2 / 25
第2話、同行者
しおりを挟む
『よいせ』
精霊が紙を見つけ、机の上に一枚置いて行く。
『よいせ』
すると別の精霊がまた来て、紙を一枚置いて行く。
『よいせ』
そしてまた次の精霊がと、同じ事が繰り返され紙の山が出来ていく。
「・・・逆に読み難い」
集めて来るなら手間が省けるかと思ったが、どうやらこいつらは適当に持って来ている。
本来なら束で揃えて置かれれていたはずの物も、一枚一枚バラバラにだ。
おかげで番号が付いている書類であっても、何の意味も無い状態になっている。
揃えるのは面倒だし、揃えた所で欲しい情報があるかも怪しい。
「はぁ・・・まあ良いか。別に全ての情報が欲しい訳では無いしな」
探す手間が省けたのは事実だと思い、片っ端から斜め読みしていく。
何処かに俺の事が書かれていないかと思いながら、けれど殆どは失敗の記録だ。
あのガラスの中に浮かんでいる肉片達の記録が大量に残っている。
とはいえそれも無駄ではない。何を作りたかったのかは見えてきた。
どうやらこの連中は、生物兵器を作り出したかったらしい。
人の知能を持ちながら、野生動物や魔獣、果ては精霊の力を行使できる兵器を。
「ふん、人間を弄る事で街を追われたか」
どうやらこの世界の法は、そういう倫理観らしいな。
まあ倫理など、時代と国と世界でまるで変わって来るが。
脳を生まれた時に取り出し、機械に繋げる時代も経験した。
あの時の死に方が、一番苦しく無くて良かったな。
何せ生命維持装置を止めるだけだから。
脳だけだから痛みは全く無かった。
「大体解った。もう、良いか。後は動いて調べるとしよう」
俺が何なのかは理解したし、恐らく俺は偶然の成功体だ。
なら奴らの想定通りのスペックを持っているとは限らない。
ここで書類を確認するよりも、動いて確認した方が余程早い。
・・・代り映えの無い書類を読むのが面倒になった、というのもある。
「さて、出口はどこだ」
書類を投げ捨てて周囲を見回す。
『よいせ』
俺が投げ捨てた書類を精霊が机に乗せる。
「・・・もう良い。知りたい事は解った。助かった」
『もう良いのー?』『まだ出来るよ?』『兄は元気ー!』『探すの楽しい!』『よいせ』
一応探してくれたのだと思い、感謝を述べた。
だが精霊達は不思議そうに首を傾げ、まだ運ぶ奴もいる。
・・・まあ、良いか。楽しいなら好きにさせておこう。俺には関係ない。
精霊の事は放置して歩き出し、それらしい場所に手を伸ばす。
引き戸になっていたらしいそこは、軽く力を入れると簡単に開いた。
「通路、か」
この先に出口があるのかどうかは解らないが、とりあえず行ってみるしかないか。
壁に明かりがついているので、暗くて見えないという事も無い。
若干警戒をしつつ歩いていると、わーきゃーと楽しげな声が後ろから付いて来る。
『通路ー!』『明かりが有るけどうすぐらーい!』『あははは!』『ねー妹どこ行くのー?』
「・・・はぁ」
うっとおしい。うっとおしいが、邪気を感じないせいか嫌いになれない。
そんな感覚を覚えながら、無視して通路を突き進む。
すると途中で牢が見つかり、うつろな目をした女達が入れられていた。
・・・俺を作る為に攫われた女だ。おそらく全員手遅れだろう。
「ちっ」
苛立たしく感じて舌打ちをしてしまった。
こんな光景を作り出した連中にではなく、これを見て不愉快に感じる自分にだ。
悪党になると決めておきながら、悪党のやった事を不愉快に感じている。
「いや、違う、それで良い」
悪党はこうでなければいけない、等という指標はどこにもない。
俺は俺の気分の良い生き方の為に悪党として生きるだけだ。
そう決めたら軽く腕を振るい、牢を破砕して中に入る。
「・・・ゆっくり眠れ」
感じるかどうか怪しい状態だったが、痛みの無い様に頭を粉砕した。
ずきりと胸が痛む。狂った連中を殺した時は何とも思わなかったのに。
『妹、大丈夫?』『どこか痛い?』『泣かないで』『よしよし』
俺はどんな顔をしているのか、牢の中では確認する事が出来ない。
「・・・煩い」
重苦しい気分を払う様に、撫でる為に頭に乗った精霊を投げ捨てる。
そして今度こそ外に出ようとして、居住として使っていたらしき所を見つけた。
