19 / 29
【回想】処刑の日の彼ら
1、あの日のこと
しおりを挟む
【──処刑当日】
メアリは悩ましかった。
王城の地下牢。
わずかにロウソクの明かりが照らすそこで、メアリは壁際で膝を抱きつつ悩んでいた。
(声をかけても良いのでしょうか?)
それが悩みの種だった。
次にキシオンに会うことがあればである。
果たして、声をかけて良いのか?
ありがとうと伝えても良いのか?
(……うーん)
小首をかしげることになる。
なかなかに難しい問題だったのだ。
仮に、キシオンがメアリを心底憎んで処刑の話を進めていたとすればだ。
これは論外だった。
お礼を伝えたところで「はぁ?」と困惑を呼ぶだけだろう。
一方で、メアリを助けるために処刑を進めてくれた場合も悩ましかった。
ありがとうと告げられて、彼が喜べるかどうか。
メアリにとって処刑は救済だ。
ただ、人を処刑して心穏やかでいられる人間は果たしてどれほどいることか。
ましてや、キシオンは優しい人間なのだ。
本当に処刑にするしかなかったのか?
何か他に出来ることがあったのではないか?
そう思い悩んでいる可能性は大いにある。
(そこにありがとうなんか言われても……)
素直に受け取ってもらえるかと言えば怪しいところだった。
むしろ、彼の罪悪感を助長させる可能性すらあった。
何もしない。
それが彼のことを考えれば一番のような気はした。
だが、何かしたいのだ。
自己満足に過ぎなくとも、彼のために何かをしたかった。
(そうなりますと……)
メアリは自身の左手を見つめる。
そこでは、ろうそくの明かりを受けて指輪が淡く銀色を見せている。
メアリは頷いた。
(そうしましょうか)
指輪を返す。
そうすることにした。
どうせ、あの世には持ってはいけないものだ。
彼からすればもはやどうでも良い物かもしれないが、彼の負担にも損にもならないだろう。
しかし、だった。
メアリは首をかしげる。
そもそもだが、果たして彼に会うことが出来るのかどうか?
(会えたら私は嬉しいのですが)
王女の処刑なのだ。
彼は法務卿なのだ。
おそらくどこかで一度は会うことが出来るだろう。
ただ、その時に手は自由なのか?
指輪を渡せるような状況なのだろうか?
(……な、なんと言いますか)
メアリは眉根にシワを寄せることになった。
まさか、処刑の間際にまでこうも悩まないといけないとは。
思わず「はぁ」とため息をもらすことになるが、その次の瞬間だ。
メアリはびくりと背筋を震わせることにもなった。
(あ!)
足音が聞こえたのだ。
靴が石畳を打つ音が、この地下牢まで届いてきた。
もしかすれば、尋ね人はキシオンかもしれない。
王女とあって、入れられた地下牢は扉つきの個室だ。
期待して、扉を注視する。
ほどなくして扉はきしんだ。
静かに開かれていき……メアリの胸中に喜びの感情が広がった。
現れたのはキシオンだった。
従者を1人連れての登場だ。
彼は無表情にメアリを見据え、淡々と鉄格子に近づいてくる。
彼は何故ここを訪れてきたのか?
いよいよ処刑の時が来たのかどうか?
どうでも良い話だった。
腰を上げれば、メアリは慌てて指輪に指をかける。
「あ、あのっ!」
眉をひそめてくるキシオンに、メアリは鉄格子越しに指輪を差し出した。
「拾った物で……お返しします」
とりあえずのところメアリはホッとした。
これで何も未練なく死ねるだろう。
あとは彼に受け取ってもらうだけだったが……そのキシオンだった。
「……あ、あの?」
メアリは首をかしげることになった。
不思議なキシオンの様子だったのだ。
彼は何故なのか、自らの顔を手のひらでバサリと覆った。
さらには、妙に嘆かわしげな仕草で首を左右にして、
「……いかん。貴女の胸中が手に取るように分かる」
そんな呟きをもらしてきた。
メアリが何事かと目を丸くしていると、彼は顔から手のひらをはがした。
そこには、再会してからの彼にあった冷淡な表情は無かった。
露骨なほどに分かりやすい呆れの表情が浮かんでいる。
「あー、どうせアレですよね? ありがとうなんて言ったら俺が気に病むとか思ったんですよね? 指輪を返すぐらいなら大丈夫かとか思ったんですよね?」
懐かしさしかなかった。
その口ぶりは、まったくもってかつての彼だったのだ。
キシオンはしゃがみこんできた。
目線の高さが同じになる。
すると、彼は「はぁ」だった。
深々とため息をつき、その上で呆れの目つきを間近で見せつけてくる。
「まったく。貴女は相変わらずですね。顔に似合わず人が良すぎる。だからこそ、あのバカ王に目をつけられたんでしょうけどねぇ」
メアリは目を丸くし続けるしかなかった。
彼のこの変化は一体何なのか?
