あの人と。

Haru.

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After Story

男はみんな

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 僕が惚気ては話を変えられたりしつつ和やかに女子会は進んでいって、話がひと段落ついたところで聞きたかったことを思い出した。

「ねぇみんなに聞いていい?」

「なんだ?」

「んとね、僕が思うにみんなそれぞれの相手ってなかなかに独占欲強いじゃんか。みんな独占欲出されるのってどう感じてるのかなーって」

 僕はさ、ダグが独占欲丸出しで僕に証を付けてきたりとか、周りを睨みつけるように牽制してるのってそれだけ好きでいてくれるんだなぁって嬉しくなるんだけど、兄さん達にそんなに独占欲出されて息苦しくならないのかって言われたのです。もしかして僕の感覚って普通じゃないのかなぁ?

「なかなかに濃い質問を出してきたな……あいつも年甲斐もなく独占欲バリバリだからなぁ……正直なところ別に嫌ではないんだけどさ、もう少し落ち着いて欲しい感はある」

「私も嫌ではありませんよ。周りに靡くと思われるほど私の想いは伝わっていないのか、とわざと悲しんでいるフリをしてレイナードを焦らせてますが」

 それ楽しそう。慌ててメルの機嫌を取るレイが思い浮かぶよ。やっぱそんなメルじゃないとレイの相手は難しそうだね。そして多分ロイが落ち着く日はまだまだこないんじゃないかな……あんなにアルのこと好きなオーラ出してるじゃん……

「俺も嫌じゃないかな。アレクの気持ちを実感できるし」

「私も嫌ではありませんね。大国の騎士団長ともあろう人間が私のことで必死になっているのを見ていると優越感すら覚えます」

 ラスは大体僕と同じ考えだね。あとリディアの気持ちちょっとわかる! こんなに完璧なダグが好きなのは僕なんだよってちょっとドヤ顔したくなる気持ち! 別に自慢する相手もいないんだけど、なんとなく優越感はあるよね。

「てことはみんな嫌じゃないってことだよね。よかった、僕が変なんじゃなくて。兄さんに息苦しくならないのかって言われて僕の感覚が変なのか気になっちゃったんだ」

「そりゃ好きでもなんでもない奴に独占欲出されたらなんだこいつってなるけどよ、好きな奴からだったら嫌ではないだろ」

 たしかに好きじゃない人から一方的に独占欲出されたら困惑するよね。いやいや僕たちそんな関係じゃないじゃん? みたいな。まぁそんなシチュエーションなんてそうそうないだろうけど。

「んー……でもたしかに誰かと関わるたびに嫉妬されたりしたら息苦しくなるかも?」

「ああ、それならたしかにそうなるかもしれませんね。私なら鬱陶しくなってアルバスを張り倒すでしょう」

「えっ、僕ダグが嫉妬してたら可愛いって思うんだけど……」

 ちょっと不機嫌そうに僕を抱き込んで離さないダグ、すごく可愛くない? そういう時にわしゃわしゃ撫でて僕からキスして大好きって言うとちょっと機嫌良くなって嬉しそうに微笑むんだよ。

「相変わらずだなぁ……多分ダグラスってここにいるそれぞれの相手の中でいっちばん独占欲強そうだけどそれすらユキにとってはプラスになるとかダグラスは良かったなー。ユキじゃないと受け入れられないんじゃないか?」

「僕以外がダグと引っ付くなんて想像もしたくないからそれならむしろ嬉しいかも」

 アルの言ってることってつまりつまりダグの独占欲が強すぎてその独占欲に普通の人は耐えられないってことでしょ? それならダグが他の人と、なんて可能性がガクッと減るし万々歳だよ!

「うわ……ユキもそんな可愛い顔しといてめっちゃ独占欲強いじゃん……」

「独占欲強い同士だからこそ息苦しくならないのでしょうか?」

「んー、そうなのかも? ダグも僕が独占欲見せたら嬉しそうにするし」

 やっぱお互い様だから独占欲がかなり強くても息苦しさがないのかな? お互い相手を独占したい気持ちをわかってるから、みたいな? なんにせよ息苦しくないってことは相性がいいってことだよね。僕もうそれだけで嬉しいや。

