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「ニコラは鉱物にも詳しいんだね。私の国でも宝石が産出されるんだ。私も鉱物が好きで産地に視察に行ったことがあるよ」
「僕の実家の男爵領では金の鉱脈が、侯爵領ではアメジストが見つかったんです」
「それは素晴らしい。是非夏季休暇にニコラのご実家を訪ねさせて頂けないかな?」
「お義父様とお祖父様に伺ってみますね」
「ニコラとは、書物や自然、動物の話も合って本当に楽しい。時間があっというまに過ぎてしまう。やっぱり運命だね。愛おしい」
「ふふっ。ありがとうございます。僕も殿下とお話すると、とても楽しいです。早く学園に復帰して、もっと学んだり殿下ともお会いしたいです」
タウンハウスで療養中のニコラの元には、毎日夕方アベルが見舞っている。
領地の両親にも幾度も手紙を出し、心から愛し大切に思っていること、交流を認めてほしいとお願いした。
特に母ジョナからの本人同士が好きなら、節度を持って学生らしいお付き合いを認めたいという意向にヴァレリオも同意した。
まだ成長過程で発情期も迎えていないニコラだ。大人のお付き合いは先の事、と約束している。
今は見舞いがてら会話を楽しむのみであるが、二人はすっかり名前で呼びあい、恋人同士の距離感になった。
無事に捻挫の治癒したニコラは、学園生活に戻った。王家の睨みがあり、苛めや妬みなどの不快な出来事は無くなった。
アマートとの友情を育みつつ、昼休みや放課後にアベルと楽しく会話をして充実した学園生活である。
夏季休暇には、アベルを実家に招くことになった。家族に会い、アベルを紹介出来ること、二人で領地の散策をしたり馬に乗ることも、楽しみで仕方ない。
「いらっしゃいませ。アベル殿下。ようこそジェノバ侯爵領へ。どうぞ滞在をお楽しみください」
「初めまして、ジェノバ侯爵。アベル・フォン・ビスマルクです。どうぞ宜しくお願い致します」
「アベル殿下。ニコラの母ジョナです。遠いところをようこそおいでくださいました。いつもニコラがありがとうございます」
「こちらこそ。お付き合いをお認めくださってありがとうございます」
「さあ、アベル殿下。城を案内させてください。弟たちと義祖父母もいるんですよ。庭の花もいつも綺麗に咲いています」
「うん。ニコラの大切なご家族に会えて嬉しいよ」
心配していたニコラの両親であったが、家族の前でもにこやかに笑顔で会話し、手を取り合ったりどこか触れあわせる恋人同士に、愛情の確かさを確認した。
「ヴァレリオ、これはもう…お嫁さんに出すのは仕方ない感じ。幸せそうだから良かった」
「まだ早いと思ったが、いずれ結婚するのは確実そうだ」
「うん。準備をすすめないとね」
「外交的な影響もある。近いうち国王陛下と話してくるよ」
「すみませんが宜しくお願いします」
「ああ。大丈夫。愛しいジョナとニコラの幸せのためだ」
「この子達が弟です。可愛いでしょう?」
「そうだね。宜しくね、弟君たち」
「ふふっ。まだ話せないんですけど、何だか警戒してるみたいなのかな?」
「お兄さんが取られるとわかってるんじゃないかな?」
「ふふふ」
「ニコラ!おかえりなさい」
「義祖母様。ただいま帰りました」
「初めまして。アベルです」
「初めまして。お話は伺っております。ゆっくり寛いでくださいね。夫は、腰を痛めて休んでおりまして」
「そうですか。どうぞお大事に」
「義祖父様、大丈夫ですか?」
「ええ。休んでいれば痛みは無いみたい。大丈夫よ」
ニコラの家族とも和やかに接して、庭園を見たり、厩舎でニコラの愛馬を撫でたり。
城下町のかわいらしい町並みを見学し、自国との違いを話すアベル。明日は、遠乗りしてピクニックをしよう、と計画を立てた。
「私の国では、農業のほか鉱物資源も多く、製造業が盛んでね。王族や貴族も経営者として学業に邁進し、見聞を広めないといけない。オメガの差別は少ない。オメガの経営者や学者も多いよ」
「そうですか。僕やアマートさんのように学問好きのオメガには居心地が良さそう」
「うん。結婚してもニコラは好きなことをしながら夫人業と両立できると思う。助けてくれる人や制度が充実しているし、もちろん私が守る。私と結婚してください」
