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酒に弱い博士と助手の話
しおりを挟む「はぁー、今日も暑いな~。こんなにも暑いと実験をする意欲も湧いてこないよ」
そう思って私は部屋の中を見渡す。
「うーん、暑さを紛れられそうなものはないものか?助手くんは買い物に行ってしまってるからな。どうしたものか。……喉乾いたな」
大したものが入ってないと予想される冷蔵庫を一応開ける。
「おっ!なんかキンキンに冷えた缶ジュースがあるじゃないか。これはもしかして助手くんが入れておいてくれた奴かな?むふ、助手くんもなかなかやるじゃないか。それじゃあ、いただきます」
プシュッ!
ゴクゴクゴク
「おや?これはもしかして……」
********
ガチャ
「ふー、博士ただいまです。今日も暑いですね~」
僕は額から流れてくる汗を拭きながら、そう声を掛ける。
「ん?博士?博士、いますか?」
……まさか、この間みたいに実験の失敗で倒れているのでは。
「博士!大丈夫ですか!」
僕は急いで奥の研究室へと向かう。
案の定、博士は研究室で椅子に座っていた。
「博士!」
すると、博士は僕の声に気づいたのか、こちらに振り返る。
……博士は、酔っていた
「んー?あれ~、助手くんじゃないか~?どうしたんだい~?」
「……どうして博士、酔っているんですか!?」
「え~っと、なんかね冷蔵庫に入っていた缶ジュースを飲んだらなんか体がポワポワしてきちゃってね~」
「缶ジュース?……あっ、も、もしかして博士、僕のチューハイ飲んだんですか?」
「う~ん、そうみたいだね~」
「あぁ、もう何してるんですか!ただでさえ、博士はお酒に弱いんですから。ちょっと、待ってくださいね。今水持ってきますから」
「いや~、それにしてもこれがアルコールによる体温上昇か~。実に興味深いね~」
「もー、こんな時にもそんな研究者みたいなこと言わないでくださいよ」
僕がそう言いながら、水を取りに行こうとすると博士は何故か僕に抱き着いてくる。
「は、は、博士!?ど、どうして抱き着いて……」
「なんか体が熱くてね。君なら冷たいかと思ったのだが……ん?」
「ど、どうしたんですか?」
「……ふふふ、おやおやどうしてお酒を飲んでいない助手くんの体温も上昇しているのかな?これも実に興味深いな」
「……も、もういいから離れてください、この酔っ払い!」
僕は博士を勢いよく抱き剝がしながら、そう言う。
それから僕は水を取りにキッチンへと向かった。
……まったく、博士は急にこんなドキドキさせることをしてくるから困ったものだ。
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