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after5:久しぶりのカオテッド
5-6:長い一日の終わりに
しおりを挟む■セイヤ・シンマ 基人族 男
■24歳 転生者 SSSランク【黒屋敷】クラマス
「主よ、さすがに私も侍女服を着るのは抵抗があるのだが……」
分かってる。俺もおっさんに侍女服を着させる趣味はない。
グレンは180cm以上身長があって、クランの中では一番背が高い。角を入れればツェンの方が高いけど。
それで燃えてる長髪をひとまとめにしている小次郎風のおっさんだ。
そんな中年の侍女姿なんぞ見たくもない。
「当たり前だがグレンは『侍従』であって『侍女』ではない。だから『侍従服』を作るかべきか、という話だ」
「私もやはり侍女服になるのですね……」
「セキメイは侍女だからな。そこは悪いが合わせてもらう」
侍女は侍女服で戦う。この拘りを捨てるつもりはない。
セキメイから望んで俺の奴隷になったのだから承知はしているだろうけどな。
「やはり【黒屋敷】の一員として統一はさせた方が良いと思います。侍従となるのでは尚更」
「うむそうだな。今の服の方が戦いなれてはいるが、生活環境を変える意味でも皆とある程度合わせた方が良いかもしれん」
だよな。一人だけ今の服装のままだったら浮くし。
同じ奴隷なのに特別扱いするわけにもいかない。
「専属裁縫職人はどう思う?」
「…………えっ、わ、私ですか!?」
「うちで服の事と言ったらドルチェだろう」
どうやら自分が『専属裁縫職人』と位置付けられた事を忘れていたらしい。
今後は侍女服や普段着の管理もしてもらうつもりだけどな。徐々に。
「えっと、ご主人様の喪服と同じじゃダメなんですか?」
「全く同じというわけにはいくまい。主と同じ服を着た侍従など同列であると言っているようなものだからな」
グレンの言葉にエメリーを始め頷く者多数。
俺としては喪服でもいいんだけどな。やっぱそう思われるかなーと確認したかったのだ。
「じゃあランクを落とした貴族服って感じになると思いますけど……うちのお店じゃ貴族服なんて作ってないから分からないですよ。魔導王国とか海王国で見たのも立派な服ばっかでしたし……」
「そうか……王侯貴族組は? 侍従が着そうな貴族服って分かるか?」
「海王国はこっちと文化が違いすぎるからダメねー」
「樹界国ですとユニロックさんが着ている執事服が近いと思います」
「魔導王国はシャツとズボンにローブという感じでしょうか。ローブの質や色味で分かれていたと思いますわ」
なるほど。国によって差があるんだな。ローブ着て侍従の仕事をするってのも大変そうだが……。
「ご主人様の元いらした世界の服はどうなのです? 喪服よりランクの低い服などは」
「いや喪服にランクも何もないけどな、布地の質とか縫製で値段が変わったりするけど、見た目はほとんど同じだ。貴族だろうが平民だろうが法事……って言っても分からないか。とにかく葬儀とかの席はこんな感じで統一される」
「葬儀用の服だったのか……異世界の文化とは何とも豪勢なものだな」
グレンとセキメイが驚いているがとりあえず無視しよう。
俺の喪服を参考にとなると……簡素化したスーツって感じかな。
グレンの事を考えれば多少なりとも動きやすい方がいいだろう。
俺はエメリーから受け取った紙とペンであまり上手くないデザイン画を描いていく。
とりあえずスラックスと靴はそのまま。白シャツはノータイの方がいいかも。窮屈でないし。
これだとだらしないので黒ベストも追加。ジャケットは……動きづらいだろうな。俺は主人らしくあろうと拘って着ているけど。
「こんな感じかな。微妙にしょぼかったら俺のコートみたいのを羽織らせてもいい」
『おお』
