周囲は大人しくなる。バカと同列に思われたくなければ、良識人ぶるしかなくなる」
アザリアは思い出していた。
だからなのだろうか。
レドがことあるごとに自身を非難してきたのは、そのバカであるためなのだろうか。
周囲からのアザリアへの非難を抑えるため……アザリアを守るためにバカ公爵とそしられる道を選んだのだろうか。
話は続くらしい。
レドは再びの笑みを見せてくる。
「この名案だが、また別の効能があったのだ。私は大聖女非難の第一人者という立場に収まったのだが、この立場が非常に有効でな?」
なかなか意味が分からなかったが、これについても今まで通りだ。
レドは得意げに説明をしてくれた。
非難の声が収まったとは言え、アザリアへの嫉妬自体は何も変わらなかった。
特にそれが顕著だったのは、聖女を娘や親族に持つ貴族たちだ。
農民の娘風情が、自らの親族よりも高い地位と評価を得ている。
彼らは自然、アザリアの排除を考えるようになった。
その時に、彼らが頼りにしたのはレドだったと言う。
国内有数の大貴族にして、アザリア批判の急先鋒。
必ず力になってくれると思ったらしいのだ。
だが、
「おかげで良からぬ企みは全て筒抜けという話だ」
簡単に阻止出来たということらしかった。
そして、良からぬ企みは国内の貴族たちだけのものでは無かったらしい。
スザンと良からぬ関係にある他国にとっては、スザンの豊穣を約束するアザリアの存在は邪魔でしか無かったのだ。
しかし、これも国内の貴族たちと同様だ。
レドを協力者として頼りにし、しかしレドによって暗に阻止される結果になったとのこと。
「ふふふ。あらためて10年前の私の冴えはなかなかだったな。あの時の行動が、今に至るまでの多くの益を生み出すことになったわけだ」
彼が得意満面の笑みを浮かべているとだ。
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