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勇者は魔王を倒しに行くものでしょう?①
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バンッ
荘厳な両扉が開かれた。
ルイードは閉じていた目を開ける。
王の椅子にゆったりと腰掛け今しがた入ってきた侵入者へと目を向けた。
「お前が魔王か?」
目の前には勇者とその仲間なのか、魔導師、剣士と思われる4人が後ろから入ってきた。
後ろの4人はここに来るまでに魔物と戦ったであろう怪我を負っていたが、どれも致命傷になりそうなものはなく、かすり傷程度、勇者らしき男に至っては無傷で息も乱さず涼やかな表情でこちらを見つめ、こちらに問いかけてきた。
室内は冷気が漂っており、勇者一行の吐く息は白い。
「如何にも、私は魔王、ルイード・アリステルドだ。城を壊し、招待も受けず侵入するとは不躾な客だな。」
そう言って嗤うと魔王は顔を上げた。
一瞬勇者は片眉を上げたが、何事もなかったかのように元の涼やかな飄々とした表情に戻る。
バチバチバチ!!!
魔王は突如勇者一行に向けて魔力の球を放った。勇者はそれを剣で受け止め、自身の魔力で相殺した。
その一撃が開始の合図となり、魔王と勇者一行はお互い動き出す。
『シオン!相手は一人です!全方向から攻めましょう!』
勇者の頭には仲間の一人であるトリスから頭に直接会話が入ってきた。
『いや、仲間がいないのはおかしい。周囲にいる可能性を考えて周囲への警戒と保護魔法を頼む。ラズナー一緒に攻めるぞ。マリクスとエリナは援護に回れ!』
魔王も自身の剣を抜き、魔力を纏わせて勇者に斬りかかる。
勇者はそれをいなすと火炎魔法を放った。魔王はそれを避けたが、後方に回っていたラズナーの雷撃を纏わせた剣が斬りかかっているのに気づき、結界で防いだ。
「流石に魔王の名は伊達じゃないってか」
普段から剣士として鍛えているラズナーの剣撃にも結界で耐えた魔王は二人から距離をとる。
しかし後方支援の二人から間を空けず追撃が来ていた。
「チッ」
飛び退いて避ける方が良い方法ではあったが、魔王はあえて結界を張り、二人のカマイタチと雷撃を防ぐ。
しかし、結界が耐えられなかったのか、結界が、綻び魔王に降りかかる。
「ぐっ」
休む間も無く再度勇者が斬りかかる。
「どうした魔王。今世紀の魔王は最強と聞いていたが、あれは噂だけのものだったか?」
勇者は嘲笑うように魔王の懐に潜り込む。
魔王は自身の剣で防ぐが、力負けして後方に吹き飛ばされた。
しかし、魔王は吹き飛ばされた後方に意識を向け、防御壁により態勢を立て直し、再度攻撃を仕掛ける。
「妙だな・・・」
勇者はボソリと呟き、首を傾げると魔王の後方に視線を向けた。魔王の今いる後方には開けた空間があるのみで何もない。
しかし、明らかに魔王は常に後方に意識を向けている。
「どうしたんです?シオン。」
近くに来たトリスが動きを止めた勇者に問いかける。
「いや、少しな。」
『こちらは人数に分がある。魔王の魔力を着実に削っていこう。』
頭の中で仲間に再度作戦を伝え、再度魔王に向かっていった。
勇者一行と魔王の攻防は、それから1時間近く続いた。
荘厳な両扉が開かれた。
ルイードは閉じていた目を開ける。
王の椅子にゆったりと腰掛け今しがた入ってきた侵入者へと目を向けた。
「お前が魔王か?」
目の前には勇者とその仲間なのか、魔導師、剣士と思われる4人が後ろから入ってきた。
後ろの4人はここに来るまでに魔物と戦ったであろう怪我を負っていたが、どれも致命傷になりそうなものはなく、かすり傷程度、勇者らしき男に至っては無傷で息も乱さず涼やかな表情でこちらを見つめ、こちらに問いかけてきた。
室内は冷気が漂っており、勇者一行の吐く息は白い。
「如何にも、私は魔王、ルイード・アリステルドだ。城を壊し、招待も受けず侵入するとは不躾な客だな。」
そう言って嗤うと魔王は顔を上げた。
一瞬勇者は片眉を上げたが、何事もなかったかのように元の涼やかな飄々とした表情に戻る。
バチバチバチ!!!
魔王は突如勇者一行に向けて魔力の球を放った。勇者はそれを剣で受け止め、自身の魔力で相殺した。
その一撃が開始の合図となり、魔王と勇者一行はお互い動き出す。
『シオン!相手は一人です!全方向から攻めましょう!』
勇者の頭には仲間の一人であるトリスから頭に直接会話が入ってきた。
『いや、仲間がいないのはおかしい。周囲にいる可能性を考えて周囲への警戒と保護魔法を頼む。ラズナー一緒に攻めるぞ。マリクスとエリナは援護に回れ!』
魔王も自身の剣を抜き、魔力を纏わせて勇者に斬りかかる。
勇者はそれをいなすと火炎魔法を放った。魔王はそれを避けたが、後方に回っていたラズナーの雷撃を纏わせた剣が斬りかかっているのに気づき、結界で防いだ。
「流石に魔王の名は伊達じゃないってか」
普段から剣士として鍛えているラズナーの剣撃にも結界で耐えた魔王は二人から距離をとる。
しかし後方支援の二人から間を空けず追撃が来ていた。
「チッ」
飛び退いて避ける方が良い方法ではあったが、魔王はあえて結界を張り、二人のカマイタチと雷撃を防ぐ。
しかし、結界が耐えられなかったのか、結界が、綻び魔王に降りかかる。
「ぐっ」
休む間も無く再度勇者が斬りかかる。
「どうした魔王。今世紀の魔王は最強と聞いていたが、あれは噂だけのものだったか?」
勇者は嘲笑うように魔王の懐に潜り込む。
魔王は自身の剣で防ぐが、力負けして後方に吹き飛ばされた。
しかし、魔王は吹き飛ばされた後方に意識を向け、防御壁により態勢を立て直し、再度攻撃を仕掛ける。
「妙だな・・・」
勇者はボソリと呟き、首を傾げると魔王の後方に視線を向けた。魔王の今いる後方には開けた空間があるのみで何もない。
しかし、明らかに魔王は常に後方に意識を向けている。
「どうしたんです?シオン。」
近くに来たトリスが動きを止めた勇者に問いかける。
「いや、少しな。」
『こちらは人数に分がある。魔王の魔力を着実に削っていこう。』
頭の中で仲間に再度作戦を伝え、再度魔王に向かっていった。
勇者一行と魔王の攻防は、それから1時間近く続いた。
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