オメガ大学生、溺愛アルファ社長に囲い込まれました

こたま

文字の大きさ
17 / 22

17

 長い夏休みが終わって、大学生活に戻った。ただ、これまでと違い秀之さんと暮らしており、継続して送迎付きの登下校である。
 この邸宅は大学からそれほど距離は無いのだが交通機関の点で乗り換えがあったり、自転車では遠くなり、心配した秀之さんがそのままハイヤーの運転手さんを僕の専属として継続してくれたのだ。
 なおくんとは大学で会って、授業を受けたり図書館に行ったりしている。

「千尋、空き時間でカフェに行かない?」
「うん。話したい事があるんだ。良い?」

 実はそろそろ発情期。秀之さんとお付き合いして初めてだから、一緒に過ごしたい。でも初めて尽くしでどうしたら良いのかわからない。秀之さんには、予定を伝えて開けて貰えるか聞いてはいるんだけど…
 カフェテリアは、食事時を過ぎて空いていた。人から離れた席でこっそり話しかけて

「あのね、もうすぐ発情期なんだ。初めて恋人と過ごすの、緊張する。どうしたら良い?何か準備要るのかな?」
「ふふっ。僕もそうだったよ。必要なものは、多分東条さんが用意するから心配ないよ。千尋の度胸だけ。ただ、学生だからまだ妊娠は避けるでしょう?ピルとかのアレルギーや合う薬の事は、病院で相談しておいても良いかも」
「ありがとう。聞いて良ければだけど。初めてはどんな感じ?」
「とっっても素敵だった。発情期が重苦しくて辛いものから、凄く幸せな時間に変わったよ」
「そっかぁ。楽しみになってきたかも。ありがとう」

 薬の事は考えてなかった。今までの抑制剤は長期処方だったけど、ピルの相談もそこに行くべきか?
 そもそもどこに相談する?と考えたらまず真琴さんのことが頭に浮かんだ。そこで真琴さんに連絡したら、なんと整形外科の先生と真琴さんのオメガの息子さんが病院のバース科産科で先生をしているんだそうだ。
 今後の抑制剤の処方や秀之さんと結婚したら、先々の妊娠出産まで考えるとあの病院に通院や入院することになるだろう。これを機に転院した方が良いとアドバイスを受けた。
 真琴さんが早速僕の受診を予約してくれた。診察日の詳細は、一応秀之さんにも連絡しておいてくれるそうだが、その外来にアルファは入れないので僕が一人で行く事になった。

「千尋さん。婚約おめでとうございます」
「真琴さん!来てくださったんですか?」
「はい。息子を紹介しますね」

 診察に行くと外来に真琴さんが待機してくれていた。息子さんの先生は、真琴さんに良く似ている。オメガの先生は少なくて、先生になるのは大変だっただろうなって思う。僕からすると同じ性であるのはとても安心できる。これまでの抑制剤のこと、今後の予定、ピルのこと、沢山説明してくれて処方を貰ってとても安心した。発情期がますます楽しみだ。

「ありがとうございました。今後ともどうぞ宜しくお願い致します」

 お二人にご挨拶して帰宅する。もう、いつ発情期が訪れても良いくらいに楽しみだ。そして、秀之さんの香りを嗅ぐと、時期が早まりそうな予感がするんだ。


 朝から少しだるかった。大学の講義は午前中だけで、残って課題をするのも止めて早く帰宅することにした。運転手さんに連絡して迎えを呼び、戻ったらもっとぼーっとしてきた。暑い。

 今のうちにと軽食を取って、水分補給をしていると、秀之さんが恋しくて仕方がなくなってきた。
 お手伝いの優子さんが下膳しに来てくれたので秀之さんの香りの残る衣類などをお借りできないかとお願いした。

 お借りした昨日お召しだというスーツのジャケットとワイシャツを抱えてふらふらとベッドに潜り込む。すーっと息を吸って残り香を嗅いでいたらますます暑く朦朧として、本格的な発情期に入ったことがわかった。

「はあ…、秀之さん」

 早く帰って来てくれないかな?でもお仕事中に連絡することは憚られる。我慢しよう。
 いつもより欲が強く重く感じるのは相性の良い秀之さんの香りを近くに感じているからなのかな?

「千尋、大丈夫?!遅くなってごめんね」
「秀之さん?…お仕事は?…あ...」
「大丈夫。休みを取ってきた。ああ、凄いね。とても興奮する」
「すみません、ありがと…、はぁ…」
「可愛い。素敵だ。全てが美しい…愛しているよ」

 ぼーっとして、暑くて欲しくて仕方ない。秀之さんが近づいてくれたので、首に手を回してくっつくと頬を撫でられキスされた。
 ちゅっと軽いキスを繰り返すと顎先を引かれ開けた唇に舌が入ってきた。秀之さんの舌が僕の口内を舐めてくすぐる。甘く、ソワソワとした快感で僕の先端から先走りが漏れていく感じがした。
 秀之さんの指が器用に動いて服を剥ぎ取り、お互いに肌を晒す。肌同士が触れるだけで快感が呼び覚まされる。
 全身を撫でてキスを降らされる。前を擦られ、どんどんと高まるとあっという間に登りつめた。上を向くと、いつもと違って秀之さんの目がギラギラと獰猛に見えた。そういう顔も格好良くてぞくりとする。

