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それは、彼が私を女性として見ている事に気が付いた感覚かしら?
夫に対して、いけないという罪悪感?
行きずりの男に体を預けている背徳感?
それとも、期待?
とにかく、私は彼に身を預けて軽く抱き合ったまま、
他愛の無いお話をしつつ、楽しい夜を過ごしていたの。
アヤカは私と彼のイチャついた態度に不満げだったけど、
何も文句を言わず、私の夜遊びに付き合ってくれていた。
彼は仲良くなろうと、彼女へ話題をふるけど、
アヤカはそっぽを向いて、そっけなく受け答えしている。
いつもだと、どんな時でもクールに対応して。
色々と私の世話を焼いてくれる彼女だけど。
普段は見られない、不器用なアヤカの仕草が可愛くて。
私もわざと、アヤカの目の前で彼とイチャついて見せてやったわ。
「どう…?」
「今夜、暇…?」
彼は私の耳元にキスする位に接近すると、そう囁く。
「あははっ☆くすぐっぁいっ♪」
「え~っ?なぁに…?」
私の耳に彼の息が吹きかかる。
泥の中で魚が身動きした様な、そんな感覚が私の背筋を奔っちゃう。
そんな刺激と雰囲気が私の女を目覚めさせて行く。
「お店を出てサ…」
「もう少し…ゆっくり出来るトコに行かないかぃ…?」
ゆるりっ、と私の肩へ置かれていた彼の手が、私の背中へ回ったの。
そして、巻き着く様に私の腰を抱えたわ。
彼の手は、私の腰の形を確かめる様に…。
いいえ、違うわ。
まるで舐める様に、ねっとりと彼の手が触れてきたの。
ざわざわと快感が、さざ波の様に私の肉体を駆けあがって、
女としての熱い感覚と本能が刺激されちゃう。
「ねぇ、いいだろ…?」
「あっ。駄目よ…っ」
「私ぃ…、夫も居るし…。」
私の腰に回している彼の手が、私が着ているマーメイドワンピースを手繰り始めて、
静々と裾を捲り上げようとしてきたわ。
「えーっ?」
「どうせ、旦那さん…」
「今頃、愛人とイチャついてるよぉ…。」
「あ。あぁ…。だめ、だめょぉ~…っ」
彼の手は私のワンピースを捲りながら、太ももへと這いまわる。
ぞろりっぞろりっ、とした快感が、私の肉体と精神に押し寄せてきちゃって。
抵抗しない私に、彼はより大胆な愛撫をして来たの。
「はぁん…。あぁん、だめ…っ」
私の漏らした声色に、彼の愛撫を拒否する意思は、微塵も無くって。
そんな私の耳元で囁いていた彼の口から伸びた舌が、私の耳たぶをなぞり出す。
反対の手が、下から持ち上げる様に支えると、私の胸を揉み始める。
彼の愛撫から、滾った牡の欲望を感じちゃって…。
それは、私の牝を焚き付けるのに充分だった。
女として反応しちゃう肉体と本能。
夫への背徳感。
性の快楽に対する欲望。
私の肉体と精神は、そんな色々な感情でもみくちゃになっちゃう。
「ねぇ…、いいだろ…?」
「う、はぁ…、あ。う、んん…っ、ダメェ…」
「このまま、ホテルに行こうよ…っ。」
「ね…っ?」
もう、私も彼も周囲が気にならなくなっちゃって、
バーの店内に居る事も忘れて、彼は私の肉体を弄んだのよ。
ショーツが観えちゃう位にワンピースを捲り上げられちゃって。
力なく私は、殆ど彼に身を任せていたわ。
「はいっ!!」
「そこまでですよっ!!」
強い語気でアヤカは、そう言うと私と彼の間を引き離した。
彼女は立ち上がり、強引に力ずくで私と彼の体を引きはがしたの。
「何やってんですか…っ!?シオリさんっ」
「悪酔いしちゃってますねっ!!」
「もう、帰りますよっ!!」
盛り上がった所を強引に引き離され、私と彼が呆然としている間。
