ロボット製作するよ

高橋

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浜松勝

1話 エピローグ

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『ババババババババ』
俺は今、ヘリコプターに乗っている。国立科学技術高等学校へ通うためだ。俺、つまり浜松勝は昨年の3月まで横浜の国立情報技術高等学校に通っていた。2年から3年へあがる際、全ての生徒が茨城県鹿嶋市沖の人工島に立っている国立科学技術高等学校へと通うのだ。国立科学技術高等学校は全寮制となっており、回転翼機か航空機でしか出入りができない。学業に専念するための措置だそうだ。いま、ヘリコプターが着陸した。

ヘリコプターから降りた俺は、指定された教室へと向かう。’Ⅰ-Ⅳ’の教室へと入ると、5,6人のグループへと分かれて楽しそうに喋っている。俺は、そんな友達もいないから席へと着いた。窓際の最後列。アニメでよく主人公が座っている席だというのはアニメ好きの俺としては少し嬉しかった。この国立科学技術高等学校には全国の各国立技術高等学校から生徒が集まる。
仙台の国立化学技術高等学校
横浜の国立情報技術高等学校
愛知の国立機械技術高等学校
兵庫の国立電気技術高等学校
福岡の国立建築技術高等学校
男女の比率は5分5分だ。
俺と隣は島田という黒髪美少女の女子生徒が座っている。可愛かったので、話しかけてみた。
「席が隣ですね。一年間よろしく。俺は情報の浜松勝」
「私は、島田朱里。バカにするようで悪いけどこの学校にクラス替えなど存在しないから3年間よ」
「そ、そうですか」
顔は可愛いが言い方がきつい。これから気をつけよう。ドアが開いて担任が入ってくる。眼鏡を掛けた美人だ。スーツとブラウスを胸が大きく押し出している。
「Ⅰ-Ⅳの担任となった静岡樹理だ。3年間よろしく」
「「よろしくお願いします」」
「これから学校説明を兼ねた入学式を執り行う。すぐに体育館へ向かえ」
俺たちは、入学式へと参加するため体育館へと向かった。

『起立・礼・着席』
司会の生徒の声がマイクを通して体育館内に響き渡る。校長や文部科学大臣、防衛大臣などのこの学校に関わるお偉いさん達の長ったらしい挨拶が終わったあと、学校説明会が開かれた。
術、特にロボットの開発に関する教育を進めてきております。各学校からの生徒は各クラスにバランスよく振り分けられており、各クラスで協力してロボットの開発を行ってもらいます____』
そのとき、隣に座っていた島田朱里が話しかけてきた。
「あなたも情報よね。お互い協力することが多いと思うから仲良くしましょう」
さっきとはうって変わって友好的だ。
「こちらこそ仲良く頼むよ」
『次に、この学校での通貨について説明します。学校内での通貨は以後配布されるスマートフォン内の電子マネーです。毎年100万円が振り込まれます。寮での費用などは無償ですがこの100万円で何をするかは自由です。バイトもあります。しかし気をつけてください。テストの点数が悪い場合などはこの金で点を買うことになります。なので、計画なく使うと退学の恐れがあります。また、様々なボーナスが支給されることもあります。説明会は以上です』
説明会が終わったあと、それぞれでⅠ-Ⅳへと戻っていく。静岡先生が口を開いた。
「2ヵ月後の6月に1学年ロボットコンテストが開かれることになった。月曜日に会議を開く。詳細は月曜日に知らせる。それと、学級委員長を決めておきたいんだが」
学級委員長。それは、責任は重いし、イベントのときは大変。しかし手柄はほとんどないという悲しい立場だ。なぜなら手柄は実行委員が取るからだwww
そんな中、ある女子生徒が誰かを推薦する。
「機械の三保詩織です。蒲原君は一緒の機械だったんですが、学級委員長に適任だと思います」
そういって立った三保詩織。典型的なギャルで、呼ばれた蒲原大輔はいかにもスポーツができそうなイケメン。学級委員長に選ばれたことを嫌がっているような仕草を見せるが、実際は嬉しそうだ。
「蒲原大輔です。委員長として頑張りたいと思います」
「では蒲原、下校時刻だ。挨拶を頼む」
先生がそう言い、下校となった。
指定された8階建ての寮へと向かうと、男女共用で学年別なのだという事が分かった。部屋番号は402号室だ。中へ入ると布団以外何も置かれていない。家具は自分で買えという事か。明日買いにいこう。
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