「・・・金が有るな。服は流石に合わないが・・・布と紐があれば何とかなるか」
使えそうなものを漁り、ベッドシーツなのだろう布を破り、体に巻き付け紐を結ぶ。
服とは言い難い感じになってしまったが、とりあえず裸よりは良いだろう。
後は使えそうな物を適当に漁ったら、袋を腰に巻いた紐に括って服の中へ。
「こっちが出口か」
そして今度こそ出口らしき風の流れを感じ、感じるままに足を動かし進んでいく。
すると暗い通路の先に階段があり、天井から少し光が漏れている。
階段を上って天井に手をかけると、どうやら上に開く作りの様だ。
「よっと」
軽く押し上げると天井が吹き飛んだ。
蝶番がねじ曲がり、ネジも飛んでしまった。
「加減したつもりだったんだが・・・」
思っているよりも、この体の力が強すぎる。
もう少し加減しないと、何でもかんでも壊してしまいそうだ。
『外だー!』『お日様ー!』『うおーまぶしー!』『ここどこー!?』
外に出ると、俺よりも精霊達がはしゃいで跳ねまわり始める。
地下に閉じ込められていた事を考えれば当然かもしれないが。
周囲を見回した感じ、山の中だろうか。自然に溢れている。
というか、溢れすぎて先が見えない。
高い木が行く手を阻む様に生えている。
「まあ、街中にあんな怪しげな施設は作らないか」
当然と言えば当然の事を呟きつつ、とりあえず歩を進める事にした。
別に目的地など無いが、ここにとどまる理由だってない。
『きのこー!』
なら人の居る場所に出て、文化的な生活をしたいと思うのが普通だろう。
とはいえ、この世界の文化がどの程度かは解らないが。
『山菜ー!』
ただあの実験施設を見る限り、そこまで低い文明とは思えない。
化学的な物ではなく、魔法的な文明という辺りで、少し不安はあるけれど。
「魔法がある世界は、何故か文明が停滞しやすいんだよな・・・」
過去の経験からそんな呟きが漏れ、自分の発言で少々不安になる。
勿論高度な技術のある世界もあったが、どうにも文明が進み辛い。
『綺麗な石ー!』
それは特権階級の意識の問題もあるのだろう。
あとは、魔法がある世界は、人間が生きて行くには厳しい事が多いのも理由か。
『芋虫ー!』
所で、こいつらは何時まで俺について来るつもりだろうか。
後凄く煩い。歩く度に何か見つけて報告して来る。
置いて行っても追いつかれるのは何故だ。途中全力で走っても追いつかれた。
「何なんだお前らは! 何で俺について来る!」
『えー、だって妹心配ー』
「俺はお前達の妹じゃない!」
『妹だよ? 僕兄だもん!』
「ああもう話が通じないどころか、何を言ってるのか解らない!」
『あははっ、妹はお馬鹿だなぁ』
よし、こいつら吹き飛ばそう。流石にむかついて来た。
魔力を練って力を籠め、周囲の精霊達を全て暴風で吹き飛ばす。
『あーれー!』『たーすけてー!』『おめめぐるぐるー!』『僕飛んでる!』
・・・楽しげなのが納得いかないが、これでもう追いかけて来れないだろう。
遥か彼方まで飛んで行った精霊を見届けてから、俺自身もこの場から逃げる。
出来る限りの全力。景色が後ろに流れていく程の速さで。
「っ、これだけ逃げれば、もう大丈夫か?」
『もう追ってこないかな? 見つかっても兄に任せて!』
「・・・」
木の陰に隠れて後方を見ると、同じ様に木の陰に隠れて後方を見る小人が居た。
思わずその場に崩れ落ちても仕方ないと思う。本当に何なんだこいつ。
「はぁ~~~~~。解った。もう良い。付いて来ても構わない。けどもう増えるな」
『え~~~~~~? わかったぁ~~~~』
「本当だろうな・・・」
物凄く嫌そうに唇を突き出しながら、納得したという精霊。
そもそもあれは増えたのか。それとも別れただけなのか。
いや、難しく考えるだけ負けな気がする。
『じゃあ行こう!』
『妹よ、兄が付いてるからね!』
「早速増えるな!!」
精霊が紙を見つけ、机の上に一枚置いて行く。
『よいせ』
すると別の精霊がまた来て、紙を一枚置いて行く。
『よいせ』
そしてまた次の精霊がと、同じ事が繰り返され紙の山が出来ていく。
「・・・逆に読み難い」
集めて来るなら手間が省けるかと思ったが、どうやらこいつらは適当に持って来ている。
本来なら束で揃えて置かれれていたはずの物も、一枚一枚バラバラにだ。
