第3種接近遭遇 -宇宙人との接触について逆行催眠による調査報告-

悪魔ベリアル

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【資料A-02】

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「…え? ワタシ…?ですか…?」
長い髪を後ろでひとまとめにした髪型。
黒い縦縞の半袖なサマーセーター。
カーキ―色でゆったりとしたパンツ。
そんな、簡素なファッション。

胡粉を振った様な白い肌。
大きくは無いが、クッキリとした丸い眼。
スッと通った鼻筋。
年齢は20代半ばか後半、大人らしい綺麗な女性。

そんな女性は、少し緊張した面持ちでユウゾウ達の方へ顔を向けた。

彼女の名前は、西住アミリ。
ユウゾウ達とは、このバーだけの知り合いだ。
本当に少し、この場で会話を交わす程度の間柄。

「あれ? 随分、久しぶりじゃないか…?アミリさん?」
ユウゾウは思った事をそのまま口に出す。

「ぇっ…?ええ、そうですね、…一か月ぶりくらい…?もっとカナ…?」
落ち着きなく、視線を泳がしつつ、アミリが応える。
暗い店内で気が付かなかったが、彼女の眼の下にはうっすらとクマが見えた。

そんな探偵の目線で、彼女の様子を観察していたユウゾウ。
その間にマスターが、彼女へ声をかける。

「あー~…っ、そう言えば、僕もアミリさんを見かけたのは、久しぶりな気がする。
 相変わらず仕事が忙しいの…?
 前々から勤めている会社はブラック企業だって、言ってなかったっけ…?」
マスターもアミリと会うのは久しぶりな様子だ。

常連客のユウゾウですら、彼女がこの店で吐露する話題は、自身が勤務する会社の愚痴が多い事は知っていた。
何回か、彼女の貯まった鬱憤を吐き出す時、聞き役に徹した事もある。
あの時も、彼女は上司と反りが合わず、毎日残業続きだと嘆いていた。

「実は…、しばらく休職してたんです。私…。」
苦笑いしつつアミリは、自分の前にあったカクテルへ口をつける。

「えっ!? どうしたんだい? 病気…??」
マスターは心配そうにカウンターから身を乗り出す。
「前に、あまりに多忙で体調を崩して、救急搬送された事もあるんだろ?
 ついに、無理がたたったのかい…?」
マスターはそう言って心配したが、すぐに何かを思い出して、表情がパッと明るくなった。

「あっ♪あれか、結婚するんだっけ…?
 休職したのは、その準備か何か…?」
マスターは仕事を放棄して腰を据えると、アミリの様子を伺う。

「へぇ~、アミリさん、結婚するんだ★
 それは★ それは☆ おめでとうっ♪」
アミリの結婚話を初めて聞かされたユウゾウは、軽く手を叩く仕草をして彼女を祝福した。
それに対して軽く会釈しつつも、アミリの表情は正反対に曇っている。

「…いえ…。」
何かを言おうとして、彼女は口ごもる。
しばらく、目を伏せて思案に暮れていたが、ぽつりと呟いた。

「実は…、私の結婚話…、破談しちゃってぇ…。」
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