【完結】異世界召喚されたのに命を狙われまくるなんて聞いてない。

u

文字の大きさ
81 / 110

新たな聖魔法の結界

しおりを挟む


    ひゅっと心臓を掴まれたようだった。鏡を持っていた手がぶるぶると震え、鏡の中の俺が大きく揺れ動く。髪が逆立つほどの戦慄。雨のように戦慄がきりなく全身を叩く。手から、鏡がすり抜けた。

「ミト…?ミト!どうした!大丈夫だ、俺がいる。だから大丈夫だ」
「っ…アル、ウィン…」

    愛する人の胸に強く抱き締められても、震えはおさまらない。自分の首筋に手を当てて、何度も擦るが傷痕の感触はない。だからまた布団の上に落ちた鏡を手に取り、首筋を映す。そこにはやはり、歯形があった。

「ミト、説明してくれ。鏡がどうしたんだ?」
「…アルウィンたちには、見えてないんだね。俺の首筋にある傷が」
「傷…?見せてみろ」

    頭を横から両手で優しく掴まれ、首筋を覗き込まれるが、彼の表情は不可解そうなままだった。

「何もないが…ミトには傷痕が見えているのか?どんなものだ?」
「…噛み痕みたいな、人の歯形がここにある」
「なんだと?」

    指先で首筋を差すとアルウィンは険しい表情に変わり、声も低くなった。何度も検査されるように手で触れられ、愛する人に久しぶりに触れられているというのに体温は冷えきっていくばかり。

「どういうことだ?蝙蝠もミトにしか見えなかったことと関係しているのか?」
「うん、たぶん…」

    そして俺は初めてあの奇妙で不気味な夢と、その中に出てくるオッドアイの謎の人物について打ち明けた。これまで起きたらすべて忘れていたのに、今ではすべてを思い出せる。
    すらすらと出てくる言葉に自分でも驚きながら話し終えると、アルウィンは眉間に深い皺を寄せながら険しい顔をした。

「その謎の人物は何者なんだ。夢の始まりと終わりに蝙蝠の鳴き声が聞こえていたならただの夢でないことは間違いない。言葉は交わさなかったのか?」
「話したことは一度もない。声を聞いたこともない。俺も話さなかったし動くことも出来なかった。最後に見た夢以外は」
「ボードン先生が陰魔法など何かしらの方法で蝙蝠をミトに見せていたとするなら…その夢も、彼が見せていた可能性は高い」
「何のために?何がしたくて?そもそも人に夢を見させるなんて魔法があるの?」
「もちろん聞いたことなんてない。でももうあらゆるところで今まででは考えられなかったことが起こっている。そう考えると何があっても、何が出来てもおかしくない」
「アルウィン…俺…何だかよく分からないけど、すごく怖い…!せっかく聖魔法を取得できて嬉しいはずなのに…これから酷く恐ろしいことが待ち受けているんじゃないかって予感がすごくするんだ」
「ミト…何があっても俺が守るから大丈夫だ。大丈夫…」

    アルウィンの腕の中で強く深く抱き締められているのに、一向に安心感はやってこなかった。言葉では俺を落ち着かせようと大丈夫だと言うアルウィンの心臓も、ドクンドクンと大きく早く脈打っていて彼の緊張や恐怖が伝わってくる。

    何一つ解決できていないのに、また意味不明な事が起きていて、新たな疑惑の存在が浮上したことに思考を放棄したくなる。
    現実で起こっていることなのにあまりに現実味を帯びていなくて、得体の知れない謎の人物への恐怖から逃げるようにして俺はアルウィンの唇の熱を求めた。

「はぁ…アルウィン…何も考えれなくさせて…ッ」
「大丈夫だ、ミト。俺はずっとそばにいる」

    彼の熱に翻弄されることで、不安と恐怖と混乱を覆い隠す。目の前の熱い体温に集中したいのに、夢の中の凍えるような冷たい体温を思い出してしまい、振りかぶるようにしてアルウィンの背中をかき抱いた。
    何度も濃厚な口付けをされながら、何度も体内で彼の熱を感じながら、何度も愛の言葉を交わしながら、俺たちは深く抱き合った。追われている何かから、逃げるように。

***

    久しぶりに愛し合った俺たちは、少し冷静になった頭でおじいちゃん先生のことについて考え、本人に直接聞いてみるしかないという結論に至った。
    俺に蝙蝠や謎の人物の夢を見せていたのが彼なのだとしたら、その目的と理由を知りたい。彼が俺を攻撃してきたことはないし、聖魔法取得にもかなり協力的だった。敵ではなく何か別の目的があると見て、本人の口から聞き出すのが一番良いと思ったのだ。

    おじいちゃん先生が説明しようとしてくれていた、俺が眠っていた2週間の間に何があったのかアルウィンに聞けば、特に大きな変化はなかったらしい。
    結界がまた壊される気配も、暗い空と嵐も、俺を殺そうとする何者かの動きも、何もない。それはまるで、俺が目覚めるのを待つかのように、嵐の前の静けさのように、何もなかったという。

