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*シャルロット姫と食卓外交
バルキリー夫人のお誘い
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城壁の外に複数の第二騎士団の騎士たちの姿があった。
騎士たちの足元には中型犬サイズの孔雀に、ペリカンのような大きなクチバシにコウモリの羽根がついたような魔物が伸びている。
ダビーという鳥の姿をした魔物で、気性が激しく、鋭いクチバシで通行人や馬車を襲うのだ。
城の周りにも出没し、門番や馬を襲ったり壁に穴を開けてしまうので騎士団で駆除していた。
「ダビーか、雑魚だな」
「確か食えるんですよね、これ」
「ああ、今日はダビーの丸焼きにでもするか」
ダビーの肉は鶏肉と酷似している上柔らかく甘みもある、鶏よりも大きく筋肉質で脂も少なくヘルシーな食材だ。
「あの、コハン団長。城に帰ったら今日は俺が調理してもいいっすか?」
ユーシンがダビーを一匹一匹大きな麻袋の中に放り込みながら声を出した。
*
シャルロットはあまり社交場を好まなかった。
午前中はダンスや刺繍のレッスン、嫁入りのための勉強をし、昼食は殆ど自室でいただいている。
午後は城の厨房を借りてお料理をしたり、騎士団のもとで雑用をして過ごしていた。
夕食はクライシア王もグレース皇子もそれぞれ自室で一人で食べることが多く、シャルロットも同じく自室で食べる。
女貴族たちが多く集まるサロンや城の晩餐会には一度二度参加したが性に合わず足が遠のいていた。
「あら。あなたがシャルロットさん?はじめまして、バルキリーよ」
だから今日、城の回廊でシャルロットは初めて彼女と出会った。
王には公妾が居て、それがバルキリー夫人という名だと言うことは、城に来て早々に侍女から聞いていた。
シャルロットが城に来る前にどこかの領地に出向き、数ヶ月間滞在しており不在だったとも聞かされた。
(そういえば城に戻って来ているってコハン団長が……。)
不敵な笑みを浮かべ、ウェーブがかった髪を上品に夜会巻きしている。
豊満な胸にキュッとくびれたウエスト、つり目に口元にはホクロで勝気な笑顔、薄い唇には真っ赤なルージュを引いた美女。
前世のシャルロットくらいの年代だろうか、それでも若々しくて大人っぽくて艶っぽい。
城の中では氷点下の赤薔薇なんていう通り名もあるそうだ。
同じ女のシャルロットもつい見惚れてしまった。
だが周りの侍女やサロンに来ていたと思わしき貴族の令嬢たち、たまたま通りかかっただけの第一騎士団の騎士数人は冷や汗をかいて焦ったような顔をしたり、固唾を飲んでこちらの様子を伺っている。
シャルロットは周りの視線に気付く様子もなく、彼女に笑い返した。
「はじめまして、オリヴィア小国より参りましたシャルロットですわ」
人当たりの良い笑顔でぺこりと頭を下げる。
バルキリー夫人は持っていた扇子をパシンッと勢いよく広げ口元を隠し、ジロリとシャルロットを睨む。
夫人付きの侍女たちが顔を引きつらせていた。
「陛下より話は伺っています。グレース皇子との婚約の件おめでとうございます。お会いしたかったわ。なかなかご挨拶にもいらっしゃらないんですもの、お忙しいのかしら?」
刺々しい口調だが表情だけは優雅に微笑んでいる。
だが目は笑っていない。
一触即発の空気に侍女たちの顔が青ざめる。
「申し訳ございません、夫人にもご挨拶に伺うのが礼儀でしたわね」
「いいえ。シャルロットさん、コーヒーはお好きかしら?今度わたくしの離宮に遊びにいらっしゃい。ご馳走して差し上げますわ」
コーヒー!
