無彩色の空の下で

みらる

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市役所

ゼウス(3)

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するとポセイドンの持つ杖がみるみる内に三叉の戟に変わった。

「この部屋ごと激流に呑み込ませてやろうか?」
「脅しには屈しまへん。あきまへんでポセイドンはん」
古川がぼそぼそと言うと話を続けた。

「そうや、ヘラや。ヘラの宝石を落札する4000万ルド、それと交換や」
「ルド?!」
透は不意に出た言葉に思わず聞いた。
「ルドは無彩色の通貨で物価は低い。元の世界の10分の1程度で100ルドあれば1日裕福に暮らせていける。すなわち、4000万ルドは元の世界では4億円という事になる」

「正直、この暮らしには飽き飽きなんですわ、能力受付(ギフテッドオペレーション)の縛りでずっとこの部屋に軟禁状態でっしゃろ、かないまへんわ」

「そんなこと言ったって4000万ルドもあるわけがないだろう。それに、アレスの恩はどうなるんだ?」
「それとこれとは別の話でっせ、まぁ売れる宝石でもあれば話は早いさかい。ささ、無いなら無いでお帰りなさって」

古川は3人の12の宝石を真ん丸な瞳で凝視しながらエレベーターに4人を詰めるようにして追い返した。

直通エレベーターで1Fまで付くとロビーで会議が行われた。
「みんないくら持ってる?私は200万ルドしかもってないわ」
華奏がみんなに聞いた。
「私は300万ルドだ」
「私に聞く?0ルドよ」
ポセイドンの次にナナが笑いながら答えた。
「合わせても500万ルドか、まったく足りないな」
ポセイドンがそう言うと後ろから声がした。

「本田 透さんですね?」
NPCの銀行員が近づきながら聞いてきた。
「は、はい。僕が本田透です」
「こちらへどうぞ」

銀行員に連れていかれると応接間に通された。
「ここはいったい__。僕になにかあるんですか?」
「少々お待ち下さい」
5分もするとアタッシュケースを持った銀行員が3人、続々と応接間に入って来た。
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