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第4話、自信
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「さて・・・」
この後の行動が思いつかない。
とりあえず好きな様にしたが、この猪の死体はどうしたら良いのか。
売れるのだろうか。そもそも売るとしても何処に。
しまったな。この世界の基本文化が解らないから、次の行動も解らない。
・・・何だかもう面倒くさいし、このまま放置してしまえば良いか。
「よし、そうしよう」
精霊は・・・おいて行けば良いか。ん、アイツどこ行った。
猪の腹から消えた精霊を探すと、唐突にモゾモゾと胸元が揺れた。
『じゃーん!』
「・・・」
近づかれた気配も無く、突然服の中から現れたな。
魔力の流れなども無かったし、転移の類ではなさそうだ。
一体どうなっている。幾ら精霊でも非常識が過ぎるだろう。
まさか逃げても容易く追いついたのは、この力が原因か。
『ねーねー妹ー! 魔核食べないのー!?』
「魔核? 食べる?」
『妹の体は魔獣が混ざってるから、食べたらもっと強くなるよー』
「へえ」
良い話を聞いた。偶にはちゃんと役に立つじゃないか。
少し気分を良くしながら、猪から魔核を・・・魔核ってどこだ。
「どこにあるんだ?」
『どっか!』
「・・・」
素直に解らないと言われた方が、不快感が無い事が良く解った。
一回役に立ったら、次は不愉快にさせなければ気が済まないのか。
いや、こいつがそんな事を考えているとは到底思えないが。
「困ったな」
『困ったねー?』
適当に相槌を打つな。
「いや、よく考えたら困る事なんて無いか。適当に切り刻めば良いだけだな」
『刻むのー?』
「何か問題があるのか」
『兄にまかせろー!』
「・・・不安しかない」
何故か突然やる気を見せた精霊に、言葉の通り任せるべきか迷う。
何せこいつはここまでがここまでだ。信用出来る要素が無い。
ただ自分でやりたいかと言われれば、やらなくて良いなら面倒という自分も居る。
そもそも何が魔核なのか解らない。なら任せても良いんじゃないか?
「解った。任せ――――――――」
言い切るより前に精霊が動き出し、そして周囲に力が満ちていく。
ああ、もう解った。だって力の流れ方が地下の時と同じだから。
『『『『『『『『『『やーるぞー!』』』』』』』』』』
大量に増えた精霊達が猪に群がり、無造作に肉をちぎっていく。
それは解体と言えるものではなく、子供が虫の足をちぎる様子に似ていた。
増えないという約束は完全に頭から吹き飛んでいるらしい。
『あははっ! 見てみて牙帽子ー!』
『あ、狡い! 僕も僕も!』
『ふふーん。僕なんか毛いっぱいでフサフサ髪の毛だもんねー』
『甘い! ぼくなんか全身フサフサだもん!』
『そ、そんな・・・僕が、負けた・・・!』
『悔しいから肉玉を食らえー!』
『あべっ!? やったなー! 仕返しだー!』
・・・こいつらもう目的忘れてるな。やっぱり任せる意味無かった。
千切った肉を投げつけ合って遊ぶ事に熱中してやがる。
結局自分でやるしか無いのか。本当にこいつは何の為について来たんだ。
「はぁ・・・ん? ああ、今頃お出ましか」
門の方が騒がしく、蹄の音が響いて来る事に気が付き、視線を街へと向ける。
兵士よりも少し上等な装備の騎兵達が、こちらに走って来ているのが見えた。
恐らく魔獣相手の制圧部隊か何かだろう。
そいつらは街の門の前で一旦止まり、周囲を確認する様に見回していた。
ただ少しすると門を出て、こちらに向かって走って来る。
指揮官らしき奴が指示を出しつつ、俺を見ている様な気がした。
ただ近くまで来ると、猪の方を見て怪訝な顔を見せる。
・・・それはそうか。精霊共が肉玉投げつけ合ってるからな。