    しかし何もないというのは、調査についても進展が何もないということでもあった。未だに女神レティシアの声を語る人物に当てはまる人間も、結界が壊され修復された原因も分かっていないのだとアルウィンは申し訳なさそうに言った。
    女神レティシアの声を語る人物は黒魔法のような闇魔法を使える可能性が高く、それは21年前の事件の黒幕と同一人物かもしれないのだ。アルウィンにとって一刻も早く掴みたい黒幕の正体だろうが、何も進展のない現状に苛立ちも募っていそうだった。

    俺たちが別れなければ、と脅迫まがいのことをしたリジーさんは、俺たちがライナス王子に直接話をしたことにより出鼻を挫かれたようでその後大人しくマクラウド家に引きこもっているという。
    その話を聞いて、彼女が宰相のように俺に殺意を向けることがなくてよかったと心から思った。俺がアルウィンの相手で納得出来ないのは仕方ないが、彼女には罪を犯してほしくないし、何より宰相のような末路を辿ってほしくない。
    彼女にも心から愛し愛される人が現れてどうか幸せになりますように、と静かに心の内で願った。

    その日はそのままアルウィンと共に一夜を過ごし、目覚めた次の日の朝。体調が何ともないことを医師によって確認されると、着替えをすませて朝食をとっていたところへ。

「おい!いつまでちんたらしてるんだ!もう回復したのならさっさと結界を張る訓練をするぞ!」

    ライナス王子が、心底不機嫌そうな表情で突如室内に現れた。朝食を終えたら早速おじいちゃん先生に話を聞きに行こうと思っていたから、ライナス王子の登場は予定が狂ってしまう。
    どうしようかとアルウィンに視線を投げると、王子は俺たちの視線を邪魔するように間に入り、腕組みをして俺を睨み付けた。

「聞いているのか!?聖魔法を取得して満足してもらったら困るのだぞ!早く結界を作れるようにならねば意味がないのだからな!」
「おはよう、王子。とりあえずそのことはよく分かっているんだけど、後でもいい?先に先生と話したいことがあるんだ」
「ふん、ボードン先生はお前が目覚めたから他にやることがあると言って忙しそうにしていたぞ。しばらく1人にしてくれと言われたから話をするのは無理だろうな」
「そんな…」
「だがお前に伝言を預かった。"すべてはミト殿が聖魔法の結界を張れたときに分かる"と」
「え…?」
「ミト、まさかとは思うがボードン先生は、ミトが勘づいたことに気付いたんじゃないか?」

    アルウィンの言うとおり、俺もその可能性を感じていた。彼の伝言が意味するところ、それはつまり、早く聖魔法の結界を張れるようになれ、ということだ。
    おじいちゃん先生が何を考えていて、何をしようてしているのかは分からないが、今俺に出来ることは確かに結界だ。いつまた国王の結界が壊されるか分からないのだから、早く新しい結界を張り直さなければいけない。
    それによって、おじいちゃん先生がなぜ蝙蝠の存在を知っていて、謎の夢を俺に見せていたのかが分かるのなら。

「王子、今すぐ結界を張る訓練をしよう」

    行動あるのみ、だ。
    頭で考えても分からないことばかりなのなら、分かりきっている行動をすればいい。ずっと無力だった俺がやっと人のために、国のために出来るようになったことを、早く実現させたい。

「ふん!行くぞ、着いてこい!」
「うん」
「ミト、本当に大丈夫か。そんなに焦らなくても」
「いや、先生はきっと俺が聖魔法の結界を張れるようになるまで姿を現さないと思う。俺が今出来ることは考えることでも調べることでもなく、行動にうつすこと。だから早くやらなきゃ。また結界が壊される前に」
「…分かった。身体の不調があったら必ず無理せずに教えてくれ」

    不安そうな表情をするアルウィンに大きな頷きを返し、俺はライナス王子の後を追った。

***

    王子に連れられてやってきたのは、俺が召喚された日に目覚めた場所だった。
    円球体のようにドーム状の天井。壁には煌びやかな水晶のようなガラス玉が綺麗に線を作るように埋め込まれている。床は大理石のような石がはめこまれ、規則性がありそうでなさそうな模様がとある箇所の床の円の中に描かれている。

「ここって、俺が召喚された場所だよね?」
「そうだ。ここは神聖な儀式を行う時に代々使われてきた場所で、王族と限られた者しか入ることは出来ない。聖魔法の結界を張るときも、この場所で行われるのだ」
「訓練でもここを使って大丈夫なの?」
「父上に許可を取ってある。もしかしたら訓練で一発目の結界がとてつもなく強い結界を作ることに成功する可能性もあるからな。ボードン先生からの助言だ」

