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「校外学習に同じ時にいらしてたんですよね?」
「そうです。思い出しそうですか?」
「何となく…藍染工芸や磯遊びをしたんですよね?」
「そうよね。私もそうだった。バーベキューして、夜は敷地散策とか星空観察だったかしら?」
「はい。そうです。その時に会って居ます」
「うん。もう少し。思い出しそうです」
「では、気分を変えて他の話からしましょうか?アメリカに転居後の生活とか」
「私達がアメリカにいたの、ご存知なんですね?」
「はい。校外学習で茜さんと連絡先を交換し、お手紙を出したのですが急に引っ越しされて届かなくなったようで。失礼ながら調べさせて頂いたところ、転勤と」
「そうなんです。急な引っ越しで」
藍と茜は、日本人学校から向こうの高校に進学して飛び級し、コミュニティカレッジに通う経緯を話した。
「そうだったんですか。大変頑張ってらしたんですね。私はその間、戻られるのを待っていました。お父様の会社とうちの会社で関わりも出来たので、戻られたら教えて頂くようにお願いしていたのですが、まだ伺っていませんでした」
「戻るのも急でした。そんなに茜にお会いになりたかったのですか?」
「はい。茜さんは私の運命の番です」
「運命…」
茜は、ゆっくりと蒼士の瞳を見た。食事は、最後の小さなケーキが届けられたところだった。
「宝来さん。僕のフェロモンが分かりますか?」
「はい。もちろんです。黒田さんに付いていた残り香であなただと、直ぐに分かりました」
「そうですか…実は僕。診断が出来ない不全症状だと言われていました」
「え?不全?」
茜は、これまでの性別判定とフェロモンにまつわる診断経過を説明した。
「あぁ…だから黒田さんがフェロモンが良く分からなかったけど。って言っていたんですね。私には残り香であってもこんなに良い香り、直ぐに分かるのに、おかしいなぁと思っていました」
「そうですか…直ぐに分かったんですね。それは子供の頃の記憶と同じでしたか?」
「はい。茜さんは、私のフェロモン、分かりますか?嫌悪感が有りますか?」
「いいえ。僕にとって、こんなに良い香りだと思ったことは初めてなんです。とてもどきどきして幸せな気持ちになる香りです」
「ああ。良かった。やっぱり運命です。茜さん。少し、良いですか?」
デザートとコーヒーも飲み終えていた。蒼士は席を立つと、茜の元に近づく。横を向いた茜の前に跪くと、そっと両手を握った。
「覚えていなくても。何かの病があったとしても。茜さん。あなたが好きです。あなたを7年想いながらそれを支えにして生きて来ました。どうか私とお付き合いしてください。そして私を好きになってくれたら、番ってください」
真剣な眼差しで告げると茜の甲、そして左手薬指の上に唇を落とした。
「あっっ。怪我…背中、キス…、思い出しました」
「えっ!本当に?」
「はい。蒼士くん。どうして忘れていたんだろう?迎えに行くって言ってくれていたのに」
「その通りです。茜君。思い出してくれてありがとう」
蒼士は、きゅっと茜を抱き締めた。そのまま、興奮してキスをしてしまいたい気持ちが襲うが、場所と姉の前であることを思い、踏みとどまった。
「蒼士くん、僕とお付き合いしましょう。それと敬語はやめない?」
「うん。ありがとう、茜君。好きだ」
「ふふふ。良かったわねえ。話がまとまったようね」
「お姉ちゃん…」
恥ずかしさに顔を赤らめてあわあわとする茜。からかうように、しかし優しい笑顔を浮かべた藍が言った。
「結局、子供の頃に運命の出会いがあったってことね?それで、再会したってことかな」
「はい。そうです。黒田さんのお陰で、幸運にも再会出来ました!」
「良かったわ。でもそれなら不全症状は何?どうして他のアルファはダメなのかな?番のいる人に似たような反応って、何でかしら?既に運命と出会っているからなの?子供の時に番になったり出来ないよね?宝来さん、茜のこと噛んでないわよね?噛み痕があるわけでもないし」
「もちろん了解なく噛んだりはしていません」
「うん。噛まれた記憶は無いし、性徴の未発達な小学生の時だよ?」
「今度、うちの関連病院に受診して聞いてみましょうか?」
「そうね。茜のためにはそうした方が良いかも」
「うん」
「いずれご両親にお付き合いの報告をさせてください」
「伝言しておきます」
大きな花束を抱えた茜と藍を車寄せまで見送った蒼士。ハイヤーを呼んであり、二人とも安心して帰宅出来た。
「ただいま。お母さん、大変よぉ。茜、運命の出会い!漫画みたい」
「お姉ちゃんったら。でもありがとう。お姉ちゃんのお陰だね」
「そう?」
「お姉ちゃんと黒田さんが引き寄せてくれたんだよ」
「ふふっ。感謝してね?」
「お姉ちゃん、大好き」
母と、帰宅した父に説明した。顔を赤らめてわたわたと可愛い茜の代わりに、藍が詳細を伝えた。
「がーん。茜…もう、結婚決まっちゃった…」
「まだお付き合いするところだから…」
「あなた。宝来グループのトップでしょう?安心よ。良いご縁。運命よ?茜のフェロモン分かるんでしょう?」
「でも大変かもしれないよ?お父さん、なんか、複雑…」
「茜の幸運を祝おうよ。お父さん。まだ私がいるじゃない」
「藍…まだ居てくれる?」
「そうね。今のところ」
「ああ…こうやって手を離れて行ってしまうのか…」
