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第32話 仲間
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山道の途中で立ち止まりアサヒとマヒルは話を始めていた
ある程度移動して薄暗がりの場所だ、まだしばらくは時間があるだろう
「本当に兄さん……なんだよね?」
「多分な……」
「もう、兄さんとは会えないと思ってた……あの時死んだ者だと……」
「…… 悪いなあまり記憶がないんだ、ただ今はアサヒのことはわかる」
「…… 兄さんはここに何をしに来たの?」
マヒルは少し考えていた
「帰るつもりだ」
「まさか…… 本当に帰れるの?」
「アサヒはいない方がいい、ここは危険だ」
マヒルは立ち上がり上からアサヒを見つめた
「変わらないな……アサヒ」
アサヒは少し微笑んだ
「兄さんと離れてもう10年以上経つのに、変わらないはまずいでしょ」
子供のような笑顔でアサヒは話していた
アサヒはマヒルと離れ10年以上前に博士の施設に預けられた
「アサヒはここで何を?」
マヒルの質問にアサヒは黙り込んだ
「言いづらいのか?」
アサヒの肩に手を置いた
「俺に関係してることだな?」
アサヒはマヒルの顔を覗き込んだ
「俺を気にすることはない……アサヒが思った通りにやるんだ」
「無理だよ……」
「いつかな…… ゆっくり、本当にゆっくり会うことが出来たら、ちゃんと話がしたいな」
アサヒはマヒルが言ってしまうような予感がし、とっさに反応した
「兄さん! エレメンツは? あいつはまだいるの?」
「俺はまだ、あいつに狙われてる……」
「エレメンツはまだ残ってる……」
アサヒは何も言えなくなった
「悪いな時間だ……」
マヒルの言葉とともに、黒いオーラがマヒルの前に舞い上がってきた
「マヒル、知り合いがいたんだね? 」
「…… 偶然です ……」
そこにいたのはカクミと対峙した子供だった
黒いオーラが立ち込めミュウも現れた
「見つけた、マヒル様…… って、管理者様も来てる!!」
管理者と呼ばれていた子供はマヒルに近寄った
「準備できたよ、やれるよね?」
マヒルの目から光が消えた
「はい……」
機械のように無機質な返事だった
「兄さん……」
マヒルはアサヒの方を見た
「やっぱり、俺のことは忘れてくれ…… 少しだけど会えて嬉しかった……」
マヒルは子供に触れられた
黒いオーラがマヒルを包み込んだ
卵のような形で黒いオーラがマヒルを囲み動かなくなった
「兄さん!」
アサヒは叫んだが卵からは何も反応がなかった
兄弟なんていたのか……
子供はアサヒを冷めた目で見ていた
卵が収縮し、マヒルが外に出てきた
アサヒはマヒルの姿に息を飲んだ……
黒かった髪は銀色になり、目の色も白く、生気を感じない
もう、自分の知ってる兄さんじゃない…… アサヒはそれを感じ取った
「アサヒ!」
シンド達がアサヒに追いついてきた
シンド達はアサヒ近づくとすぐに、アサヒをフォローするように、フォーメーションを組んだ
「アサヒの兄貴、随分雰囲気変わったな……」
「そもそも、アサヒも変わっちゃってよくわからないけどね」
「おいアサヒ! 後で全部説明してもらうからな」
ライアはいないが、シンド、アレフ、ニールがいつも通りの軽口でアサヒを庇った
「なんで…… 俺なんかを庇う……」
アサヒには3人の行動が理解できなかった
散々身勝手をし、なんども忠告も無視していたはずの自分を庇ってくれたのはなぜなのか……
「喋るようになったと思ったらくだらない事を言うんだな」
ニールが言い捨てた
「あんまり、多くを語ってもヤボだろ、ここは俺らも協力する」
少し間を置いたあと、アサヒは息を飲み込んだ
「ありがとう」
その言葉に3人は口角を上げた
「アサヒもそんな言葉言えるんだね」
ニールは嬉しそうにアサヒを見つめた
「で、どうするんだ? 相手は多分俺らより上だぞ……」
「気を使いながら戦うなんて無理だろうな」
アサヒは少し悩んだ末にマヒルに向かって構えを取った
「戦おう、ただ俺達も相手も死なない事が理想だ……」
アサヒの言葉にシンド達も構えを取った
「ターゲットかもしれないんだ、本当は殺さないといけないんだけどな」
「博士にはいつも通りうまく言えばいいだろ」
その姿を子供も見ていた
「マヒルの弟君達、邪魔してきそうだよ」
「わかりました」
子供の簡単な一言でマヒルは、シンド達に向かい動きだした
来た マヒルが向かってきたことにシンド達が気付いた
「やるぞ」
手加減はできない、まずはニールがオーラをみなぎらせていた
ニールは足でシールドを作るのではなく、全身にオーラを充満させていた
これが俺の奥の手だ
そう言わんばかりに、ニールはオーラを溜めた
シールドを作る時は自分以外を守るためオーラを分散させるが、ニールの奥の手は自分自信の守りを最大限に高め、最高の防御力を作る
シンド達も知らない味方の守りを担当するニールの最大の技だった
「ニール、すごいオーラだ」
ニールの普段とは違うオーラに思わずアレフの言葉が漏れた
「みんなで生きて帰るからな」
ニールの決意の言葉だった
マヒルがゆっくりと近づきニールの前にまで来た
ニールは腕を交差させ、守りの姿勢になった
いつでも来い!