おかげで番号が付いている書類であっても、何の意味も無い状態になっている。
揃えるのは面倒だし、揃えた所で欲しい情報があるかも怪しい。
「はぁ・・・まあ良いか。別に全ての情報が欲しい訳では無いしな」
探す手間が省けたのは事実だと思い、片っ端から斜め読みしていく。
何処かに俺の事が書かれていないかと思いながら、けれど殆どは失敗の記録だ。
あのガラスの中に浮かんでいる肉片達の記録が大量に残っている。
とはいえそれも無駄ではない。何を作りたかったのかは見えてきた。
どうやらこの連中は、生物兵器を作り出したかったらしい。
人の知能を持ちながら、野生動物や魔獣、果ては精霊の力を行使できる兵器を。
「ふん、人間を弄る事で街を追われたか」
どうやらこの世界の法は、そういう倫理観らしいな。
まあ倫理など、時代と国と世界でまるで変わって来るが。
脳を生まれた時に取り出し、機械に繋げる時代も経験した。
あの時の死に方が、一番苦しく無くて良かったな。
何せ生命維持装置を止めるだけだから。
脳だけだから痛みは全く無かった。
「大体解った。もう、良いか。後は動いて調べるとしよう」
俺が何なのかは理解したし、恐らく俺は偶然の成功体だ。
なら奴らの想定通りのスペックを持っているとは限らない。
ここで書類を確認するよりも、動いて確認した方が余程早い。
・・・代り映えの無い書類を読むのが面倒になった、というのもある。
「さて、出口はどこだ」
書類を投げ捨てて周囲を見回す。
『よいせ』
俺が投げ捨てた書類を精霊が机に乗せる。
「・・・もう良い。知りたい事は解った。助かった」
『もう良いのー?』『まだ出来るよ?』『兄は元気ー!』『探すの楽しい!』『よいせ』
一応探してくれたのだと思い、感謝を述べた。
だが精霊達は不思議そうに首を傾げ、まだ運ぶ奴もいる。
・・・まあ、良いか。楽しいなら好きにさせておこう。俺には関係ない。
精霊の事は放置して歩き出し、それらしい場所に手を伸ばす。
引き戸になっていたらしいそこは、軽く力を入れると簡単に開いた。
「通路、か」
この先に出口があるのかどうかは解らないが、とりあえず行ってみるしかないか。
壁に明かりがついているので、暗くて見えないという事も無い。
若干警戒をしつつ歩いていると、わーきゃーと楽しげな声が後ろから付いて来る。
『通路ー!』『明かりが有るけどうすぐらーい!』『あははは!』『ねー妹どこ行くのー?』
「・・・はぁ」
うっとおしい。うっとおしいが、邪気を感じないせいか嫌いになれない。
そんな感覚を覚えながら、無視して通路を突き進む。
すると途中で牢が見つかり、うつろな目をした女達が入れられていた。
・・・俺を作る為に攫われた女だ。おそらく全員手遅れだろう。
「ちっ」
苛立たしく感じて舌打ちをしてしまった。
こんな光景を作り出した連中にではなく、これを見て不愉快に感じる自分にだ。
悪党になると決めておきながら、悪党のやった事を不愉快に感じている。
「いや、違う、それで良い」
悪党はこうでなければいけない、等という指標はどこにもない。
俺は俺の気分の良い生き方の為に悪党として生きるだけだ。
そう決めたら軽く腕を振るい、牢を破砕して中に入る。
「・・・ゆっくり眠れ」
感じるかどうか怪しい状態だったが、痛みの無い様に頭を粉砕した。
ずきりと胸が痛む。狂った連中を殺した時は何とも思わなかったのに。
『妹、大丈夫?』『どこか痛い?』『泣かないで』『よしよし』
俺はどんな顔をしているのか、牢の中では確認する事が出来ない。
「・・・煩い」
重苦しい気分を払う様に、撫でる為に頭に乗った精霊を投げ捨てる。
そして今度こそ外に出ようとして、居住として使っていたらしき所を見つけた。
「・・・金が有るな。服は流石に合わないが・・・布と紐があれば何とかなるか」
使えそうなものを漁り、ベッドシーツなのだろう布を破り、体に巻き付け紐を結ぶ。
服とは言い難い感じになってしまったが、とりあえず裸よりは良いだろう。
後は使えそうな物を適当に漁ったら、袋を腰に巻いた紐に括って服の中へ。
「こっちが出口か」
そして今度こそ出口らしき風の流れを感じ、感じるままに足を動かし進んでいく。