アヤカはテキパキと帰り支度をすませ、私の尻を叩く勢いで退店を促してきたわ。
「もうっ!!こんな悪い遊びしちゃダメでしょっ!!」
「ちょ…、ちょっとぉ、アヤカぁ~っ」
「わかったっ、わかったからぁ…っ」
呆然自失する男を残して、私とアヤカはバーを出たわ。
店のドアを開け、雑踏とした夜の街中を歩き出したの。
「旦那さんが浮気してるからって…。」
「自分もしてイイ事にはなりませんからネッ!!」
私のハンドバッグを代わりに持って、アヤカは私をエスコートする。
酔いが回った私は、アヤカに支えられながら、ふらりふらりと歩いていたわ。
どうやら、自分が思っていたよりも深酒していたみたい。
「あ。アヤカ…、ごめんなさいネ。」
「ちょっと、悪酔いしてたみたい…。」
「いいですよ、気にしてませんし…。」
「貴女のサポートするのが、アタシの仕事なんでっ♪」
しょうがないなぁという風に苦笑して、アヤカは千鳥足の私と腕を組む。
そんな彼女の表情と仕草が、とても頼もしく感じて、
求められたままに私も、彼女の腕をシッカリと掴んだ。
「でも、困りましたね…。」
「え?なぁに…?」
「お酒飲んじゃいましたから、アタシ。」
「車の運転出来ないですよ。」
「シオリさんを自宅へ送れないですね…。」
「あら…。」
「まぁ、車は置いて行くとして…。」
「シオリさんは、タクシーで帰ってください。」
確かにアヤカの言う通り、タクシーを捕まえて帰るべきかしら…。
ここまで、尽くしてくれている彼女を残して、自分だけ帰るのも忍びないし…。
でも、車は時間貸し駐車場に停めたから、朝イチで回収したい。
女二人で、漫喫で時間を潰すのも…、少し不安だわ。
街の流れる雑踏の中、立ち止まって、二人してどうすべきか思案したの。
そして…。
「はい、はい…。」
「すみません、そうゆう事で…。」
「よろしくお願いします。」
アヤカはホテルに到着すると、今夜の事情を夫へ電話してくれたの。
ベッドの上で私は、スマホ片手に頭を下げているアヤカを肴にして、
途中で買ったカクテル缶を煽っていたわ。
室内は、都心のホテルとしては広く、大きなキングサイズのベッドがひとつ。
間接照明がムーデイな雰囲気で室内を照らしている。
隣にある浴室には、大きな窓が設置されていて、
ベッドから浴室内が丸見えになっていたの。
アヤカと私が転がり込んだ宿は、本来なら恋人同士が泊まるラブホテルだったの。
一番、近くて入れる宿がココしかなかったわ。
まあ、女二人だし…。
夫もアヤカから連絡を受けて、私が外泊しても浮気を疑う事はないでしょ?
スマホから耳を離し、疲れた様子でアヤカは私の隣へ座り込んだ。
彼女は猫の様に身を伸ばし、その先にあるガラステーブルに置いた缶チューハイを掴む。
そして、弾けるように体を戻し、そのまま流れる様に動いて缶チューハイを煽ったの。
「ぷはぁ…。もう、あんな男に捕まっちゃ、ダメじゃないですかぁ…っ!!」
「まったく…、悪酔いし過ぎですよっ、シオリさんっ!!」
「うふふっ、ごめんゴメンっ」
私は怒るアヤカの前で、彼女を両手で拝み、頭を下げたわ。
そして、苦笑いをしつつ、彼女の両肩を軽く揉んであげた。
「だめですよっ、そんなおべっか使ってもっ。」
「あのまま、雰囲気に流されて、Hしちゃったら…。」
「浮気している旦那さんに文句言えないですよ…っ。」
「もぉー…っ。」
「だからぁ、ごめんってぇ…。」
語気を強めていたアヤカの両肩を揉む手を強め、私は平謝りする。
私の肩揉みに身を任せつつ、アヤカは文句ごとお酒を煽って呑み込んだの。
夫に対して、いけないという罪悪感?
