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怖がり博士と助手の話
しおりを挟む「ギャー!!!」
僕と博士しかいないこの研究所では、博士の特大の悲鳴が響き渡る。
「き、君はな、なんて話を聞かせるんだ!」
「なんて話って、ただ怪談を話しただけじゃないですか。」
「”ただ”だと!君は私がそう言う怖い話が苦手なことを知らないのか!」
「え、そうなんですか?」
「そうだよ!もう、なんてことを話してくれたんだ!」
「でも、意外ですね。博士の事だからそういうお化けとかって信じていないかと」
「信じていないからと言って、怖くないとは一言も言っていないからな!私でもそういうお化けの類は怖いんだよ」
「ほえー、そうなんですね。」
「ぐぬぬ、もう君の事なんて知らない!絶対に一生口きいてやらないんだからな!」
「あっ、博士!」
……怒らせちゃった。
ここまで言うとは本当に怖かったんだな。
悪いことをしてしまった。
流石に謝ろうと僕は博士の後を追う。
すると博士は何かをブツブツと呟いていた。
「……待てよ。このまま一生助手くんに話しかけてもらえなかったら……ダメだ、死んでしまう。癒しが無くなってしまう……うむむ、どうしたものか……」
……あまりにも小さすぎて全然聞き取ることが出来なかった。
「あ、あの博士、すいませんでした許してくだ――」
「仕方ないな!今回だけだぞ!この私の海より広い心に感謝しろよ!」
僕が言い切る前に、博士はギュンッと素早くこちらに振り向く。
「……なんか、めっちゃ許すの早くないですか?僕まだ言い切っていないんですけど」
「ギクッ、ま、まぁいいじゃないか!こちらも少し言い過ぎたとも思っていたし。だけどこれからは気を付けてくれよ」
「はい、分かりました。……それでですね、博士。僕また怖い話を思いついたんですけどね」
「……君、どう考えても反省してないよね」
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