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その日は、優真のマンションに泊められた。怜は危機感が足りないとか、色んなアルファ狙われてるのに、とか。怜としては恥ずかしいメイドの格好のままでソファーに座ったままお説教が続いた。聞き終わって疲れて入浴してからは、なぜか優真とお揃い、僕サイズのパジャマが用意されてあり二人手を繋いで眠った。
翌朝起きたら優真が朝食を作ってくれていた。僕の好きな組み合わせのサラダに、好きな焼加減の目玉焼きといつものメーカーのシリアル。僕の好きなものを知ろうとして、用意もしていたことがわかった。
これまでの文通も楽しかったし、辛いときも助けてくれて、支えてくれていたな。こんなに僕を愛する人は他には現れそうに無いし、僕も好きだったんだからこれで良いのか。
スマホを見たらサトシから婚約者が居たのを知らなくて、余計なアクシデントを起こしてごめんなさいとメッセージが来ていた。
朝食を頂き、さてオメガマンションの部屋に帰ろうとしたら
「怜が心配だから、一緒に住みたい。マンションは昨日のうちに解約したから、ここにいて」
「え?いつの間に…」
そのまま優真と住む事が決定していた。
マンションを契約したはずの母に電話して聞いてみると
「何か起こってからじゃダメなんだよ。危ないからそのままそこにいなさい」
と軽率な行動をむしろ咎められ、他の塾講師のバイトもやめなさいと説得されてしまった。優真は大学はこのまま一緒に行こうと言ってくれるので、とりあえずは大学卒業まで言う通りにしようかな。
二人で住みはじめると優真はでろでろの甘々だった。すぐに好きって言ってくれる。頬やおでこ、鼻先や唇と、顔中ちゅ、ちゅとキスがたくさん。
ぎゅって抱きしめてきたり、抱っこしたり。スキンシップが半端ない。恥ずかしがってる場合ではなく、お揃いの指輪やペンダントや時計も用意された。僕の友人にも婚約者です!って主張している。
愛されているが、節度を保って最後まではしていない。花嫁発表会が終わってからのお楽しみだそうだ。
今日は優真の20歳の誕生日である。本家でご隠居が花嫁発表会を行う日だ。
「あー、逃げたい。緊張する。爺様怖い。次期総帥の嫁なんて責任重い~」
「今更逃げられると思うな。責任持って一生愛して、大切にしてやるから、怜も覚悟を決めろよ」
「うん。僕は花嫁の予定じゃなくて、留学考えてた。でも優真が僕を愛してくれるから、僕も優真を愛して支えるよ。いつか一緒に留学しようね」
「ああ。何なら夏休みにフランスの美術館連れていく。オンラインで行ける大学院見つけるからしばらくは我慢してくれ」
「うん」
本家の送迎車が迎えに来て二人で乗った。車中緊張をほどくために手を繋いだり、優真のフェロモンをちょっと出して貰って嗅いだり。すうはあ。
「降りるよ」
「うん。…歩けるって!」
スーツを着た優真が、同じく着なれないスーツの僕をお姫様抱っこして門に向かった。下ろしてくれる気配無しだ。
本家の大広間に、各家当主が並ぶ。過去の伝統によると花嫁発表会では、花嫁候補が各家当主の横に座って並ぶ筈なのに。あれ?オメガが誰もいない?選ばれる儀式無いの?それでお父さんいないけど、僕並んで座るんじゃないの?
上座に僕を抱っこしたままの優真が座った。
「ちょっと優真。失礼に当たらない?下ろしてってば」
「大丈夫だからこのままな」
襖が開いて、先ず僕の両親が入って僕達の脇に座った。次に優真の両親が反対側座ると。おもむろに和服のご隠居がやってきて笑いながら
「ふぉッふぉッ。皆苦しゅうない。今回は本人の強い意思で決定済じゃ。選ぶ必要も無いから二人の披露のみを行う。優真と怜の正式な婚約が整えられた。結婚式は卒業後じゃ。詳細は追って報せる」
「「おめでとうございます」」
「ありがとうございます。まだまだ未熟者ですが、私共二人力を合わせて美作の一層の繁栄に努めます」
優真が挨拶をして、一緒にペコリ頭を下げると直ぐ解散となった。え?これだけ?
