上 下
3 / 19

2 事のなりゆき

しおりを挟む
「先生、ビーチバレー部の顧問なったんですね!」

学校を出る準備をしていると
と白衣を着た小柄の女性に声をかけられる。
長い髪を後ろで縛り、縁の細いメガネをかけている。

保健室の養護教諭の遠藤先生だ。

「そうなんですよ、急だったんですけどね」

「みんな可愛い子ばかりでしょ」
イタズラするような笑顔でこっちをみてくる。
 
「これから大変なんじゃないんですか?」
何がですか?っとビクッとする。

「いやーだってあんな可愛い子たちが水着なんですよー。先生も男の子だしねー」

「いやいや、全然年が若いし、そんなそんな、、」
慌てて否定するがそれが余計にしどろもどろになる。

「でも先生には頑張ってもらわないとねー」
「なぜですか?」
「いやいやそれはねー」
と遠藤先生は意味深な顔をする。

「まぁ私は応援しますよって事を伝えたかったんです
何かあったら、保健室来て下さいね!コートの近くですから」

「怪我とか傷とかあったらまたお願いします!」
とキチンと挨拶をする。

「そうだね。下半身のせいで怪我して先生の経歴に傷がついたりしたら大変だもんねー」

「からかうのやめて下さいよ」と言うと
すっと近づいてきて。
「まぁ最悪私だったら合法ですからね」
と、耳元で囁いてきた。

えっ!?と驚く

三十路近くでも良かったらねーと言って小走りで帰っていった。



次の日

「へぇー先生○○大学だったんですね!」
「スポーツ推薦もあってね」

次の日、ビーチバレー部のみんなと学食で昼食をとっている。部の事を聞いておきたかったのだ。
学食で1品奢るよと言うとみんな喜んで集まってきた。

聞くとバレー経験は水野だけで、近藤は中学バスケット。南はなんと吹奏楽部だった。
ビーチバレー部は創部二年目で海の近いこの地域で大会もあり盛り上がってきたところ、元々バレーがやりたかった水野が近藤を誘い作ったそうだ。

「私達は仲良くワイワイやって、たまに大会に出れば良かったんですけど、、」
と水野が少しうつむいた。

「何かあるのか?」

「実は、今年の大会で優勝出来なかったらビーチバレー部のコート潰されるんです」

「小さな大会でもいいんです。何か実績がないとコートの場所と維持費が勿体無いって、、」

「それは誰が言ってるんだ?」

「理事長です。」

よりにもよって、一番上の人か、、

「でも、なんでそんなに厳しいんだろ?」
と素直に疑問に思う。

「それが、ビーチバレーの試合を理事長見に来てたんです。地域の役職もあったりして
それでうちの学校もニチーム出して戦ったんですけど、一回戦負けで」

「それで?まだ創部したばかりだから仕方ないだろ?」

「そうなんですけど、、」
「ライバルがいるんですよ、理事長には。」

「近くの早桜学園あるじゃないですか、、そこの理事長と仲悪くて。対抗意識もってたんですけど、うちがそことの試合でほんとボロ負けで、小馬鹿にされたのが腹がたったみたいで」

水野がうつむくと

うどんを食べてた近藤がしゃべりだす。

「その後、理事長室に呼ばれて凄い怒られてね。
あそこの高校には運動部では負けてなかったの!野球もサッカーも!この地域ビーチバレーで盛んなの知ってるよね。そこで負けるなんて!優勝するかやめるかどっちかにして頂戴!!ってもぅ凄い剣幕で、言われて」

「それで水野って負けず嫌いで」

「それだったら今年中に優勝します!!!」
「って言っちゃった訳なんですよ。」

ごめん。と水野が呟く。
いやいや良いよ。私達は3年だしとなだめる近藤

「私も先輩抜けたら辞めますよ。」
と牛丼を食べてる南が答える。

おまえが一番ガッツリ食べるのか、しかも後輩だと!おっぱい一番大きいのにけしからん! 
っと自然に脳内で突っ込みを入れてしまっている。

「で校長にどうしようかと相談に乗ってもらってたんです。」
「それでオレに指導をと言ってくれたんだな。」

「ほんと、先生来てくれて嬉しいんです。
やっぱり三人で本読んだり勉強しても限界があって
コーチしてくれる人がいたらなと思ってたんで。
どうしても優勝したいんです!理事長にバカにされたままじゃ、、」

と悔しがる水野。
「だってとばっちりだし!コートなくすなんて理不尽だよ」
と少し涙目になっている。

それを見て近藤と南は大丈夫ですよ!一緒に頑張ろう!と励ましている。

それで部活の雰囲気は真面目だったんだなと納得する。

「わかったオレも出来るだけ協力するよ!」

「先生本当ですか!?ありがとうございます!」
と目を輝かせて水野が言う。

とにかく他の学校の実力を見ないとな、うちが優勝できるレベルにあるのか、作戦も考えれないし

「それだったら、今週小さいですけど大会があるんで来て下さい!!」


ということで、オレは車を出しみんなを連れて大会へ行くことにした。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

(R18) 水泳インストラクターの特権

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:24

落ちこぼれ[☆1]魔法使いは、今日も無意識にチートを使う

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,968pt お気に入り:25,350

【完結】「R18」全身水着強制着用!

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:11

きもちのもんだいでしょ

BL / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:6

私の競泳水着をぬるぬる濡らして染み出るもの

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:27

ミックスド★バス~注文の多いラブホテル~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:163pt お気に入り:40

処理中です...