シャルロット姫の食卓外交〜おかん姫と騎士息子の詰め所ごはん

ムギ・オブ・アレキサンドリア

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新婚旅行はミレンハン国へ!猫になったシャルロットとポチたま大論争勃発!?

犯行声明?

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「にゃああああああ!」

広場のベンチで日向ぼっこしていた猫神様は目が覚めた途端に悲鳴をあげた。

チワワのクロウ、ポメラニアンのグレイ、猫化したヴェルやワンコ騎士団は唖然とした顔で猫神様を取り囲んでいた。

トーマ王子から預かったソマリ猫べべを抱っこした宰相グリムが遅れて駆け付けた。
今日はグリムは休暇中で、ヴェル達を街へ私的に案内してあげていた。

猫神様の尻尾の毛が無残にも刈られていた。

今日は猫コンテストに向けてアピールしようと、人が多く集まる街中の広場までやってきていたのだ。
チワワとポメラニアン二匹をバックダンサーにして自作の猫ダンスを踊って、観客から拍手やお菓子をたくさん得た猫神様はご満悦な様子だった。

休憩しようとベンチの上でうたた寝していたら、 どこからか香の匂いが漂ってきてーー強烈な眠気に襲われたのだ。
目を開けると、尻尾の毛が無くなっていた。

「酷いですね~?誰がこんな真似を……?」

グリムは眉間に皺を寄せていた。

「わしは神様じゃぞ!?なんて罰当たりな!」

「こんなに周りに人がいっぱいいる中……大胆な犯行だね」

「ねえねえ、猫神様。犯人からのメッセージカードが落ちてるよ」

猫神様のお腹の下には、犯人からのメッセージカードが残されていた。


『猫コンテストを中止しろ。王妃のワガママの為に血税の浪費を許すな。コンテストを続行すれば、王妃の猫たちを毒殺する。皆殺しだ。』


「犯行声明だ……!」

一同は驚愕した。
グリムだけは冷静で、犯人が残したカードを受け取ると、何故かそのカードの臭いをフンフン嗅いだ。

「……うん、この香水の匂いは……。やっぱりね。王妃様と敵対するマース夫人を疑う声が宮殿内では多いですが……これは絶対にマース夫人の犯行ではありません。マース夫人は絶対にこの香水を使うことはありません」

グリムは断言した。

「どういう事?」

ヴェルが首をかしげると、グリムは笑って答えた。

「犯人は~王妃様とマース夫人が国内で幅を利かせていると不都合な人物!彼女たちは強烈なレディーだから真っ向からは太刀打ちできないんです。だから、2人が今よりももっと険悪になって、2大派閥のボス同士に潰し合いでもしてくれたらーー犯人にとっては漁夫の利でしょ?」

名探偵グリムはまくし立てるように推理した。

「野良猫たちの身体に付着したトリモチに、この手紙に染み付いたムスクの香り、それから手際よく睡眠薬を用意したり、野生の生き物を捕まえる事に非常に慣れてるようだから………、犯人はズバリ、密猟者だね!」

「密猟者?」

「王妃様が密猟者を取り締まる法律を作ったんですよ。鳥刺しと呼ばれる野鳥を捕まえて売り歩く仕事も以前は合法でしたが、今では重罪です。無認可のペットの売買や、トリモチの製造、毛皮や剥製、動物を原料とした香水の売買もこの辺の国では禁止。王妃様がいると自由に商売ができないんでしょう」

グリムはそう述べると、また口元に手を添えて何かを考え込んでいた。
尻尾がハゲた猫神様は爪と歯を剥き出しにして大激怒した。

「許さん!許さん!猫神のわしをこんな姿にしおってからに!祟ってやる~!」

「ああ、そうだ、犬って鼻が利くんだよね?この臭いを辿れないかな?」

グリムは犯人からのメッセージカードを、オーギュスト国のワンコ騎士団やクロウとグレイの前に差し出した。

「こっちだ」

犬達は現場に残った臭いの方向へ走り出した。
猫神様も怒りで毛を逆立てながら、彼らに続いた。

「じゃあ、僕たちは宮殿に戻って、黒幕を捕まえる準備をしましょうか?」

「え?犯人は密猟者じゃないの?」

ヴェルは目を点にして、グリムの顔を見上げた。
グリムはニコニコ笑っている。

「王妃様の飼っている猫達に毒を盛るなんて、ただの密猟者には無理です。宮殿に立ち入るためには許可が必要ですから」

「あ、そっか……」

「それに、毒殺だなんて……」

早く宮殿に戻って、王妃達に伝えないとーー。
ソマリ猫べべと猫化しているヴェル2匹を腕に抱えたグリムは、広場の前に停めていた馬車に乗り込んだ。
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