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運命の軌条
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とある人は言いました。
『運命なんてないよ、ただそこにあるものは。』
『運命を共にするか、共にしないかの列車。』
『途中で降りるのもそのまま乗車していてもいい。
『ただ、その人間が望むままに、流されるのか。自分から立ち向かっていくのか。』
それが楽しみ。このお話に出てくる人間たちが、どんな答えをだしていくのか、誰と運命を共にして、
誰を運命から突き放すのか。』
さぁ、一人の人生の幕開けだ。
・・・
私はうまれつき、体が弱かった。
そして毎晩見る夢は、誰もいない列車に乗る夢。
まるでいつも、一人みたい。
でも、今日は違った。
昨日の晩、私は・・・この子と出会ったの!
彼女の手には小さなてのひらサイズのふわふわして、雪のように真っ白な小鳥。
彼女は、真っ白な小鳥を【しらたま】と名付けた。
『しらたま!今日は何をして遊ぼうか!少しなら、歩けるからお散歩する?』
そういうと彼女の言葉に頷くように、小鳥は小さくチュンと鳴いた。
・・・
『あれぇ?一人じゃなくなったね・・今回の人間は、動物と仲良くしているよ。』
『あの動物?がなんなのか知らない?それはまずいねえ・・』
車掌の格好をした、見るからに怪しい人物が彼女の列車(運命)を覗き見る。
・・・
『私、友達が一人もできないの。だから、あなたがいてくれて嬉しい!しらたま!』
・・・?しらたま?どうしたの・・しらたま?
反応がない。怖い。死んじゃったのかな?――――
そう思った瞬間、大人よりも、大きなくちばしで私を食べる自分の影をみた。
・・・
『しらたま!!!!』
そう、叫んだ瞬間。
彼女は部屋から起き上がった。
『あれ?もしかして私・・生きてる。夢だったのかなあ?』
『ふらふらしないで歩けてる・・?ご飯もいつもより食べれる・・。外にもずっと出られてる?』
『しらたま!ありがとう!しらたまが私の悪いものを食べてくれたのね!ありがとう!』
そうやってふと窓をみると、しらたまは固まって動かなくなっていた。
ごめんなさい。ごめんなさい。
私が・・私がずっとみんなと同じ。普通だったらよかったのにって思っていたから・・。
『どうしたの?ヒカリ。え!?歩けるようになったって?本当に!』
ヒカリの母親は、吃驚してしばらく腰を抜かして、泣き出しました。
『ああ。よかった。あなたが、ずっとこのままでもいいと思っていたけど。
あなたが喜んでいるならよかったわ。きっとお父さんも喜ぶわ!』
『うん!ありがとう!普通になれたかな?お母さん!』
『今まで言えなかったけれど、普通っていうのはね・・誰かと比べて言うものよ。
比べなくていいの。あなたはあなたのままでいいの。』
そう微笑んだ母の顔は、今までの笑顔より、とても素敵な笑顔に見えた。
窓をもう一度確認してみると、しらたまは、いつの間にか消えていた。もしかしたら、
私にとって悪い考えも一緒に食べてくれたのではないかと。
私は感謝した。しらたまはきっと天国に行ったに違いないと。そう、ずっと思っている。
・・・
『タダイマー』
『おかえりなさい。あなたが今回は直接行ったのですね。』
『ズット、ミテイタカラネ。キニナッテネ。』
『お味はどうでしたか?』
『ソレハ、ヒミツダヨォ。キギョウヒミツダヨ。』
『はいはい。では今回の彼女の運命を変えたのは・・好意があったからなのですか?』
『ソ、ソレモキギョウヒミツー!!』
そして、車掌は不気味に笑いながら白い大きな鳥と一緒に彼女の列車(運命)を見守っていました。
end
『運命なんてないよ、ただそこにあるものは。』
『運命を共にするか、共にしないかの列車。』
『途中で降りるのもそのまま乗車していてもいい。
『ただ、その人間が望むままに、流されるのか。自分から立ち向かっていくのか。』
それが楽しみ。このお話に出てくる人間たちが、どんな答えをだしていくのか、誰と運命を共にして、
誰を運命から突き放すのか。』
さぁ、一人の人生の幕開けだ。
・・・
私はうまれつき、体が弱かった。
そして毎晩見る夢は、誰もいない列車に乗る夢。
まるでいつも、一人みたい。
でも、今日は違った。
昨日の晩、私は・・・この子と出会ったの!
彼女の手には小さなてのひらサイズのふわふわして、雪のように真っ白な小鳥。
彼女は、真っ白な小鳥を【しらたま】と名付けた。
『しらたま!今日は何をして遊ぼうか!少しなら、歩けるからお散歩する?』
そういうと彼女の言葉に頷くように、小鳥は小さくチュンと鳴いた。
・・・
『あれぇ?一人じゃなくなったね・・今回の人間は、動物と仲良くしているよ。』
『あの動物?がなんなのか知らない?それはまずいねえ・・』
車掌の格好をした、見るからに怪しい人物が彼女の列車(運命)を覗き見る。
・・・
『私、友達が一人もできないの。だから、あなたがいてくれて嬉しい!しらたま!』
・・・?しらたま?どうしたの・・しらたま?
反応がない。怖い。死んじゃったのかな?――――
そう思った瞬間、大人よりも、大きなくちばしで私を食べる自分の影をみた。
・・・
『しらたま!!!!』
そう、叫んだ瞬間。
彼女は部屋から起き上がった。
『あれ?もしかして私・・生きてる。夢だったのかなあ?』
『ふらふらしないで歩けてる・・?ご飯もいつもより食べれる・・。外にもずっと出られてる?』
『しらたま!ありがとう!しらたまが私の悪いものを食べてくれたのね!ありがとう!』
そうやってふと窓をみると、しらたまは固まって動かなくなっていた。
ごめんなさい。ごめんなさい。
私が・・私がずっとみんなと同じ。普通だったらよかったのにって思っていたから・・。
『どうしたの?ヒカリ。え!?歩けるようになったって?本当に!』
ヒカリの母親は、吃驚してしばらく腰を抜かして、泣き出しました。
『ああ。よかった。あなたが、ずっとこのままでもいいと思っていたけど。
あなたが喜んでいるならよかったわ。きっとお父さんも喜ぶわ!』
『うん!ありがとう!普通になれたかな?お母さん!』
『今まで言えなかったけれど、普通っていうのはね・・誰かと比べて言うものよ。
比べなくていいの。あなたはあなたのままでいいの。』
そう微笑んだ母の顔は、今までの笑顔より、とても素敵な笑顔に見えた。
窓をもう一度確認してみると、しらたまは、いつの間にか消えていた。もしかしたら、
私にとって悪い考えも一緒に食べてくれたのではないかと。
私は感謝した。しらたまはきっと天国に行ったに違いないと。そう、ずっと思っている。
・・・
『タダイマー』
『おかえりなさい。あなたが今回は直接行ったのですね。』
『ズット、ミテイタカラネ。キニナッテネ。』
『お味はどうでしたか?』
『ソレハ、ヒミツダヨォ。キギョウヒミツダヨ。』
『はいはい。では今回の彼女の運命を変えたのは・・好意があったからなのですか?』
『ソ、ソレモキギョウヒミツー!!』
そして、車掌は不気味に笑いながら白い大きな鳥と一緒に彼女の列車(運命)を見守っていました。
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