魔法が使えず無能と呼ばれていた少女の能力【スキル】は実は最強でした

輝月レイヤ

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第一章・第12話(第一章 最終話)

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**「聖響騎士団」**

学園長室。

重い沈黙が流れていた。

目の前に立つのは――
銀髪碧眼の青年。

**ナハト・ヒュルステイン。**

王国屈指の権力を持つ大公家の嫡子。

そして彼は言った。

「君たちを飛び級させる理由」

リナたちは固唾を飲んで聞いていた。

ナハトはゆっくりと窓の外を見た。

遠くには王都の街並み。

そして静かに語り始める。

「これからこの国は、大きな戦いに巻き込まれる」

その声は低く、重かった。

アルカイドが眉をひそめる。

「戦い……?」

ナハトは答える。

「**天魔教会**」

その名前が出た瞬間。

学園長の表情がわずかに変わった。

ナハトは続ける。

「奴らは世界の裏で暗躍する組織だ」

「王国転覆すら狙っている」

リナは小さく呟いた。

「そんな……」

ナハトは五人を見た。

「その戦いに備え、戦力を集めている」

「そして君たちは」

「すでにその資格を持っている」

レディンが腕を組む。

「つまり?」

ナハトははっきりと言った。

「君たちには――」

「**聖響騎士団**に入ってもらう」

全員が息を呑む。

聖響騎士団。

それはオルフォード王国の――

**最高戦力集団。**

王族直属の騎士団。

そして。

ナハトは続ける。

「聖響騎士団は」

「王女殿下直属の部隊だ」

その名が出る。

「**アンジュ・オルフォード**」

王国の姫。

そして騎士団の象徴。

アリュールが言う。

「……つまり」

「私たちはその部隊に?」

ナハトは頷く。

「そうだ」

そして一人ずつ見ていく。

「配属先も決まっている」

最初にアリュールを見る。

「アリュール」

「君は――」

「**聖火隊**に入団」

アリュールの目が少し光る。

ナハトは続ける。

「隊長は」

「**業火の剣姫アリュシオーネ**」

炎の英雄。

王国最強クラスの魔剣士だった。

アリュールは口元を上げた。

「……面白いじゃない」

次にアルカイド。

「アルカイド」

「君は**聖風隊**」

アルカイドが驚く。

「聖風隊……」

ナハトが言う。

「隊長は」

「**烈風の書姫エアリィ**」

風魔法研究の第一人者。

アルカイドは眼鏡を押し上げた。

「光栄です」

ナハトは次を見る。

「レディン」

「君は**聖水隊**」

レディンが笑う。

「やっぱ水か!」

ナハトは続ける。

「隊長は」

「**荒海の神姫ラフィリア**」

海戦最強の女提督だった。

レディンは拳を握る。

「最高じゃん!」

次にナティエ。

ナハトは少し真剣な顔になる。

「ナティエ」

「君は**聖地隊**」

ナティエは静かに聞いている。

「隊長は」

「**豊穣の妖姫マリ**」

大地の魔法を操る伝説の魔導師。

ナティエは小さく頷いた。

「……分かった」

そして最後に。

ナハトはリナを見る。

少し優しく微笑む。

「リナ」

「君は――」

一瞬間を置いた。

「**聖無隊**」

リナは首を傾げる。

「聖無……?」

ナハトは言う。

「私が隊長を務める部隊だ」

部屋が静まり返る。

レディンが言った。

「つまり」

「ナハトの直属?」

ナハトは頷く。

「そういうことだ」

リナはまだ実感が湧いていなかった。

だが。

彼女の人生は今、大きく変わろうとしていた。

---

その日の夕方。

学院中に噂が広がった。

「聞いたか?」

「例の五人」

「飛び級だって」

「しかも聖響騎士団らしいぞ」

驚きの声。

尊敬の声。

だが――

不満の声もあった。

「納得いかない」

廊下の隅で一人の少年が呟いた。

**アルト・ヴァルディス。**

彼は拳を握る。

「どうしてあいつらだけ……」

その時。

背後から声がした。

「不満そうですね」

アルトが振り向く。

そこには。

黒いローブの人物。

顔はフードで見えない。

アルトが警戒する。

「誰だ」

その人物は静かに言う。

「もし」

「その結果が気に入らないのであれば」

「力を貸しましょうか?」

アルトは目を細める。

「……どういう意味だ」

謎の人物は笑った。

「簡単ですよ」

「あなたにも」

「**力**を与えましょう」

アルトは少し考える。

だが。

その迷いはすぐ消えた。

「……いいだろう」

彼は言った。

「その話」

「乗る」

フードの人物は満足そうに微笑む。

「賢明な判断です」

その背後に。

不気味な魔力が揺れていた。

こうして――

新たな運命が動き出す。

リナたちは王国の守護者へ。

そして。

闇の中でもまた。

新たな物語が始まろうとしていた。

---

**第一章 完**

そして物語は――

**第二章へ続く。**
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