「ユキ様とダグラスって割と似た者同士なところがありますからねぇ……」

「えへへ、ありがとう」

「いやそれ褒められてないからな?」

 呆れたように言われるけど知りません。僕にとってダグと似てるって言われるのは褒め言葉です! 大好きな人に似てるって言われて嬉しくないわけがないよね。

「だってダグと似てるって嬉しいもん……あ、でもあんまり似たくないとこもある、かも……?」

「お、あのダグラスにベタ惚れなユキにも受け入れられないとこがあるのか?」

 ニヤニヤして面白そうにしてるところ悪いけど、別にダグがそうだからって嫌なわけではないんだよ。ただ僕がそうなるのは気がひけるというか何というか……

「どこに似たくないの、ユキ?」

「……ダグの変態なとこ……ダグ、多分結構むっつりなんだよぅ……」

 流石にそこに似ちゃったらあれだと思うのです……! はしたないって思われたくないしいやらしい人間にもなりたくないというか……うぅ、ダグとのえっちは嫌じゃないけど変態にはなりたくない気持ちがあるのです……!

「……面白そうだと思って損した気分だ……」

「うわー……ユキ一体ダグラスにどんなことされちゃってるのさ」

「なんだかダグラス様が変態ということにはあまり意外性はありませんね」

「たしかにダグラスって大分むっつりですよね。ユキ様に自分のシャツを着せたり騎士服や神官のローブを着せたり……たしか学園の制服もありましたか」

「ユキそんなプレイしてるの?」

「う……」

 だ、だってダグが嬉しそうにするからぁ……! 変態臭いなぁって思ったりもするけど別に嫌なわけでもないし……受け入れちゃう、よねぇ。

「なんつーか……ユキとダグラスって思ってた以上に濃いんだな……嫌なら嫌ってちゃんと言わなきゃダメだぞ?」

「嫌ではないし……」

「なんかもはや変態に片足突っ込んでる気がする」

「うえ!? 別に嬉々としてやってるわけじゃないよ!?」

 拒否しないってだけで喜んでるわけじゃないよ!? 僕まだまともだと思う……!

「全然嫌がってない時点で割と、なぁ……?」

「そうですねぇ……」

「じ、じゃみんなだったら拒否するの!?」

 それを着たら自分の好きな人が物凄く喜んでくれても? 喜んだ好きな人がいつもより甘やかしてくれても? 絶対に拒否するの? ……僕には拒否できない! ダグが喜んでくれたら嬉しいもん! あといつもより甘々になるのがすっごく幸せだし….

「俺はもう年齢的にも厳しいしなぁ……歳を考えろって拒否するな」

「私もキッパリ拒否します。そのまま馬鹿なことを言い続けるなら治癒師を呼んで頭を診て貰うかと言えば引くでしょうし」

「私も拒否しますね。調子に乗ることが目に見えてわかりますから」

「俺はそもそもアレクはそんな変態くさいこと望んでこないと思うしやんないかな」

 みんな拒否するって言ってるけど絶対シャツぐらいは着ると思う! 特にラスはアレクさんはそんなの望んでこないって思ってるみたいだけど絶対そんなことないからね!

「アレクさんだって絶対ラスがアレクさんの騎士服着たりしたら絶対ノリノリでラスのこと押し倒すって! 僕だって最初はダグがそう言うの好きって思ってなかったもん」

 兄さん達の言葉を借りるなら男はみんな狼、だよ! 

「俺もユキのその言葉には同意する。ああいう奴こそ頭の中では結構なこと考えてるもんだ。ダグラスがむっつりなのは確実だけど俺的には絶対にアレクもむっつりなはずだ」

「あ、アレクはそんなんじゃありません! アレクは変な妄想もしないし変態でもない……!」

 ワッと顔を覆ったラスには悪いけど多分そんなお綺麗な感じではないと思うんだ……まぁラスを怖がらせないようにそういうのは表に出さないようにしてるのかもだけど…。

「あんまお綺麗なものだって思ってやるな、ラス。お前の好きな恋愛小説のヒーローだって実際に存在したら脳内ではエグいこと考えてんだからな」

 ビシッとラスを指差して言ったアルに、ラスは衝撃を受けたようで膝を抱えていじいじとラグを指先で弄り始めました。

 多分薄々わかっててもあんまり夢を壊したくなかった、って感じの反応、かな……? まぁ夢を持つのは悪いことじゃないとは思うんだけど、あんまり夢を持ち続けてもそれが崩れた時に反動が大きくなっちゃうかもだしある程度はそんなものだって思っておいた方がいいと思うのは僕だけなのかなぁ?
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