33 / 48
第二章 第16話
しおりを挟む
**「仮面の下の真実」**
王国・聖響騎士団本部。
昼下がりの静かな時間だった。
訓練場では騎士達が鍛錬を行い、
学院出身の若い騎士達もそれぞれ任務に備えていた。
リナもその一人だった。
彼女の周囲にはいつもの仲間達。
アルカイド
アリュール
レディン
ナティエ
アルカイドが伸びをする。
「やっと動けるようになったんだし、軽く訓練でも――」
その瞬間だった。
空気が震えた。
ズン――
低い衝撃。
地面が揺れる。
ナティエが鋭く呟く。
「……来た」
次の瞬間。
轟音。
聖響騎士団の外壁が爆発した。
石壁が吹き飛び、
黒い煙が空へと上がる。
騎士達が叫ぶ。
「敵襲!!」
「魔力反応確認!!」
煙の向こうから一人の影が歩いてくる。
黒い外套。
そして――
仮面。
**シュヴェルトライテ。**
彼は静かに言った。
「やっと会えたな」
その視線は真っ直ぐ。
**リナ**を見ていた。
リナは一歩前へ出る。
「……あなた」
アルカイドが剣を抜く。
「こいつ!」
アリュールが魔法陣を展開する。
「天魔教会!」
レディンも戦闘態勢に入る。
ナティエは短く言う。
「倒す」
シュヴェルトライテは少し笑った。
「いい」
「全員まとめて来い」
その瞬間――
戦闘が始まった。
アルカイドが突撃する。
「はぁぁぁ!!」
剣が振り下ろされる。
だが。
ガキン!!
シュヴェルトライテは片手で受け止めた。
「遅い」
次の瞬間。
衝撃波。
アルカイドが吹き飛ぶ。
「くっ!」
アリュールが叫ぶ。
「火炎魔術!」
炎が炸裂する。
しかし。
炎は霧散する。
シュヴェルトライテは軽く手を振っただけだった。
「そんなものか」
レディンが背後から斬りかかる。
だが。
完全に見切られている。
ナティエの高速攻撃。
それも防がれる。
圧倒的だった。
リナは歯を食いしばる。
(強い……)
その時。
シュヴェルトライテが言った。
「リナ」
「お前だ」
「俺の相手は」
彼の魔力が膨れ上がる。
リナの瞳が鋭くなる。
「……アナライズ」
魔力の構造を読む。
解析。
演算。
そして。
「雷槍」
雷が走る。
ヒルドの極大魔術。
雷光がシュヴェルトライテに直撃した。
轟音。
爆煙。
だが――
煙の中から影が歩いてくる。
「いい魔術だ」
しかしその仮面に
ヒビが入っていた。
シュヴェルトライテはゆっくり歩く。
「だが」
「足りない」
彼の拳が振り下ろされる。
リナは防御魔術を展開。
衝撃。
地面が割れる。
死闘だった。
魔法と剣。
衝撃と爆発。
何度もぶつかり合う。
そして。
決定的な瞬間が来た。
アルカイドの一撃。
アリュールの魔術。
レディンの斬撃。
ナティエの奇襲。
そして――
リナの魔法。
全てが同時に直撃する。
轟音。
爆煙。
シュヴェルトライテの体が大きく揺れた。
そして。
パキン。
乾いた音。
仮面が割れた。
地面に落ちる。
その顔が露わになる。
その瞬間。
リナ達は――
凍りついた。
アルカイドが震える声で言う。
「……え?」
アリュールの目が見開かれる。
レディンは言葉を失う。
ナティエも驚愕していた。
そして。
リナが小さく呟く。
「そんな……」
その顔は。
忘れるはずがない。
かつて同じ学び舎で学んだ仲間。
リナ達が飛び級した後――
突然行方不明になった少年。
その名は。
**アルト・ヴァルディス。**
アルトは静かに笑った。
「久しぶりだな」
その瞳には
狂気が宿っていた。
――第二章 第17話へ続く。
王国・聖響騎士団本部。
昼下がりの静かな時間だった。
訓練場では騎士達が鍛錬を行い、
学院出身の若い騎士達もそれぞれ任務に備えていた。
リナもその一人だった。
彼女の周囲にはいつもの仲間達。
アルカイド
アリュール
レディン
ナティエ
アルカイドが伸びをする。
「やっと動けるようになったんだし、軽く訓練でも――」
その瞬間だった。
空気が震えた。
ズン――
低い衝撃。
地面が揺れる。
ナティエが鋭く呟く。
「……来た」
次の瞬間。
轟音。
聖響騎士団の外壁が爆発した。
石壁が吹き飛び、
黒い煙が空へと上がる。
騎士達が叫ぶ。
「敵襲!!」
「魔力反応確認!!」
煙の向こうから一人の影が歩いてくる。
黒い外套。
そして――
仮面。
**シュヴェルトライテ。**
彼は静かに言った。
「やっと会えたな」
その視線は真っ直ぐ。
**リナ**を見ていた。
リナは一歩前へ出る。
「……あなた」
アルカイドが剣を抜く。
「こいつ!」
アリュールが魔法陣を展開する。
「天魔教会!」
レディンも戦闘態勢に入る。
ナティエは短く言う。
「倒す」
シュヴェルトライテは少し笑った。
「いい」
「全員まとめて来い」
その瞬間――
戦闘が始まった。
アルカイドが突撃する。
「はぁぁぁ!!」
剣が振り下ろされる。
だが。
ガキン!!