戸惑いの中で立ち尽くしていると、彼は隣に控える従者へと視線を向けた。
「まぁ、とにかく進めますか。じゃ、鍵」
「は」
従者の手により、淡々と牢が開かれる。
良く分からない状況であるが、このことが意味することはさすがに理解出来た。
「え、えーと、処刑……ですよね?」
そうに違いなかった。
ただ、キシオンは変わらず呆れの視線を返してくる。
「んなバカな。それですむんだったら、俺はわざわざ法務卿なんか継いでませんって」
メアリは悩ましかった。
王城の地下牢。
わずかにロウソクの明かりが照らすそこで、メアリは壁際で膝を抱きつつ悩んでいた。
(声をかけても良いのでしょうか?)
それが悩みの種だった。
次にキシオンに会うことがあればである。
果たして、声をかけて良いのか?
ありがとうと伝えても良いのか?
(……うーん)
小首をかしげることになる。
なかなかに難しい問題だったのだ。
仮に、キシオンがメアリを心底憎んで処刑の話を進めていたとすればだ。
これは論外だった。
お礼を伝えたところで「はぁ?」と困惑を呼ぶだけだろう。
一方で、メアリを助けるために処刑を進めてくれた場合も悩ましかった。
ありがとうと告げられて、彼が喜べるかどうか。
メアリにとって処刑は救済だ。
ただ、人を処刑して心穏やかでいられる人間は果たしてどれほどいることか。
ましてや、キシオンは優しい人間なのだ。
本当に処刑にするしかなかったのか?
何か他に出来ることがあったのではないか?
そう思い悩んでいる可能性は大いにある。
(そこにありがとうなんか言われても……)
素直に受け取ってもらえるかと言えば怪しいところだった。
むしろ、彼の罪悪感を助長させる可能性すらあった。
何もしない。
それが彼のことを考えれば一番のような気はした。
だが、何かしたいのだ。
自己満足に過ぎなくとも、彼のために何かをしたかった。
(そうなりますと……)
メアリは自身の左手を見つめる。
そこでは、ろうそくの明かりを受けて指輪が淡く銀色を見せている。
メアリは頷いた。
(そうしましょうか)
指輪を返す。
そうすることにした。
どうせ、あの世には持ってはいけないものだ。
彼からすればもはやどうでも良い物かもしれないが、彼の負担にも損にもならないだろう。
しかし、だった。
メアリは首をかしげる。
そもそもだが、果たして彼に会うことが出来るのかどうか?
(会えたら私は嬉しいのですが)
王女の処刑なのだ。
彼は法務卿なのだ。
おそらくどこかで一度は会うことが出来るだろう。
ただ、その時に手は自由なのか?
指輪を渡せるような状況なのだろうか?
(……な、なんと言いますか)
メアリは眉根にシワを寄せることになった。
まさか、処刑の間際にまでこうも悩まないといけないとは。
思わず「はぁ」とため息をもらすことになるが、その次の瞬間だ。
メアリはびくりと背筋を震わせることにもなった。
(あ!)
足音が聞こえたのだ。
靴が石畳を打つ音が、この地下牢まで届いてきた。
もしかすれば、尋ね人はキシオンかもしれない。
王女とあって、入れられた地下牢は扉つきの個室だ。
期待して、扉を注視する。
ほどなくして扉はきしんだ。
静かに開かれていき……メアリの胸中に喜びの感情が広がった。
現れたのはキシオンだった。
従者を1人連れての登場だ。
彼は無表情にメアリを見据え、淡々と鉄格子に近づいてくる。
彼は何故ここを訪れてきたのか?
いよいよ処刑の時が来たのかどうか?