「そこの少女。これは・・・一体何をやっているんだ?」
困惑顔でそんな事言われても困る。俺だって何なのか解らない。
魔核の取り出しを任せたはずなのに、気が付けば肉玉合戦が始まったんだから。
「おい、貴様! 若様に答えろ!」
「・・・は?」
最初の男は別に構わない。ただ気になって聞いて来ただけだろう。
だがそんな風に言われる謂れはない。あったとしても俺には知った事か。
悪党として生きると決めた俺に、地位や身分の力は不愉快でしかない。
しかも、振るうつもりの気配が無いとは言え、槍を突きつけながらだぞ。
恐らく脅しだろうが、だからと言って黙っている気などない。
「な、なんだ、小娘が! 若様に対して頭を下げず、跪きもしないとは!」
「止めろ、相手は子ど―――――」
若様と呼ばれた男が止めようとしたが、少し遅かった。
俺は既に叫んだ男の前に飛び、頭を掴んでそのまま地面に降りる。
当然男は馬上に留まれずに落ち、俺は掴んだ顔を地面に向けて叩きつけた。
「んぶがぁ!?」
「殺さなかっただけ優しいと思え」
殺すか殺さないか、正直少し悩んでしまった。
だが殺す程の不愉快では無いなと、心のどこかで感じてしまった。
だから死なない様に手加減はしたが、恐らく鼻は砕けているだろう。
「貴様!」
「なんという事を!」
「我らに逆らうつもりか!」
「若様おさがり下さい!」
けど、今度は他の兵士が槍を構えて来た。どうやら殺し合いがしたいらしい。
成程殺し合いか。うん、悪党らしい行動と思考だ。実に良い。
悪党らしくなれるか不安が少しあったが、俺にも素質はあったのかも知れないな。
「やめろ! 貴様ら誰の指示で武器を向けている!!」
けれど今度は、俺が動く前に若様とやらが止めに入った。
槍を構える連中と、俺の間に割って入る様にして。
「で、ですが若様、この小娘は・・・!」
「二度は言わんぞ」
「も、申し訳ありません・・・」
男共は若様に睨まれると槍を降ろし、悔しそうな、恨めしそうな眼を俺に向けた。
おかしいだろ。お前らが向かって来たから、俺が反撃するだけだろうに。
それで止められて睨むのは逆恨みだ。俺は何も悪くない。
ああ、やっぱり世界は悪党の生き方が正しいんだな。
もし規則や権力に従っていれば、この不愉快な連中に何をされていたか。
俺の決断は間違っていなかったと、少しだけ自信が付いた。
それと同時に、実験体として生まれたこの身にも感謝したい。
女の体という事で媚を売る事も考えたが、面倒でやる気が起きなかったしな。
まあ、都合が良い時があれば、その時は上手くやるつもりだが。
「すまない、部下が暴走した事を謝罪しよう」
若様とやらはそう言うと、馬から降りてこちらに近づいて来る。
後ろの連中は、何時でも飛び出す準備は出来ているぞ、って態度だ。
ただ一人は馬を降りて、俺が地面に叩きつけた奴を助けに行った。
「別に必要ない。向かってこないならそれで良い。邪魔なら次は殺す」
「・・・物騒だね、君みたいな少女が口にする言葉では無いな」
「知った事か。俺はもう誰にも邪魔されないで生きると決めた。俺の邪魔をするなら一切の容赦はしないし、邪魔するつもりが無いならどうでも良い。それだけだ」
「・・・人は一人では生きて行けない」
「そうか。なら大丈夫だ。俺は化け物だからな」
実験体39号。それが俺だ。人工的に作られた化け物だ。
人と生きてはいけない? 良い事じゃないか。
俺は俺のやりたいように生きる。生きられる。化け物だからな。
「そうか・・・これはどうするつもりなんだ?」
男は俺に諭す言葉は無意味と判断したのか、話を魔獣の死体に切り替えた。
「魔核が欲しい。それ以外はどうでも良い」
「その為に、その、こうやって、肉を飛ばしてるのか?」
「・・・これは俺のせいじゃない」
やめろ。その困惑顔を俺に向けるな。何故か悲しくなるから。
いや、待て、今コイツ何かおかしな事を言わなかったか?