行きずりの男に体を預けている背徳感?
それとも、期待?
とにかく、私は彼に身を預けて軽く抱き合ったまま、
他愛の無いお話をしつつ、楽しい夜を過ごしていたの。
アヤカは私と彼のイチャついた態度に不満げだったけど、
何も文句を言わず、私の夜遊びに付き合ってくれていた。
彼は仲良くなろうと、彼女へ話題をふるけど、
アヤカはそっぽを向いて、そっけなく受け答えしている。
いつもだと、どんな時でもクールに対応して。
色々と私の世話を焼いてくれる彼女だけど。
普段は見られない、不器用なアヤカの仕草が可愛くて。
私もわざと、アヤカの目の前で彼とイチャついて見せてやったわ。
「どう…?」
「今夜、暇…?」
彼は私の耳元にキスする位に接近すると、そう囁く。
「あははっ☆くすぐっぁいっ♪」
「え~っ?なぁに…?」
私の耳に彼の息が吹きかかる。
泥の中で魚が身動きした様な、そんな感覚が私の背筋を奔っちゃう。
そんな刺激と雰囲気が私の女を目覚めさせて行く。
「お店を出てサ…」
「もう少し…ゆっくり出来るトコに行かないかぃ…?」
ゆるりっ、と私の肩へ置かれていた彼の手が、私の背中へ回ったの。
そして、巻き着く様に私の腰を抱えたわ。
彼の手は、私の腰の形を確かめる様に…。
いいえ、違うわ。
まるで舐める様に、ねっとりと彼の手が触れてきたの。
ざわざわと快感が、さざ波の様に私の肉体を駆けあがって、
女としての熱い感覚と本能が刺激されちゃう。
「ねぇ、いいだろ…?」
「あっ。駄目よ…っ」
「私ぃ…、夫も居るし…。」
私の腰に回している彼の手が、私が着ているマーメイドワンピースを手繰り始めて、
静々と裾を捲り上げようとしてきたわ。
「えーっ?」
「どうせ、旦那さん…」
「今頃、愛人とイチャついてるよぉ…。」
「あ。あぁ…。だめ、だめょぉ~…っ」
彼の手は私のワンピースを捲りながら、太ももへと這いまわる。
ぞろりっぞろりっ、とした快感が、私の肉体と精神に押し寄せてきちゃって。
抵抗しない私に、彼はより大胆な愛撫をして来たの。
「はぁん…。あぁん、だめ…っ」
私の漏らした声色に、彼の愛撫を拒否する意思は、微塵も無くって。
そんな私の耳元で囁いていた彼の口から伸びた舌が、私の耳たぶをなぞり出す。
反対の手が、下から持ち上げる様に支えると、私の胸を揉み始める。
彼の愛撫から、滾った牡の欲望を感じちゃって…。
それは、私の牝を焚き付けるのに充分だった。
女として反応しちゃう肉体と本能。
夫への背徳感。
性の快楽に対する欲望。
私の肉体と精神は、そんな色々な感情でもみくちゃになっちゃう。
「ねぇ…、いいだろ…?」
「う、はぁ…、あ。う、んん…っ、ダメェ…」
「このまま、ホテルに行こうよ…っ。」
「ね…っ?」
もう、私も彼も周囲が気にならなくなっちゃって、
バーの店内に居る事も忘れて、彼は私の肉体を弄んだのよ。
ショーツが観えちゃう位にワンピースを捲り上げられちゃって。
力なく私は、殆ど彼に身を任せていたわ。
「はいっ!!」
「そこまでですよっ!!」
強い語気でアヤカは、そう言うと私と彼の間を引き離した。
彼女は立ち上がり、強引に力ずくで私と彼の体を引きはがしたの。
「何やってんですか…っ!?シオリさんっ」
「悪酔いしちゃってますねっ!!」
「もう、帰りますよっ!!」
盛り上がった所を強引に引き離され、私と彼が呆然としている間。
アヤカはテキパキと帰り支度をすませ、私の尻を叩く勢いで退店を促してきたわ。