どうでも良い話だった。
腰を上げれば、メアリは慌てて指輪に指をかける。
「あ、あのっ!」
眉をひそめてくるキシオンに、メアリは鉄格子越しに指輪を差し出した。
「拾った物で……お返しします」
とりあえずのところメアリはホッとした。
これで何も未練なく死ねるだろう。
あとは彼に受け取ってもらうだけだったが……そのキシオンだった。
「……あ、あの?」
メアリは首をかしげることになった。
不思議なキシオンの様子だったのだ。
彼は何故なのか、自らの顔を手のひらでバサリと覆った。
さらには、妙に嘆かわしげな仕草で首を左右にして、
「……いかん。貴女の胸中が手に取るように分かる」
そんな呟きをもらしてきた。
メアリが何事かと目を丸くしていると、彼は顔から手のひらをはがした。
そこには、再会してからの彼にあった冷淡な表情は無かった。
露骨なほどに分かりやすい呆れの表情が浮かんでいる。
「あー、どうせアレですよね? ありがとうなんて言ったら俺が気に病むとか思ったんですよね? 指輪を返すぐらいなら大丈夫かとか思ったんですよね?」
懐かしさしかなかった。
その口ぶりは、まったくもってかつての彼だったのだ。
キシオンはしゃがみこんできた。
目線の高さが同じになる。
すると、彼は「はぁ」だった。
深々とため息をつき、その上で呆れの目つきを間近で見せつけてくる。
「まったく。貴女は相変わらずですね。顔に似合わず人が良すぎる。だからこそ、あのバカ王に目をつけられたんでしょうけどねぇ」
メアリは目を丸くし続けるしかなかった。
彼のこの変化は一体何なのか?
戸惑いの中で立ち尽くしていると、彼は隣に控える従者へと視線を向けた。
「まぁ、とにかく進めますか。じゃ、鍵」
「は」
従者の手により、淡々と牢が開かれる。
良く分からない状況であるが、このことが意味することはさすがに理解出来た。
「え、えーと、処刑……ですよね?」
そうに違いなかった。
ただ、キシオンは変わらず呆れの視線を返してくる。
「んなバカな。それですむんだったら、俺はわざわざ法務卿なんか継いでませんって」
94
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
婚約破棄?結構ですわ。公爵令嬢は今日も優雅に生きております
鍛高譚
恋愛
婚約破棄された直後、階段から転げ落ちて前世の記憶が蘇った公爵令嬢レイラ・フォン・アーデルハイド。
彼女の前世は、ブラック企業で心身をすり減らして働いていたOLだった。――けれど、今は違う!
「復讐? 見返す? そんな面倒くさいこと、やってられませんわ」
「婚約破棄? そんなの大したことじゃありません。むしろ、自由になって最高ですわ!」
貴族の婚姻は家同士の結びつき――つまりビジネス。恋愛感情など二の次なのだから、破談になったところで何のダメージもなし。
それよりも、レイラにはやりたいことがたくさんある。ぶどう園の品種改良、ワインの販路拡大、新商品の開発、そして優雅なティータイム!
そう、彼女はただ「貴族令嬢としての特権をフル活用して、人生を楽しむ」ことを決めたのだ。
ところが、彼女の自由気ままな行動が、なぜか周囲をざわつかせていく。
婚約破棄した王太子はなぜか複雑な顔をし、貴族たちは彼女の事業に注目し始める。
そして、彼女が手がけた最高級ワインはプレミア化し、ついには王室から直々に取引の申し出が……!?
「はぁ……復讐しないのに、勝手に“ざまぁ”になってしまいましたわ」
復讐も愛憎劇も不要!
ただひたすらに自分の幸せを追求するだけの公爵令嬢が、気づけば最強の貴族になっていた!?
優雅で自由気ままな貴族ライフ、ここに開幕!
殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!
さら
恋愛
王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。
――でも、リリアナは泣き崩れなかった。
「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」
庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。
「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」
絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。
「俺は、君を守るために剣を振るう」
寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。
灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。
心を病んでいるという嘘をつかれ追放された私、調香の才能で見返したら調香が社交界追放されました
er
恋愛
心を病んだと濡れ衣を着せられ、夫アンドレに離縁されたセリーヌ。愛人と結婚したかった夫の陰謀だったが、誰も信じてくれない。失意の中、亡き母から受け継いだ調香の才能に目覚めた彼女は、東の別邸で香水作りに没頭する。やがて「春風の工房」として王都で評判になり、冷酷な北方公爵マグナスの目に留まる。マグナスの支援で宮廷調香師に推薦された矢先、元夫が妨害工作を仕掛けてきたのだが?