「これならばご主人様と同列には見られませんね」
「【黒屋敷】としての統一感もあります。よろしいのでは?」
「グレンは?」
「問題ない。ただセキメイの侍女服にも言える事だが耐火性にはして欲しい」
「そこは俺の<カスタム>で耐熱耐寒、高耐久の魔装にするから大丈夫」
イブキがイフリートを使っていても侍女服は焼けないくらいだから問題ないだろう。
【鉄蜘蛛の糸】も【大樹蛾の繭】も火には弱いらしいけどな。<カスタム>様々だ。
じゃあこんな感じでいってみようかな。
♦
夕方には俺の<インベントリ>も活用しつつ、皆の引っ越しを行った。
今まで一人部屋だった侍女には窮屈な思いをさせる事に申し訳なく思いつつ、何気に楽しそうな雰囲気もあったのでそこは安心。
サリュとネネとかな。二人部屋になって嬉しそうでさえあった。
夕食は時間的な都合で出来合いのものになったが、食後の席で今後の動きについても皆に説明した。
グレン、セキメイ、プラムに説明不十分な所もあったしな。それを補完しつつ。
まず話さないといけないのは『一万年前の勇者の御伽話』についてだ。
【邪神ゾリュトゥア】が世界に顕現した。眷属である魔族と共に世界を破壊しようと動き出す。
それを食い止めるべく女神は【勇者ミツオ】を異世界転生させ、全ての種族を率いて邪神討伐を為す。
その後、生き残った魔族は何らかの手段で世界の人の記憶なり記録なりを消した。
魔族が近づけなかったであろう神聖国には影響がなかったようだが。
そして『一万年前に基人族の勇者が魔なる神を斃し世界を救った』という中途半端な知識だけが残った。
まぁこれは俺の予想も含むが。
「妾は知っておるぞ! 父が実際に見たらしいからのう!」
「なんと……まさかあの御伽話が……」
「……ん? という事は例の『カオテッドの聖戦』はそれも絡んでいるのか?」
【輝帝竜】は聖戦には参加せずに眺めていたらしい。歴史の生き証人だな。竜だけど。
プラムはそれを聞いて知っていたけどグレンとセキメイはやはり知らなかったと。
歴史の補完が出来た事で、【ゾリュトゥア教団】による事件と、俺たちが四階層で見つけた【邪神の魂】の事についても説明。
教団の連中が俺の持っている【邪神の魂】を狙ったが故に襲って来たのが、いわゆる『カオテッドの聖戦』と言われるやつだ。獣帝国? あれはおまけです。
聖戦にて教団の魔族連中はあらかた倒したが、それでも魔族の生き残りは居るに決まっている。
そいつらは今でも邪神復活を願っているだろうし、俺を狙って来るヤツも居るだろう。今の所大人しいが。
俺としてはいつまでも【邪神の魂】を所持していたくはないし、万が一死ねば<インベントリ>の中身がぶちまけられる事態にもなりかねない。
だからさっさと手離したいのだが、現状良い手はない。
――いや、なかった。竜神に会うまでは。
「なるほど、あの時テントの中で相談していたのはそれだったのか」
「ああ。そんなわけで俺たちの目標としてはカオテッド大迷宮の制覇。そして最下層に居るであろう【流転の神カオスゲーノ】ってやつに【邪神の魂】を押し付ける事だ。まぁ最下層で会えるってのも竜神の予想に過ぎないとは言ってたけどな」
「神に会えない可能性もあると?」
「らしいな。そうなれば神聖国に行くしかない。行きたくないけど。行きたくないけど」
大事な事なので二回言いました。
天使組が『ガタッ』となりましたけど無視します。
「おそらくカオテッド大迷宮は五階層で最後なんじゃないかと思っている。難易度がおかしいしな」
『うんうん』
「だから五階層の『巨城』を抜けた先に居るであろう【迷宮主】を倒し、その先かもしくはその場に居るのか知らないが【流転の神】とやらに会わなければならない」
まさか神自身が【迷宮主】の可能性はないよな? ちょっとそれが怖いが、さすがにそうじゃない前提で考えよう。