ニールはなんでも守りきる構えでいた
マヒルは腕を上から下に振った
単純ななんでもない動作に見えた
ブシュッ
ニールは前身を刀で斬られたような痕ができ血が噴き出した
バカな……
ニールの奥の手は簡単に破られた
シンド達は何が起きたのかすら分からなかった
ある程度移動して薄暗がりの場所だ、まだしばらくは時間があるだろう
「本当に兄さん……なんだよね?」
「多分な……」
「もう、兄さんとは会えないと思ってた……あの時死んだ者だと……」
「…… 悪いなあまり記憶がないんだ、ただ今はアサヒのことはわかる」
「…… 兄さんはここに何をしに来たの?」
マヒルは少し考えていた
「帰るつもりだ」
「まさか…… 本当に帰れるの?」
「アサヒはいない方がいい、ここは危険だ」
マヒルは立ち上がり上からアサヒを見つめた
「変わらないな……アサヒ」
アサヒは少し微笑んだ
「兄さんと離れてもう10年以上経つのに、変わらないはまずいでしょ」
子供のような笑顔でアサヒは話していた
アサヒはマヒルと離れ10年以上前に博士の施設に預けられた
「アサヒはここで何を?」
マヒルの質問にアサヒは黙り込んだ
「言いづらいのか?」
アサヒの肩に手を置いた
「俺に関係してることだな?」
アサヒはマヒルの顔を覗き込んだ
「俺を気にすることはない……アサヒが思った通りにやるんだ」
「無理だよ……」
「いつかな…… ゆっくり、本当にゆっくり会うことが出来たら、ちゃんと話がしたいな」
アサヒはマヒルが言ってしまうような予感がし、とっさに反応した
「兄さん! エレメンツは? あいつはまだいるの?」
「俺はまだ、あいつに狙われてる……」
「エレメンツはまだ残ってる……」
アサヒは何も言えなくなった
「悪いな時間だ……」
マヒルの言葉とともに、黒いオーラがマヒルの前に舞い上がってきた
「マヒル、知り合いがいたんだね? 」
「…… 偶然です ……」
そこにいたのはカクミと対峙した子供だった
黒いオーラが立ち込めミュウも現れた
「見つけた、マヒル様…… って、管理者様も来てる!!」
管理者と呼ばれていた子供はマヒルに近寄った
「準備できたよ、やれるよね?」
マヒルの目から光が消えた
「はい……」
機械のように無機質な返事だった
「兄さん……」
マヒルはアサヒの方を見た
「やっぱり、俺のことは忘れてくれ…… 少しだけど会えて嬉しかった……」
マヒルは子供に触れられた
黒いオーラがマヒルを包み込んだ
卵のような形で黒いオーラがマヒルを囲み動かなくなった
「兄さん!」
アサヒは叫んだが卵からは何も反応がなかった
兄弟なんていたのか……
子供はアサヒを冷めた目で見ていた
卵が収縮し、マヒルが外に出てきた
アサヒはマヒルの姿に息を飲んだ……
黒かった髪は銀色になり、目の色も白く、生気を感じない
もう、自分の知ってる兄さんじゃない…… アサヒはそれを感じ取った
「アサヒ!」
シンド達がアサヒに追いついてきた
シンド達はアサヒ近づくとすぐに、アサヒをフォローするように、フォーメーションを組んだ
「アサヒの兄貴、随分雰囲気変わったな……」
「そもそも、アサヒも変わっちゃってよくわからないけどね」
「おいアサヒ! 後で全部説明してもらうからな」
ライアはいないが、シンド、アレフ、ニールがいつも通りの軽口でアサヒを庇った
「なんで…… 俺なんかを庇う……」
アサヒには3人の行動が理解できなかった
散々身勝手をし、なんども忠告も無視していたはずの自分を庇ってくれたのはなぜなのか……
「喋るようになったと思ったらくだらない事を言うんだな」
ニールが言い捨てた
「あんまり、多くを語ってもヤボだろ、ここは俺らも協力する」
少し間を置いたあと、アサヒは息を飲み込んだ
「ありがとう」
その言葉に3人は口角を上げた
「アサヒもそんな言葉言えるんだね」
ニールは嬉しそうにアサヒを見つめた
「で、どうするんだ? 相手は多分俺らより上だぞ……」
「気を使いながら戦うなんて無理だろうな」
アサヒは少し悩んだ末にマヒルに向かって構えを取った
「戦おう、ただ俺達も相手も死なない事が理想だ……」
アサヒの言葉にシンド達も構えを取った
「ターゲットかもしれないんだ、本当は殺さないといけないんだけどな」
「博士にはいつも通りうまく言えばいいだろ」
その姿を子供も見ていた
「マヒルの弟君達、邪魔してきそうだよ」
「わかりました」
子供の簡単な一言でマヒルは、シンド達に向かい動きだした
来た マヒルが向かってきたことにシンド達が気付いた
「やるぞ」
手加減はできない、まずはニールがオーラをみなぎらせていた
ニールは足でシールドを作るのではなく、全身にオーラを充満させていた
これが俺の奥の手だ
そう言わんばかりに、ニールはオーラを溜めた
シールドを作る時は自分以外を守るためオーラを分散させるが、ニールの奥の手は自分自信の守りを最大限に高め、最高の防御力を作る
シンド達も知らない味方の守りを担当するニールの最大の技だった
「ニール、すごいオーラだ」
ニールの普段とは違うオーラに思わずアレフの言葉が漏れた
「みんなで生きて帰るからな」
ニールの決意の言葉だった
マヒルがゆっくりと近づきニールの前にまで来た
ニールは腕を交差させ、守りの姿勢になった
いつでも来い!
ニールはなんでも守りきる構えでいた
マヒルは腕を上から下に振った
単純ななんでもない動作に見えた
ブシュッ
ニールは前身を刀で斬られたような痕ができ血が噴き出した
バカな……
ニールの奥の手は簡単に破られた
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