すると暗い通路の先に階段があり、天井から少し光が漏れている。
階段を上って天井に手をかけると、どうやら上に開く作りの様だ。
「よっと」
軽く押し上げると天井が吹き飛んだ。
蝶番がねじ曲がり、ネジも飛んでしまった。
「加減したつもりだったんだが・・・」
思っているよりも、この体の力が強すぎる。
もう少し加減しないと、何でもかんでも壊してしまいそうだ。
『外だー!』『お日様ー!』『うおーまぶしー!』『ここどこー!?』
外に出ると、俺よりも精霊達がはしゃいで跳ねまわり始める。
地下に閉じ込められていた事を考えれば当然かもしれないが。
周囲を見回した感じ、山の中だろうか。自然に溢れている。
というか、溢れすぎて先が見えない。
高い木が行く手を阻む様に生えている。
「まあ、街中にあんな怪しげな施設は作らないか」
当然と言えば当然の事を呟きつつ、とりあえず歩を進める事にした。
別に目的地など無いが、ここにとどまる理由だってない。
『きのこー!』
なら人の居る場所に出て、文化的な生活をしたいと思うのが普通だろう。
とはいえ、この世界の文化がどの程度かは解らないが。
『山菜ー!』
ただあの実験施設を見る限り、そこまで低い文明とは思えない。
化学的な物ではなく、魔法的な文明という辺りで、少し不安はあるけれど。
「魔法がある世界は、何故か文明が停滞しやすいんだよな・・・」
過去の経験からそんな呟きが漏れ、自分の発言で少々不安になる。
勿論高度な技術のある世界もあったが、どうにも文明が進み辛い。
『綺麗な石ー!』
それは特権階級の意識の問題もあるのだろう。
あとは、魔法がある世界は、人間が生きて行くには厳しい事が多いのも理由か。
『芋虫ー!』
所で、こいつらは何時まで俺について来るつもりだろうか。
後凄く煩い。歩く度に何か見つけて報告して来る。
置いて行っても追いつかれるのは何故だ。途中全力で走っても追いつかれた。
「何なんだお前らは! 何で俺について来る!」
『えー、だって妹心配ー』
「俺はお前達の妹じゃない!」
『妹だよ? 僕兄だもん!』
「ああもう話が通じないどころか、何を言ってるのか解らない!」
『あははっ、妹はお馬鹿だなぁ』
よし、こいつら吹き飛ばそう。流石にむかついて来た。
魔力を練って力を籠め、周囲の精霊達を全て暴風で吹き飛ばす。
『あーれー!』『たーすけてー!』『おめめぐるぐるー!』『僕飛んでる!』
・・・楽しげなのが納得いかないが、これでもう追いかけて来れないだろう。
遥か彼方まで飛んで行った精霊を見届けてから、俺自身もこの場から逃げる。
出来る限りの全力。景色が後ろに流れていく程の速さで。
「っ、これだけ逃げれば、もう大丈夫か?」
『もう追ってこないかな? 見つかっても兄に任せて!』
「・・・」
木の陰に隠れて後方を見ると、同じ様に木の陰に隠れて後方を見る小人が居た。
思わずその場に崩れ落ちても仕方ないと思う。本当に何なんだこいつ。
「はぁ~~~~~。解った。もう良い。付いて来ても構わない。けどもう増えるな」
『え~~~~~~? わかったぁ~~~~』
「本当だろうな・・・」
物凄く嫌そうに唇を突き出しながら、納得したという精霊。
そもそもあれは増えたのか。それとも別れただけなのか。
いや、難しく考えるだけ負けな気がする。
『じゃあ行こう!』
『妹よ、兄が付いてるからね!』
「早速増えるな!!」
0
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
生贄公爵と蛇の王
荒瀬ヤヒロ
ファンタジー
妹に婚約者を奪われ、歳の離れた女好きに嫁がされそうになったことに反発し家を捨てたレイチェル。彼女が向かったのは「蛇に呪われた公爵」が住む離宮だった。
「お願いします、私と結婚してください!」
「はあ?」
幼い頃に蛇に呪われたと言われ「生贄公爵」と呼ばれて人目に触れないように離宮で暮らしていた青年ヴェンディグ。
そこへ飛び込んできた侯爵令嬢にいきなり求婚され、成り行きで婚約することに。
しかし、「蛇に呪われた生贄公爵」には、誰も知らない秘密があった。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる