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第1章 【side 敦貴】

28. 戸惑いと興奮の始まり ② ※

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 皇祐は、敦貴の陰茎を軽く握り、上下にゆっくりと扱いてきた。
 手のひらで包み込むように優しく擦ってくる。
 
 ローションで濡れているから、皇祐の手が動くたびにネチョネチョと淫らな音が立った。
 彼にされるのは何度目だろうか。今では、皇祐の刺激によって股間は硬くなり、すぐに勃ち上がるのだ。
 
 気持ち良くて、呼吸が荒くなっていく。吐息と共に大きな声が出てしまうから困る。
 幾度も顔から火の出るような思いをした。

 とにかく皇祐はいつも真剣で、気持ちを込めて取り組んでくれる。それだけで激しい興奮に襲われた。
 油断しているとあっという間に終わりがくる。あまりにも早いのは恥ずかしい。
 気を紛らわせるために違うことを考えて何とか耐え凌ぐのだ。

 だけど、皇祐は射精させるのが仕事と言わんばかりに、激しく責め立ててくる。
 敦貴の硬く張り詰めたものを刺激しながら、もう片方の手は睾丸をやわやわと揉んできた。身体がびくびくと小刻みに震える。

 呼吸は乱れ、声が漏れそうになり、敦貴は手の甲を口に当てた。
 皇祐の方は容赦なく、敏感な陰茎の先端を指先で弄りながら竿を扱くスピードを上げる。

「あっ…あぁ、あまり、速くしないで……」
「もう、イキそうか?」

 何度も頷くと、少し笑って刺激する動きを止めてくれた。
 そしてコンドームを手にした皇祐は、手慣れた様子で袋を破って取り出し、敦貴の性器に手際よく装着させる。

 常にTシャツを着ている皇祐は、上半身を見せたことはなかった。この日も同じだったが、初めて敦貴の前でボクサーパンツを脱いだ。激しく感情が高ぶる。しかも、そのまま腰の少し上の辺りに跨ってきたので、身体が震えた。

「あの、コウちゃん……」
「大丈夫、きれいにしてるから」

 そんなことは不安視してなかった。しかし、これでは今までと同じく皇祐の一方的な行為のような気がして、彼が気持ちよくなれるのか、よくわからない。だからといって自分がリードできるほどの知識はなかった。

 皇祐は腰を軽く上げ、ローションのついた片手を後ろに回した。自分の尻の辺りを弄っているようだ。

「少し待って」

 男同士がどうやるかは詳しくなくても、ある程度のことは知っている。だから、皇祐が何をしているのかも理解していた。
 彼は俯き加減で目を伏せ、眉をきゅっと寄せる。頬は紅潮し、口から色っぽい息が吐き出されていた。
 気持ちが高揚する。触られていないのに、股間は硬く屹立したままだ。

「いい? 挿れるよ」

 少し顔を上げた皇祐の視線が、敦貴の方を向いた。

「お願い、します……」

 頭が混乱していて、上手いセリフも思いつかなかった。
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