断罪された私ですが、気づけば辺境の村で「パン屋の奥さん」扱いされていて、旦那様(公爵)が店番してます
さら
恋愛
王都の社交界で冤罪を着せられ、断罪とともに婚約破棄・追放を言い渡された元公爵令嬢リディア。行き場を失い、辺境の村で倒れた彼女を救ったのは、素性を隠してパン屋を営む寡黙な男・カイだった。
パン作りを手伝ううちに、村人たちは自然とリディアを「パン屋の奥さん」と呼び始める。戸惑いながらも、村人の笑顔や子どもたちの無邪気な声に触れ、リディアの心は少しずつほどけていく。だが、かつての知り合いが王都から現れ、彼女を嘲ることで再び過去の影が迫る。
そのときカイは、ためらうことなく「彼女は俺の妻だ」と庇い立てる。さらに村を襲う盗賊を二人で退けたことで、リディアは初めて「ここにいる意味」を実感する。断罪された悪女ではなく、パンを焼き、笑顔を届ける“私”として。
そして、カイの真実の想いが告げられる。辺境を守り続けた公爵である彼が選んだのは、過去を失った令嬢ではなく、今を生きるリディアその人。村人に祝福され、二人は本当の「パン屋の夫婦」となり、温かな香りに包まれた新しい日々を歩み始めるのだった。
『婚約破棄された公爵令嬢は、王と交わらない道を選ぶ』
ふわふわ
恋愛
婚約者である王太子アルベルトから、一方的に婚約破棄を告げられた公爵令嬢エレノア。
だが彼女は、涙も復讐も選ばなかった。
「婚約は、役目でしたもの。終わったのなら、それで結構ですわ」
王宮を去ったエレノアは、領地に戻り、
干渉しない・依存しない・無理をしない
ただそれだけを軸に、静かに領地運営を始める。
一方、王となったアルベルトもまた、
彼女に頼らないことを選び、
「一人の判断に依存しない国」を作るための統治に身を投じていた。
復縁もしない。
恋にすがらない。
それでも、二人の選択は確かに国を安定へと導いていく。
これは、
交わらないことを選んだ二人が、
それぞれの場所で“続けられる世界”を完成させる物語。
派手なざまぁも、甘い溺愛もない。
けれど、静かに積み重なる判断と選択が、
やがて「誰にも壊せない秩序」へと変わっていく――。
婚約破棄から始まる、
大人のための静かなざまぁ恋愛ファンタジー
本物聖女の力は無力でした ――見世物レベルの聖女のおかげで婚約破棄されました――**
鷹 綾
恋愛
魔法が存在しないと信じられていた世界に、
突如として現れた「本物の聖女」。
空中浮遊、瞬間移動、念動力――
奇跡を披露した平民の少女は、たちまち市民の熱狂を集め、
王太子はその力に目を奪われる。
その結果、
王太子の婚約者だった公爵令嬢アストリアは、
一方的に婚約を破棄されてしまった。
だが、聖女の力は――
・空中浮遊は、地上三十センチ
・瞬間移動は、秒速一メートル
・念動力は、手で持てる重さまで
派手ではあるが、実用性は乏しい。
聖女の力は、見世物レベル。
少なくとも、誰もがそう判断していた。
それでも人々は喝采し、
権威は少女を縛り、
「聖女」という立場だけが一人歩きしていく。
そんな中、婚約破棄された公爵令嬢アストリアは、
ある違和感に気づき始める。
――奇跡よりも、奪われているものがあることに。
派手な復讐はない。
怒鳴り返しもしない。
けれど静かに、確実に、
“正しさ”は明らかになっていく。
見世物にされた奇跡と、
尊厳を取り戻す少女たちの物語。
---
短編 一人目の婚約者を姉に、二人目の婚約者を妹に取られたので、猫と余生を過ごすことに決めました
朝陽千早
恋愛
二度の婚約破棄を経験し、すべてに疲れ果てた貴族令嬢ミゼリアは、山奥の屋敷に一人籠もることを決める。唯一の話し相手は、偶然出会った傷ついた猫・シエラル。静かな日々の中で、ミゼリアの凍った心は少しずつほぐれていった。
ある日、負傷した青年・セスを屋敷に迎え入れたことから、彼女の生活は少しずつ変化していく。過去に傷ついた二人と一匹の、不器用で温かな共同生活。しかし、セスはある日、何も告げず姿を消す──
「また、大切な人に置いていかれた」
残された手紙と金貨。揺れる感情と決意の中、ミゼリアはもう一度、失ったものを取り戻すため立ち上がる。
これは、孤独と再生、そして静かな愛を描いた物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる