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第3章 賑やかし要員
11、約束の逆転
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手術は無事成功した。
喜びに震えながら、スマホのラインを起動させる。
数日振りのスマホ。
豊臣君がどんなメッセージを送ってくれていたのか楽しみで楽しみで仕方なかった。
「……え?」
そこに移ったライン画面を見て固まった。
「ない……、きてない1通も……」
手術を乗り切った私のご褒美は、夏休み前に2人でやり取りしたメッセージに既読が付いているだけのトーク画面だった。
アプリが止まっているのかと、停止にしてすぐ起動にしたり、アプリを更新したりした。
でも豊臣君からのメッセージは1つも送られていなかった。
両親のラインは受信している。
スマホも、アプリも壊れていない。
単に豊臣君のメッセージだけが送られていないのだ。
友達の美奈子からも数件着信履歴がきてきた。
最後に1つ『どこかで会えない?』とだけきていた。
美奈子と遊んでいて、ラインに気付かないと嫌だし、単に遊べるテンションにない。
それくらい頭が真っ白だった。
『ごめん、夏休み中はほっといてください』。
失礼に見えるかもしれないけど、これしか打ちようがなかった。
夏休みが終わったら謝罪しようと思っているとOKというスタンプが送られた。
「別にこっちから送るのもありか」
意外と豊臣君は抜けているのかもしれない。
もしかしたら私が見てないのを気にして送らないのかもしれないし。
『私は、無事退院したよ(*´∀`)』
『豊臣君に会いたいな』
「……、既読が付かない」
ラインを2通送り、半日が経った。
しかし、もう24時を過ぎたのにラインを読んですらくれない。
「ラインを読まない理由ってなんだろ……?」
ラインを読まない理由についてスマホで検索する。
『浮気のサイン』、真っ先に出てきた理由だった。
「でも、別に私、豊臣君と付き合ってないし……。付き合っていないなら浮気じゃないよね……」
じゃあ、何?
何が起きてるの……?
『豊臣君、どうかしたんですか?ライン送らないことに怒ってないです。不安なだけなんです』
『返信も要りません。既読だけでも付けてくれませんか?』
『ウィンドウショッピングに行きませんか?ただ街中を歩くだけで良いんです』
『会いたいです』
『最近暑いですね、ソフトクリームとかアイスとか冷たいの食べたいですね』
『昨日テレビでしていたんですけど、隣町にたい焼き屋ができたみたいなんです。一緒に行きませんか?』
『明後日、花火大会ですね。花火大会の約束は覚えていますか?来れなくて良いですので、お断りの返信だけでもください』
『明日花火大会ですよ!私、美奈子誘って行っちゃいますよ』
『花火の音がします』
『もう少しで学校始まっちゃいますね。いつもは憂鬱だけど、今年は豊臣君と学校で会えるの楽しみだな』
『返事ください』
『既読でも良いです』
『好きなんです』
『付き合ってください』
『豊臣君』
「…………」
気付けば毎日ラインを送るのが私の日課になっていた。
立場が逆になってしまっていても構わない。
『お願いです。明日の最終日映画に行きましょう!いつ来ても良いです!ずっと待ってます映画館のURL送りますね』
「…………来ない」
朝からずっと待っていた。
入るのを見た家族が出てくるのを何十組と見た。
デートしているカップルもずっと見ていた。
もし、そこに豊臣君がいたなら諦めも付くから。
「あ……、そういえばラインって通話もできるんだった。……迷惑かけない様にしていたけど最終日くらい良いよね」
呼び出し音が鳴り続ける。
それを1コールを逃さず耳な当てる。
そして、不自然に呼び出し音が止まる。
「と、豊臣君ですか!?」
『現在電波が届かないところにいるか、電源が入っていないようです』
豊臣君は、電話にすら出てくれない。
「夜になっちゃった……」
ナイトショーの時間帯。
でも、豊臣君が来ない。
お母さんから連絡があった。
『明日から学校よ、帰ってきなさい。それとも体調悪い?』
「ごめんなさい、道に迷ったからタクシー使います」
体調は夏休み中ずっと悪いです。
少し、豊臣君を嫌いになりそうです。
喜びに震えながら、スマホのラインを起動させる。
数日振りのスマホ。
豊臣君がどんなメッセージを送ってくれていたのか楽しみで楽しみで仕方なかった。
「……え?」
そこに移ったライン画面を見て固まった。
「ない……、きてない1通も……」
手術を乗り切った私のご褒美は、夏休み前に2人でやり取りしたメッセージに既読が付いているだけのトーク画面だった。
アプリが止まっているのかと、停止にしてすぐ起動にしたり、アプリを更新したりした。
でも豊臣君からのメッセージは1つも送られていなかった。
両親のラインは受信している。
スマホも、アプリも壊れていない。
単に豊臣君のメッセージだけが送られていないのだ。
友達の美奈子からも数件着信履歴がきてきた。
最後に1つ『どこかで会えない?』とだけきていた。
美奈子と遊んでいて、ラインに気付かないと嫌だし、単に遊べるテンションにない。
それくらい頭が真っ白だった。
『ごめん、夏休み中はほっといてください』。
失礼に見えるかもしれないけど、これしか打ちようがなかった。
夏休みが終わったら謝罪しようと思っているとOKというスタンプが送られた。
「別にこっちから送るのもありか」
意外と豊臣君は抜けているのかもしれない。
もしかしたら私が見てないのを気にして送らないのかもしれないし。
『私は、無事退院したよ(*´∀`)』
『豊臣君に会いたいな』
「……、既読が付かない」
ラインを2通送り、半日が経った。
しかし、もう24時を過ぎたのにラインを読んですらくれない。
「ラインを読まない理由ってなんだろ……?」
ラインを読まない理由についてスマホで検索する。
『浮気のサイン』、真っ先に出てきた理由だった。
「でも、別に私、豊臣君と付き合ってないし……。付き合っていないなら浮気じゃないよね……」
じゃあ、何?
何が起きてるの……?
『豊臣君、どうかしたんですか?ライン送らないことに怒ってないです。不安なだけなんです』
『返信も要りません。既読だけでも付けてくれませんか?』
『ウィンドウショッピングに行きませんか?ただ街中を歩くだけで良いんです』
『会いたいです』
『最近暑いですね、ソフトクリームとかアイスとか冷たいの食べたいですね』
『昨日テレビでしていたんですけど、隣町にたい焼き屋ができたみたいなんです。一緒に行きませんか?』
『明後日、花火大会ですね。花火大会の約束は覚えていますか?来れなくて良いですので、お断りの返信だけでもください』
『明日花火大会ですよ!私、美奈子誘って行っちゃいますよ』
『花火の音がします』
『もう少しで学校始まっちゃいますね。いつもは憂鬱だけど、今年は豊臣君と学校で会えるの楽しみだな』
『返事ください』
『既読でも良いです』
『好きなんです』
『付き合ってください』
『豊臣君』
「…………」
気付けば毎日ラインを送るのが私の日課になっていた。
立場が逆になってしまっていても構わない。
『お願いです。明日の最終日映画に行きましょう!いつ来ても良いです!ずっと待ってます映画館のURL送りますね』
「…………来ない」
朝からずっと待っていた。
入るのを見た家族が出てくるのを何十組と見た。
デートしているカップルもずっと見ていた。
もし、そこに豊臣君がいたなら諦めも付くから。
「あ……、そういえばラインって通話もできるんだった。……迷惑かけない様にしていたけど最終日くらい良いよね」
呼び出し音が鳴り続ける。
それを1コールを逃さず耳な当てる。
そして、不自然に呼び出し音が止まる。
「と、豊臣君ですか!?」
『現在電波が届かないところにいるか、電源が入っていないようです』
豊臣君は、電話にすら出てくれない。
「夜になっちゃった……」
ナイトショーの時間帯。
でも、豊臣君が来ない。
お母さんから連絡があった。
『明日から学校よ、帰ってきなさい。それとも体調悪い?』
「ごめんなさい、道に迷ったからタクシー使います」
体調は夏休み中ずっと悪いです。
少し、豊臣君を嫌いになりそうです。
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