その後優真、怜、お互いの両親の合計六人、料亭での食事会に連行された。
「やぁめでたい」
「お父さん飲み過ぎないでね」
「怜ちゃん身体を大事にな」
「結婚準備、始めないと」
「優真が怜ちゃんの事好きすぎてごめんね」
「優真に困った事があったら私に連絡するんだぞ」
わけがわからぬまま優真の膝に乗せられた状態で両家の食事会が進行していく。そして気づけば車に乗せられて朝出たマンションの自室に戻っていた。
「え〰っと。終わった?」
「うん。儀式は終わり。これから初夜の始まりだ」
「初夜?ってその、性的な意味を含めて?」
「そう。その意味だけの初夜。俺がどれだけ待ったと思ってんの。覚悟しろよ」
「できない!覚悟なんてできない!」
「マグロで良し」
「えぇ〰?!」
優真自らお風呂を溜めてバラの香りの泡をぶくぶく、花弁まで浮かべて準備万端整える。怜をすぽんと裸に剥いて、抱えて二人浴室へ。泡を手に、ゆっくり優しく身体を磨き上げて
「髪も洗うぞ」
頭を洗って流してくれる。こうして丁寧に、でも有無を言わさず僕を全身洗い立てた。さらにお恥ずかしいがお尻の中までシャワーで流された。
浴槽に一緒に入り、前から抱きつく形に落ち着いた。
「ああ。良いな。怜の肌は。心地いい」
「優真の体は、しっかりして頼りがいがあるね」
「妊娠するのは卒業後、式を執り行ってからだな」
「卒業したら僕、即親になっちゃうの?」
「そ。逃げられないための方策は多い方が良い。子供はさっさと沢山産んだ方が跡継ぎに困らないだろう?早く子育て終われば留学出来るぞ」
「そうかも知れないけど」
「卒業までのあと二年は二人でイチャイチャしような」
翌朝起きたら優真が朝食を作ってくれていた。僕の好きな組み合わせのサラダに、好きな焼加減の目玉焼きといつものメーカーのシリアル。僕の好きなものを知ろうとして、用意もしていたことがわかった。
これまでの文通も楽しかったし、辛いときも助けてくれて、支えてくれていたな。こんなに僕を愛する人は他には現れそうに無いし、僕も好きだったんだからこれで良いのか。
スマホを見たらサトシから婚約者が居たのを知らなくて、余計なアクシデントを起こしてごめんなさいとメッセージが来ていた。
朝食を頂き、さてオメガマンションの部屋に帰ろうとしたら
「怜が心配だから、一緒に住みたい。マンションは昨日のうちに解約したから、ここにいて」
「え?いつの間に…」
そのまま優真と住む事が決定していた。
マンションを契約したはずの母に電話して聞いてみると
「何か起こってからじゃダメなんだよ。危ないからそのままそこにいなさい」
と軽率な行動をむしろ咎められ、他の塾講師のバイトもやめなさいと説得されてしまった。優真は大学はこのまま一緒に行こうと言ってくれるので、とりあえずは大学卒業まで言う通りにしようかな。
二人で住みはじめると優真はでろでろの甘々だった。すぐに好きって言ってくれる。頬やおでこ、鼻先や唇と、顔中ちゅ、ちゅとキスがたくさん。
ぎゅって抱きしめてきたり、抱っこしたり。スキンシップが半端ない。恥ずかしがってる場合ではなく、お揃いの指輪やペンダントや時計も用意された。僕の友人にも婚約者です!って主張している。
愛されているが、節度を保って最後まではしていない。花嫁発表会が終わってからのお楽しみだそうだ。
今日は優真の20歳の誕生日である。本家でご隠居が花嫁発表会を行う日だ。
「あー、逃げたい。緊張する。爺様怖い。次期総帥の嫁なんて責任重い~」
「今更逃げられると思うな。責任持って一生愛して、大切にしてやるから、怜も覚悟を決めろよ」