「肉を飛ばしている?」
「え、違うのか? じゃあこれは何を?」
そこで気が付いた。こいつら、精霊が見えていない。
視線が飛び交う肉だけに向かっていて、一度も精霊に向いていない。
・・・じゃあ何で俺には見えるんだ。
ああ、精霊の力を持っているからか。それ以外に理由が思いつかない。
出来るなら見えない方が良かった。こんな疲れる存在知らない方が気楽だった。
そんな風に思っていると、唐突に肉が全部地面に投げ捨てられた。
『飽きた』
精霊はそう言うと、一つに戻ってトテトテと俺の元へ戻って来る。
そして俺の胸元に潜り込むと、すやすやと寝始めた。
「ふっ!」
思わず掴んで全力で投げ捨てた俺は悪くない。
この後の行動が思いつかない。
とりあえず好きな様にしたが、この猪の死体はどうしたら良いのか。
売れるのだろうか。そもそも売るとしても何処に。
しまったな。この世界の基本文化が解らないから、次の行動も解らない。
・・・何だかもう面倒くさいし、このまま放置してしまえば良いか。
「よし、そうしよう」
精霊は・・・おいて行けば良いか。ん、アイツどこ行った。
猪の腹から消えた精霊を探すと、唐突にモゾモゾと胸元が揺れた。
『じゃーん!』
「・・・」
近づかれた気配も無く、突然服の中から現れたな。
魔力の流れなども無かったし、転移の類ではなさそうだ。
一体どうなっている。幾ら精霊でも非常識が過ぎるだろう。
まさか逃げても容易く追いついたのは、この力が原因か。
『ねーねー妹ー! 魔核食べないのー!?』
「魔核? 食べる?」
『妹の体は魔獣が混ざってるから、食べたらもっと強くなるよー』
「へえ」
良い話を聞いた。偶にはちゃんと役に立つじゃないか。
少し気分を良くしながら、猪から魔核を・・・魔核ってどこだ。
「どこにあるんだ?」
『どっか!』
「・・・」
素直に解らないと言われた方が、不快感が無い事が良く解った。
一回役に立ったら、次は不愉快にさせなければ気が済まないのか。
いや、こいつがそんな事を考えているとは到底思えないが。
「困ったな」
『困ったねー?』
適当に相槌を打つな。
「いや、よく考えたら困る事なんて無いか。適当に切り刻めば良いだけだな」
『刻むのー?』
「何か問題があるのか」
『兄にまかせろー!』
「・・・不安しかない」
何故か突然やる気を見せた精霊に、言葉の通り任せるべきか迷う。
何せこいつはここまでがここまでだ。信用出来る要素が無い。
ただ自分でやりたいかと言われれば、やらなくて良いなら面倒という自分も居る。
そもそも何が魔核なのか解らない。なら任せても良いんじゃないか?
「解った。任せ――――――――」
言い切るより前に精霊が動き出し、そして周囲に力が満ちていく。
ああ、もう解った。だって力の流れ方が地下の時と同じだから。
『『『『『『『『『『やーるぞー!』』』』』』』』』』
大量に増えた精霊達が猪に群がり、無造作に肉をちぎっていく。
それは解体と言えるものではなく、子供が虫の足をちぎる様子に似ていた。
増えないという約束は完全に頭から吹き飛んでいるらしい。
『あははっ! 見てみて牙帽子ー!』
『あ、狡い! 僕も僕も!』
『ふふーん。僕なんか毛いっぱいでフサフサ髪の毛だもんねー』
『甘い! ぼくなんか全身フサフサだもん!』
『そ、そんな・・・僕が、負けた・・・!』
『悔しいから肉玉を食らえー!』
『あべっ!? やったなー! 仕返しだー!』
・・・こいつらもう目的忘れてるな。やっぱり任せる意味無かった。
千切った肉を投げつけ合って遊ぶ事に熱中してやがる。
結局自分でやるしか無いのか。本当にこいつは何の為について来たんだ。
「はぁ・・・ん? ああ、今頃お出ましか」
門の方が騒がしく、蹄の音が響いて来る事に気が付き、視線を街へと向ける。
兵士よりも少し上等な装備の騎兵達が、こちらに走って来ているのが見えた。
恐らく魔獣相手の制圧部隊か何かだろう。
そいつらは街の門の前で一旦止まり、周囲を確認する様に見回していた。
ただ少しすると門を出て、こちらに向かって走って来る。
指揮官らしき奴が指示を出しつつ、俺を見ている様な気がした。
ただ近くまで来ると、猪の方を見て怪訝な顔を見せる。
・・・それはそうか。精霊共が肉玉投げつけ合ってるからな。
「そこの少女。これは・・・一体何をやっているんだ?」
困惑顔でそんな事言われても困る。俺だって何なのか解らない。
魔核の取り出しを任せたはずなのに、気が付けば肉玉合戦が始まったんだから。