シュヴェルトライテは片手で受け止めた。
「遅い」
次の瞬間。
衝撃波。
アルカイドが吹き飛ぶ。
「くっ!」
アリュールが叫ぶ。
「火炎魔術!」
炎が炸裂する。
しかし。
炎は霧散する。
シュヴェルトライテは軽く手を振っただけだった。
「そんなものか」
レディンが背後から斬りかかる。
だが。
完全に見切られている。
ナティエの高速攻撃。
それも防がれる。
圧倒的だった。
リナは歯を食いしばる。
(強い……)
その時。
シュヴェルトライテが言った。
「リナ」
「お前だ」
「俺の相手は」
彼の魔力が膨れ上がる。
リナの瞳が鋭くなる。
「……アナライズ」
魔力の構造を読む。
解析。
演算。
そして。
「雷槍」
雷が走る。
ヒルドの極大魔術。
雷光がシュヴェルトライテに直撃した。
轟音。
爆煙。
だが――
煙の中から影が歩いてくる。
「いい魔術だ」
しかしその仮面に
ヒビが入っていた。
シュヴェルトライテはゆっくり歩く。
「だが」
「足りない」
彼の拳が振り下ろされる。
リナは防御魔術を展開。
衝撃。
地面が割れる。
死闘だった。
魔法と剣。
衝撃と爆発。
何度もぶつかり合う。
そして。
決定的な瞬間が来た。
アルカイドの一撃。
アリュールの魔術。
レディンの斬撃。
ナティエの奇襲。
そして――
リナの魔法。
全てが同時に直撃する。
轟音。
爆煙。
シュヴェルトライテの体が大きく揺れた。
そして。
パキン。
乾いた音。
仮面が割れた。
地面に落ちる。
その顔が露わになる。
その瞬間。
リナ達は――
凍りついた。
アルカイドが震える声で言う。
「……え?」
アリュールの目が見開かれる。
レディンは言葉を失う。
ナティエも驚愕していた。
そして。
リナが小さく呟く。
「そんな……」
その顔は。
忘れるはずがない。
かつて同じ学び舎で学んだ仲間。
リナ達が飛び級した後――
突然行方不明になった少年。
その名は。
**アルト・ヴァルディス。**
アルトは静かに笑った。
「久しぶりだな」
その瞳には
狂気が宿っていた。
――第二章 第17話へ続く。
0
あなたにおすすめの小説
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
役立たずと捨てられた万能建築士、隣国で「聖域」を造って無双する。今さら復興のために戻れ? ご自分たちで瓦礫でも積んでいればよろしいのでは?
しょくぱん
恋愛
「お前の魔法は石を積むだけの土木作業だ」と婚約破棄されたので、城を支えていた『構造維持結界』をすべて解除して出て行きますね。今さら「城が崩れる!」と泣きつかれても、私は隣国で氷結の皇帝陛下と「世界最高の聖域」を造っていますので、一切知りません。
王国唯一の建築魔導師アニエスは、その地味な見た目と能力を理由に、王太子シグムンドから婚約破棄と国外追放を言い渡される。 彼の隣には、派手な光魔法を使う自称聖女の姿があった。
「お前の代わりなどいくらでもいる。さっさと出て行け!」 「……分かりました。では、城にかけていた『自動修復』『耐震』『空調』の全術式を解約しますね」
アニエスが去った直後、王城は音を立てて傾き、噴水は泥水に変わり、王都のインフラは崩壊した。 一方、アニエスは隣国の荒野で、呪われた皇帝レオンハルトと出会う。彼女が何気なく造った一夜の宿は、呪いを浄化するほどの「聖域」だった。
「君は女神か? どうか私の国を救ってほしい」 「喜んで。ついでに世界一快適な住居も造っていいですか?」
隣国がアニエスの力で黄金の国へと発展する一方、瓦礫の山となった母国からは「戻ってきてくれ」と悲痛な手紙が届く。 だが、アニエスは冷ややかに言い放つ。 「お断りします。契約外ですので、ご自分で支えていればよろしいのでは?」
これは、捨てられた万能建築士が隣国で溺愛され、幸せを掴む物語。 そして、彼女を捨てた者たちが、物理的にも社会的にも「崩壊」し、最後には彼女が架ける橋の『礎石』として永遠に踏まれ続けるまでの、壮絶な因果応報の記録。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
國樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
没落寸前でしたが、先祖の遺産が見つかったおかげで持ち直すことができました。私を見捨てた皆さん、今更手のひらを返しても遅いのです。
木山楽斗
恋愛
両親が亡くなってすぐに兄が失踪した。
不幸が重なると思っていた私に、さらにさらなる不幸が降りかかってきた。兄が失踪したのは子爵家の財産のほとんどを手放さなければならい程の借金を抱えていたからだったのだ。
当然のことながら、使用人達は解雇しなければならなくなった。
多くの使用人が、私のことを罵倒してきた。子爵家の勝手のせいで、職を失うことになったからである。
しかし、中には私のことを心配してくれる者もいた。
その中の一人、フェリオスは私の元から決して離れようとしなかった。彼は、私のためにその人生を捧げる覚悟を決めていたのだ。
私は、そんな彼とともにとあるものを見つけた。
それは、先祖が密かに残していた遺産である。
驚くべきことに、それは子爵家の財産をも上回る程のものだった。おかげで、子爵家は存続することができたのである。
そんな中、私の元に帰ってくる者達がいた。
それは、かつて私を罵倒してきた使用人達である。
彼らは、私に媚を売ってきた。もう一度雇って欲しいとそう言ってきたのである。
しかし、流石に私もそんな彼らのことは受け入れられない。
「今更、掌を返しても遅い」
それが、私の素直な気持ちだった。
※2021/12/25 改題しました。(旧題:没落貴族一歩手前でしたが、先祖の遺産が見つかったおかげで持ち直すことができました。私を見捨てた皆さん、今更掌を返してももう遅いのです。)
ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます
黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。
だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ!
捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……?
無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる