5 / 14
第五話 レムヴン王国万歳
しおりを挟む
「ーーレムヴン王国に栄光あれ!! レムヴンは神の国だ‼︎」
「「「レムヴン、万歳‼︎ レムヴン万歳‼︎」」」
王城前の広間にて、ナキアの声に続いて民衆の歓声が響き渡る。
純粋に、独裁の王とその使者である悪魔ナキアを崇拝する者。
逆らえば無事では済まないからと、必死に取り繕うもの。
様々な思惑が飛び交う中で、ナキアは一人悪徳な笑顔を見せながら、内心焦っていた。
ーーもうすぐ、昨日幼児に変えられた時間が来る。
(1日だけ元の体に戻れると言っていたよな・・・・・・こんな大勢いる前で、また子供姿にされたら溜まったものじゃない)
杖を握る手に汗がにじむ。
心なしか、全身の関節が熱くなり、痛み出しているような気がする。
王の演説が終わり、人目のつかない物陰に入ることができた途端、ナキアはふらふらと地べたに崩れ込んだ。
「ーーナキア様‼︎」
急いで駆け寄るサイラス。
「どうかしたのか、ナキア」
王も、国家の要となる魔法戦力ナキアの不調が気になったのか、尋ねてくる。
「も、申し訳ありません、陛下・・・・・・私を恨む者から、呪詛をかけられていて」
うずくまり、苦しげに呻きながら言うナキアを、サイラスは横抱きに抱き上げた。
「ーーナキア様、私の部屋にお運びいたしますのでお休みになって下さい」
サイラスが言うのに、王はすっと目を細めた。
「・・・・・・しっかりしろ、ナキア。さっさと解呪してこい。お前の魔術は、この国の統治に不可欠なものだ。早死にしてくれるなよ」
ーー厳しい言葉のように聞こえるが、その台詞はナキアの心に強く響いた。
幼い頃から、“悪魔”“呪いの子”と呼ばれ、家族から疎まれていたナキアにとって、誰かに必要とされることほど“生”を感じることはないのだ・・・・・・。
ーーーーー
サイラスの部屋に着くと同時に、ナキアの身体が縮んだ。
可愛らしい少年姿だが、その顔は不機嫌極まりない仏頂面である。
『ふふっ・・・・・・情けない姿だな、悪魔ナキア』
亡霊の声が聞こえてくる。身構えるサイラスとナキアに、新たな恐ろしい条件が与えられた。
『今日はーーそうだな、小便を漏らしてみろ、ナキア。そう、そこの金髪の男の目の前でな』
「「「レムヴン、万歳‼︎ レムヴン万歳‼︎」」」
王城前の広間にて、ナキアの声に続いて民衆の歓声が響き渡る。
純粋に、独裁の王とその使者である悪魔ナキアを崇拝する者。
逆らえば無事では済まないからと、必死に取り繕うもの。
様々な思惑が飛び交う中で、ナキアは一人悪徳な笑顔を見せながら、内心焦っていた。
ーーもうすぐ、昨日幼児に変えられた時間が来る。
(1日だけ元の体に戻れると言っていたよな・・・・・・こんな大勢いる前で、また子供姿にされたら溜まったものじゃない)
杖を握る手に汗がにじむ。
心なしか、全身の関節が熱くなり、痛み出しているような気がする。
王の演説が終わり、人目のつかない物陰に入ることができた途端、ナキアはふらふらと地べたに崩れ込んだ。
「ーーナキア様‼︎」
急いで駆け寄るサイラス。
「どうかしたのか、ナキア」
王も、国家の要となる魔法戦力ナキアの不調が気になったのか、尋ねてくる。
「も、申し訳ありません、陛下・・・・・・私を恨む者から、呪詛をかけられていて」
うずくまり、苦しげに呻きながら言うナキアを、サイラスは横抱きに抱き上げた。
「ーーナキア様、私の部屋にお運びいたしますのでお休みになって下さい」
サイラスが言うのに、王はすっと目を細めた。
「・・・・・・しっかりしろ、ナキア。さっさと解呪してこい。お前の魔術は、この国の統治に不可欠なものだ。早死にしてくれるなよ」
ーー厳しい言葉のように聞こえるが、その台詞はナキアの心に強く響いた。
幼い頃から、“悪魔”“呪いの子”と呼ばれ、家族から疎まれていたナキアにとって、誰かに必要とされることほど“生”を感じることはないのだ・・・・・・。
ーーーーー
サイラスの部屋に着くと同時に、ナキアの身体が縮んだ。
可愛らしい少年姿だが、その顔は不機嫌極まりない仏頂面である。
『ふふっ・・・・・・情けない姿だな、悪魔ナキア』
亡霊の声が聞こえてくる。身構えるサイラスとナキアに、新たな恐ろしい条件が与えられた。
『今日はーーそうだな、小便を漏らしてみろ、ナキア。そう、そこの金髪の男の目の前でな』
応援ありがとうございます!
7
お気に入りに追加
180
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる