カスタム侍女無双~人間最弱の世界に転生した喪服男は能力をいじって最強の侍女ハーレムをつくりたい~

藤原キリオ

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after1:五人の新人侍女

1-13:戦闘訓練、始まる!

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■クェス 狐人族フォクシー 女
■15歳 セイヤの奴隷


「じゃあ戦闘訓練を始めるぞー。予定としては個人訓練がほとんど。連携訓練は最後の方にやるくらいだな」


 地下訓練場にて私たちの前に立つのは戦闘リーダーのイブキさんです。
 侍女教育はエメリーさん、戦闘訓練はイブキさんが担当らしいです。


「理由としては我々は人数が多いしその都度連携が変わるという部分が大きい。他にもクラン全体で戦うとしても流動的な戦闘がほとんどだし、お前たちが元からパーティー戦闘を経験しているという点も考慮している」

「あたしたちDとかEランクだったんですけど、その連携が活かされるもんですか?」

「いや、逆だ。こう言っては悪いが足枷になりかねない。元のパーティーと【黒屋敷】ではメンバーも役割も何もかも違うからな。連携に戸惑う場面の方が多いだろう。だからここで教える連携は最低限。あとは迷宮で実践する中で身につけた方が良い」


 はぁ、そういう事ですか。確かに私たちは他のメンバーとの連携なんかとった事ありませんし、皆さんの中に入ってどう動いていいのか分かりません。

 おそらく元のパーティーの動きを踏襲してしまうでしょう。そしてそれは足枷になると。
 クラン二一人……私たちも入れて二六人での戦闘なんて想像つきませんし。


 ともかく広い地下訓練場に散らばり、個人訓練となります。
 カイナとコーネリアにはイブキさんとシャムさん。ケニにはマルちゃん。キャメロにはネネさん。私にはミーティアさんです。
 錚々たる教師陣ですね。私、王女様とか恐れ多いんですけど。


「とりあえず今日は私と一緒に火魔法を中心に訓練を行いましょう。闇と風についてはアネモネとウェルシアに任せたいと思います。クェスは火魔法のみで戦ってきたらしいので私からという事ですね」

「よ、よろしくお願いします!」


 ミーティアさんの事は少し話を伺っています。王女様でありながら『日陰の樹人』……つまり罪人となった経緯を。
『日陰の樹人』となる以前は、風・光・神聖の三属性を使えたそうです。『神樹の巫女』様というのは本当にすごい。
 私もご主人様のおかげで三属性と判明しましたが、同じ三属性でも神聖魔法が扱えるというのはすごい事です。

 しかし今は火属性のみ――それもご主人様に見出して頂いたそうですが、樹人族エルブスの禁忌と言われる火魔法しか使えなくなってしまうとは『日陰の樹人』の呪いというのは、樹人族エルブスにとって本当につらいものなのだなと思います。

 そんなミーティアさんに風魔法でなく火魔法を教わるというのは気が引けますが、これも訓練。
 せっかく教えて頂けるというのであれば私は精一杯やるだけです。


「まずはユアの作った杖に慣れなければいけません。おそらく使い勝手がだいぶ違うと思いますので、そこに慣れる所からです。一番よく使っていた魔法は?」

「フ、<炎の弾フレイムバレット>です」

「距離はどの程度で使っていましたか? 実際の戦闘時です」

「えっと、的から……これくらいでしょうか」

「かなり近いですね。徐々に距離を遠くする訓練も必要ですね」

「す、すみません」


 私の火魔法は威力もないですし、前衛が前に前に出る感じだったので後衛の私やケニもつられて前に前にという感じだったのです。
 獣人系種族は総じて身体能力が高いですから、私も素早さはまぁまぁある方でしたし。
 もちろん魔法を撃つ時は足を止めますけど。


「ではその位置から三歩前で撃ってみましょう。杖に籠める魔力はかなり少なくして下さい」

「はい――<炎の弾フレイムバレット>! うわあっ!!!」


 少ない魔力を意識したつもりでしたが、未だかつてない大きさの<炎の弾フレイムバレット>が飛び出てビックリしました。
 当然ラインも乱れ、的を大きく外れてしまいます。


「えっ、なななんですか!? この杖ですか!?」

「ふふふっ、それがその杖の威力なんです。魔石はヘルハウンドらしいですけど黒曜樹と炎岩竜の素材を使っていますからね。国宝とまでは言いませんけど貴族の家宝にはなりえるものです」

「うぇっ!?」

「闇の杖も同じようなものです。使いやすい火魔法を訓練しているうちに慣れないといけませんね」


 火魔法には慣れていますけど、勝手が違いすぎます!
 こんな強い杖使った事ないですし、いきなり強力になりすぎですよ!
 と、心の中で叫んでみましたが私にはミーティアさんにそんな事言えません。大人しく訓練するしかないです。

 MPポーションを飲みつつひたすら撃つ。もう的が【炎岩竜の甲羅】であるとか考える暇もありません。
 ようやくまともに的に当てられるようになった後は、徐々に距離を離していきます。


「近いうちに訓練場の端から当てるくらいにはしたいですね」


 ミーティアさんは軽くそう言います。
 そのくらいの距離で、尚且つ自分も動きながら当てるくらいでなければ【黒屋敷】の魔法使いは務まらないと。
 もう無理ですよぉ! そんなの出来るわけないじゃないですかぁ!