「あ、あっ...、僕だけ…」
「ふふっ…素敵だ、いってくれたんだね、とても可愛い」
「秀之さんも」
「ああ。下を向いてくれる?」

 うつ伏せると指が滑りを帯びて後ろに入ってきた。これまで発情期におっかなびっくり指を入れてみたことはあるが、気持ち良い所まで届かなくてあまり後ろを触っていなかった。
 興奮していても僕が傷ついたり痛みを感じないようにゆっくり1本ずつ指を増やして慣らしてくれる。
 前の膨らみを押されたら初めて感じる気持ち良さに声が出てしまった。

「あっ!あっ」
「可愛い。もっと増やしていくよ」

 指を増やしながら前も擦られ、気持ち良さに訳がわからなくなると

「いくよ」

 ゆっくりと秀之さんが入ってきた。馴染むまで待ってくれ、だんだんと奥に進むとトントンと律動が開始された。

「あっ、あ。いい」
「うっ…」

 中に出される感覚がわかった。気持ち良さに疲労感が重なり、意識が飛ぶ。目覚めると体を洗われたり、水分や栄養、ピルを飲まされたりお世話してくれる。気持ち良いまま数日がたった。

「ふぅ…」

 お風呂で意識が戻って、はあ、ふうと息を吐く。すると

「綺麗だよ。千尋。愛してる。可愛い」

 秀之さんがちゅっちゅっとキスをしながら抱きしめてくれた。横を見ると割れた腹筋が僕を包んでいる。顔を上げて上を見たら

「ごめんね」
「え?」

 僕を見る秀之さん。自分の体をみたらキスマークだらけで、花びらのように鬱血が散っていた。首元を触るとプレゼントしてくれたネックガードがギザギザと牙の跡だらけになっている。

「良い大人なのに、我慢できなくてごめん」

 恥ずかしそうな秀之さんに、ちょっぴり嬉しくなる。それだけ僕を求めてくれたってことだよね。

「幸せです。気持ち良かった」
「ああ。愛しい、千尋。早く結婚して番になりたいよ」
「ふふっ…そうですね。時期を考えていきましょう」
「ありがとう」

 気持ちいいけど体力は消耗した。栄養補給してゆっくり休もう。秀之さんの部屋の大きなベッドに運ばれて、真新しいシーツと秀之さんの香りに包まれて眠った。
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

胎児の頃から執着されていたらしい

夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。 ◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。 ◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。

番に囲われ逃げられない

ネコフク
BL
高校の入学と同時に入寮した部屋へ一歩踏み出したら目の前に笑顔の綺麗な同室人がいてあれよあれよという間にベッドへ押し倒され即挿入!俺Ωなのに同室人で学校の理事長の息子である颯人と一緒にα寮で生活する事に。「ヒートが来たら噛むから」と宣言され有言実行され番に。そんなヤベェ奴に捕まったΩとヤベェαのちょっとしたお話。 結局現状を受け入れている受けとどこまでも囲い込もうとする攻めです。オメガバース。

今からレンタルアルファシステムを利用します

夜鳥すぱり
BL
大学2年の鳴水《なるみ》は、ずっと自分がオメガであることを隠して生きてきた。でも、年々つらくなる発情期にもう一人は耐えられない。恋愛対象は男性だし、男のアルファに会ってみたい。誰でも良いから、定期的に安全に話し相手をしてくれる人が欲しい。でもそんな都合のいい人いなくて、考えあぐねた結果たどり着いた、アプリ、レンタルアルファシステム。安全……だと思う、評価も星5で良いし。うん、じゃ、お問い合わせをしてみるか。なるみは、恐る恐るボタンを押すが───。 ◆完結済みです。ありがとうございました。 ◆表紙絵を花々緒さんが描いてくださりました。カッコいい雪夜君と、おどおど鳴水くんです。可愛すぎますね!

氷の支配者と偽りのベータ。過労で倒れたら冷徹上司(銀狼)に拾われ、極上の溺愛生活が始まりました。

水凪しおん
BL
※この作品には、性的描写の表現が含まれています。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。 オメガであることを隠し、メガバンクで身を粉にして働く、水瀬湊。 過労と理不尽な扱いで、心身ともに限界を迎えた夜、彼を救ったのは、冷徹で知られる超エリートα、橘蓮だった。 「君はもう、頑張らなくていい」 ――それは、運命の番との出会い。 圧倒的な庇護と、独占欲に戸惑いながらも、湊の凍てついた心は、次第に溶かされていく。 理不尽な会社への華麗なる逆転劇と、極上に甘いオメガバース・オフィスラブ!

処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます

ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。 しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。 ——このままじゃ、王太子に処刑される。 前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。 中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。 囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。 ところが動くほど状況は悪化していく。 レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、 カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、 隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。 しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。 周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり—— 自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。 誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う—— ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。

俺は夜、社長の猫になる

衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。 ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。 言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。 タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。 けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。

ポメラニアンの僕を猫可愛がりしたのは、不機嫌顔がデフォのイケメン上司でした

こたま
BL
奥川亮は、某企業で働くSEである。職場で病欠等で数人休んだことで人手不足に拍車がかかり多忙だったあと、帰宅中ポンッとポメラニアンに変化してしまった。途方にくれた僕を保護してくれたのはいつも眉間に皺を寄せて不機嫌な顔のイケメン上司、丹羽和樹だった。