ロボット製作するよ

高橋

文字の大きさ
1 / 21
浜松勝

1話 エピローグ

しおりを挟む
『ババババババババ』
俺は今、ヘリコプターに乗っている。国立科学技術高等学校へ通うためだ。俺、つまり浜松勝は昨年の3月まで横浜の国立情報技術高等学校に通っていた。2年から3年へあがる際、全ての生徒が茨城県鹿嶋市沖の人工島に立っている国立科学技術高等学校へと通うのだ。国立科学技術高等学校は全寮制となっており、回転翼機か航空機でしか出入りができない。学業に専念するための措置だそうだ。いま、ヘリコプターが着陸した。

ヘリコプターから降りた俺は、指定された教室へと向かう。’Ⅰ-Ⅳ’の教室へと入ると、5,6人のグループへと分かれて楽しそうに喋っている。俺は、そんな友達もいないから席へと着いた。窓際の最後列。アニメでよく主人公が座っている席だというのはアニメ好きの俺としては少し嬉しかった。この国立科学技術高等学校には全国の各国立技術高等学校から生徒が集まる。
仙台の国立化学技術高等学校
横浜の国立情報技術高等学校
愛知の国立機械技術高等学校
兵庫の国立電気技術高等学校
福岡の国立建築技術高等学校
男女の比率は5分5分だ。
俺と隣は島田という黒髪美少女の女子生徒が座っている。可愛かったので、話しかけてみた。
「席が隣ですね。一年間よろしく。俺は情報の浜松勝」
「私は、島田朱里。バカにするようで悪いけどこの学校にクラス替えなど存在しないから3年間よ」
「そ、そうですか」
顔は可愛いが言い方がきつい。これから気をつけよう。ドアが開いて担任が入ってくる。眼鏡を掛けた美人だ。スーツとブラウスを胸が大きく押し出している。
「Ⅰ-Ⅳの担任となった静岡樹理だ。3年間よろしく」
「「よろしくお願いします」」
「これから学校説明を兼ねた入学式を執り行う。すぐに体育館へ向かえ」
俺たちは、入学式へと参加するため体育館へと向かった。

『起立・礼・着席』
司会の生徒の声がマイクを通して体育館内に響き渡る。校長や文部科学大臣、防衛大臣などのこの学校に関わるお偉いさん達の長ったらしい挨拶が終わったあと、学校説明会が開かれた。
術、特にロボットの開発に関する教育を進めてきております。各学校からの生徒は各クラスにバランスよく振り分けられており、各クラスで協力してロボットの開発を行ってもらいます____』
そのとき、隣に座っていた島田朱里が話しかけてきた。
「あなたも情報よね。お互い協力することが多いと思うから仲良くしましょう」
さっきとはうって変わって友好的だ。
「こちらこそ仲良く頼むよ」
『次に、この学校での通貨について説明します。学校内での通貨は以後配布されるスマートフォン内の電子マネーです。毎年100万円が振り込まれます。寮での費用などは無償ですがこの100万円で何をするかは自由です。バイトもあります。しかし気をつけてください。テストの点数が悪い場合などはこの金で点を買うことになります。なので、計画なく使うと退学の恐れがあります。また、様々なボーナスが支給されることもあります。説明会は以上です』
説明会が終わったあと、それぞれでⅠ-Ⅳへと戻っていく。静岡先生が口を開いた。
「2ヵ月後の6月に1学年ロボットコンテストが開かれることになった。月曜日に会議を開く。詳細は月曜日に知らせる。それと、学級委員長を決めておきたいんだが」
学級委員長。それは、責任は重いし、イベントのときは大変。しかし手柄はほとんどないという悲しい立場だ。なぜなら手柄は実行委員が取るからだwww
そんな中、ある女子生徒が誰かを推薦する。
「機械の三保詩織です。蒲原君は一緒の機械だったんですが、学級委員長に適任だと思います」
そういって立った三保詩織。典型的なギャルで、呼ばれた蒲原大輔はいかにもスポーツができそうなイケメン。学級委員長に選ばれたことを嫌がっているような仕草を見せるが、実際は嬉しそうだ。
「蒲原大輔です。委員長として頑張りたいと思います」
「では蒲原、下校時刻だ。挨拶を頼む」
先生がそう言い、下校となった。
指定された8階建ての寮へと向かうと、男女共用で学年別なのだという事が分かった。部屋番号は402号室だ。中へ入ると布団以外何も置かれていない。家具は自分で買えという事か。明日買いにいこう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...