「今はもちろん出来ませんよ? レベルも低く<カスタム>も全然仕上がっていませんし。とは言え近い将来に出来るようになると、それくらいの気持ちでいて下さい。おそらくクェスの考えているより早く成長してしまいますから、その時に思考が追い付いていないとより大変です」

「はぁ……」

「少し私がお手本を見せましょうか」


 そう言ってミーティアさんは的から離れて行きます。庭から下りる階段付近、本当に端まで離れます。
 私が全力で撃ったとしても絶対に届かない位置です。

「じゃあ行きますよー」と軽く手を上げ、ミーティアさんは左右に動き始めました。距離は変えずに右へ左で行ったり来たり。時にはジャンプもして上下に動きます。

 いやこれ、多分キャメロより速いと思うんですけど……ミーティアさん後衛なんですよね? 斥候じゃないですよね?


「<炎の槍フレイムランス>」


 動きながら放たれた<炎の槍フレイムランス>は、右手の指輪が光ったと同時に私の横を通り過ぎたように感じました。

 発動速度、魔法自体の速度、威力、そして動きながら遠くの的へと当てる命中率。
 さらにはそれを連発するのです。ずっと動きながら、バンバン炎の槍が的へと吸い込まれていく。
 私はそれをただ茫然と見るしか出来ませんでした。同じ火魔法使いとして信じられません。


 十連発くらいが終わった所でミーティアさんは戻ってきました。


「とまぁこの程度です。もっともここまで動きながら撃つ事は稀ですがね」

「ホッ、そ、そうですよね」

「しかし近い将来、この程度は出来るようになると自分の中でイメージしておいて下さい。逆にあれくらい出来ないようでは【黒屋敷】の魔法使いは務まりません」

「ええっ!?」

「実際に迷宮に入れば分かります。より速く、より遠くから撃てないと全く働けないまま戦闘が終わりますから」


 【黒屋敷】の前衛アタッカーはとても速く動くので、私が魔法を撃った時にはすでに殲滅し終えているとミーティアさんは言います。
 攻撃機会を得る為には、遠くの敵に対して前衛の動きよりも速く魔法を当てる必要があると。
 そしてそう出来るイメージを今のうちから持っておけと言うのです。
 ご主人様の<カスタム>によってそれが出来る能力を得る事は確定しているのだから、頭が置いてけぼりにならないようにと。


 ……ホントにミーティアさんみたいに出来るものなんですかね?

 ……いやまぁ実例がある以上、実際に出来るんでしょうけど……想像つきません。


「ちなみに私は本職は弓ですし、近接戦闘もします。魔法使いとしてはまだ拙い部分があるのですよ」


 ……これだけ魔法が上手くて純魔じゃないとか……どうなってるんです? ここ。




■ケニ 鳥人族ハルピュイ 女
■18歳 セイヤの奴隷


「ケニさん、よろしくお願いするでござる!」

「マルちゃん、よろしくお願いしますー」


 私の先生はマルちゃんです。私と同じく飛べる弓使いという事での抜擢。
 少なからず話せる先輩なので助かります。


「ケニさんの場合、まずロングボウに慣れる所から始めないとダメでござる」

「だよねー。私、ショートボウしか扱った事ないんだけど」

「私もないでござるが神聖国で見ていたのでアドバイスくらいは出来るでござる。とりあえず的の近くから徐々に離す感じで射ってみるでござるか」


 そう言われたので、ロングボウを構え、射ってみる。うーん……。


「構えの段階でブレるでござるな。引くのも結構、力入れてるでござろう?」

「うん、やっぱり重いねー」

「それはご主人様の<カスタム>でどうにでもなるでござる。今は弓自体に慣れるのと、姿勢を正しく保つ事でござるな」

「はいー」


 本当にこの弓が軽くなるくらい強くなるんでしょうか。いやまぁ先輩の皆さんがそう言うのならそうなんでしょうけど、未だ半信半疑の部分もありまして。


「試しに私の複合弓を引いてみるでござる。まぁショートボウでござるからロングボウとは勝手が違うと思うでござるが」

「じゃあちょっと借りますー…………えっ、弦が硬すぎて全然引けないんですけどー!?」

「今はそうでしょうけど<カスタム>すれば引けるようになるでござる。ほら、こんな風に」


 マルちゃんは私から受け取った弓をいとも簡単に引いて見せます。
 どう見てもマルちゃんは子供。年齢はアレでしょうけど。
 私の方が体格は全然良いのに、それでもこんなに差があるとは……<カスタム>恐るべし。


「私も最初はケニさんと同じようなものだったでござる。でも【黒屋敷】の弓使いっていうのはこれくらい出来ないと全然戦えないんでござるよ。ミーティアさんに散々言われたでござる」

「あ、ミーティアさんも弓使いかー」

「【黒屋敷】の弓使いは速さと威力、それと精度が求められるでござる。私たちの場合、素早く飛びながら遠くの敵を射貫くイメージでないとダメなんでござる」


 えっ、飛びながら射るの!? 止まっちゃダメなの!?

 ちょっとやって見せるでござる、とマルちゃんは的から遠く離れていった。あの距離は普通に当てるのも難しい。


「いくでござるよー」


 そう言うと、今までフワフワと浮いていたマルちゃんが天井付近を縦横無尽に飛び始めた。その速度だけでもとんでもない。

 さらにそこから次々と放たれる矢。
 マジックバッグから矢を取り出し、番えると同時に放っている。それも連発。
 どう見ても当たりをつけているようには見えないが、それでも黒い的へと次々に命中していた。

 これは……これを弓使いと括っていいの? 絶対無理だと思います。


「迷宮の一階層とかだとあまり飛べないですけど、二階層以降はこんな感じで飛びながら射るでござる。そうでもしないと【黒屋敷】の皆さんはご主人様を筆頭にとんでもなく速いでござるから。こっちが射る前に終わっちゃうんでござるよ」


 いやもう私にはとても出来そうにないんですけど……そんな当たり前みたいに言われても……。


「まぁ私もまだ修行中でござる。ミーティアさんの連射速度には遠く及ばないでござるが」


 ……帰っていいですか? ダメですよねー。分かってますよー。


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