シャルロットはパァっと顔を明るくさせた。
前世のシャルロットの好物で毎朝欠かさず飲んでいた。
だが、この世界にもコーヒーが存在していたなんて思いもしなかった。
今まではチコリの根やタンポポの根で代用していたのだった、
だが侍女や騎士たちは苦笑しながら顔を見合わせてヒソヒソ話し合い騒ついている。
「あれを飲ませる気?」
「ああ、あのとにかく黒くて苦くてとても飲めたものではないやつ!」
「あれを姫様に飲ませるなんて宣戦布告か!?」
この世界ではどうも人気はないらしい。
騎士たちの足元には中型犬サイズの孔雀に、ペリカンのような大きなクチバシにコウモリの羽根がついたような魔物が伸びている。
ダビーという鳥の姿をした魔物で、気性が激しく、鋭いクチバシで通行人や馬車を襲うのだ。
城の周りにも出没し、門番や馬を襲ったり壁に穴を開けてしまうので騎士団で駆除していた。
「ダビーか、雑魚だな」
「確か食えるんですよね、これ」
「ああ、今日はダビーの丸焼きにでもするか」
ダビーの肉は鶏肉と酷似している上柔らかく甘みもある、鶏よりも大きく筋肉質で脂も少なくヘルシーな食材だ。
「あの、コハン団長。城に帰ったら今日は俺が調理してもいいっすか?」
ユーシンがダビーを一匹一匹大きな麻袋の中に放り込みながら声を出した。
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シャルロットはあまり社交場を好まなかった。
午前中はダンスや刺繍のレッスン、嫁入りのための勉強をし、昼食は殆ど自室でいただいている。
午後は城の厨房を借りてお料理をしたり、騎士団のもとで雑用をして過ごしていた。
夕食はクライシア王もグレース皇子もそれぞれ自室で一人で食べることが多く、シャルロットも同じく自室で食べる。
女貴族たちが多く集まるサロンや城の晩餐会には一度二度参加したが性に合わず足が遠のいていた。
「あら。あなたがシャルロットさん?はじめまして、バルキリーよ」
だから今日、城の回廊でシャルロットは初めて彼女と出会った。
王には公妾が居て、それがバルキリー夫人という名だと言うことは、城に来て早々に侍女から聞いていた。
シャルロットが城に来る前にどこかの領地に出向き、数ヶ月間滞在しており不在だったとも聞かされた。
(そういえば城に戻って来ているってコハン団長が……。)
不敵な笑みを浮かべ、ウェーブがかった髪を上品に夜会巻きしている。
豊満な胸にキュッとくびれたウエスト、つり目に口元にはホクロで勝気な笑顔、薄い唇には真っ赤なルージュを引いた美女。
前世のシャルロットくらいの年代だろうか、それでも若々しくて大人っぽくて艶っぽい。
城の中では氷点下の赤薔薇なんていう通り名もあるそうだ。
同じ女のシャルロットもつい見惚れてしまった。
だが周りの侍女やサロンに来ていたと思わしき貴族の令嬢たち、たまたま通りかかっただけの第一騎士団の騎士数人は冷や汗をかいて焦ったような顔をしたり、固唾を飲んでこちらの様子を伺っている。
シャルロットは周りの視線に気付く様子もなく、彼女に笑い返した。
「はじめまして、オリヴィア小国より参りましたシャルロットですわ」
人当たりの良い笑顔でぺこりと頭を下げる。
バルキリー夫人は持っていた扇子をパシンッと勢いよく広げ口元を隠し、ジロリとシャルロットを睨む。
夫人付きの侍女たちが顔を引きつらせていた。
「陛下より話は伺っています。グレース皇子との婚約の件おめでとうございます。お会いしたかったわ。なかなかご挨拶にもいらっしゃらないんですもの、お忙しいのかしら?」
刺々しい口調だが表情だけは優雅に微笑んでいる。
だが目は笑っていない。
一触即発の空気に侍女たちの顔が青ざめる。
「申し訳ございません、夫人にもご挨拶に伺うのが礼儀でしたわね」
「いいえ。シャルロットさん、コーヒーはお好きかしら?今度わたくしの離宮に遊びにいらっしゃい。ご馳走して差し上げますわ」
コーヒー!
シャルロットはパァっと顔を明るくさせた。
前世のシャルロットの好物で毎朝欠かさず飲んでいた。
だが、この世界にもコーヒーが存在していたなんて思いもしなかった。
今まではチコリの根やタンポポの根で代用していたのだった、
だが侍女や騎士たちは苦笑しながら顔を見合わせてヒソヒソ話し合い騒ついている。
「あれを飲ませる気?」
「ああ、あのとにかく黒くて苦くてとても飲めたものではないやつ!」
「あれを姫様に飲ませるなんて宣戦布告か!?」
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