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メールって交換日記の一種らしい
しおりを挟む「何だかメールってさ、交換日記みたいだよね!」
「……いきなりどうしたの?」
休憩時間、俺のパーソナルスペースを堂々と侵害してくる彼女はいきなりそう言い放つ。
「いやさ、読んだ漫画の中で交換日記で連絡を取るっていうシーンがあってね。そう考えたらメールも交換日記の亜種なんじゃないかと思って」
「あぁ、なるほど……。漫画に影響された話だったのね。頭どうしちゃったのかと心配しちゃった」
「それで?君はどう思う?」
「どう思う……って、まぁ、そう考えたら亜種と言うか便利になったんじゃない?でもですね楓さん、この世にはメールよりも便利なli○eというアプリがあってですね」
「そこら辺はよく分からないのよね」
「……ホント、変なところで機械に疎いよね、楓は」
一応これでもちゃんとしたカップルである俺たちはよくメールで連絡を取っている。
……いや俺もli○eとかのメッセージングアプリの方が便利だから、そっちを使おうと言ったんだけどね。
スマホを持つのが遅かった楓は凄くアプリの使い方とかに疎いから、未だにメールを使っているって訳。
「そろそろアプリとかの使い方覚えようよ」
「えぇー、いいよー。めんどくさいし、折角メールの使い方覚えたんだからさ」
「でも、アプリ使ったらもっと連絡とりやすくなるよ?」
「そうかもしれなけど……でもメールを待っている時って凄くドキドキしない?私はそのじれったさみたいなドキドキが凄く好きなんだよね!」
「……さいですか」
……俺もその瞬間が好きだから人のこと言えないな。
「そうだ、帰ったら今度のデートのスケジュールとか考えよ!勿論メールで」
「了解。連絡楽しみに待ってるわ」
スマホを持ちニコッと笑いながらそう言う彼女にそう返すと、彼女はより笑みを深くする。
その時、丁度チャイムが鳴り響く。
「あっ、じゃあ後で!」
「うん、また」
そうして、午後の授業が始まる。
あ、やっべ、午後移動教室なの忘れてた!
********
『いやー、お昼は本当に焦ったね!まさか、移動教室だったなんて完全に忘れてたよ。でも廊下を思いっきり君と走れたのは凄く楽しかったな!』
ピコンと鳴った通知音と共に届いたメールにはそう書いてあった。
俺はその内容に苦笑しながら、返信を考える。
「本当は廊下走ったらダメなんだけどね…w、次から気を付けないと。でも中々貴重な経験だった」
送る。
ピコンッ!
返って来た。
『だね、ちゃんと確認しとかないと。そう言えば、話変わるけど今度のお休みどこに行く?試験も終わったし、私は色々行きたいところがあるんだよね!』
「うーん、そういうのは楓に任せる。なんかあんまり思いつかないから、俺はどこでもいいよ」
『えぇー、何それー。私と行きたいところなんて無いってコト!?』
「そうじゃなくて、俺は楽しそうな楓の姿が見れたらそれで満足なんだよな。だから楓の行きたいトコに付いて行くって言う感じで良いんだよ」
それから少し返信が遅れる。
『……もー、そう言う言葉を急に言うのって反則!でも……君のそう言うトコが好きなんだよね。それじゃあ、駅前に新しくできたあのお化け屋敷に行こうよ!』
「えっ……お化け屋敷ですか……?」
『私の行きたい場所に行けたら良いんでしょ?じゃあ、お化け屋敷でも良いよね!』
……なるほど、そう来たか。
くっそ、俺が怖いの嫌いなの知ってるくせに。
「はぁー……まぁ、男に二言は無いからな。良いよ、行ってやろうじゃないか!」
『やったー!それじゃあ、今度の週末は駅前で集合ね!』
「分かった。今度は寝坊しないようにちゃんと目覚ましセットしとけよ」
俺は送信ボタンを押して、スマホを置く。
週末、楽しみだな。
2人でのお出かけ自体が久しぶりだから凄くワクワクする。
心の中で小躍りしている自分をよそに俺は机の宿題の残りを解かんとシャーペンをカチカチ動かす。
そしていざ書こうとした時、ピコンッとメールの通知音が響く。
『……週末が待ちきれないな。今すぐにでも君に会いたい』
アイツという奴は本当に……卑怯だ。
さっきまで学校で会っていたじゃないか、とか、別に明日の朝にまた会えるじゃん、とかネタ交じりに返しても良いのだが……。
俺は率直な自分の想いを返して、送信ボタンを押す。
そして、ノートを閉じてシャーペンを置く。
「今から、会いに行くよ」
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