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浜松勝
11話 ついに本番
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そして7月23日・・・・・
Ⅰ-Ⅳ全員が、ガラス張りの操作室へと入室した。前方には、各クラスのロボットが置かれている。やはりどのクラスも2つか3つ製作している。
Ⅰ-Ⅰ 前回と同じく低重心で側面から2本のアームが伸びている。まったく 同じものが2台置かれている。
Ⅰ-Ⅱ 戦車のような機体と巨大な箱型の機体がある。おそらく箱にアームが 入っているのだろう。
1-Ⅲ サソリ型のロボットとなっているようだ。2対置かれている。
1-Ⅴ 立方体のものが4つ置かれている。
最初の競技が始まる。
『最初の競技は、トラックレース。ルールは、500mのコースをどのクラスが一番早く駆け抜けられるか。妨害は禁止とする。各クラス一台まで参加可能』
1-Ⅳでは本機が出場することになった。
『いちについて、レディー・・・スタート!!』
スタートの合図で全クラスが同時に走り出す。低重心だからかⅠ-Ⅰが他のクラスより若干速い。そのあとで、Ⅰ-Ⅲ、Ⅰ-Ⅴ、Ⅰ-Ⅳ、Ⅰ-Ⅱと続く。このままでは負けてしまう。蒲原が指示を飛ばした。
「あと少しだけ電圧を上げられる?」
「わかりました。限界まであげます」
電気班のメンバーがツマミを回すと、少しだけ速度が速くなった。Ⅰ-Ⅴを追い抜かしたが、他のクラスも速度を上げてくる。そのままの順位で、ゴールとなった。
『続いての競技は、雑巾縫い。どれだけ高精度で操作ができるかを競ってもらう』
その瞬間、他のクラスの機体上部の蓋が開く。と、同時にアームが飛び出してくる。Ⅰ-Ⅳもアームを出し、競技の準備を始める。この操作は、手芸が得意な朱里が行うことになった。直感的な操作ができるのは、Ⅰ-Ⅳだけのようで、他のクラスは苦戦していることが窺える。Ⅰ-Ⅳが、他のクラスに大きくリードをして勝利した。
『次の競技は最終競技。変則バトルロイヤルだ。ルールは通常のバトルロイヤルと同じだが、ステージの様子が変わる』
この競技には、どのクラスも全機出場する。バトルロイヤルが始まる。スタートした瞬間、照明が落ちた。つまり、暗闇で戦うという事だ。幸い、Ⅰ-Ⅳは暗視スコープを搭載していたため、視界は確保できている。他のクラスの様子を探るため、ドローンを静音モードで一機飛ばす。パソコン上に映像が映し出される。
「敵の位置はスタート位置からあまり変わっていないな。爆弾を投下するか?」
「いや、それはやめたほうがいい。気づかれる恐れがある。あと、Ⅰ-Ⅲに気をつけろ。サソリの尻尾がライトになっている」
「わかった。偵察を続ける」
そのとき、動きがあった。Ⅰ-Ⅴが突如、立方体のブロックを合体させ始めたのだ。合体後の姿は、長い蛇のようだった。
「Ⅰ-Ⅴが形態変化した。爆弾を投下する。いいか?」
「分かった。やってくれ」
ドローンは静かにⅠ-Ⅴの直上に移動した。爆弾の投下準備を始める。コントローラーの安全解除ボタンを押す。すると、画面上の安全ランプが消える。いま、投下ボタンを押すと、ボルトが外れ、爆弾が投下される。
「3,2,1.投下!!」
『ヒューーーーー・・・バコーン』
轟音が鳴り響き、一瞬だけ闘技場が明るくなり、また暗闇に包まれる。Ⅰ-Ⅴは機能を停止し、脱落となった。そのとき、Ⅰ-Ⅲがライトを照らし始め、ドローンを見つけてしまった。しかし、どのクラスのドローンだか互いに分からないため、互いに動けないでいる。
「委員長。どうしますか」
「機体、支援機ともに動かすな。ドローンだけを上空で旋回させろ。あと、投下爆弾の安全装置を切っておけ」
「わかった。で、どこの直上にするか?」
「Ⅰ-Ⅲがいいだろう」
ドローンはそのままライトに照らされながら、Ⅰ-Ⅲの直上に移動する。こうすることで、ライトが真上だけを照らすからだ。そして、Ⅰ-Ⅳもライトを灯火して、ドローンを照らす。
「では、爆弾の投下準備始めます。ドローンの下部ライト点灯!!」
操作手が爆弾投下ボタンを押し、ドローンから爆弾が投下される。そのとき、Ⅰ-Ⅳはライトを消し、装備を展開させる。他のクラスも同じ事をしているようだ。Ⅰ-Ⅲが回避行動をすることは予測していた。その対策として、Ⅰ-Ⅲの両側に支援機からのロケットランチャーを撃ちこむ。これで、避けても避けなくても倒すことができる。そう思っていたが・・・
「委員長!投下爆弾を弾き返され、ドローンが機体の上に墜落しました!」
「「どうするんだ」」
「問題ない。残りの爆弾を爆発させろ。ドローンは壊してもかまわん。たかが3800円だ。負けるよりはいい」
そして、ドローンは自爆し、Ⅰ-Ⅲも脱落した。それと同時に、Ⅰ-ⅠがⅠ-Ⅱに勝利していた。Ⅰ-ⅠVSⅠ-Ⅳか。
「どうする?浜松君」
「えっ。いや、残りのドローンも出したらどうだ?」
