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第1章 【side 敦貴】

24.快楽に酔いしれる ② ※

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「もういい、もういいよ」

 調子に乗ってしまったと自覚する。快楽に飲み込まれて理性を失っていたのだ。

「ダメだ、まだイってないだろ」
 
 慌てる敦貴に対して皇祐は納得いかない表情をした。
 再び陰茎を口に含んで無理するように奥まで咥え込む。性器を口いっぱいに頬張り皇祐が目を細めた。そのまま上下に頭を動かせば、敦貴のものが口から出たり入ったりを繰り返す。その光景にすら興奮して息が上がった。
 申し訳ない気持ちと共にここまでしてくれる皇祐が愛しいと感じる。

「きもちい?」
「うっ、ん……」

 咥えたまま喋られた刺激でうまく返答ができず、ただ腰を震えさせるだけ。
 陰茎を唇で挟んで擦りながら舌を這わせ、手のひらで睾丸を優しく揉んできた。
 そんなところを他人にさわられたことがないから、身体が強張ってしまう。だけど、やわやわとマッサージするようにれられると次第に快楽を感じるようになる。

「ふっ、んぅ」

 落ち着こうと思っても、荒い呼吸が自然と口から漏れた。一人で興奮しているのが恥ずかしくなる。
 そんな敦貴のことはお構いなしで、皇祐は陰茎を喉の奥まで吸い込み、じゅぶじゅぶと卑猥な音を立ててきた。
 裏筋に舌がねっとりと絡みつき、左手は睾丸を撫で右手は陰茎の根元を擦る。
 どれも気持ちよくておかしくなりそうだった。
 
 女性と付き合っている時には、一度だけ口でしてもらったことがある。しかし、こんなにも一生懸命にされたことはないし、敦貴自身もそれ以上を求めなかった。
 皇祐の口淫は優しく、下半身が溶けるように熱くなって快楽に酔いしれる。続けてほしいという欲求を消すのは難しかった。

 徐々に皇祐の手と唇を上下させるスピードが速くなってくる。口の中では性器全体に舌を巡らせ、電気が走ったように背筋がぞくぞくとした。
 彼の丁寧な舌づかいは今まで経験したことのない快楽を与えられる。
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