「おい、貴様! 若様に答えろ!」
「・・・は?」
最初の男は別に構わない。ただ気になって聞いて来ただけだろう。
だがそんな風に言われる謂れはない。あったとしても俺には知った事か。
悪党として生きると決めた俺に、地位や身分の力は不愉快でしかない。
しかも、振るうつもりの気配が無いとは言え、槍を突きつけながらだぞ。
恐らく脅しだろうが、だからと言って黙っている気などない。
「な、なんだ、小娘が! 若様に対して頭を下げず、跪きもしないとは!」
「止めろ、相手は子ど―――――」
若様と呼ばれた男が止めようとしたが、少し遅かった。
俺は既に叫んだ男の前に飛び、頭を掴んでそのまま地面に降りる。
当然男は馬上に留まれずに落ち、俺は掴んだ顔を地面に向けて叩きつけた。
「んぶがぁ!?」
「殺さなかっただけ優しいと思え」
殺すか殺さないか、正直少し悩んでしまった。
だが殺す程の不愉快では無いなと、心のどこかで感じてしまった。
だから死なない様に手加減はしたが、恐らく鼻は砕けているだろう。
「貴様!」
「なんという事を!」
「我らに逆らうつもりか!」
「若様おさがり下さい!」
けど、今度は他の兵士が槍を構えて来た。どうやら殺し合いがしたいらしい。
成程殺し合いか。うん、悪党らしい行動と思考だ。実に良い。
悪党らしくなれるか不安が少しあったが、俺にも素質はあったのかも知れないな。
「やめろ! 貴様ら誰の指示で武器を向けている!!」
けれど今度は、俺が動く前に若様とやらが止めに入った。
槍を構える連中と、俺の間に割って入る様にして。
「で、ですが若様、この小娘は・・・!」
「二度は言わんぞ」
「も、申し訳ありません・・・」
男共は若様に睨まれると槍を降ろし、悔しそうな、恨めしそうな眼を俺に向けた。
おかしいだろ。お前らが向かって来たから、俺が反撃するだけだろうに。
それで止められて睨むのは逆恨みだ。俺は何も悪くない。
ああ、やっぱり世界は悪党の生き方が正しいんだな。
もし規則や権力に従っていれば、この不愉快な連中に何をされていたか。
俺の決断は間違っていなかったと、少しだけ自信が付いた。
それと同時に、実験体として生まれたこの身にも感謝したい。
女の体という事で媚を売る事も考えたが、面倒でやる気が起きなかったしな。
まあ、都合が良い時があれば、その時は上手くやるつもりだが。
「すまない、部下が暴走した事を謝罪しよう」
若様とやらはそう言うと、馬から降りてこちらに近づいて来る。
後ろの連中は、何時でも飛び出す準備は出来ているぞ、って態度だ。
ただ一人は馬を降りて、俺が地面に叩きつけた奴を助けに行った。
「別に必要ない。向かってこないならそれで良い。邪魔なら次は殺す」
「・・・物騒だね、君みたいな少女が口にする言葉では無いな」
「知った事か。俺はもう誰にも邪魔されないで生きると決めた。俺の邪魔をするなら一切の容赦はしないし、邪魔するつもりが無いならどうでも良い。それだけだ」
「・・・人は一人では生きて行けない」
「そうか。なら大丈夫だ。俺は化け物だからな」
実験体39号。それが俺だ。人工的に作られた化け物だ。
人と生きてはいけない? 良い事じゃないか。
俺は俺のやりたいように生きる。生きられる。化け物だからな。
「そうか・・・これはどうするつもりなんだ?」
男は俺に諭す言葉は無意味と判断したのか、話を魔獣の死体に切り替えた。
「魔核が欲しい。それ以外はどうでも良い」
「その為に、その、こうやって、肉を飛ばしてるのか?」
「・・・これは俺のせいじゃない」
やめろ。その困惑顔を俺に向けるな。何故か悲しくなるから。
いや、待て、今コイツ何かおかしな事を言わなかったか?
「肉を飛ばしている?」
「え、違うのか? じゃあこれは何を?」
そこで気が付いた。こいつら、精霊が見えていない。
視線が飛び交う肉だけに向かっていて、一度も精霊に向いていない。
・・・じゃあ何で俺には見えるんだ。
ああ、精霊の力を持っているからか。それ以外に理由が思いつかない。
出来るなら見えない方が良かった。こんな疲れる存在知らない方が気楽だった。
そんな風に思っていると、唐突に肉が全部地面に投げ捨てられた。
『飽きた』
精霊はそう言うと、一つに戻ってトテトテと俺の元へ戻って来る。
そして俺の胸元に潜り込むと、すやすやと寝始めた。
「ふっ!」
思わず掴んで全力で投げ捨てた俺は悪くない。
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