    おじいちゃん先生の助言と聞いて、何か意味があるはずだと勘繰ってしまいそうになるが、ライナス王子にバレないように平静を取り繕った。
    宰相に加えておじいちゃん先生まで敵だったことの可能性を考え、おじいちゃん先生から話を聞くまでは王子にも国王にも伏せておこうとアルウィンと決めたのだ。これ以上王族の彼らが身内を疑うような心労をかけたくない。

「まずはお前の聖魔法が今、どのくらいの魔力の上に成り立っているのか検査する。この水晶に手を当てろ」

    ライナス王子は壁に嵌め込まれていた水晶を1つ取り出し、シルクの布を敷いた掌の上に置く。それを俺の元まで持ってきて、目の前に差し出した。
    俺は言われるがままに水晶の上に手を翳すと、透明だった水晶は瞬く間に白く光り、温かな風を巻き起こした。

「これは…!」
「これがミトの聖魔法…凄い力だ…」

    ライナス王子は驚愕に目を見開き、アルウィンは恍惚と水晶の光を見つめている。俺は何が何だかさっぱり分からないが、水晶に手を翳しただけなのに全身がポッポッとお風呂上がりのような熱を感じてふらりとよろけた。

「ミト!大丈夫か?」
「う、うん…何か、ボーッとする」
「おかしい!なぜ異世界人なのにこんな膨大な魔力があるのだ?こんな大きな魔力を制御できないのは当たり前だ。だがある程度の魔力を結界に込めて放出すれば制御も可能になるはず」
「殿下、まさかもうミトに聖魔法の結界を張らせる気ですか?事を急ぎすぎでは?」
「こいつのためでもある。ずっとこんな膨大な力を内に閉じ込めていてはまたいつ魔力暴走を起こすか分からん。結界に力を分散させ、外に力を出すべきだ」
「それは確かにそうですが…結界を張る上でミトに危険はないのですか?」
「分からん。至急父上を呼ぶ。父上が一番詳しいはずだからな」

    そうしてすぐにやってきた国王も俺の魔力量に驚きを隠さず、すぐに結界を張れるレペルの魔力だと太鼓判を押した。
    俺は身体の内側からコトコトと何かがずっと沸騰しているような熱を感じていて、それを逃がすことが出来るならば早くやってくれと願い出る。
    アルウィンは終始心配そうな顔つきをしていたが、国王が俺の身体を楽にするためであり危険なことはないと諭すと少し安心したようだった。

「ミト、わしの真似をするんだ。これだけの魔力量があるならすぐに終わるだろう」

    そうして壁の内側に嵌め込まれていた水晶の中から一際大きくつるりとした水晶を取り出した国王に手を取られ、ぴったりと水晶を掌の上に置く形になる。
    俺は初めて異世界召喚をされたときにいた、模様の描かれた円の真ん中に水晶を持ったまま立たされ、正面だが円の外に立つ国王が言うままに実行した。

「目を閉じて、深く息を吸いたまえ。身体の内側から溢れてくる魔力をできる限り水晶に集めるのだ。そう、良いぞ」

    目を閉じているのに、目蓋の裏がどんどん明るくなっていくのを感じる。温かな風が吹いて髪や服を揺らし、掌の上にある水晶に魔力を流すイメージを絶え間なく続ける。

「ほう…すごい力じゃ…。ミト、わしの言葉を繰り返すのだ。聖なる神に告ぐ」
『聖なる神に告ぐ』
「我が国を守りし結界をつくられよ」
『我が国を守りし結界をつくられよ』

    俺がその言葉を言い終えると、目蓋の裏が目映いほどの光に当てられ、痛みを感じて強く目を瞑る。大きな風が吹き、足元が半歩よろめく。温かい何かに包まれる感覚を感じると同時に、身体の内側に溜まっていた魔力が軽くなったのを感じた。

「おお!成功したぞ!そなたはやり遂げたのだ!」
「まさか本当にあのちんちくりんが聖魔法の結界を張れるなんて…」
「ミト!」

    ゆっくりと目蓋を持ち上げる。涙を流して床にひれ伏してる国王と、呆然と天を見上げているライナス王子。そして、目の前にいる愛おしい恋人の姿。

    俺は、聖魔法の結界を張ることに、成功した。それはもう、不気味なほどに、あっさりと。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。 オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。

【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。 するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。 だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。 過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。 ところが、ひょんなことから再会してしまう。 しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。 「今度は、もう離さないから」 「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

そばにいられるだけで十分だから僕の気持ちに気付かないでいて

千環
BL
大学生の先輩×後輩。両片想い。 本編完結済みで、番外編をのんびり更新します。

【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい

日向汐
BL
番外編はTwitter(べったー)に載せていきますので、よかったらぜひ🤲 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 過保護なかわいい系美形の後輩。 たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡ そんなお話。 ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ 【攻め】 雨宮千冬(あめみや・ちふゆ) 大学1年。法学部。 淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。 甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。 【受け】 睦月伊織(むつき・いおり) 大学2年。工学部。 黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

処理中です...