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「はい、もういいですよ。」
「ありがとうございました。これ、気持ちばかりですが…。」
そう言って差し出したのは勿論金。
お布施というやつ?基本的に国王などの王族、教会、騎士団の三つがそれぞれ独立しているこの国では教会の運営費は信者からのお布施等で運営しているらしく、一定ラインの治療費みたいなのが暗黙の了解として決まってる…らしい。実は治療してもらったのが初めてなので内心額が合っているのかドキドキだ。ちなみに教えてくれたのは冒険者のセフレ。兄貴肌で面倒見が良いのに女慣れも男慣れもしてるいい男。この世界の常識はほぼコイツに教わったので、コイツからは世間知らずの坊ちゃんどころか最近は人外の類と勘違いされてる気がする。そうだけどそうじゃないんだよなあ、惜しい。
きっちり銀貨一枚。
お金の価値としては大金貨が大体百万円、金貨が十万円、銀貨が一万円、白銅貨が千円、銅貨が百円、といった感じ。この知識はセフレじゃなくて神様チートガイドブックから学んだ事。流石に人外でもお金くらいは知ってるらしいからこれを知らなったら超訳ありなのが大バレ、って事みたい。
実の所、最初はなんとなく行けるだろうっていういつもの面倒くさがりを発揮して読まずに街に行こうとして慌てた神様が遣いのちっこい光の玉を飛ばしてくれ、それに引き止められた経緯があったり。
最後の一文、厄介な子認定された子は問答無用で教会行きって言うのを見た時は震えたね。読んでなかったら今頃はどうなっていたか。ありがとう神様。
「いえ、私供には必要ないので大丈夫ですよ。」
「でも…これだけでもお納め下さい。」
「そうですねこれくらいなら…申し訳ありません面倒な事に付き合わせて。」
「そんな、って言っちゃっていいんですか?」
そう、このやり取りも実はお約束のやつ。
必要ない、っていうのは額が多すぎますよって事で、逆に有難く頂きますって言われたら少ないって事。お心遣いに感謝致します、って言われたらその額で正解。
神様曰く目の前の儚げイケメンさんは上級神官らしいし金額ふっかけられるんじゃないかと先程とは違う意味でドキドキした。
一応冒険者としてそこそこ稼いでる身なので、たとえふっかけられたとしても教会の人間に言われる金額なら払えない事は無いけれど…目先の目標として人間を買おうとしてる分ある程度の節約は必要不可欠、なはず。でも後者を言う教会の人本当に居るのか?居るとしてもこんなやり取り市民には分からないだろ。いや市民にはそもそもお布施とか浸透してないんだっけ…。
「ええ、元々私はヒール等必要な事に対して金銭を…そんな事より貴方様にお聞きしたい事があります。今変わった事はございませんか?」
「えっと…スキャン…あ、スキル増えてます。」
いつまでも神様の言っていた本題に触れられないから話逸らしていこうと思った矢先、唐突に話を振られて肩が跳ねたけどそれを誤魔化すようにスキャン、今の自分の状態が分かる魔法を唱える。
実際は何も変化は無いけどこの魔法は自分しか分からないので、言われていた通りスキルが増えていた体を装う。本当に増えていたらゲーム画面みたいにスキル欄のところにNEW!ってつく、らしい。なんでらしい、かって?チート技が最強なので増えたことが無いからね。しょうがない。
「……それはそれは、神からのご加護でしょう。おめでとうございます。」
「あ、りがとうございます。」
一瞬間が合ったけどバレてないはず。……そう信じたい。
「ありがとうございました。これ、気持ちばかりですが…。」
そう言って差し出したのは勿論金。
お布施というやつ?基本的に国王などの王族、教会、騎士団の三つがそれぞれ独立しているこの国では教会の運営費は信者からのお布施等で運営しているらしく、一定ラインの治療費みたいなのが暗黙の了解として決まってる…らしい。実は治療してもらったのが初めてなので内心額が合っているのかドキドキだ。ちなみに教えてくれたのは冒険者のセフレ。兄貴肌で面倒見が良いのに女慣れも男慣れもしてるいい男。この世界の常識はほぼコイツに教わったので、コイツからは世間知らずの坊ちゃんどころか最近は人外の類と勘違いされてる気がする。そうだけどそうじゃないんだよなあ、惜しい。
きっちり銀貨一枚。
お金の価値としては大金貨が大体百万円、金貨が十万円、銀貨が一万円、白銅貨が千円、銅貨が百円、といった感じ。この知識はセフレじゃなくて神様チートガイドブックから学んだ事。流石に人外でもお金くらいは知ってるらしいからこれを知らなったら超訳ありなのが大バレ、って事みたい。
実の所、最初はなんとなく行けるだろうっていういつもの面倒くさがりを発揮して読まずに街に行こうとして慌てた神様が遣いのちっこい光の玉を飛ばしてくれ、それに引き止められた経緯があったり。
最後の一文、厄介な子認定された子は問答無用で教会行きって言うのを見た時は震えたね。読んでなかったら今頃はどうなっていたか。ありがとう神様。
「いえ、私供には必要ないので大丈夫ですよ。」
「でも…これだけでもお納め下さい。」
「そうですねこれくらいなら…申し訳ありません面倒な事に付き合わせて。」
「そんな、って言っちゃっていいんですか?」
そう、このやり取りも実はお約束のやつ。
必要ない、っていうのは額が多すぎますよって事で、逆に有難く頂きますって言われたら少ないって事。お心遣いに感謝致します、って言われたらその額で正解。
神様曰く目の前の儚げイケメンさんは上級神官らしいし金額ふっかけられるんじゃないかと先程とは違う意味でドキドキした。
一応冒険者としてそこそこ稼いでる身なので、たとえふっかけられたとしても教会の人間に言われる金額なら払えない事は無いけれど…目先の目標として人間を買おうとしてる分ある程度の節約は必要不可欠、なはず。でも後者を言う教会の人本当に居るのか?居るとしてもこんなやり取り市民には分からないだろ。いや市民にはそもそもお布施とか浸透してないんだっけ…。
「ええ、元々私はヒール等必要な事に対して金銭を…そんな事より貴方様にお聞きしたい事があります。今変わった事はございませんか?」
「えっと…スキャン…あ、スキル増えてます。」
いつまでも神様の言っていた本題に触れられないから話逸らしていこうと思った矢先、唐突に話を振られて肩が跳ねたけどそれを誤魔化すようにスキャン、今の自分の状態が分かる魔法を唱える。
実際は何も変化は無いけどこの魔法は自分しか分からないので、言われていた通りスキルが増えていた体を装う。本当に増えていたらゲーム画面みたいにスキル欄のところにNEW!ってつく、らしい。なんでらしい、かって?チート技が最強なので増えたことが無いからね。しょうがない。
「……それはそれは、神からのご加護でしょう。おめでとうございます。」
「あ、りがとうございます。」
一瞬間が合ったけどバレてないはず。……そう信じたい。
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