「ただ五階層を抜けるのは四階層までの探索とは次元が違うと思う。何回か探索して慣れる事と、ここに居る全員のパワーアップが必須だ。少なくとも天騎士を相手に少人数で捌けないようでは安全に探索など到底出来ないだろう」
『うんうん』
「グレン、セキメイ、プラムには<カスタム>するが、同時にみんなも模擬戦とかで戦闘技術を磨くようにお願いする。もちろん俺も訓練するつもりだ」
『はいっ!』
で、あとは明日の予定だな。
♦
その日の夜、グレンと共に風呂に入った。男二人だから一緒に入る事は結構ある。
湯舟に浸かりながらグレンが口を開く。
「主よ、出来れば私をなるべく迷宮に行かせてもらえぬか?」
「言うと思った。……でも少しの間、我慢した方がいい」
「なぜだ? 魔物を倒さねば『れべる』が上がらんのだろう?」
後日にエメリーあたりから教育を受けるだろうが予習のつもりで少し説明しておく。
グレンに『迷宮に行く必要がない』というのは、いくつか理由がある。
一つは、グレンのレベルがすでに侍女の誰よりも高いという事。そりゃ数百年も戦い続けていればそうなる。
ソロで【迷宮主】やら亜竜やら倒していたらしいしな。
普段、俺たちが行っている探索は一階層での魔物部屋マラソン。つまり雑魚狩りだ。
高レベルのグレンが混じった所で、それで得られる経験値は微々たるもの。ないよりマシという程度だ。
それこそ四階層の【領域主】クラスでなければ、簡単にレベルアップとはいかない。
もう一つの理由は、レベルアップよりも<カスタム>の方が能力上昇が見込めるという事。
レベルの低いプラムならともかく、グレンの場合、頑張ってレベルを上げるより<カスタム>による上昇を優先させるべきだ。
急激に上がる身体能力をアジャストさせる事。これが当面のグレンの課題だと思う。もちろん集団戦闘も課題ではあるが。
「それほど変わるものなのか」
「試しにこの場で少しだけ【敏捷】上げてみようか。滑らないように少し走ってみれば分かる」
風呂場で走るなんて愚行以外の何物でもないがグレンなら大丈夫だろ。
そう思ってポチポチとグレンの【敏捷】にCPを振る。ほんの少しな。
で、ダッシュしてみた結果。
「!? こ、これが……!? なんという……!」
「これだけで実感できるグレンがさすがだよ。まぁ【敏捷】の増加は分かりやすいんだけどな」
「はぁ……なるほど、これぞ神のスキルという事か。確かに難儀な力だ」
達人級のグレンだからこそ、自分の能力は完璧に把握している事だろう。
それが少しでも変われば思考が追いつかなくなる。感覚をアジャストするのは誰よりも大変なはずだ。
みんなに指導する模擬戦の中で、グレン自身も感覚を磨かなければならない。
やろうと思えば毎日だって<カスタム>出来るんだからな。やっとアジャストした感覚が明日には違うという事の連続になる。
そういった事を説明したら納得したようだ。
適度に迷宮には行かせるつもりではあるけどな。連携もそうだけど、魔物相手に実戦稽古という感じで。
「訓練に関しては承知した。……それと主が女神様を毛嫌いする理由が分からんのだが、この地に下りる際に何かあったのか?」
「ああ、それも話してなかったな。いや女神は酷いんだよ。人の話は聞かないし、知識やスキルを無理矢理押し付けてくるんだけどそれがメチャクチャ痛いし、なのに無視して話を進めるし、戦えるようになれってゴブリンの巣穴に放り込まれるし。俺、普通の基人族だぞ? 普通に死ぬわ」
「神の鍛錬か……少し興味はあるが、確かに無茶ではあるな」
それから愚痴ったりなんだで、この日は結構長風呂になってしまった。
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