「はい。このまま仲良く大人になったら、僕と結婚してくださいね」
「僕の実家の男爵領では金の鉱脈が、侯爵領ではアメジストが見つかったんです」
「それは素晴らしい。是非夏季休暇にニコラのご実家を訪ねさせて頂けないかな?」
「お義父様とお祖父様に伺ってみますね」
「ニコラとは、書物や自然、動物の話も合って本当に楽しい。時間があっというまに過ぎてしまう。やっぱり運命だね。愛おしい」
「ふふっ。ありがとうございます。僕も殿下とお話すると、とても楽しいです。早く学園に復帰して、もっと学んだり殿下ともお会いしたいです」
タウンハウスで療養中のニコラの元には、毎日夕方アベルが見舞っている。
領地の両親にも幾度も手紙を出し、心から愛し大切に思っていること、交流を認めてほしいとお願いした。
特に母ジョナからの本人同士が好きなら、節度を持って学生らしいお付き合いを認めたいという意向にヴァレリオも同意した。
まだ成長過程で発情期も迎えていないニコラだ。大人のお付き合いは先の事、と約束している。
今は見舞いがてら会話を楽しむのみであるが、二人はすっかり名前で呼びあい、恋人同士の距離感になった。
無事に捻挫の治癒したニコラは、学園生活に戻った。王家の睨みがあり、苛めや妬みなどの不快な出来事は無くなった。
アマートとの友情を育みつつ、昼休みや放課後にアベルと楽しく会話をして充実した学園生活である。
夏季休暇には、アベルを実家に招くことになった。家族に会い、アベルを紹介出来ること、二人で領地の散策をしたり馬に乗ることも、楽しみで仕方ない。
「いらっしゃいませ。アベル殿下。ようこそジェノバ侯爵領へ。どうぞ滞在をお楽しみください」
「初めまして、ジェノバ侯爵。アベル・フォン・ビスマルクです。どうぞ宜しくお願い致します」
「アベル殿下。ニコラの母ジョナです。遠いところをようこそおいでくださいました。いつもニコラがありがとうございます」
「こちらこそ。お付き合いをお認めくださってありがとうございます」
「さあ、アベル殿下。城を案内させてください。弟たちと義祖父母もいるんですよ。庭の花もいつも綺麗に咲いています」
「うん。ニコラの大切なご家族に会えて嬉しいよ」
心配していたニコラの両親であったが、家族の前でもにこやかに笑顔で会話し、手を取り合ったりどこか触れあわせる恋人同士に、愛情の確かさを確認した。
「ヴァレリオ、これはもう…お嫁さんに出すのは仕方ない感じ。幸せそうだから良かった」
「まだ早いと思ったが、いずれ結婚するのは確実そうだ」
「うん。準備をすすめないとね」
「外交的な影響もある。近いうち国王陛下と話してくるよ」
「すみませんが宜しくお願いします」
「ああ。大丈夫。愛しいジョナとニコラの幸せのためだ」
「この子達が弟です。可愛いでしょう?」
「そうだね。宜しくね、弟君たち」
「ふふっ。まだ話せないんですけど、何だか警戒してるみたいなのかな?」
「お兄さんが取られるとわかってるんじゃないかな?」
「ふふふ」
「ニコラ!おかえりなさい」
「義祖母様。ただいま帰りました」
「初めまして。アベルです」
「初めまして。お話は伺っております。ゆっくり寛いでくださいね。夫は、腰を痛めて休んでおりまして」
「そうですか。どうぞお大事に」
「義祖父様、大丈夫ですか?」
「ええ。休んでいれば痛みは無いみたい。大丈夫よ」
ニコラの家族とも和やかに接して、庭園を見たり、厩舎でニコラの愛馬を撫でたり。
城下町のかわいらしい町並みを見学し、自国との違いを話すアベル。明日は、遠乗りしてピクニックをしよう、と計画を立てた。
「私の国では、農業のほか鉱物資源も多く、製造業が盛んでね。王族や貴族も経営者として学業に邁進し、見聞を広めないといけない。オメガの差別は少ない。オメガの経営者や学者も多いよ」
「そうですか。僕やアマートさんのように学問好きのオメガには居心地が良さそう」
「うん。結婚してもニコラは好きなことをしながら夫人業と両立できると思う。助けてくれる人や制度が充実しているし、もちろん私が守る。私と結婚してください」
「はい。このまま仲良く大人になったら、僕と結婚してくださいね」
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