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第五話 レムヴン王国万歳

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「ーーレムヴン王国に栄光あれ!! レムヴンは神の国だ‼︎」

「「「レムヴン、万歳‼︎ レムヴン万歳‼︎」」」

 王城前の広間にて、ナキアの声に続いて民衆の歓声が響き渡る。

 純粋に、独裁の王とその使者である悪魔ナキアを崇拝する者。

 逆らえば無事では済まないからと、必死に取り繕うもの。

 様々な思惑が飛び交う中で、ナキアは一人悪徳な笑顔を見せながら、内心焦っていた。

 ーーもうすぐ、昨日幼児に変えられた時間が来る。

(1日だけ元の体に戻れると言っていたよな・・・・・・こんな大勢いる前で、また子供姿にされたら溜まったものじゃない)

 杖を握る手に汗がにじむ。

 心なしか、全身の関節が熱くなり、痛み出しているような気がする。

 王の演説が終わり、人目のつかない物陰に入ることができた途端、ナキアはふらふらと地べたに崩れ込んだ。

「ーーナキア様‼︎」

 急いで駆け寄るサイラス。

「どうかしたのか、ナキア」

 王も、国家の要となる魔法戦力ナキアの不調が気になったのか、尋ねてくる。

「も、申し訳ありません、陛下・・・・・・私を恨む者から、呪詛をかけられていて」

 うずくまり、苦しげに呻きながら言うナキアを、サイラスは横抱きに抱き上げた。

「ーーナキア様、私の部屋にお運びいたしますのでお休みになって下さい」

 サイラスが言うのに、王はすっと目を細めた。

「・・・・・・しっかりしろ、ナキア。さっさと解呪してこい。お前の魔術は、この国の統治に不可欠なものだ。早死にしてくれるなよ」

 ーー厳しい言葉のように聞こえるが、その台詞はナキアの心に強く響いた。

 幼い頃から、“悪魔”“呪いの子”と呼ばれ、家族から疎まれていたナキアにとって、誰かに必要とされることほど“生”を感じることはないのだ・・・・・・。



ーーーーー



 サイラスの部屋に着くと同時に、ナキアの身体が縮んだ。

 可愛らしい少年姿だが、その顔は不機嫌極まりない仏頂面である。

『ふふっ・・・・・・情けない姿だな、悪魔ナキア』

 亡霊の声が聞こえてくる。身構えるサイラスとナキアに、新たな恐ろしい条件が与えられた。

『今日はーーそうだな、小便を漏らしてみろ、ナキア。そう、そこの金髪の男の目の前でな』
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