「あら。それが子育ての目標。良いことよ」
「そうです。思い出しそうですか?」
「何となく…藍染工芸や磯遊びをしたんですよね?」
「そうよね。私もそうだった。バーベキューして、夜は敷地散策とか星空観察だったかしら?」
「はい。そうです。その時に会って居ます」
「うん。もう少し。思い出しそうです」
「では、気分を変えて他の話からしましょうか?アメリカに転居後の生活とか」
「私達がアメリカにいたの、ご存知なんですね?」
「はい。校外学習で茜さんと連絡先を交換し、お手紙を出したのですが急に引っ越しされて届かなくなったようで。失礼ながら調べさせて頂いたところ、転勤と」
「そうなんです。急な引っ越しで」
藍と茜は、日本人学校から向こうの高校に進学して飛び級し、コミュニティカレッジに通う経緯を話した。
「そうだったんですか。大変頑張ってらしたんですね。私はその間、戻られるのを待っていました。お父様の会社とうちの会社で関わりも出来たので、戻られたら教えて頂くようにお願いしていたのですが、まだ伺っていませんでした」
「戻るのも急でした。そんなに茜にお会いになりたかったのですか?」
「はい。茜さんは私の運命の番です」
「運命…」
茜は、ゆっくりと蒼士の瞳を見た。食事は、最後の小さなケーキが届けられたところだった。
「宝来さん。僕のフェロモンが分かりますか?」
「はい。もちろんです。黒田さんに付いていた残り香であなただと、直ぐに分かりました」
「そうですか…実は僕。診断が出来ない不全症状だと言われていました」
「え?不全?」
茜は、これまでの性別判定とフェロモンにまつわる診断経過を説明した。
「あぁ…だから黒田さんがフェロモンが良く分からなかったけど。って言っていたんですね。私には残り香であってもこんなに良い香り、直ぐに分かるのに、おかしいなぁと思っていました」
「そうですか…直ぐに分かったんですね。それは子供の頃の記憶と同じでしたか?」
「はい。茜さんは、私のフェロモン、分かりますか?嫌悪感が有りますか?」
「いいえ。僕にとって、こんなに良い香りだと思ったことは初めてなんです。とてもどきどきして幸せな気持ちになる香りです」
「ああ。良かった。やっぱり運命です。茜さん。少し、良いですか?」
デザートとコーヒーも飲み終えていた。蒼士は席を立つと、茜の元に近づく。横を向いた茜の前に跪くと、そっと両手を握った。
「覚えていなくても。何かの病があったとしても。茜さん。あなたが好きです。あなたを7年想いながらそれを支えにして生きて来ました。どうか私とお付き合いしてください。そして私を好きになってくれたら、番ってください」
真剣な眼差しで告げると茜の甲、そして左手薬指の上に唇を落とした。
「あっっ。怪我…背中、キス…、思い出しました」
「えっ!本当に?」
「はい。蒼士くん。どうして忘れていたんだろう?迎えに行くって言ってくれていたのに」
「その通りです。茜君。思い出してくれてありがとう」
蒼士は、きゅっと茜を抱き締めた。そのまま、興奮してキスをしてしまいたい気持ちが襲うが、場所と姉の前であることを思い、踏みとどまった。
「蒼士くん、僕とお付き合いしましょう。それと敬語はやめない?」
「うん。ありがとう、茜君。好きだ」
「ふふふ。良かったわねえ。話がまとまったようね」
「お姉ちゃん…」
恥ずかしさに顔を赤らめてあわあわとする茜。からかうように、しかし優しい笑顔を浮かべた藍が言った。
「結局、子供の頃に運命の出会いがあったってことね?それで、再会したってことかな」
「はい。そうです。黒田さんのお陰で、幸運にも再会出来ました!」
「良かったわ。でもそれなら不全症状は何?どうして他のアルファはダメなのかな?番のいる人に似たような反応って、何でかしら?既に運命と出会っているからなの?子供の時に番になったり出来ないよね?宝来さん、茜のこと噛んでないわよね?噛み痕があるわけでもないし」
「もちろん了解なく噛んだりはしていません」
「うん。噛まれた記憶は無いし、性徴の未発達な小学生の時だよ?」
「今度、うちの関連病院に受診して聞いてみましょうか?」
「そうね。茜のためにはそうした方が良いかも」
「うん」
「いずれご両親にお付き合いの報告をさせてください」
「伝言しておきます」
大きな花束を抱えた茜と藍を車寄せまで見送った蒼士。ハイヤーを呼んであり、二人とも安心して帰宅出来た。
「ただいま。お母さん、大変よぉ。茜、運命の出会い!漫画みたい」
「お姉ちゃんったら。でもありがとう。お姉ちゃんのお陰だね」
「そう?」
「お姉ちゃんと黒田さんが引き寄せてくれたんだよ」
「ふふっ。感謝してね?」
「お姉ちゃん、大好き」
母と、帰宅した父に説明した。顔を赤らめてわたわたと可愛い茜の代わりに、藍が詳細を伝えた。
「がーん。茜…もう、結婚決まっちゃった…」
「まだお付き合いするところだから…」
「あなた。宝来グループのトップでしょう?安心よ。良いご縁。運命よ?茜のフェロモン分かるんでしょう?」
「でも大変かもしれないよ?お父さん、なんか、複雑…」
「茜の幸運を祝おうよ。お父さん。まだ私がいるじゃない」
「藍…まだ居てくれる?」
「そうね。今のところ」
「ああ…こうやって手を離れて行ってしまうのか…」
「あら。それが子育ての目標。良いことよ」
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