「それは無理だ。相手は対空砲を持っている」
そのときだ、Ⅰ-Ⅰが急に挟撃するように接近してきた。Ⅰ-Ⅳはなすすべなく、負けてしまった・・・・・
Ⅰ-Ⅳ全員が、ガラス張りの操作室へと入室した。前方には、各クラスのロボットが置かれている。やはりどのクラスも2つか3つ製作している。
Ⅰ-Ⅰ 前回と同じく低重心で側面から2本のアームが伸びている。まったく 同じものが2台置かれている。
Ⅰ-Ⅱ 戦車のような機体と巨大な箱型の機体がある。おそらく箱にアームが 入っているのだろう。
1-Ⅲ サソリ型のロボットとなっているようだ。2対置かれている。
1-Ⅴ 立方体のものが4つ置かれている。
最初の競技が始まる。
『最初の競技は、トラックレース。ルールは、500mのコースをどのクラスが一番早く駆け抜けられるか。妨害は禁止とする。各クラス一台まで参加可能』
1-Ⅳでは本機が出場することになった。
『いちについて、レディー・・・スタート!!』
スタートの合図で全クラスが同時に走り出す。低重心だからかⅠ-Ⅰが他のクラスより若干速い。そのあとで、Ⅰ-Ⅲ、Ⅰ-Ⅴ、Ⅰ-Ⅳ、Ⅰ-Ⅱと続く。このままでは負けてしまう。蒲原が指示を飛ばした。
「あと少しだけ電圧を上げられる?」
「わかりました。限界まであげます」
電気班のメンバーがツマミを回すと、少しだけ速度が速くなった。Ⅰ-Ⅴを追い抜かしたが、他のクラスも速度を上げてくる。そのままの順位で、ゴールとなった。
『続いての競技は、雑巾縫い。どれだけ高精度で操作ができるかを競ってもらう』
その瞬間、他のクラスの機体上部の蓋が開く。と、同時にアームが飛び出してくる。Ⅰ-Ⅳもアームを出し、競技の準備を始める。この操作は、手芸が得意な朱里が行うことになった。直感的な操作ができるのは、Ⅰ-Ⅳだけのようで、他のクラスは苦戦していることが窺える。Ⅰ-Ⅳが、他のクラスに大きくリードをして勝利した。
『次の競技は最終競技。変則バトルロイヤルだ。ルールは通常のバトルロイヤルと同じだが、ステージの様子が変わる』
この競技には、どのクラスも全機出場する。バトルロイヤルが始まる。スタートした瞬間、照明が落ちた。つまり、暗闇で戦うという事だ。幸い、Ⅰ-Ⅳは暗視スコープを搭載していたため、視界は確保できている。他のクラスの様子を探るため、ドローンを静音モードで一機飛ばす。パソコン上に映像が映し出される。
「敵の位置はスタート位置からあまり変わっていないな。爆弾を投下するか?」
「いや、それはやめたほうがいい。気づかれる恐れがある。あと、Ⅰ-Ⅲに気をつけろ。サソリの尻尾がライトになっている」
「わかった。偵察を続ける」
そのとき、動きがあった。Ⅰ-Ⅴが突如、立方体のブロックを合体させ始めたのだ。合体後の姿は、長い蛇のようだった。
「Ⅰ-Ⅴが形態変化した。爆弾を投下する。いいか?」
「分かった。やってくれ」
ドローンは静かにⅠ-Ⅴの直上に移動した。爆弾の投下準備を始める。コントローラーの安全解除ボタンを押す。すると、画面上の安全ランプが消える。いま、投下ボタンを押すと、ボルトが外れ、爆弾が投下される。
「3,2,1.投下!!」
『ヒューーーーー・・・バコーン』
轟音が鳴り響き、一瞬だけ闘技場が明るくなり、また暗闇に包まれる。Ⅰ-Ⅴは機能を停止し、脱落となった。そのとき、Ⅰ-Ⅲがライトを照らし始め、ドローンを見つけてしまった。しかし、どのクラスのドローンだか互いに分からないため、互いに動けないでいる。
「委員長。どうしますか」
「機体、支援機ともに動かすな。ドローンだけを上空で旋回させろ。あと、投下爆弾の安全装置を切っておけ」
「わかった。で、どこの直上にするか?」
「Ⅰ-Ⅲがいいだろう」
ドローンはそのままライトに照らされながら、Ⅰ-Ⅲの直上に移動する。こうすることで、ライトが真上だけを照らすからだ。そして、Ⅰ-Ⅳもライトを灯火して、ドローンを照らす。
「では、爆弾の投下準備始めます。ドローンの下部ライト点灯!!」
操作手が爆弾投下ボタンを押し、ドローンから爆弾が投下される。そのとき、Ⅰ-Ⅳはライトを消し、装備を展開させる。他のクラスも同じ事をしているようだ。Ⅰ-Ⅲが回避行動をすることは予測していた。その対策として、Ⅰ-Ⅲの両側に支援機からのロケットランチャーを撃ちこむ。これで、避けても避けなくても倒すことができる。そう思っていたが・・・
「委員長!投下爆弾を弾き返され、ドローンが機体の上に墜落しました!」
「「どうするんだ」」
「問題ない。残りの爆弾を爆発させろ。ドローンは壊してもかまわん。たかが3800円だ。負けるよりはいい」
そして、ドローンは自爆し、Ⅰ-Ⅲも脱落した。それと同時に、Ⅰ-ⅠがⅠ-Ⅱに勝利していた。Ⅰ-ⅠVSⅠ-Ⅳか。
「どうする?浜松君」
「えっ。いや、残りのドローンも出したらどうだ?」
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