「もうっ!!こんな悪い遊びしちゃダメでしょっ!!」
「ちょ…、ちょっとぉ、アヤカぁ~っ」
「わかったっ、わかったからぁ…っ」
呆然自失する男を残して、私とアヤカはバーを出たわ。
店のドアを開け、雑踏とした夜の街中を歩き出したの。
「旦那さんが浮気してるからって…。」
「自分もしてイイ事にはなりませんからネッ!!」
私のハンドバッグを代わりに持って、アヤカは私をエスコートする。
酔いが回った私は、アヤカに支えられながら、ふらりふらりと歩いていたわ。
どうやら、自分が思っていたよりも深酒していたみたい。
「あ。アヤカ…、ごめんなさいネ。」
「ちょっと、悪酔いしてたみたい…。」
「いいですよ、気にしてませんし…。」
「貴女のサポートするのが、アタシの仕事なんでっ♪」
しょうがないなぁという風に苦笑して、アヤカは千鳥足の私と腕を組む。
そんな彼女の表情と仕草が、とても頼もしく感じて、
求められたままに私も、彼女の腕をシッカリと掴んだ。
「でも、困りましたね…。」
「え?なぁに…?」
「お酒飲んじゃいましたから、アタシ。」
「車の運転出来ないですよ。」
「シオリさんを自宅へ送れないですね…。」
「あら…。」
「まぁ、車は置いて行くとして…。」
「シオリさんは、タクシーで帰ってください。」
確かにアヤカの言う通り、タクシーを捕まえて帰るべきかしら…。
ここまで、尽くしてくれている彼女を残して、自分だけ帰るのも忍びないし…。
でも、車は時間貸し駐車場に停めたから、朝イチで回収したい。
女二人で、漫喫で時間を潰すのも…、少し不安だわ。
街の流れる雑踏の中、立ち止まって、二人してどうすべきか思案したの。
そして…。
「はい、はい…。」
「すみません、そうゆう事で…。」
「よろしくお願いします。」
アヤカはホテルに到着すると、今夜の事情を夫へ電話してくれたの。
ベッドの上で私は、スマホ片手に頭を下げているアヤカを肴にして、
途中で買ったカクテル缶を煽っていたわ。
室内は、都心のホテルとしては広く、大きなキングサイズのベッドがひとつ。
間接照明がムーデイな雰囲気で室内を照らしている。
隣にある浴室には、大きな窓が設置されていて、
ベッドから浴室内が丸見えになっていたの。
アヤカと私が転がり込んだ宿は、本来なら恋人同士が泊まるラブホテルだったの。
一番、近くて入れる宿がココしかなかったわ。
まあ、女二人だし…。
夫もアヤカから連絡を受けて、私が外泊しても浮気を疑う事はないでしょ?
スマホから耳を離し、疲れた様子でアヤカは私の隣へ座り込んだ。
彼女は猫の様に身を伸ばし、その先にあるガラステーブルに置いた缶チューハイを掴む。
そして、弾けるように体を戻し、そのまま流れる様に動いて缶チューハイを煽ったの。
「ぷはぁ…。もう、あんな男に捕まっちゃ、ダメじゃないですかぁ…っ!!」
「まったく…、悪酔いし過ぎですよっ、シオリさんっ!!」
「うふふっ、ごめんゴメンっ」
私は怒るアヤカの前で、彼女を両手で拝み、頭を下げたわ。
そして、苦笑いをしつつ、彼女の両肩を軽く揉んであげた。
「だめですよっ、そんなおべっか使ってもっ。」
「あのまま、雰囲気に流されて、Hしちゃったら…。」
「浮気している旦那さんに文句言えないですよ…っ。」
「もぉー…っ。」
「だからぁ、ごめんってぇ…。」
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