「うん。僕は花嫁の予定じゃなくて、留学考えてた。でも優真が僕を愛してくれるから、僕も優真を愛して支えるよ。いつか一緒に留学しようね」
「ああ。何なら夏休みにフランスの美術館連れていく。オンラインで行ける大学院見つけるからしばらくは我慢してくれ」
「うん」
本家の送迎車が迎えに来て二人で乗った。車中緊張をほどくために手を繋いだり、優真のフェロモンをちょっと出して貰って嗅いだり。すうはあ。
「降りるよ」
「うん。…歩けるって!」
スーツを着た優真が、同じく着なれないスーツの僕をお姫様抱っこして門に向かった。下ろしてくれる気配無しだ。
本家の大広間に、各家当主が並ぶ。過去の伝統によると花嫁発表会では、花嫁候補が各家当主の横に座って並ぶ筈なのに。あれ?オメガが誰もいない?選ばれる儀式無いの?それでお父さんいないけど、僕並んで座るんじゃないの?
上座に僕を抱っこしたままの優真が座った。
「ちょっと優真。失礼に当たらない?下ろしてってば」
「大丈夫だからこのままな」
襖が開いて、先ず僕の両親が入って僕達の脇に座った。次に優真の両親が反対側座ると。おもむろに和服のご隠居がやってきて笑いながら
「ふぉッふぉッ。皆苦しゅうない。今回は本人の強い意思で決定済じゃ。選ぶ必要も無いから二人の披露のみを行う。優真と怜の正式な婚約が整えられた。結婚式は卒業後じゃ。詳細は追って報せる」
「「おめでとうございます」」
「ありがとうございます。まだまだ未熟者ですが、私共二人力を合わせて美作の一層の繁栄に努めます」
優真が挨拶をして、一緒にペコリ頭を下げると直ぐ解散となった。え?これだけ?
その後優真、怜、お互いの両親の合計六人、料亭での食事会に連行された。
「やぁめでたい」
「お父さん飲み過ぎないでね」
「怜ちゃん身体を大事にな」
「結婚準備、始めないと」
「優真が怜ちゃんの事好きすぎてごめんね」
「優真に困った事があったら私に連絡するんだぞ」
わけがわからぬまま優真の膝に乗せられた状態で両家の食事会が進行していく。そして気づけば車に乗せられて朝出たマンションの自室に戻っていた。
「え〰っと。終わった?」
「うん。儀式は終わり。これから初夜の始まりだ」
「初夜?ってその、性的な意味を含めて?」
「そう。その意味だけの初夜。俺がどれだけ待ったと思ってんの。覚悟しろよ」
「できない!覚悟なんてできない!」
「マグロで良し」
「えぇ〰?!」
優真自らお風呂を溜めてバラの香りの泡をぶくぶく、花弁まで浮かべて準備万端整える。怜をすぽんと裸に剥いて、抱えて二人浴室へ。泡を手に、ゆっくり優しく身体を磨き上げて
「髪も洗うぞ」
頭を洗って流してくれる。こうして丁寧に、でも有無を言わさず僕を全身洗い立てた。さらにお恥ずかしいがお尻の中までシャワーで流された。
浴槽に一緒に入り、前から抱きつく形に落ち着いた。
「ああ。良いな。怜の肌は。心地いい」
「優真の体は、しっかりして頼りがいがあるね」
「妊娠するのは卒業後、式を執り行ってからだな」
「卒業したら僕、即親になっちゃうの?」
「そ。逃げられないための方策は多い方が良い。子供はさっさと沢山産んだ方が跡継ぎに困らないだろう?早く子育て終われば留学出来るぞ」
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「卒業までのあと二年は二人でイチャイチャしような」
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