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美作(みまさか)一族は、不動産業を元に大規模リゾート開発、マンション建設、ホテル経営、等多岐に渡る経営を行う財閥の一つである。
本家はとある地方にどどんと巨大な日本家屋で存在している。隠居した長老が代々本家に産まれたアルファから優秀な者を次期総帥に選ぶ。そして分家のオメガの中から花嫁を娶る。
花嫁のオメガは血筋が近すぎると優秀な子供が産まれにくいという経験則から、やや遠い分出身が良いとされた。そして子孫のアルファ、オメガを途絶えさせずにこれまで長く繁栄してきた。
総帥に選ばれなかったアルファも関連会社の役員としてその辣腕を奮う。花嫁とならなかったオメガも美作家にとって利益のある相手に縁付けられる。美作家のオメガは総じて優秀なアルファ、オメガを産むとして、上位の家系に求められ縁談には事欠かない存在であった。
その美作家の末端に位置する分家にオメガとして生を受けた怜(れい)は、偶然にも本家アルファの優真(ゆうま)と同じ年齢であった。
怜がオメガと判明したあとは、末端の子会社社長のであるアルファの父、オメガ男性である母からなる両親は怜を優真や他の優秀なアルファに嫁がせる存在と大事にしてくれるが、怜は自分が産む為の存在として扱われることに納得はしていなかった。
何故本家のジジイに己の人生を決められなければならないのか。僕は美術館で絵画を観賞したり、学校の授業で美術を学んでから、もっともっと学びを深めたいと思っている。
美術に興味をもった時から、最高の大学で美術史を学んで海外に留学するとの決意のもとに怜は小学生時分から勉学に励んでいた。
地域で一番の中高一貫校に合格すると、偶然優真が同じ学校に進学していた。その頃はお互いにバース性が確定しておらず、怜もこの学校に合格できた自分がもしかするとアルファかもしれないと若干の希望は持っていた。
見るからに美形で高身長の優真。成績優秀で、体育も出来、筋肉質だ。一方怜は勉強は頑張って何とか学校平均。小さく色白、かわいらしい外見で華奢ではあったのだが。
両親はバースがなんであるかにせよ本家の優真と近くにいることをよしとして、進学に肯定的であった。
怜としては、優真に近づきたくはなかった。権力者とお近づきになりたい人にやっかまれたくない。成人した後も一族の会社に入ることも嫁入りすることもしたくない。僕は留学するのだ。
ところが中学に入ると、年始の挨拶くらいでしか会うこともない遠縁のはずの優真が、お前も生徒会役員に入れてやろうかだとか、帰宅の送迎車に同乗させてやろうかだとか、恩着せがましく何くれとなく話しかけてくる。
走って逃げる怜を見ると歪んだ笑顔を見せる。ヤツは性格が悪い。意地悪して困る僕を見て楽しんでいる。怜は優真が苦手になっていった。
中学生の間に、全国一斉バース検査が行われる。未成熟だったり、判定が微妙であれば随時追加で検査も可能だ。また成熟の早い人は、特徴が現れだし、卒業を間近にすると発情期が始まる人もいる。
その結果優真は予想通りのアルファで、それも高位のアルファとわかった。怜は本人にとっては残念ながら、両親にとっては納得の高位オメガであり一族の中では花嫁候補の筆頭と考えられていた。
怜は、小さく可愛らしく、そして優秀な頭脳を持っていたからだ。この学校では数少ないオメガであり、優真に限らずアルファが多いこの場所では怜を狙う者も数知れず。
高校生になると文理の進路、成績別のクラス編成になる。発情期を迎えている人の多くなるオメガは専用クラスがあり、ここのみ少人数構成だった。
家柄の良いオメガの中には早くも婚約している生徒もいる。また学校内でアルファの彼氏が出来ることも多い。フリーのオメガは少なかった。
本家はとある地方にどどんと巨大な日本家屋で存在している。隠居した長老が代々本家に産まれたアルファから優秀な者を次期総帥に選ぶ。そして分家のオメガの中から花嫁を娶る。
花嫁のオメガは血筋が近すぎると優秀な子供が産まれにくいという経験則から、やや遠い分出身が良いとされた。そして子孫のアルファ、オメガを途絶えさせずにこれまで長く繁栄してきた。
総帥に選ばれなかったアルファも関連会社の役員としてその辣腕を奮う。花嫁とならなかったオメガも美作家にとって利益のある相手に縁付けられる。美作家のオメガは総じて優秀なアルファ、オメガを産むとして、上位の家系に求められ縁談には事欠かない存在であった。
その美作家の末端に位置する分家にオメガとして生を受けた怜(れい)は、偶然にも本家アルファの優真(ゆうま)と同じ年齢であった。
怜がオメガと判明したあとは、末端の子会社社長のであるアルファの父、オメガ男性である母からなる両親は怜を優真や他の優秀なアルファに嫁がせる存在と大事にしてくれるが、怜は自分が産む為の存在として扱われることに納得はしていなかった。
何故本家のジジイに己の人生を決められなければならないのか。僕は美術館で絵画を観賞したり、学校の授業で美術を学んでから、もっともっと学びを深めたいと思っている。
美術に興味をもった時から、最高の大学で美術史を学んで海外に留学するとの決意のもとに怜は小学生時分から勉学に励んでいた。
地域で一番の中高一貫校に合格すると、偶然優真が同じ学校に進学していた。その頃はお互いにバース性が確定しておらず、怜もこの学校に合格できた自分がもしかするとアルファかもしれないと若干の希望は持っていた。
見るからに美形で高身長の優真。成績優秀で、体育も出来、筋肉質だ。一方怜は勉強は頑張って何とか学校平均。小さく色白、かわいらしい外見で華奢ではあったのだが。
両親はバースがなんであるかにせよ本家の優真と近くにいることをよしとして、進学に肯定的であった。
怜としては、優真に近づきたくはなかった。権力者とお近づきになりたい人にやっかまれたくない。成人した後も一族の会社に入ることも嫁入りすることもしたくない。僕は留学するのだ。
ところが中学に入ると、年始の挨拶くらいでしか会うこともない遠縁のはずの優真が、お前も生徒会役員に入れてやろうかだとか、帰宅の送迎車に同乗させてやろうかだとか、恩着せがましく何くれとなく話しかけてくる。
走って逃げる怜を見ると歪んだ笑顔を見せる。ヤツは性格が悪い。意地悪して困る僕を見て楽しんでいる。怜は優真が苦手になっていった。
中学生の間に、全国一斉バース検査が行われる。未成熟だったり、判定が微妙であれば随時追加で検査も可能だ。また成熟の早い人は、特徴が現れだし、卒業を間近にすると発情期が始まる人もいる。
その結果優真は予想通りのアルファで、それも高位のアルファとわかった。怜は本人にとっては残念ながら、両親にとっては納得の高位オメガであり一族の中では花嫁候補の筆頭と考えられていた。
怜は、小さく可愛らしく、そして優秀な頭脳を持っていたからだ。この学校では数少ないオメガであり、優真に限らずアルファが多いこの場所では怜を狙う者も数知れず。
高校生になると文理の進路、成績別のクラス編成になる。発情期を迎えている人の多くなるオメガは専用クラスがあり、ここのみ少人数構成だった。
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